HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

LET ME FOLLOW YOU DOWN

2016-11-28 00:39:00 | ROCK

ブルース・スプリングスティーンの2016年のコンサートは全部で75公演が
行われた。その全てが録音されCDRとしてオフィシャル・リリースされている。
7月のヨーロピアン・レグの後半の商品化が遅れていたのだが、もうじき届くであろう
9月のスタジアム・レグに続いて発送されるだろう。

今現在私の手元には51公演分のCDRがあり、残る24公演の到着を待っている状態
なのだが、正直に言って手元の51公演中まだ10数回分が未聴である。何せほとんどの
公演が3時間なのだ。年内に一度は全て聴くつもりだが、これは何だか宿題が山積みの
ようで精神衛生上良くない。昨日のデッド絡みの記事で同じようなことを書いたが、好きな
ミュージシャンのオフィシャル盤を買うことが若干の苦痛に変わり、更にはそれを
心の奥底で気持ちよく思っている(多分)としたら、私は真正のドMかもしれない。(笑)

更に2017年にはオセアニック・レグとして14公演が確定し、更には公演地は未定ながら
SUMMER'17と銘打たれたツアーも予定されている。男はつらいよ。(笑)

掲載写真はボブ・ディランが66年に行った23回の演奏を36枚のCDに収録した
「THE 1966 LIVE RECORDINGS」。完全収録でない日やオーディエンス録音しかない日も
含めてあるだけ詰め込んだというところだろうが、ブートレグを集めるくらいならこれを
手元に置いておいた方が金銭的にも楽だし何よりオフィシャル盤なのでスルーはできない。

この箱について不満なぞあろうはずもなく、リリースが実現しただけで快挙だと思う。
50年前の会場録音は流石に今の耳だと厳しい音質であるが、隠密録音のブートレグを
散々聴いてきた身には途中のテープが切れたり始まったりする時のキュルキュルという音さえ
愛おしい。(嘘)ま、それは36枚中5枚くらいで、残りのほとんどはサウンドボード
或いはレコーディングを前提にしてCBSが正式に行った録音なので普通に聴くことができる。

この量を前にどの日の演奏が素晴らしいなんていうほど聴きこんだわけではないが
それでも、ブートレグで文字通り愛聴しオフィシャルの「BOTLEG SERIES VOL.4 LIVE
1966」でリリース済みのマンチェスター公演と本物のロイヤル・アルバート・ホール公演を
手軽に取り出して聴き比べることが出来るのは大きな喜びである。

それにしても、ここで疑問なのは66年の演奏をひとまとめにして商売するのなら、
昨年無料ダウンロードできた65年の演奏曲全208曲も箱にすればいいのに、ということ
であるが、まあそれはいろいろあるのだろう。今回、音質いまひとつのオーディエンス録音
まで世に出したということは、66年という年はディランにとって特別な年ということ
なのかもしれない。

あるだけ全部を聴くことができるのは贅沢の極みだが体力の消耗も著しい。
私の体力と金銭的余力が残っているうちに75年と76年の演奏をあるだけ出して欲しい
ものだ。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

好きこそ物の上手なれ

2016-11-27 04:38:50 | DAY BY DAY

毎年お約束のグレイトフル・デッドの「DAVE'S PICKS」シリーズの年間予約の
時期が来た。実の処、もういい加減飽きてきている。いや飽きているというのは正確
ではない。満腹状態なのだ。年4回届く3枚組CDをそれ程熱心に聴いていないのが
正直なところで、単純に好きなバンドのオフィシャル物を逃したくないという義務感の
方が先立っている。

取りあえずオーダーしようといつもの調子でHPにアクセスして注文画面に行ったのだが
あれあれ、国名のJAPANが選択できない。これは困った。キプロスとかウルグアイは
選択できる(笑)のに、何故日本が選択できないんじゃぁと焦る。因みにアルゼンチンや
中国も選択できない。(笑)

はて、日本人には売れないということなのか。中国人の観光マナーの悪さが取りざたされる
昨今であるが日本も中国と同じくらい容認できない何かがあるのか、等とつまらないことが
頭を駆け巡る。「ああ、もうここいらが潮時かな。でも、年に1回は出る大箱も買えない
ことになると辛いな。」

