HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

門外漢が聴くジャズ~ストーンズ者の場合・その1

2011-09-30 22:25:16 | JAZZ

          

ロックに現を抜かし、寝ても覚めてもロックという「陸でなし」(笑)がジャズに踏み込むには何らかの
きっかけが必要だ。ローリング・ストーンズのドラマーであるチャーリー・ワッツが、大のジャズ・ファンで
あることはストーンズ・ファンでなくても知っている方も多いだろう。特にチャーリー・パーカーには
思い入れがあるようで、91年には「FROM ONE CHARLIE」というアルバムを出した。

86年にはチャーリー・ワッツ・オーケストラ名義で、ビッグ・バンド・スタイルのジャズを披露したことが
あったが、91年のプロジェクトはチャーリーの嗜好に一番近い感じのスタイルで、敬愛する
チャーリー・パーカーの生涯を題材に、クインテットでアルバムを作成した。

ワッツがパーカーのファンであることを知っていたので、それならとパーカーのダイアル盤を買った
ことがあり、それを気に入ったのだが、演奏内容の賛否はともかくワッツの愛情溢れる「FROM ONE
CHARLIE」を聴いて、どこまで理解できるかわからないが私もより深くパーカーを聴かねばと
思ったものだ。掲載写真右は、アルバムに添付された絵本のワン・シーン。因みにワッツは翌年、
ストリングスをフューチャーしたライブ盤「A TRIBUTE TO CHARLIE PARKER WITH STRINGS」を
リリースした。

     

そんなジャズ好きのチャーリー・ワッツのファン、いやストーンズ者に立ち塞がったのが掲載写真左の
ザ・ピープル・バンドの「THE PEOPLE BAND」である。チャーリーが絡んでいるレコードであるというのは
何年もストーンズ・ファンをやっていると自ずと知ることになるのだが、レコードを見る機会がないし
(あっても手が出ない値段であるのは明白)これを聴いたことがある人の紹介文にも出くわさない。
チャーリー・ワッツが演奏しているのかどうかも、今ひとつ確認できない状況であったのだが、
04年に曲を追加してCD化(掲載写真右)され、やっと聴くことができた。

68年10月1日にロンドンのオリンピック・スタジオで録音された、このレコーディングはチャーリーのお膳立てで
セッティングされた。この時期のストーンズはアルバム「BEGGARS BANQUET」の録音を終え、
ミック・ジャガーは映画撮影、ビル・ワイマンは他のバンドのプロデュースと課外活動状態で、チャーリーも
束の間の自由時間を好きなジャズのレコーディングのプロデュースをすることで楽しんだというところだろう。
チャーリーは演奏には参加していない。

アルバムは完全なフリー・ジャズだが、音の隙間が多いので所謂「行間を楽しむ」ことが可能な
フリー・ジャズである。メンバーのクレジットを見るとリン・ドブスンの名前がある。1曲だけの参加だが
後にソフト・マシーンに加入する人で、短期間しか在籍していないにも関わらずドブスンが参加した時代の
映像は、「ALIVE IN PARIS 1970」というタイトルでDVD化された。また、エルトン・ディーンが不在の
ワイアット・ラトリッジ・ホッパー・ドブスンというマシーン史上極めて珍しい布陣での演奏も「LIVE 1970」で
聴くことができる。

キルバーン&ザ・ハイローズのオリジナル・メンバーであるラッセル・ハーディの名前もある。
CDのライナーによると、チャーリー・ワッツだけでなくイアン・デューリーも、この時のレコーディングを
コントロール・ルームで見ていたようだ。

CDのジャケットを見たとき、オリジナルのLPと全く違うことに少々違和感を覚えたが、CDに使われた
デザインの方が当初バンドが選んだデザインだったのに、レコード会社が勝手に別の象の絵に変えてしまい
バンド側はそれを気に入っていなかったという文を読んで、「CDのジャケットで良し。」と納得した。

このアルバム「PEOPLE BAND」は、チャーリー・ワッツ絡みということで興味を持った。
それが、ソフト・マシーンやキルバーン&ザ・ハイローズまで繋がるのだから、ロック者はやめられない。(笑)

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THE SUN IS ECLIPSED BY THE MOON

2011-09-27 19:05:31 | ROCK

昨日届いたピンク・フロイドの「THE DARK SIDE OF THE MOON COLLECTORS' BOX」を
楽しんでいる。箱を開けると、まずは様々な付録に目がいく。マフラーや巾着、おまけにビー玉まで
入っていて、これをどうしろと言うのだ。(笑)とか言いながら、アルバムのフロント・ジャケットのデザインが
印刷されたビー玉は可愛らしく、気に入った。全部で3個のビー玉、1個でも無くすと買取査定に響くよ。(笑)

冗談はともかく、封入された葉書やブックレットは、過去に発売されて不評だった、あの大箱を思い起こさせるが、
これは如何にもストーム・トーガソンらしい封入物である。バック・ステージ・パスやチケットのレプリカも
現物を見たことの無い私には嬉しいおまけである。
CDとDVD、ブルー・レイを含めて全部で6枚のディスクが入っているのだが、先に書いたおまけやブックレットを
全て取り出さないと、最初の4枚のディスクを出せないのが面倒である。