足りない頭で悪戦苦闘(笑)して、ふとブラウザを変えてみようと思いたち実行すると
簡単に問題は解決。なんてことはなかった。元々機械やPC関連には疎いが自分の
間抜けをまたも思い知ることになる。しかし、勢いづくと止まらない。

 来年からこんなのも始まるようだ。
来年から数年かけて27枚の7インチをリリースするようで、2017年は4枚の
7インチがリリースされる。おお、これは盛り上がってきましたよ。

DAVE'S PICKSと7インチ・シリーズを購入すれば、1年12か月の内8か月は
デッドのHPから何かが届くということになる。これは嬉しい。

来年はもう少し性根を据えてグレイトフル・デッドを聴くことにしよう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

THE NEW WAVE OF JAZZ IS ON IMPULSE !

2016-11-26 22:21:30 | JAZZ

テレビを見ると音楽を時間が削られてしまうのだが、それを承知でドラマや映画とは別に
旅番組とか語学番組もたまに見ることがある。勿論、それが面白いからである。
バラエティー番組はほとんど見ない。あ、それはいいか。(笑)

今は「旅するスペイン語」を毎週楽しみに見ている。「旅する」と番組名にあるように
スタジオ内での語学学習ではなく実際にスペイン各地を回りながら言葉や日常会話の常套句を
覚えるという内容なので、観光スポットや歴史的建造物を巡る旅番組でもある。
ユーロ圏では4つの国それぞれを別な俳優が旅しているのだが、スペイン語番組は
内容が明るく面白いので何となく見ている。テキストを買って語学を勉強するという本来の
見方とは全く違う楽しみ方をしているのだけど。

スペイン語は感嘆文だと文章の前にひっくり返った「!」が付き、文末にも「!」が付く。
これが疑問文なら同じように文の前後に「?」が付く。感嘆文の前後に付いた「!」を
見た時、即座に浮かんだのが「impulse!」の文字であった。
おお、壮大な前振り。(笑)

掲載写真はインパルスに残された多くのアルバムから選ばれた25枚のCDが収納された
ボックス「impulse! 1961-1974」。一応各販売店のHPではそういう表記がされて
いるが、ボックスやライナーの何処にもそんな文字は記されていない。数ある盤の中から
何故この25枚なのかわからないのだが、門外漢にとっては嬉しい企画である。
私は5700円で購入したのだが多少の所持盤とのダブりはあるとはいえ、アルバム1枚
あたり230円ほどなのだから、未聴の盤を一気に聴くいい機会である。

  
  
さすがにコルトレーンやロリンズ、キース・ジャレットやガトー・バルビエリ辺りは
所持しているが、例えば掲載写真の盤までは私のようなロック者だとなかなか辿り着けない
のが常なので。

収録された25枚の盤は全てオリジナル盤通りの収録曲数なので、各盤が再発された時に
ボーナス・トラックが付いた盤があったものも、そういった曲は未収録。
インパルスと言えばゲートフォールドの豪華なジャケットが思い浮かぶが今回は
ペラペラの紙製ジャケットでしかもリア・ジャケットは全て統一されたデザインで
タイトルと曲目とパーソネルが記されている。こういった処は熱心なファンには
受け入れ難い部分だと思うので、やはりこの箱は私のような門外漢や初心者向きと
言えるかもしれない。

それにしては渋い選盤とも言える。CDの時代になって日本でのインパルスのカタログの
売り方がどうだったかは思い起こせないが、私個人の中ではインパルスはコルトレーン
以外だと、アルバート・アイラーやアーチー・シェップ、ファラオ・サンダースの
イメージが強く、またそういった盤を聴いてきたので、その3者が全て収録されていない
というだけで「渋い」と思ったりする。あ、それは私が偏った聴き方をしてきたからか。(笑)
そういえば、ガボール・ザボも1枚も選ばれていない。

掲載写真のディジー・ガレスピーの盤なんてこういう機会でもないと手にしないのだが
CDをセットしていきなり飛びててくる「音」にビビりましたよ。(笑)

今回のようなインパルスの組物は数年前に発売のアナウンスがあって予約をしていたが
発売中止になりがっかりしたものだが、今年になって登場したことを喜んでいる。
去年、インパルスのカタログの中から50枚の盤が選ばれ廉価の1000円でリリースされ
私もその中から10枚ほど購入した。廉価故の限定盤だったこともあって早々に
完売したのだが、その時に購入しそびれたロイ・ヘインズやトム・スコットの
盤を手元に置けるという、ほんの少しの喜びを大事にしたい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

PROPAGANDA

2016-11-23 18:24:39 | 日本のロック・ポップス

昨日の地震は、私が住んでいる地域だと「いつもより少し大きな揺れ、ただし少し
長い」という感じであったが、NHKのテレビ画面に釘付けになった。写真は適当に
拾ってきたものを張り付けているが、警告文字が平仮名であるのが異様な雰囲気である。
短い言葉で尚且つ誰でも読めるであろう言葉で警告するというのは、過去の経験から
採られたことであると思う。凄いことだと思うと同時に個人的には思わぬインパクトを
残された。「逃げて」が「にげて」になっただけで恐怖心が増したのだから。

誤った情報に踊らされるな、とタイマーズは聴き手を煽ることがあったが、日常生活に
おいて様々な場面で取捨選択を迫られる私たちは、例え遊び半分であったとしても
タイマーズが投げかけたメッセージを気に留めておかねばならない。

 89年にリリースされたタイマーズの
ファースト・アルバム「ザ・タイマーズ」が2枚のCDと1枚のDVDの3枚組
スペシャル・エディションで登場した。公式初登場となるDISC2の10曲は
昔カセットテープで海賊版のような形で流通したもので、私も音の劣化したコピーを
聴いたことがある。そこにはもっと多くの曲が収録されていたのだが、とりあえず
いい音(笑)で聴くことができるのは嬉しい。『原発賛成音頭』のスタジオ録音も
入っていたように記憶するが、今回は未収録。その曲はDVDに収録された演奏で
見ることができる。

タイマーズのTV出演で話題になったのは89年10月のCX「夜のヒットスタジオ
R&N」での出来事であった。リアルタイムで見ていた私もあまりの内容に驚き
ひっくり返ったのだが、今冷静に振り返ると私の中での嫌味な打算の心が働いてしまう。

大きな話題になり喜んだ人もいただろうが、尻拭いに回った人のことを考えてしまう
からだが、それはそのまま職場での私のポジションがそのようなものに成りつつあり
「俺はつまらないなぁ。」なんて思ってしまうからなのだろう。できれば話題を利用して
儲ける側になりたいなぁなんて思ったり。

また、首謀者のゼリーのような知名度あるいは「価値」のある人でなかったら、速攻で
抹殺されていたかも、なんて思うこともある。タイマーズのゼリーと忌野清志郎は別人
であることを常に言い続けていたのは戦略的に正解であった。タイマーズとしての暴挙で
TV局への出入りが禁止になっても清志郎としての出演は可能であったのだから。
不倫をして話題になった人がいたが、不倫をしたのは実生活上の名前の人格で
バンドマンとしての名前(芸名)の人とは別人である、なんて釈明をしたら果たして
どうなっていただろうか。

ああ、つまらないことをダラダラ書いてしまった。(笑)
タイマーズが出した3枚のアルバムと1本のビデオはどれも私の中で痛快で面白い音で
あった。それは今も変わらない。そんな中に更に1セットのコレクションが加わった
ことを素直に喜び愛でている私がいるのは間違いない。

歌い飛ばしたトピカル・ソングを今聴いても面白い、というのは凄いことなのだ。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

48 YEARS LATER

2016-11-22 23:23:27 | SOUL

掲載写真はオーティス・レディングの6枚組CD「LIVE AT THE WHISKY A GO GO
THE COMPLETE RECORDINGS」。66年4月8日から10日までの3日間に
行われた7回のライブ(1日2セットが基本だが、9日は3セット)を文字通り
完全収録しているのだが、ここまでくるのに48年かかったことになる。

      
最初に出たのが掲載写真左の盤で68年のリリース。67年に逝去したオーティスの
死を悼んでか金儲けのためか68年には3枚のアルバムが出たのだが、そのうちの1枚で
初めて聴いた時はジェームス・ブラウン・カバーが収録されているのに燃えた。(笑)