私は最初に72年の「狂気アーリー・ミックス」が収録されたCDから聴いた。これは実に面白く、
S.E.の違いやコーラスの有無、サックスやギターのフレーズの違いや、ベースやキーボードの目立ち具合
或いは引っ込み具合に至るまで、正規盤の「狂気」を聴いた回数の多い人ほど楽しめるだろう。
「ザ・ウォール」辺りから、ロジャーはリック・ライトの貢献度に対して疑問を持っていたが、ここで
聴くことができるリックの『US AND THEM』のデモは美しい。

74年11月のウェンブリーでの未発表ライブは、個人的にはそれほど出来の良いライブとは思えない。
なんとなく、ニック・メイスンはもたっているし(笑)、当時のブートレグを聴くとフロイドのメンバーの心は
「狂気」を演奏するよりも翌年発表することになる「炎」をライブで煮詰めていくことのほうに
興味があるように感じられるし。

フロイドは11月14日から17日までの4日連続でウェンブレーでコンサートを行なっており、今回の
ボックスのCDが単独の日付なのか、4日からの抜粋なのかはわからない。16日はBBCで放送するために
収録され、音質の良いブートレグが出回っている。私は14日以外の3日分の音源は所持しているので
暇を見つけて(笑)聴き比べてみたい。まあ、フロイド側が全公演を録音しているとは思えないので、
16日の音源なのかな、とは思うのだが。

DVDには面白い映像や音声が収録されている。肝心のフロイドの演奏は72年のもので曲は
『CAREFUL WITH THAT AXE, EUGENE』と『SET THE CONTROLS FOR THE HEART OF THE
SUN』。直接「狂気」とは関係なく、しかもフロイドのセット・リストの中では飛び道具(笑)的な2曲の
映像を収録したのは何故だろう。

DVD収録の「THE DARK SIDE OF THE MOON 2003 DOCUMENTARY』は、生前のリックを
含むメンバー4人がアルバム制作の背景を語る文字通りのドキュメンタリーで、なんとこの手の映像には
珍しく字幕で日本語を選ぶことができる。私は今回の箱を輸入盤で8900円弱で買ったのだが、
DVDは普通に国産プレイヤーで再生でき、ドキュメンタリーには日本語字幕付きということで、何となく
得をしたような気分である。

さあ、こうなってくると次の「炎」のボックスがますます楽しみになってきた。
掲載写真を古式ゆかしいものにしたのは、音質が向上しようが何だろうが、「ミックス違いは『バージョン』だぞ」
との自戒を込めて。

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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 95

2011-09-26 20:42:43 | ROCK

昨日は、サンディー・ショウと対比されることが多いトゥインクルを取り上げたが、
今日取り上げるシャンタル・ゴヤの比較対象は、フランス・ギャルであった。ギャルの
後を追うようにレコード・デビューしたこと、どちらも可愛らしいルックスであるが表情が
対照的であることが、二人を比較対象として取り上げやすくしたのだろう。

能書きはともかく(笑)、私はこのジャケットに惹かれてしまった。ジャン・リュック・ゴダールの
映画は14,5本しか見ていないが、彼女が出演した「男性・女性」は、それほど好きな映画ではない。
それでも彼女のルックスは男性を惹きつけるには十分であり、特にこの「LES ANNEES 60」と
題されたベスト盤のジャケットに使われた写真の出来は絶妙である。正面から見ると「あれ?」と
いう写真も無いではないが。(笑)

自作曲のあったトゥインクルと違い、ゴヤにはデビュー前からブレーンともいうべきジャン・ジャック・
デュポーという存在があり、そのデュポーの手になる男心を擽る幾分子供じみた内容の歌詞を
歌う役割を、60年代のゴヤは忠実に果たした。

個人的な聴きものは、映画の内容はともかくタイトル曲である「LAISSE - MOI」だ。軽快なキーボードと
縦横無尽に駆け巡るベースに、ゴヤの舌足らずな歌唱がのると、おそろしくスゥイングする。
この曲の魅力には何とも抗いがたいものがあり、2分足らずの尺が更なる再生を促す。

ゴヤにはトゥインクルのカバーがある。ゴヤのバージョンは『DANS LA NUIT』とタイトルがついていて
当然フランス語で歌われるのだが、これはあの『GOLDEN LIGHTS』である。
トウィンクルも英詞で『A LONLY SINGING DOLL』というタイトルで『POUPEE DE CIRE,POPEE DE
SON(夢見るシャンソン人形)』をカバーしてるので、英仏双方のアイドルの売り出し方は、どことなく
似ていたのかもしれない。

後にゴヤはデュポーと結婚して以降、同年代の男性ではなく子供を対象とした歌手へと転身する。
そこらは私の興味の対象ではないが、まあ、それは仕方ないというものだ。(笑)

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YOU CAN DO A LOT WITH 100 WOMEN - 94

2011-09-25 08:39:40 | ROCK

何でもいいのだが、一つ何かが当たると次を狙って同じような物が出てくるのは世の常で、
古今東西それは同じである。そういう売り出し方がブームを作るのか、ブームになるから
似た傾向の物が増えるのか、何れにしろ売る側はブームの間に少しでも多くの金銭回収を
目論むものだ。