82年に没後15周年かどうか知らないが「ビッグ・オー未発表ライブ」なんて邦題の下
リリースされたのが掲載写真右の盤で、68年盤とはダブらない録音。何故か1曲目の
タイトルが『DESTINY』とされていて、これはセカンド・アルバム「SINGS SOUL
BALLADS」収録の『YOUR MAN AND ONLY MAN』と同曲。

え~、ここまでは後追い。(笑)ここからはリアル・タイム。(笑)

      
02年に出た掲載写真左の盤は82年のLPに3曲追加してCD化されたもの。
10年に出た掲載写真右の2枚組CDは4月9日のセット3と4月10日の2回の
セットを収録していて、ここまで出来るのに何で全部まとめないのかと若干イラついた。
ジャケットのデザインも好みではないし。

そして、遂に3日分7セット全ての録音が登場である。LPの時代では考えられなかった
ことがCDの時代になり少し変わって、CDの時代が二回りも三回りもして最後の
回収手段というわけではないだろうが、少しはそういうニュアンスもあるのかも。
いやいや、全然構いませんよ。フーやストーンズなら6,7回買い替えさせられた盤が
ありますから。(笑)

ボブ・ディランなんか36枚組ですから、6枚組なんてヘッチャラです。
それは関係ないか。(笑)

半ば自虐的な個人史ではあるが、最初に好きになったソウルマンであるのだから
これからも何度も聴いて、そのうちの何回かに一度くらい高校二年の夏を思い出したり
することに決めた。

SAD SONG IS ALL I KNOW .

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

HAVANA MOON

2016-11-19 09:39:15 | ROCK

掲載写真はローリング・ストーンズが今年の3月25日にキューバの首都であるハバナで
行ったフリー・コンサートを収録した映像「HAVANA MOON」。今回も例によって
様々な組み合わせで発売されたが、私はブルーレイ&2CDの日本版を購入した。

物によってはドキュメンタリー映像を添付したブツもあったが、それが著しく高額で
あったので見たいのは山々だが「どうせ後でリリースされるだろう、できれば先行発売に
無かった特典映像満載でお願いしたいね。」なんて思いながら通常ルートで購入できる
これを手にしたというわけである。

映画としての公開が前提だったので本編ディスクに収録されている映像からは、数曲が
オミットされているが、オミットされた曲は全てボーナス映像で収録されてあるのが
嬉しいし、CDは全曲収録なのでコンサートの流れを把握するのに便利である。

最早、ストーンズが何をしようと音を出していれば、動いていればそれだけで何の注文も
文句も言う気は無いので、こういった映像や音が商品としてしっかりリリースされる数が
多ければ多いほど幸せである。そこにはロックが果たしてきた批評眼や反抗精神なんてものは
微塵も無いのだが、文化財とはそういうものである。私はストーンズには甘い。

今度出る予定のブルーズ・カバー集も楽しみなのだが、「構想50年、録音3日」という
多分日本だけでかもしれないが、こういう売り文句には嗤ってしまうのだけど。

昨日はブラック・サバスを取りあげた際に過去のレコードのライナーの事について触れた。
今思い返してもストーンズ関連のLPやCDのライナーにはろくなものが無かった。
それが覆されたのは、寺田正典氏が筆を執るようになってから、という印象が強い。
今回の「HAVANA MOON」も氏による大量の文字を読みたいが故に日本版を購入した。

ストーンズとその周辺の事柄だけでなく、キューバの歴史や政治の変遷やストーンズが
演奏した曲が世に出た当時の世相まで書かれていて、不勉強な私には非常に役立った。
ネット時代ということを差し引いてもリサーチにかけた時間はかなりのものだろうし、
大量の枠を与えられたからといって、あそこまでの内容を簡単に書けるとは思わないので
尚更、その労力に感謝したい気持ちになる。

さて、昔のライナーはくだらないものが多かったと書いたが、感銘を受けたものもある。
それ程多くない情報の中で書かざるを得ない状況だったか、氏が経営する会社が発行する
雑誌の体質か今となってはどちらでもいいが、アルバム内容にほとんど触れないながらも
渋谷陽一氏が書いた86年のアルバム「DIRTY WORK」のライナーは今でも好きだ。

そこにはストーンズの音楽を言葉で分析できないことに対するもどかしさが書かれてあり
それは「幸福な敗北感」と表現されていた。

あれから30年も経っているのに、私は今も「幸福な敗北感」に打ちひしがれている・・・。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

PARANOID

2016-11-18 21:21:16 | ROCK

こう見えて(どう見えて?)70年代のブラック・サバスのアルバムはそれなりに
所持している。大抵は80年頃に再発された日本盤の廉価LPであるのだが、実は
この時代のこの手の音楽の日本盤ライナーがけっこう好きである。(笑)

今と違って情報量は少ないので推測で書いた文章や誤った情報もあるが、それでも
内容が熱いのだ。つまり、レコードを買った人が聴きながら読むであろうライナーの
そこかしこから「貴方が手にした盤は凄いのだ、良い盤なのだ、格好いいのだ。」みたいな
気分が伝わってきて意味もなく盛り上がってしまう。

多分これは私が熱心に追いかけているバンドやジャンルでないから、面白く思えたり
納得したりしているだけなのかもしれない。事実、ほとんどのローリング・ストーンズの
再発LPや何やらに付いているライナーを面白く思ったことがほとんどないのだから。
サバスの熱心なファンが昔のLPに添付されたライナーを今読むと「つまらないライナーだ」
と思っても不思議ではない。

この温度差が私がLPで聴くことで満足し、幾多の再発CDを購入しなかった理由と言えば
そうなのだろう。しかし、今回は何故か掲載写真の4枚組CDを手にしてしまった。(笑)

       

「PARANOID SUPER DELUXE」と銘打たれ4枚組CDは71年リリースの「PARANOID」
73年にミックスされ74年にリリースされた同盤のQUAD MIX、そして70年の
ブリュッセルとモントルーでの演奏を捉えた2枚のライブ盤で構成される。

おそらく、この箱は熱心なファンからは中途半端と言われるかもしれない。09年に出た
3枚組DX盤(1枚はDVD-AUDIO)に収録されていたインストやオルタネイト集が
今回は未収録であること、70年10月3日のブリュッセル公演はTVプログラムとして
撮影されており、今回の登場が音声のみで映像の完全版が出なかったことがその理由で
ある。熱心にブートレグを集めなかった私にしてみれば、とりあえずはこれでも全然OK
なのだが、ブリュッセルの音を聴いて流石にこれは「70年のパリ」として通っている
日の音だと判ってしまった。

ブックレットは綺麗に作られてあり、各国のレコード・ジャケト写真も豊富。
それほど場所塞ぎにもならないので、ライブ盤とDVD-AUDIOではなく初CD化された
QUAD MIX目当てにこの箱を手にするのも一興である。

ところで、私はこう見えて(どう見えて?)70年代のホワイトスネイクのアルバムは
それなりに所持している。以下略・・・・・。次回には続かない。(笑)

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追悼 レオン・ラッセル

2016-11-14 21:31:15 | ROCK

11月13日レオン・ラッセルが74歳で逝去した。心臓を患っていたようであるが
何とも残念である。スタジオ・ミュージシャンとしての積み重ねや最初のソロ・デビューで
成功できなかったという経験があったからこそ成し得た「シェルター」レーベルの設立や
自身の周りのミュージシャンを巻き込んでの一座としての活動は、時代性もあろうが
当時のロックの中での一大潮流であったのは間違いない。

私が最初にレオンを意識したのは、レコードではなく映像であった。
「バングラデシュ難民救済コンサート」を見た時の異様な風貌とストーンズ・カバーの妙で
気に留めることになり、数枚の盤を聴いた後にDVDで見た「MAD DOGS & ENGLISHMEN」
でのバンマスぶりに痺れたものだ。

ボブ・ディランの『戦争の親玉』をアメリカ国歌のメロディーにのせてカバーするという
強烈な皮肉も忘れることはできない。

R.I.P.