似た物であってもなくても、ライバル関係というのも売る側にとっては重要な戦略のひとつだろう。
これも当然ながら、売る側が仕掛けた場合と購買層が自然にそのように見て、いつのまにか
そういうふうになっていた場合がある。

光と影。陽と陰。表と裏。
対比する表現はいくつもあるが、先に挙げた表現において、どちらかというと後者の表現は前者に
追随するようなニュアンスで捉えられる。好き好んで自ら後者に該当しようと思う人がいるかどうかは
わからないが、そんな役割を担わせる場合がある。個人的には両方の魅力があればいいと思うのだけど。

私がトゥインクルのことを知ったのは、何で読んだのか忘れたが、「サンディー・ショウはモッズの
アイドルで、トゥインクルはロッカーズのアイドルだった。」という内容の文章を見てからである。
サンディー・ショウのアルバムは持っていたので、トゥインクルも聴いてみたいと思い購入したのが
01年に出た掲載写真のCD「GOLDEN LIGHTS*SPECIAL EDITION」。このCDがリリースされる
前にジャケット・デザイン的にはこれより優れた内容のCDがあったのだが、こちらのほうが収録曲が
多かったので、これを選んだ次第である。これはアルバムを制作しなかった彼女のシングルを
集めたもので、今のところこれが最良の形で聴くことができるコンピレーション。

16歳でデビューし、自ら曲を書いて歌うというのは単なるアイドルではなく優れた才能の持ち主だったと言える。
当時の10代でここまで出来た(或いは、自作曲を歌うことを許された)のは凄いことではなかったろうか。
デビュー曲の『TERRY』は、バイク事故で恋人を失う悲劇が題材だった故にロッカーズのアイドルに
なったのであろう。レコード制作上、どういった制約というか問題があったのか知らなのだが、
60年代にアルバムを制作することなくフェイド・アウトしたのはもったいないと今更のように思う。

私はリアル・タイムでザ・スミスを聴いていた。聴いてはいたのだが、それほど熱心な聞き手ではなく
発売と同時に買ったアルバムは1枚のみで、他は適当に気が向いたら買うというもので結果的に
全てのアルバムや何枚かのシングルは持っているが、隅々まで聴いたかというと心許ない。
そんな私だから、スミスがトゥインクルの『GOLDEN LIGHTS』をカバーしていたことには、かなり後に
なって気付いた。件の曲はシングル『ASK』のB面曲で、後に編集版「LOUDER THAN BOMB」に
収録された。思えば、モッズとロッカーズのアイドル両方を引っ張り出してきたところに、
モリッシーの中に隠れた、決して表立って表現することのない「俺は皆に好かれたい」という願望が
透けて見えるような気がする。

    60年代末に引退したトゥインクルが、74年に録音した
未発表アルバム「MICHAEL HANNAH」が世に出たのは、06年。先のコンピレーション「GOLDEN
LIGHTS*SPECIAL EDITION」で5曲聴くことができたのだが、そこで聴くことのできた楽曲とアレンジは
素敵なもので、これの完全版を聴くことができたのは嬉しかった。機会があれば、マイク・ダボのいい仕事を
確認していただきたい。
  

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ROCK AND ROLL PEOPLE

2011-09-23 19:16:54 | ROCK

普段、時の刻みを意識してゆっくりと感じようとする私にとって、今週の時間の流れは早かった。

先週は夏休みを取ったので、火曜日に出社し山のように積み上がった仕事を片付けていたら
祖母が亡くなったとの連絡があり、仕方なく残った仕事を再び積み上げて四国に向かう。
夏休み中に帰省しようかとも思っていたが、ほとんど祖母の意識は無いと聞かされていたので
会って帰ったとしても、またすぐ戻ることになるのではと思い、夏休みは帰省しなかった。
結果として、予想が当たってしまった。

今回の行程は台風に向かっていくようなもので、「途中で新幹線が止まるかも」と危惧したが、それは
避けることができた。豪雨の中、地元の駅についたのが夜の11時前。翌日は納棺が9時、
葬儀が12時という、私にとっては何とも慌ただしいスケジュールであったが、無事全てを終え、
翌木曜日は、朝7時に四国を発つ。

昨日は何年振りか忘れたが、久しぶりにhopperさんに会った。東京に出張で来るということだったので
「飲もうじゃないか」と相成ったのだが、酒の席だというのに社会派の二人が揃うと硬派な話が続く。(笑)
その真偽はともかく、腹ごしらえをして新橋のロック・バーへと向かう。

     

店に入ると、店内に貼られたディラン、ニール・ヤング、イーグルス、グレイトフル・デッドのポスターが目に入る。
壁にはエレクトリッグ・フラッグやアル・クーパー、ジョニー・ウィンター等のレコード。
とても、ビートルズやストーンズはおろか、V.U.やクラッシュが店内に流れそうな雰囲気ではない。