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

THE EARLY YEARS 1965 - 1972

2016-11-13 18:09:57 | ROCK

発売のアナウンスを読んで、その高額な値段を顧みずすぐさまオーダーして手元に届くのを
楽しみにしていたのがピンク・フロイドの27枚組ボックス「THE EARLY YEARS 1965 -
1972」であった。正確には7インチが5枚添付されており、尚且つ発売時には予定が
なかった「LIVE AT POMPEII 2016 MIX」のCDが誤って封入されていたので33枚組と
いってもいいかもしれない。

 

これだけの内容を前にどこから手をつけるか尻込みしつつも、まずは映画のパートを除くほぼ
全ての映像を見たい時代順に(笑)見ることにした。同梱されているブルー・レイとDVDは
全く同じ内容なので無駄なように思えるが、今回は「どちらかがダメになった時のバックアップ」
と思えば気が済むように思えた。つまりは、それくらい貴重な映像のオン・パレードで
あったということである。

とはいっても、フロイドの映像はファンには有名な「HARVESTED」が編集したDVDが
裏モノで出回っていたので見たことがある映像が結構あったという人もいるだろう。
それでも、それらが可能な限り修復されて綺麗な状態で見ることができるようになった
意義は大きい。タイム・コードも消えているし。(笑)
期待の箱根アフロディーテや70年のハイド・パークでの『ATOM HEART MOTHER』の
映像がブートレグ起こしのような画質のものだったのは残念だが、内容の貴重さ故にここに
まとめられたことを喜ぶべきだろう。

個人的に一番驚いたのは69年10月25日のベルギーでのフェスの映像である。
この時の音はブートレグとして出回っているのだが、映像を4曲分も見ることが
出来るとは・・・。この日はフランク・ザッパが飛び入りしたことで有名なのだがFZの
雄姿もしっかりと確認できる。FZとフロイドの共演をオフィシャルで見ることが
できるなんて・・・。因みにFZは翌日のブロッサム・トゥーズのステージにも
参加していて、この時の模様はブロッサム・トゥーズのCDで聴くことができる。

CDも最初の数枚を聴いたのだが、BBCライブや69年9月のアムステルダム等
これもブートレグで馴染んでいたものが最良の音質で登場したのが嬉しい。
「THE MAN」と「THE JOURNEY」の二つの組曲を試していた時期のアムステルダム
公演はフェイバリット音源の一つだっただけに、これは本当に嬉しい。

去年のブラック・フライデイで超限定盤で登場し、その直後にとても手が出る値段じゃない
くらいに高騰した2枚組7インチに収録されていた65年の録音がCD化されたのも
特筆すべきだろう。

このボックスの仕様について難を言えば、箱が大きすぎること(笑)だろうか。
同日に届いたボブ・ディランの36枚組がコンパクトで場所塞ぎにならないので尚更
そう感じたのだが、フロイドのほうは7インチも収納しているから少々大き目なのは
仕方ないのだが、それにしても場所塞ぎだ。(笑)
何れにせよ、この箱をこの先も愛で続けるのは間違いないけれど。

そうすると気になるのが続編なのだが、映像の数が乏しくて優良ブートレグ総ざらえ
みたいな感じになっても全く構わないので是非とも出して欲しいものだ。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追悼 りりィ

2016-11-12 11:20:59 | 日本のロック・ポップス

11月11日肺癌により、りりィが64歳で人生の幕を下ろした。

近年も音楽活動を続けていたが、どちらかというと俳優のイメージが強く残っているのは
私がテレビばかり見ているせいかもしれない。
72年の映画「夏の妹」は栗田ひろみを主役に据えた作品であったが、当時20歳であった
りりィも出演しており、その不思議な美しさに見入ったことを妙に覚えている。

有名なヒット曲もいいが、多くの名うてのミュージシャンが参加した70年代の
数あるアルバムをよく聴いたものだ。

安らかに・・・。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

DEATH OF A LADIES' MAN

2016-11-12 10:47:12 | ROCK

       

散々酔っぱらって家に帰り、遅く起きた朝に遅れて訃報を知ると自分が何だか
ひどく間抜けに思える。唯一の救いはその死が昨日の出来事でなかったことか・・・。

11月7日レナード・コーエンが82歳で息を引き取った。
コーエンが残したアルバムはそれほど多くはないが、そのどれもが充実していて
日本盤に添付された訳詞を追いかけながら聴いていても結局はコーエンの声の魅力に
惹きこまれていることに気付く。近年は精力的なコンサートの成果をライブ盤で届け続け、
今年はスタジオ録音の新作をリリースしたばかりであった。

それにしても。デビュー・アルバムが黒く縁取られた遺影のようなジャケットであった
ことに奇妙な感覚を覚えたが、新作も意匠こそ違うが偶然とはいえ出来過ぎている。

R.I.P.

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Sa vie , sa musique et ses femmes.

2016-11-06 21:22:33 | DAY BY DAY

昨日は「あぁ、今年は没後10周年か。」なんて思いながらDVDで映画「ジェームス・
ブラウン~最高の魂を持つ男」を見た。私はすぐに影響されやすい(笑)ので、映画を
見ながら「見終わったらJ.B.の盤をしこたま聴こう」なんて考えていた。

ところが、最近は歳のせいか忘れるのも早い。PCで何か検索しようと思って画面に
文字を打ち込もうとして、その瞬間に違うことが頭をよぎるとその事柄を検索してしまい、
検索後に「あれ、その前には何を検索しようと思っていたっけ?」となる。
つまり、思い出せないのだ。(笑)どんだけ爺なんだろうと落ち込むことには慣れたけど。

で、映画を見終わって次にしたことは・・・。
J.B.の盤をしこたま聴くことではなく、先日購入してそのままにしていたセルジュ・ゲンスブールの
人生を描いた漫画を読むことであった。

日本語版は限定1500部というのに惹かれたのと、ゲンスブールの生涯を描いた漫画
なんて頻繁にお目にかかるものでもないということから「セルジュ・ゲンズブール バンド・
デシネで読むその人生と音楽と女たち」と題された本を手にした。

漫画内で紹介されるエピソードは知っているものばかりだが、簡略化して歴史を辿る中にも
時代背景の解説や気の利いた和訳が本書(といってもあくまで漫画である)を読み進める
上で役立つし面白さを高めているのに役立っている。

訳者は以前からレゲエの盤の紹介文等でその名前を目にしている方で、その選盤や文章を
気に留めたり参考にしていた方なので、今回の仕事に関わっているのを見て流石と
思わずにはいられない。本書の巻末に訳者によるゲンスブール関連の最新リスナーズ・
ガイドとして没後以降に取り上げられたカバーや影響下にある盤を多く紹介してあり、
これがまた興味を惹く。昨年リリースされながら大して話題にならなかった3枚組2セット
のレゲエ物を大きく取り上げているのがまた嬉しい処。読了後「買ってよかった。」と
思える本である。

ゲンスブールは没後25周年か。
今晩は間違いなくゲンスブールの盤を聴こう。
さしあたり、デビューから4作目までの10インチ盤を用意しよう。
これなら、移り気は起こるまい。(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

CATCH A BRIGHT STAR

2016-11-04 21:11:41 | ROCK

          

先日購入したイアン・ハンターの30枚組ボックス「STANDED IN REALITY」であるが、
私が手にした箱に収録されていたディスクの中で「BAG OF TRICKS VOLUME 3」と
題された盤が実はエラー・ディスクであった。15曲目で頻繁に音飛びが起こったので
複数のプレイヤーで確認したところ、どのプレイヤーでも同じ個所で音が飛ぶので
プレイヤーとの相性では無いということになり、交換手続きをした。HMVとかタワー
とかでなく海外のHPでの購入はこういう時にドキドキする(笑)ものだが、
今回はすんなり事が運んで胸を撫で下ろしている。

それにしても、ボスの時と言いディランの時と言い全く・・・。
待宮永吉ならきっと「ハリー君は持っとらんのぉ。」と言うだろうな。(笑)

それはさておき。本日到着したのが掲載写真左のLP盤。眩い銀色のジャケットに
包まれた乳白色の透明ヴィニールのそれはT.レックスの「CATCH A BRIGHT STAR」。
ジャケットの何処にもクレジットは無いがレーベルに72年6月10日カーディフ公演と
記されている。