駅からほど近い好立地であるのと、連休前ということもあってか、私達がいた2時間ほどの間に、店内には
入れ替わりの客も含めて都合11人の客が立ち寄り、狭いロック・バーは盛況であった。
常連の客のリクエストであろうか、店内にはオールマン・ブラザーズ・バンドやジョン・フォガティの映像が
流れた。店主はテーブル席に座った「一見さん」の我々にも気を使ってくれて、「こういう映像で
大丈夫ですか。」と聞いてくれた。もちろん大丈夫である。ここで「MC5がいいな。」と言うほど、空気が読めない
我々ではない。大人なのだから。

自惚れ、思い上がりは百も承知だが、もしかするとマスターよりも、この場にいる誰よりも私の方が
ロックの知識は多いかもしれないし、所持するレコードの枚数は多いかもしれない。
しかし、そんな知識自慢や枚数自慢は、ここでは何の意味も持たない。

こういうロック・バーに来る人は、とにかく気持ちよく飲んで家に帰りたいのだ。
家では大きな音で音楽を聴けないのかもしれなし、音楽を聴くことに家人の理解が無いかもしれない。
いや、先に挙げたバンドやミュージシャンのレコードやCDは家にあるだろうから、家で聴くことでは
得られないサムシングを求めて、飲みにくるのだ。

そして、1杯800円のバーボンを飲むという行為には、それなりの金(小遣いといってもいいか)が
必要だ。銀座や祇園で遊ぶことと同列では無いが、それは横に置いておいて、ロック・バーで飲むにも
金はかかる。このバーで見た客は、全員我々二人より年上だったであろう。
つまり、ある程度の収入がある年齢である。若者は金が無いし、ロックなんぞに現を抜かさなくても
他に楽しいことを知っている。レコード・マニアは、1杯800円で酒を飲むくらいならレコードに金を
つぎ込むだろう。

パッと見で「狭いジャンルのロックしか聞いてないのか?」と思っても、実はそこには需要と供給の
関係から見ると、幸福な関係が出来上がっていることに気付く。
勿論、私もここで流れるようなロックは嫌いではないし、久しぶりにhopperさんと飲んだということもあって
楽しい時間であった。

結論。
私にロック・バーの経営は無理だ。経営の才覚が無いのと、精神衛生上良くないから。(笑)
とりあえず、ROCK AND ROLL PEOPLEに乾杯。

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続・門外漢が楽しむジャズ

2011-09-19 16:48:05 | JAZZ

    

毎日、ロックばかり聴いているのであるが、稀に気分転換で「おそらくはジャズに分類されるであろう」レコードや
CDも聴く。5月から選曲を始めた「カバー・ソング100選」の選曲が終わり、当初の目論見の通り、
やっと5枚のCDーRに振り分けが完了した。おまけにここ数日は、朝から晩まで「グレイトフル・デッド」
である。(笑)「続・カバー・ソング100選」に着手しようかとも思ったが、やはりここは気分転換が
必要というものだ。

近い将来「ブラジル音楽100選」もやりたいと思っていると書いたのは、今年の4月だが同時に
「門外漢が選ぶジャズ100選」もやりたいと書いた。これは本当で、気が付けばそれなりにアルバムも
棚に収まっている。勿論、疎いジャンルなので「ジャケ買い」や「何かの拍子」で棚に収まった盤の
占める割合が高い。(笑)

さて、世間ではどういうアルバムの人気が高いのか、ちょっと調べてみようと思い検索をかけると
S.J.誌の読者アンケートによるベスト・アルバム100枚というリストを見つけた。さて、何枚所持しているかと
数えると・・・。

大体この手のリストがあると30枚位は所持しているのでは、と思いながら数え始めるのだが
今現在41枚の所持。あれ、ちょっと待てよ。この100枚の中には、マイルスが10枚、コルトレーンと
エヴァンスが各々7枚、ロリンズが5枚選ばれている。う〜む。それじゃあ、この100選における
私の所持枚数も多くなって当然なのだが、読者が選ぶ100選のリストを眺めていても、
「ああ、俺はたった41枚しか所持していないのか。」と全く思わないのだ。「そのうち聴かねば」との
思いはあるが、どうしたことか。この読者リストがモダン・ジャズの定形であるのが窮屈なのか。

ロックにも様々なジャンル分けがあるが、ジャズの中では所謂「ビッグ・バンド」と「ヴォーカル」が
得意ではない。ロックよりも知識が少ないので、その分少しだけフラットでいられるためか
日本人の演奏するジャズに、それほど抵抗がないのが救いと言えば救いか。
とはいっても、ロックを聴く時と同じ悪癖は70年代を重視する傾向にあるのは事実。

    

自分が聴いているアルバムがジャズなのかどうか、意識していなかった盤もある。
以前、何度か書いたが大好きなライマン・ウッダード・オーガニゼーションは、「ものの本」によれば
ジャズに分類されるようだし、ビリー・ウッテンもジャズである、と。
又、花と動物をこよなく愛する(笑)私にしてみれば、ジャケ買いが吉と出た盤は本当に数多い。

どちらかというと、ロック者故に、これはこれで偏った選出になるかもしれないが、色々聴いていくと
個人的には、件の読者100選よりは風通しの良い100枚になりそうな気もしてきた。
数年後の完成を目指して、地道に聴いていこうと思う次第である。

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FACT 14

2011-09-17 07:44:37 | ROCK

さて、貴方がレコード店のオーナーなら、否、一リスナーでもいいのだが、所持するアルバムは
どんな順番で棚に収納するか?。
ある程度のジャンル分けをして、その後はアーティスト名のABC順に並べるのが一般的だと思う。
我が家のLPは普通にABC順に並んでいるが、CDは実に適当で正直なところ何が何処にあるのか
わからない。大袈裟ではなく間抜けにも、これは真実で探していたCDがあるはずなのに見つからず
半年後にひょっこり目に留まる、なんてのはザラである。

遂にドゥルッティ・コラムの1ST、「THE RETURN OF THE DURUTTI COLUMN」のCDが、
伝説の紙ヤスリ・ジャケで再発された。700枚限定なので、これは即完売したであろう。

ワン・アンド・オンリーであり、他のヤツらと一緒にしてくれるな、という強靭な意思。
俺の横にくる奴(レコード)は全て傷つけてやるという悪意。
これが、パンクでなくて何だというのだ。音の表層は解りやすいパンクのソレとは違うが、その存在と
姿勢はパンクそのものであり、聞こえてくる音の鋭さは今でも有効だ。

さて、冒頭での問いは、イコールこの悪意あるジャケットを纏ったアルバムをどんなふうに収納するか、
である。このアルバムが発売された時点で、ドゥルッティ・コラムにとっては最初のアルバムなので、
レコード店には彼らのコーナーは無いだろう。そうするとレーベルは「ファクトリー」なので、気の利いた店なら
ファクトリーのコーナーを設けていたかもしれないが、そうするとレーベル・メイトの盤のジャケットを傷つける
ことになるのか?。私は紙ヤスリ・ジャケのLPを一度も見たことがないのだが、当時のレコード店では
棚に入れずに壁面に面陳列した、というのが正解なのだろう。

尤もこれを家に買って帰り、ドゥルッティ・コラムを気に入り、何枚かアルバムが揃ってきて
アーティスト毎に括って並べるとする。そうするとこれの横にくるであろう、「LC」を傷つけないよう
それなりの「保護」をしなければいけなくなり、ヴィニ・ライリーの当初の思惑は違う方向に向かってしまうのだが
そんなことに気を揉むのは粋でないのだろうね。(笑)

「THE RETUREN OF THE DURUTTI COLUMN」にファクトリーが与えた番号はFACT 14。
因みにFAC 13はジョイ・ディビジョンの『TRANSMISSION』。7インチはともかく、これの12インチは
もしかしたら、紙ヤスリの被害を受けたかもしれない。(笑)
えっ、FAC 15は何かって?。ハイ、それはイベントのポスターでした。

   2009年10月の当ブログで書いたように、
私は隙間だらけのこの箱の中に、今回の紙ヤスリ・ジャケットを収納する。

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天国行きエスカレーター

2011-09-16 16:59:51 | ROCK

今年の1月に発売がアナウンスされた、グレイトフル・デッドのトランク仕様の大箱が届いた。
あの名盤「EUROPE '72」の元になった72年の欧州公演のコンプリート版を謳った箱で
最初の情報と少し違ったのは、枚数は60枚組みではなく73枚組で、セット数も3000ではなく
7200(笑)。しかし、1セット450$する7200個の大箱を、たった4日で完売したのだから
デッド恐るべし。いや、デッド・ヘッズの忠誠心に頭が下がると言うべきか。
と言っても、既に73枚のCD全てをダウンロード出来るところもあるようだが。(笑)

 コンサートのほぼ全て(途中でテープが切れているものは
ジャケットにその旨の記載あり)を収録しているため、ほとんどのCDが3~4枚組なのだが、
中に一つだけ1枚物がある。
それは、4月21日にブレーメンで収録された「BEAT CLUB」のための演奏だ。正式なコンサートでなく、
テレビ収録のための演奏もしっかり組み込んでくれたことは嬉しい限り。この日演奏された10曲の中からは
『ONE MORE SATURDAY NIGHT』が放送されたのみである。テレビ用の収録なので、当然「絵」が残っている
はずなので、次は映像の発掘を期待したい。何せ、粗雑な日本人と違って几帳面なドイツ人のことだから、
文化遺産としてのロックの在り方に意識的だった筈で、テープの上書きという愚行は無いだろうから、
ドンピカの画質で残っているのだろうな。


 

 

オリジナルの3枚組LPのジャケットを踏襲して、各々のCDジャケットは描かれているのだが、正直なところ
オリジナルほどの冴えは感じられない。(笑)それでも、演奏は「音楽の僕」が奏でていると言うしか無いほど
タフで繊細なもので、私はまだ4公演分しか聴いていないのだが、この幸福が70時間超えで続くのかと思うと
嬉しくてバカになりそうだ。

夢が叶うと、その次に待っているのは現実である。
しかし、この箱を開くたびに私は天国行き(地獄でも構わないさ)のエスカレーターに乗るような
気分になるのだろう。年内には打者二巡位はしたいものだ。

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限定という名の誘惑

2011-09-14 08:53:02 | ROCK

     

スーパーヘヴィの「インド限定CDシングル」と言われて、「アルバムは中古盤で安く買うつもり。」なんて
思っていたのに、つい飛びついた駄目な僕。大体、何でインド限定なのか?。
まあ、昔から「日本限定」とか「日本のみのボーナス・トラック」なんて売り方は山ほどあったわけで
英米の人達も、きっと「日本って、そんなに偉いんか。?何で日本を優遇するの。」と思ったことは
何度もあるに違いない。インド限定上等である。

それぞれ2曲のミックス違い、エディット違いの計4曲が収録されているが、個人的な感想は今のところ
よくわからない出来としか、言えない。どうしてもミック・ジャガーを中心に考えるから、そこに私自身の
問題点があるのかもしれないが、この音にミックが「GROOVE」を感じているとしても、アルバム購入に
積極的な意欲を喚起させるまでには至っていない。

大体、ジャケット写真に直接ホログラムを貼り付けるんじゃないよ。レンタル落ちみたいでイヤだ。(笑)
これがCDシングルじゃなくて、7インチなら私の愛情の度合いが増したのは、言うまでもないが。

ジミ・ヘンドリックスの7インチは、発売のアナウンスを見てから、どうしても欲しかった。
以前も書いたが私がジミを真剣に聴くきっかけは、バークレーでの『JOHNNY B. GOODE』の映像を
見たことである。よってアルバム「IN THE WEST」は特に好きな1枚であり、そこでの冒頭に収録された
『JOHNNY B. GOODE』は、近日発表の当ブログ認定「カバー・ソング100選」にも選んだ。

B面は68年10月10日ウィンターランドでの『PURPLE HAZE』。今日にも手元に届くであろう4枚組の
「WINTERLAND」にも未収録のバージョンとのことで、この7インチは素直にお気に入りとなった。
リア・ジャケットの通しナンバー、カスタム・レーベル・デザインも良い。

肝心のアルバム「IN THE WEST」は曲順や収録曲の変更で、オリジナルとは違った内容で発売された。
こちらは未購入なのだが、詮索すると色々と面倒くさそうである。

それにしても、どうしてこうも「限定」という言葉に弱いのだろう。
「皆さん、既にお買い求めですよ。」とか言われると、逆に「じゃあ、いらね。」となるのだけど。(笑)

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続・中学生日記(提出不要)

2011-09-12 21:35:00 | DAY BY DAY

 僕はギターを弾けない。だから死ぬほど退屈。
  つい、この間までは。

    新しいギターの先生のご機嫌を伺おうと、雑誌で見た
言葉を覚えて行って、質問してみた。「先生、『ブルー・ノート・スケール』って、なんですか?。」
先生は途端に機嫌が悪くなって、こう言った。「そんなもの、知らなくてもいい。」

    「あっ、またつまらないこと聞いて、お姉ちゃんを
怒らせたんでしょう。私が教えてあげようか?。」先生の年の離れた妹は私より年下である。年下にギターを
教えてもらうのも癪に障るので断って帰ろうとすると、向こうで手招きする人がいる。寮母さんだ。

    「ブルー・ノート・スケールなら、私が教えてあげるわ。
そんなものがあるなら、の話だけど。ついでにオープン・チューニングも教えてあげる。」「あの~、僕は左手の指が
早く動かないんです。右手の指なら早く動くんです。ほら、こんなに。」「じゃあ、右手を使ってみる?。」

    『練習』しているところを音楽の先生に覗き見されてしまい、
次の日、呼び出された。「随分、右手の指が早く動くのね。何か適正があるかもしれないから、いろいろな
楽器を試してみましょう。まずは・・・。」

   一番よく鳴るのが何か解った僕は、いろいろな「機種」を
試したくなったのだが、更に昨日の『練習』を覗き見していた美術の先生に呼び出された。「随分、右手の指が
早く動くようだな。」せっかくの適正を誤った方向に向けさせられると直感で感じ取り、怖くなった僕はすぐに
その場を立ち去った。

   それ以来、僕はギターを諦め、ドラムに興味を持つように
なった。手足をバラバラに動かすことができると、何か得なことがあるかって?。
沢山あります。おまけに右手の指が早く動くので。(笑)

          そういうことです。

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ストーンズの78年の隠密録音

2011-09-11 13:42:10 | ROCK

ローリング・ストーンズのように、ライン録音のブートレグが多いバンドだと、どうしても
オーディエンス録音のブツは後回しになってしまう。最近はブートレグをほとんど購入しないため
市場がどんな状況なのか全く疎いので、音のいいブツがあるのかも知れないが。

81年のツアーはライン録音のブツが大量に出たこと、個人的にそれ以降のツアーは、余程音の良い
物以外は聴く気がないこともあって、81年ツアー以降のオーディエンス録音のブートレグはほとんど
知らない。それでもリックス・ツアーは個人が録音したレベルの音源は、それなりに集まってきたが、
金を払ってブートレグを買ったことはない。その弊害は、以前も書いたがジャケットが無いために
「どれが何時の音源か」をなかなか特定できないことだが、大勢に影響は無い。(笑)

    

    それほど多く聴いたわけではないが、78年のライブの
オーディエンス録音では、個人的にはこの3枚が印象に残っている。勿論、それはジャケットがあるためだ。
「RETURN TO LIVER」(7月28日)は、アナログだと1曲足りない上に、何故かストーンズ以外の演奏を
収録している。CDは全曲収録。このツアーではサックス奏者は同行していないが、数曲でサックスが入るのも
印象深い。花火の音がでかすぎ。(笑)

「JFK STADIUM '78」(6月17日)は、折角格好いい写真を使っているのに反転していることが印象深い。(笑)
78年にしては珍しく『(I CAN'T GET NO) SATISFACTION』を演奏していて、全体的に良好な音質。
その『SATISFACTION』でのミックの歌唱が適当というか、歌いっぱなしというか、実に格好よい。

「SOUTHERN QUOTATION」(6月26日)は、特に音がいい録音ではないが、78年ツアーで使われた
キャラクターがジャケットに使われているので記憶に残る。
「結局は、ジャケットの印象のみかよ。」と言うつっこみは、ご尤も。(笑)

    
これは7月1日の演奏を収録した1枚物LP。収録曲は中途半端だが、音質は上等。
このジャケットでCD化されたら、欲しい。もしかしたらCDになっているかもしれないな。探してみよう。
ファラ(♥)。

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SOME GIRLS LIVE IN TEXAS '78

2011-09-10 17:21:22 | ROCK

唐突に凄い話になってきた。先日、ストーンズが出演したエド・サリヴァン・ショーがDVD化されるのを
知ったばかりだというのに、次に飛び込んできたのは78年のライブの映像とCDが発売されるという
ニュースである。大物のアーカイブ・プロジェクトの場合、発売のアナウンスから実際に市場に並ぶまでの
期間が長かったり、延期されるケースが多いのだが、ストーンズのブツは11月発売だという。
これは、待ち遠しくてムズムズする期間が短くて良い。尤も延期しなければだが。(笑)


     

これまで78年のライブで正規に発表されているのは、アルバム「SUCKING IN THE SEVENTIES」に
収録された『WHEN THE WHIP COMES DOWN』だけであるが、放送音源は沢山あるので、
ストーンズ・ファンはアナログの時代から、ブートレグでそれらを楽しんできた。
左の「GARDEN STATE 78」は放送音源ではないが、6月4日の演奏をライン録音した盤。
右の「LACERATED」は放送音源で7月6日のデトロイトを中心に6月28日と7月19日の音源で構成される。
これらは、CDの時代になってジャケットを変えたり踏襲したり、何度も発売された。

     

個人的には複数枚数のブートレグは取り出しが面倒なので、なんとなく1枚ものに手が伸びる回数が多くなり、
そんな関係上、CDだとこの2枚のブートレグをよく聞いた。CD黎明期に出た「LIVE IN MEMPHIS」も
ラジオを聞いているような感じで好きだった。

     


さて、今回発売されるのは7月18日フォートワースでの
ライブ。ストーンズの78年のライブを収録したブートレグでは決定的なセットと言える4枚組の「HANDSOME
GIRL」にそこでの演奏は全て収録されている。今回発売されるDVDに添付されるCDは1枚物なので、
おそらく曲間は編集されているだろうが完全収録を謳って無駄に曲間が長くなってCD2枚に収録するよりかは
コストも下がるし聴く方も便利で良いだろう。

フォートワースでの演奏は6曲だけであるがブートレグで見ることができた。ビデオの時代からは考えられないほどの
画質でDVDブートレグは登場したのだが、これの完全版を見ることができるというだけで今からワクワクする。

よし、これから「SOME GIRLS」を聴こう。このアルバムが「パンクへの回答」と言われるのは、粗野でテンポの
早い曲が幾つか含まれるためであるというのが一般的な見解だが、アルバムはそんな曲だけで
構成されているのではない。深みのあるミディアム・テンポの曲やカントリーもあるし、最大のヒットはディスコの
『MISS YOU』である。

つまり、「パンクへの回答」とは・・・。
「俺達はラフな演奏もできるが、お前達に、こんな演奏(『BEAST OF BURDEN』『FAR AWAY EYES』
『MISS YOU』)は出来ないだろう?。」という意味合いでの回答だと私は解釈している。

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中学生日記(未提出)

2011-09-08 18:49:37 | DAY BY DAY

     

近所のお姉さんにギターを教えてもらうはずでしたが、「F」のコードを押さえられない僕は、

     

ギターを弾くのが嫌になり、練習をサボって友達と街に出かけました。

          

そこで僕が見たのは・・・。

      

高級車の中にいる美女を覗く大人たちでした。どんな人なのか、僕も車内を覗こうとしたら、 

      

怖いお兄さん達に絡まれそうになったので、慌てて逃げて帰りました。

      

戻ってくるとシスターに見つかり、「練習の約束を破るのは悪い子ね。」と御仕置きされました。

      

また、練習をサボりそうです。
  

コメント (4)
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LISTEN TO ME : BUDDY HOLY

2011-09-07 11:30:42 | ROCK

バディ・ホリーの生誕75周年ということで、7月にリリースされたトリビュート盤「RAVE ON」を
取り上げたが、新たなトリビュート盤が登場した。掲載写真はピーター・アッシャーをエグゼクティブ・
プロデューサーに据えた「LISTEN TO ME」。先の「RAVE ON」とは被らない、こちらも豪華な
面子が揃ったアルバムだ。

まずは馴染みの曲から通好みの曲まで、いい塩梅の選曲である。
個人的嗜好で言えば、いきなりハイライトが訪れる。ワディー・ワクテルとラス・カンケルのコンビネーションが
バッチリの勢いのあるトラックにスティーヴィー・ニックスの張りのある声が乗るのだから、いきなり
持っていかれるというものだ。ジェフ・ベックを通してその存在を知ったイメルダ・メイの「I'M LOOKIN'
FOR SOMEONE TO YOU」も好きだ。夫であるダレル・ハイアムのロカビリー・ギターが実に
気持ちよく、イメルダの太い声とよくマッチしている。

ジェフ・リンは全ての演奏を自分で賄って「WORDS OF LOVE」を歌うのだが、これはやはり
ジェフのビートルズ好きが如実に感じられて、思わずニヤっとしてしまう。リンゴ・スターの「THINK IT
OVER」も自身のカントリー好きがよく反映されて、私なんかにはどうやっても嫌いになれないアレンジ。
それにしても、いくら過去にピーター・アッシャーがプロデュースした「当たり曲」だったとしても
リンダ・ロンシュタットも76年バージョンでなく、新録すれば良かったのに。

最後のトラック「RAINING IN MY HEART」を歌うのは、今年初来日したエリック・アイドル。
モンティー・パイスンやラトルズ好きには堪らない人選で、軽妙な喋りと軽いアレンジのトラック故に
あっという間に終わってしまう感じがするが、コメディアンで作家であるエリックの参加は、
バディー・ホリーが様々な所で愛されていることを感じさせてくれる。

まあ、私はガーシュインやディズニーを愛する程、器の大きな男でないことを改めて認識せざるを
得ない盤でもあったのだが、これは趣味の問題なので仕方がない。

「RAVE ON」と「LISTEN TO ME」はどちらも素敵なトリビュート盤であることは間違いない。
ただ・・・。どっちの盤でもいいのだけど、ブルース・スプリングスティーンに『OH BOY』を、
キース・リチャーズに『LEARNING THE GAME』を演奏してもらいたかった・・・・。

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一つだけ何か足りないとしたら

2011-09-04 19:31:38 | ROCK

待望のビーチ・ボーイズの「SMILE」が11月にリリースされることが確定したようだ。

近年の、この手の再発によくあるパターン通り、幾つもの形態でリリースされる。
一番高価なのは全世界限定10セットの、メンバーのサイン入りボックスにサーフボードが付いたもので
5999.99$。もう、笑うしかないが、何でもかんでも買うマニアは、これもターゲットにせざるを
得ないのだろうか。
Tシャツ付きや、サイン入りリトグラフの付いた2CD仕様もあるが、これらはビーチ・ボーイズのHPで
購入が可能。

私は米amazonで、5CD+2LP+2枚の7インチが収録された所謂『コレクターズ・ボックス』を
オーダーした。収録内容をみると、楽しみなことは楽しみなのだが、得体のしれない恐怖が襲ってきたのも
事実。その恐怖とは・・・。
ビーチ・ボーイズの有名なブートレグにUNSURPASSED MASTERSシリーズがあったのだが、
そのシリーズのVOL.15からVOL.18までが、スマイル関連のものだった。仮想スマイルを想定して
作られたVOL.16はともかく、他の3種は関連セッションをこれでもかと詰め込んだもので、VOL.15は
CD3枚に渡って『GOOD VIBRATION』1曲のセッションが収録されている。
マニアには堪えられないのだろうが、ここまでくると私には拷問にも等しい内容で、正直なところ
聴いていて、それほど楽しいものではなかった。

今回はメンバーが、多くのテイクから選び抜いたものが収録されているだろうし、音質も当然ながら
比べ物にならないだろうから、少しは気が楽なのであるが。(笑)

気になるのは、そもそも「SMILE」は1枚物のLPを想定していたはずだが、今回発売されるCD1枚物の
スタンダード盤はそのまま、『コレクターズ・ボックス』の2LPと同じ内容になり、そうするとボーナス・トラックを
除けば、1枚物のLPではなく1枚半に及んでしまうということだ。
収録時間は短くても、LP1枚の尺でメンバー公認の『SMILE』を実現して欲しかったというのが
個人的な思いだが、今回の大箱の登場の前では、取るに足らない問題なのかもしれない。

今回のスタンダード盤の曲目を見ると、04年に発表されたブライアン・ウィルスンの『SMILE』の
存在を振り返らないわけにはいかない。04年版はブライアンの新録音であったが、あれを更なる
踏み台にしての曲目(当然、新録音ではないだろう)は興味深い。
そして、04年版からも今回のスタンダード盤からも漏れてしまった、『COOL,COOL WATER』に
思いを馳せる。

何はともあれ、到着まで楽しみに待っていよう。

一つだけ何か 足りないとしたら
SMILE SMILE SMILE  花が咲くようなSMILE (スマイル /  THE GROOVERS)

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