片面に3曲ずつ計6曲しか収録されていないが、マーク・ボランが所有していた
リールから採られたとあれば、多少の音質の悪さや音のドロップには目を瞑り、
心して聴かねばなるまい。ブートレグではなく、ちゃんとオフィシャル・ファン・クラブが
EASY ACTIONを通してリリースしたものなのでファンならスルーは厳禁。
今のところCDの発売予定はないようだが、同時にピクチャー・ディスク仕様のLPも
リリースされており、それもオーダーしてあるが未着。

オフィシャル・ファン・クラブにオーダーすると72年ツアー・プログラムのレプリカ
(掲載写真右)が付いてくる。大した中身では無いがリーバイスの広告があったりすると
それだけで嬉しくなる。(笑)

私にとっては、昔々にトリオから出た「T.レックス~ベスト・ライブ」と題されたLPを
何度も聴いた10代の終わりに連れ戻してくれるような気にさせてくれる1枚である。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

RED KING

2016-11-03 21:29:10 | ROCK

80年代のキング・クリムズンは、リアル・タイムで聴いていたはずであるが、
熱心には聴いていなかった。81年だと私は高校1年生で本格的に洋楽にのめり込み、
のめり込みついでにリアル・タイムの音楽を聞きながら60年代や70年代の音を
沢山聴くことも自身へのノルマ(笑)としていた。つまり、ロックという音楽と言うか
言葉に魅了され、その歴史を簡略化した形でもいいから追いかけて55年から続く
ロックの歴史を自分の中で追いつかせたかったのだ。で、リアル・タイムで
リリースされる盤より過去作を熱心に追いかける作業を「ロック事始め」の時期から
優先させてしまうことになった。

55年をスタートとして設定するのが正しいのかどうかはさておき、その作業は
82年、83年と時間が経っても追いつかず、永遠に追いつかないことに気付くのは
いや、そんな作業を無意味だと気付くのは社会人になってからであったけど。(笑)

そんなものだから「DISCIPLIN」を初めて聴いた時は何のことやらわからなかった。
少し前にアルバムを買った「IN THE COURT OF THE CRIMSON KING」の凄さに
魅了されていた身としては、余りの変貌ぶりに理解ができなかったのだ。

70年代のクリムズンだけを抜き出してもメンバーが変わり、アルバムごとに内容が
違うので単純な比較はできないのだが、駆け出しのロック好きの私はそこらの事情も
すっとばし単純に両者を比較して「DISCIPLIN」は好みでないと判断したのであった。
続く「BEAT」はジャケットのあっさり感(笑)が印象に残らず、「TOPP」に至っては
かなり後になって中古盤で買って聴いたくらいである。

そんな私にも、あれからかなりの時間の経過があったわけで今回リリースされた
80年代クリムズン集大成とでもいうべき19枚組の「ON (AND OFF) THE ROAD
1981 - 1984」を手にして自分史の修正を図ろうとしたわけである。(マジか?)

70年代からの熱心なファンにはそれほど好意的に受け止められなかったと記憶する
80年代のクリムズンであるが、今聴き返すとこれが面白い。
70年代に一時代を築いたプログレというジャンルにおいて、クリムズンが別格だったのは
リズムへのアプローチが他の英国バンドとは違ったからだという私の持論は、私の中では
正解であろうという意識を更に強固にするボックスであった。

クラシック音楽の要素やインスピレーションから早く脱却し、ミニマル・ミュージック
だけでなくプログレさんの嫌いそうなファンクという言葉が似合いそうなアプローチを
したこの時期のクリムズンの面白さにリアル・タイムで気付けなかった私の青さを
今更ながらに嗤う。ガムランのような面白もあるではないか。
この時期があってこそ、後のダブル・トリオ編成や更には現在のトリプル・ドラムス編成
への発展という事になったのではと考えることすら可能である。

ライブを収録したCDや情報量の多いブルーレイの細かな内容はこれを手にした人の
マニア度によって評価がわかれるだろうが、私は十分に楽しんだ。
あの時代ならではのPVやテレビ出演時の映像、懐かしい日本公演(浅草を歩くメンバー
の姿を捉えた映像がいい)やその素材等見過ごせない場面が多数ある映像と、
「DISCIPLIN」のラフ・ミックス等のオーディオ・コンテンツも素晴らしい。

ここ数日クリムズンの箱にかかりっきりであったが、ようやく一息いれられそうだ。(笑)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする