HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

500円CD

2017-11-27 00:05:59 | JAZZ

正確には514円CDであるが。(笑)

特に欲しいと思う盤でない盤を買う時の基準は値段の安さである。この値段より安い値段で
出会うことは無いだろうなと思った時に、買いたいモードが少し上がる。そして、その
値段が514円ならば・・・。

私は今でも煙草を吸っているので、まずは煙草1箱の値段と比べる。毎日、470円が
文字通り煙となって消えていくことを思えば、そこに50円足らずをぶっ足せば1枚のCDを
買うことができる、なんてことを思えば買いたいモードが全開になる。(笑)

そうして何枚も一気に買えば、結局それなりの額になってしまうのだが、そうでもしないと
出会わない盤もあるので、これはいい機会なのだ。
近年、ベツレヘムのカタログは税込み1000円という廉価でCD化されたのだが、それを
HMVのバーゲンで半額で売っていたので、何枚か手にした。

アラン・メリルの母親がヘレン・メリルであることは、とうの昔に知っていたが父親が
誰であるかなんて気にしたことがなかったのだが、たまたま手にしたアーロン・サクスの
盤のライナーを読んで、初めて彼がアランの父親であることを知った。あぁ、俺はまだ真実に
出会っちゃいなかった。(笑)



これらの盤を聴いていると、いつもあることを思い出す。それは大学4年の時の話なのだが
短期間バイトをした時の職場の社員が、「明日でバイト終わりだから、酒でも飲みに行くか。」
といって、行きつけのジャズ酒場(?)のような処に連れて行ってくれた。その人は
ジャズが好きなようで、時々そこに行って酒を飲んでいるとのこと。自称一本気なロックン・
ローラー(笑)の私の意向などお構いなしで、その場所のなんと居心地が悪いことよ。(笑)

流れてくるのが誰のレコードなのか知ってか知らずか大して話もせず音に聴き入り、まるで
その人は一人で店に来ているかのような感じだったのだから、居心地がいいわけがない。
私も煮込みと何かもう一品をつまみにおとなしくしていたのだが、時間の流れが遅くて
いらいらしたものだ。折角の奢りだというのに。(笑)

そんなことを思い出しつつも何枚聴いても進歩しない自分の耳にあきれる、その繰り返し。
それでも、いつまでも門外漢でいようなんて時は許しちゃくれない、なんてことも思ったり。
死ぬまでに1枚でも多くの盤を聴きたいと思うのは変わらないので、いいタイミングで
いい盤に多く出会えればいいなと改めて思う。

というか、この文章、判る人には単に私が甲斐バンド好きであることがわかるだけの
駄文なんです。(笑)

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1000円CD

2017-11-26 09:05:37 | ROCK

ローリング・ストーンズのライブ盤「GET YER YA YA'S OUT」はリリース時は10曲が
収録されていたが、40周年デラックス盤がリリースされた時に未収録の5曲も聴くことが
できるようになった。当時のライブで演奏された曲順に自分で並べ替えることで、一味
違った(笑)ライブ盤を作って遊ぶことが可能になったわけで、実際にやった人もいるだろう。

2曲の長尺曲でカットされた部分をアセテート盤で補填して、更に曲順を演奏順通りに
並べ替えたブートレグがリリースされた処、速攻で売り切れたのには驚いた。それだけ需要が
あるということなのだが、出遅れた私は「ふ~ん。」てなもんだったが、同じような企画の
盤を見つけた。しかもたった1000円である。

ただし、詰めが甘い処があって本来15曲で完成する流れを14曲で完結。収録漏れの1曲と
別の日の演奏である3曲をボーナス扱いで収録しているが、ボーナス扱いでなく本編に
組み込むべきであった1曲の収録位置が何とも惜しい。しかし、1000円であるので、
「ま、いいか。」なんて思う私がいる。



クラプトンのブートレグ、いやブートレグそのものを熱心に集めることは無い。(やめたのだ)
以前も書いたが、ネット上でブートレグをCDRで交換するのが流行った時期にハマった
ことがあり、クラプトン関連のCDRは200枚くらいの数になった。上記の2枚に収録
された日の演奏も多分その中にあるのだろうが、これらも1000円ならということで
手にしてしまった。ジャケットに明確に演奏日が書かれてあるのと、CDRに手書きで
書いてあるのとだと、判別のし易さが全然違うし「あの日の演奏」との認識が簡単である。
例えば、「74年ツアーでトッド・ラングレンがゲストで参加した日」とか、「デュエイン・
オールマンが参加したドミノスのライブ」という感じで。




ツェッペリンのブートレグ、いやブートレグそのものを熱心に集めることは無い。(やめたのだ)
時々、衝動買いすることはあるが。
以前も書いたが、ネット上でブートレグをCDRで交換するのが流行った時期にハマった
ことがあり、ツェッペリン関連のCDRは250枚くらいの数になった。上記のCDに収録
された日の演奏も多分その中にあるのだろうが、この3枚組も1000円ならということで
手にした。

プリンスの89年の仙台公演の演奏は高音質のCDが昔から存在するが、そんな音源も
1000円である。手も伸びるというものだ。この1000円CDのシリーズ、長く
続き更に多くのミュージシャンの盤が出るといいのだけど。

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1977

2017-11-23 19:37:40 | ROCK

ザ・ジャムがリリースしたオリジナル・スタジオ・アルバムは6枚。そのうち、「SETTING
SONS」と「THE GIFT」はアルバムを軸にした大型の組物が編まれたが、今回リリース
されたのは「1977」と題された5枚組ボックスで、デビュー盤の「IN THE CITY」と
2枚目の「THIS IS THE MODERN WORLD」が組み込まれている。

4枚のCDと1枚のDVDで構成される「1977」であるが、そのうちのCD2枚が
オリジナル・アルバムをストレートに収録している。ジャムの盤は収録時間が短いので
箱物の中の1枚となると、既にその盤を散々聴いている身としては物足りない感じがする。

ま、そうは言っても付属された本(ブックレットの領域を超えた豪華本である)は見応えが
あるし、この時代の映像を1枚にまとめたDVDは便利だ。小出しに出されていた所謂
ポリドール・デモの中で初登場曲は6曲あるし、77年9月10日のライブ(15曲)も
初登場。つまりは、手にしなければならなかった。(笑)

幾つになってもこの音が出せるかと言えば答えはノーだろうし、いつまでもこの音で
いられるかという問いにも答えはノーであろう。しかし、若さ故に出せる音というのは
あるもので、この時期のジャム或いはポール・ウェラーの勢いの魅力には抗えない。

さて、今後気になるのが「ALL MOD CONS」と「SOUND AFFECTS」を軸にした組物は
出るのか否かということである。2枚のアルバムは共に2枚組のDX盤が過去に出ているので
出なけりゃ出ないで構わないのだが、盛大にライブや映像を収録した組物を期待したい。

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SAILORS' TALES

2017-11-20 00:33:37 | ROCK

70年代のキング・クリムズンの諸作品を軸にした大型の組物は、これまでに4タイトルが
リリースされてきたが遂にその最終章ともいうべき組物が登場した。

掲載写真は「SAILORS'  TALES」と題された27枚組ボックス。「IN THE WAKE OF
POSEIDON」「LIZARD」「ISLANDS」の3枚のスタジオ・アルバムとライブ盤「EARTHBOUND」が収録され、
その時期の数多のライブやリハーサル音源で構成されている。

時期で言うと70年から72年の間である。この時期のクリムズンの評価というのは前後が
超絶すぎるので、それほど高くないというのが通り相場であろう。それでもダウンロードのみで
販売されていた音源のCD化を含めて、ここまでの音源がまとめられたのは嬉しい限り。

実際、この時期のライブを聴くと寒々しい場面に多く行き当たる。ボズの絶叫は悲痛な
感じすらするし、延々とエフェクト処理されたドラム・ソロが続くと私のような狭量な
聴き手には辛い。更にはメル・コリンズが吹くサックスの傍若無人な様も。しかし、これも
クリムズンであり、この時期ならではのレパートリーを聴くことができることの重要性が
失われることは全く無い。

多くのライブ盤を聴くと、あの「EARTHBOUND」が良いテイクを集めたことによる
より上手くコントロールされたライブ盤であることがよくわかる。ロバート・フリップを
しても制御不能であったライブにおける生き物としてのバンドを再確認するには
うってつけの組物であろう。この時期のブートレグをあまり手にしなかった私には
尚更である。

箱を手にする前にインフォメーションにあった「オーディション」音源が気になったのだが
延々と続くスタジオ・ジャムだったので拍子抜け。(笑)この部分だけ聴けばジャズ・バンドと何ら
変わらないのだが、そこからクリムズンの名の下の音へ変化するには、相当の苦労が
あったのかな、なんて余計なことを考えるのも一興。

ブルーレイ・ディスクにはCDに未収録の各種オリジナル・アルバムに関連するレア・
テイクが多数収録されている。各々のアルバムの40周年盤に添付されたDVDとの
聴き比べをするのが厄介だが、それくらい時間をかけなければ味わい尽くせない組物である。

今回も多くのメモラビリアが添付されてあり、おまけ好きとしては嬉しい限りである。
更にはこの箱には未収録の71年9月4日のハイド・パーク・フリー・フェスティバルでの
音源(6曲、約38分)をダウンロードすることができる案内もあり、至れり尽くせり。

現在進行形のクリムズンも面白いので、全く大変なのだが(笑)焦らず急がず今回の
組物と向き合いたいと思う。

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ADIOS in those days

2017-11-19 21:29:32 | 日本のロック・ポップス



エンジェリン・ヘヴィ・シロップの盤が出るというアナウンスを見た時、妙に胸が高鳴った。
日本では稀有な存在であった女性のバンドが世俗の流行とは関係なく鳴らしたその音は
余りにも美しい煌めきを放っていたのだが、その残り香或いは燻っている炎がもう一度
揺らめくような気がしたから。

掲載写真左はバンドが残した4枚のアルバムと森田童子のカバー曲から選曲されたベスト盤。
私は最初の盤は聴いていないのだが、2枚目から4枚目までは時折気が向いた時に聴いた。
大抵は2枚目から聴き始めるのだが、気が付くと4枚目まで聴き通すことが常であり
必ず思うのが、盤を出すごとに研ぎ澄まされていったのかということであった。

進化という言葉は使いたくないのでナンなのだが、このバンドには羽化という言葉が
相応しいのかもなんて思ったり。時代も国も違うのでそれこそ笑われる例えであるが、
あのエレクトラというレーベルが相応しいのではなんて夢想すらした。

そんなバンドのベスト盤が悪いわけがなく、選曲も素晴らしい。森田童子のカバーは
初めて聴いたのだが、素敵なカバーであった。そういえば、2枚目には『I GOT YOU BABE』
の、これも素敵なカバーがあったなぁ。

掲載写真右は93年から95年に録音された全曲未発表のライブ盤。特筆すべきは最終
アルバムとなった4枚目に収録された長尺の名曲『君に』を94年と95年の演奏で聴く
ことができることか。バンド存命時にはライブ盤が出なかったので、このライブ盤自体が
お宝そのもの。ライブ故のボーカルの揺らぎが妖しさを増幅させている感じがいい。

これを機に全てのスタジオ・アルバムが再発されるといいのだけど。
もう一度、美しい花が咲くところを見たいのだ。

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LAST DANCE

2017-11-14 00:16:37 | 日本のロック・ポップス



今年の5月だったろうか、ショーケンがビルボードで行うライブを生中継するというので、
普段は加入していないスカパーの某チャンネルを1か月だけ契約した。今更、ショーケンに
何を期待するのか自分でも謎であった。このところアルバムは出してもいないし、03年の
ライブを捉えたDVD「エンター・ザ・パンサー」に少々がっかりしたというのもあり、
怖い物みたさといったところか。いやいや、かつては日本で唯一ミック・ジャガーを凌駕できる
シンガーと本気で思っていたので、その残像が消えないうちに今の姿を見たいと思ったのだ。

演奏というか、ショーケンの歌唱は03年の映像よりは良かったが全盛期を超えるものでは
なかった。ま、これはどんな優れた歌い手にも年齢と共に声量や声域の限界がくるので仕方ない
のだが、そんなものを遥かに超えた次元にいるショーケンの調子が少しは良さそうと
思えただけでも良かったのだ。

掲載写真左は7年ぶりにリリースされたショーケンのスタジオライブ盤「LAST CHANCE」。
過去のレパートリーを新録しているわけだが、あれ、7年前の「ANGEL OR DEVIL」も
同趣向の盤だったじゃないの、なんて思ったのだがそれでも聴きたい気持ちに変わりはなく
手にすることに。

スタジオライブといっても、幾つかのSEを入れるところは「ANGEL OR DEVIL」と同じだし
『ぐでんぐでん』に於ける歌いまわしのフェイクも同じような感じ。それでも、良し悪しは
ともかく『Ah ! Ha !』での今回限りの歌詞や、前回は無かった『ホワイト&ブルー』の
新解釈等、ファンには聴き逃せない箇所は多い。『I SHOOT THE SHERIFF』や『MONEY
FOR NOTHING』のイントロを拝借して自身の曲に繋げるのも、私のような洋楽好きには
ニヤリとするところだし。

今、ショーケンの歌がラジオやTVから流れてきたら何も知らない若者はどう思うだろう。
放送事故だと思ったりするかも。カラオケでショーケンの真似をして歌ったら「この爺、
頭がおかしくなったのか。」と思われたりするかも。それはそのままショーケンの歌は危険と
いうことに繋がる。耳障りのいい音の中を掻い潜って多くの傷跡が残ればいいと思う私は
12月に出るDVDも予約してしまった。(笑)

 9月に何枚か過去のアルバムが17年
リマスターで再発されたのでLPでは所持しているがCDで未所持の「STRAIGHT LIGHT」も
購入。この盤がリリースされたのは87年2月25日。私は28日の土曜日に手に入れた。
その日の京都は確か午前中は雪だった。やがて止んだが積もったように記憶している。
市内に中古盤探しに行ってこれといった収穫がなく手ぶらで帰路につき、下宿近くの
バス停前の普通のレコード屋に入って偶然に新譜に出会ったのであった。この日は大学の
東門前にできた中古盤屋のオープンの日であったことを後で知り、雪の日に街まで出掛けた
自分の間抜けな行動を嗤ったものだが、この妙なチグハグ感と購入日の寒い空気の思い出が
アルバムを聴く度に私に圧し掛かる。

そんな記憶があるからこそ大好きな盤でもある。LPだとB面最後に収録されている『FAMOUS GUY』の
エンディングがCDだと長いことを、発売から30年経って初めて知ったよ・・・。

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 79

2017-11-13 00:01:41 | ROCK

昨日の流れで取り出したのが3人組ガールズ・バンド(現在は男性ドラマーがメンバーに
加わっている)ベイビー・シェイクス。05年に結成され、今年新譜もリリースしたバンドである。

掲載写真は08年にリリースされたファースト・アルバム「THE FIRST ONE」。ニッキ&ザ・
コルベッツの音が好きなら100%持って行かれる(笑)キュートなロックンロールである。
この手の音を出すバンドは星の数ほどあると思うのだが、そこで肝心なのがメンバーの
ルックスである。

この如何にもインディーズっぽいジャケット写真からはわかりにくいが、メンバーの
メアリー、ジュディー、クラウディアは皆それぞれ可愛らしく、3人が並んだ時の絵がとても
いいのだ。結構な刺青も入っているので、それに退くような腰抜けには用は無い。

3分間のロックやポップスの魅力は、例えそれが何かの焼き直しと思われても廃ることはない。
廃れないのは後身が次々とそれを受け継ぐからである。昔も今も格好いいロックンロールは
グッド・ルッキングな人たちに演ってほしい。何せ最初の印象は大事だし、そこに夢があるから。

彼女たちは継続者として或いは伝道者として全ての要素を満たしている。そして、ロックンロールの
夢は終わらない。そんな気分にさせるバンドだと思う。

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YOU CAN DO A LOT WITH MORE 100 WOMEN - 78

2017-11-12 09:23:04 | ROCK



ニッキ&ザ・コルベッツのことを知ったのはかなり遅く、グループ名をアルバム・タイトルに
掲げた盤が00年に再発されて更に少し時間が経ってからだったと思う。オリジナルは80年に
リリースされたのだが、洗練されていないのにポップでストレートな楽曲やニッキの可愛い
歌声に魅了された。リアル・タイムで聴いた人の中にはスージー・クアトロに負けない歌い手が
登場したと思った人がいるだろう。

掲載写真はニッキ・コルベットが日本企画でリリースしたカバー・アルバム「WILD RECORD
PARTY」とその続編。最初の盤は04年の初来日に合わせてリリースされ、続編は翌05年に
リリースされた。アルバム・タイトルから即座に「ワイルド・パーティー」という映画を想起
するのだが、映画の原題は「BEYOND THE VALLEY OF THE DOLLS」で邦題とは全くかけ離れ
ている。製作者がこの映画のタイトルが念頭にあったとしたら、正に日本企画の盤に相応しい
タイトルと言える。

盤の中身は多くの人が知る有名曲のカバー大会(「VOL.2」にはオリジナルを2曲収録)で、
それらの曲がニッキの可愛らしい声で歌われるのだから楽しくないわけがない。
ジェネレーションXの『READY STEADY GO』アリス・クーパーの『UNDER MY WHEELS』
ダムドの『NEAT , NEAT , NEAT』ニューヨーク・ドールズの『TRASH』、他にもラモーンズや
シャングリラス、デイヴ・エドモンズにブロンディーらの曲がこれでもかと収録されているの
だから。

もうレコーディングをすることはないかもしれないが、残された盤に刻まれたニッキの声は
永遠に素敵なのだ。

 

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SITTING NEXT TO YOU

2017-11-07 20:58:35 | 日本のロック・ポップス

掲載写真はマーク・ボラン生誕70周年を記念して企画されたトリビュート盤「SITTING
NEXT TO YOU」。生誕50周年の際には「BOOGIE WITH THE WIZARD」と題された
トリビュート盤が出たが、こうしてみると日本でマーク・ボランの音楽が如何に愛されて
いるかが伺える。

今回の盤の首謀者はマーク研究の第一人者ともいえるアキマツネオ。彼仕切りのトリビュート盤で
悪い物なぞ出来るはずが無いと思っていたが、期待通りの内容に仕上がっていて収録時間が
それほど長くないせいもあるが、あっという間に聴き終えて思わず「もう1回」となる。

まずは、冒頭の『GET IT ON』を聴いて驚く。ドラムのシンバルを叩く箇所がオリジナルと
同じように普通では叩かないような処で叩かれている。アマチュア・バンド(いや、プロでも)が
ライブでこれを完コピしても客は「へ?今の間違い?」と思うような感じに取られかねない
箇所でシンバルは鳴るのだが、ここまで気を配った(笑)同曲のカバーは聴いたことがない。

綿密に製作されたスタジオ録音ならではの傑作カバーなのだが、これを聴きながら「そういえば
ストーンズの『BROWN SUGAR』も変な処でシンバルが叩かれるんだよな。」なんてことを
思い出した。当たり前だがライブでチャーリー・ワッツは該当箇所ではシンバルを叩かない。(笑)

『LIFE'S A GAS』に於ける男女デュエットは、TV番組シラ・ブラック・ショーにマークが
出演した時の再現か。実にいいボーカルである。『CELEBRATE SUMMER』『THE SOUL
OF MY SUIT』といった私好みの曲が選ばれているのも嬉しい。

今回のトリビュート盤のタイトルは「SITTING NEXT TO YOU」である。これは御存知の
とおり、マーク・ボランのTV番組「MARC」に於いてマークとボウイが共演しながらも
ボランが歌いだしの際に躓いて演奏が止まりそのまま番組のエンディングで放送された
未完成の曲。ボランの伝記によると、マークは録り直しを望んだがスタジオ使用時間が
終わりでボウイもそれほど録り直しに前向きでなかったようなことが書かれてあった。
その後マークは9月16日に逝去し番組が放送された77年9月28日には既にこの世にいなかった。

そんな未完の曲をアキマツネオと吉井和哉で完成させてしまったところに、この盤の
最大の愛を感じる。マークのデモのような音源はブートレグでも聴くことができるが
こんな形で聴くことができるとは。勿論マークが全部を作曲したわけではないので本当の
曲の全貌がこの通りであるかどうかはともかく、嫌いになることはできない。

マーク・ボランを好きな人は勿論だが、参加したミュージシャンの一人を好きなひとも
含めて多くの人に聴いてもらいたいトリビュート盤である。生誕80周年記念トリビュートが
あるとしたら『MADMAN』を取り上げて欲しいものだ。

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MAXIMUM As & Bs

2017-11-04 22:08:08 | ROCK

掲載写真はザ・フーの5枚組CD「MAXIMUM As & Bs」。ザ・フーが英国でリリースした
7インチのシングル盤やEP盤の両面を残さず収録するという趣旨の編集盤である。

一昨年から2年にわたり4種のセットで出た7インチ・ボックスのCD化でもある。実は
7インチ好きを公言しておきながら、あのセットは何一つ購入しなかった。理由は幾つか
あるが(金が無いのが最大の理由だが)最初のボックスが出た時のシングルが全てジャケ無しの
カンパニー・スリーブのみだったので、それほど購入意欲が湧かず「ま、そのうちに。」
なんて思っていたら、何と全シングルが4回に分けて出てしまい追いつけなくなったと
いうわけである。

英国オリジナル・シングルに準じての再発なので、カンパニー・スリーブのみなのは
当たり前なのだが、それで購入意欲が削がれるようでは私もまだまだ青二才。日本盤だと
これも当たり前のように7インチにはジャケットがあるのだが、今思えばどれも秀逸な
味のあるジャケットで、そういう意味では日本盤7インチっていいなぁと思う。

で、そんな私が贖罪(笑)の意味を含めて今回のCDボックスを手にしたのは必然であって
ほんの少しであるが初CD化の曲もあるので、それなりに満足してこの箱物を楽しんでいる。
ザ・フーのベスト盤的なものは何種も買っているが、シングル集として編まれたセットの
購入は初めてかも。記憶が曖昧であるが、悪名高き(笑)『WON'T GET FOOLED AGAIN』や
『YOU BETTER YOU BET』のシングル・エディットをCDで聴くのが新鮮に思えたので
きっとそうなのだろう。



私が最初に買ったフーの7インチは掲載写真左の盤で、オリジナルなんぞではなく83年に
再発されたもの。次に買ったのが右の盤で、初めてのリアルタイムでの7インチは解散ツアー
のライブであった。なんとも数奇な出会いであるが、これも私らしいといえばその通り。
この2枚の購入は、どちらもジャケットに惹かれたものであるのは間違いない。やはり、
ジャケットがあるほうがいい。

今回は英国でリリースされた7インチのCD化であったので12インチは該当しない。

 折角の機会だったのでこれも
CD化すればよかったのに。これが単体でCDになることはまず無いだろうし。

ストーンズも同趣旨のボックスが出るといいのだけど。

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LOVE SO FINE

2017-11-03 17:06:57 | ROCK

ロジャー・ニコルス&スモール・サークル・オブ・フレンズの盤を買ったのは88年だった
ろうか。CD化されたのが87年なのだが、それまで私はそんな盤の存在を知る由もなかった。
何かの拍子でアルバム・ジャケットを見て「このサングラス、只者じゃないね。絶対に凄い
未知のロックンロールに違いない。」と思ってジャケ買い。(笑)

私の思惑は外れた。見事に外れた。しかし私はこの盤を嫌いにならなかった。自分でも意外で
あったが一聴して好きになり、何度も何度も聴き97年に7曲追加で再度CD化された時も
喜んで手に入れた。ライナーが今度も小西康陽だったので嬉しかったのを昨日のことのように
覚えている。

更に20年の月日が流れ・・・。今度はアルバム収録曲全曲が7インチとなりボックスに
収納されてのリリースとなった。今年の2月のレココレで小西氏が『COCOANUT GROOVE』
以外は7インチになっていると書いているのを読んで「あぁ、世界中の盤を探すというのは
凄いなぁ。いっそのこと全部改めて7インチにすれば売れるんじゃない?俺は買うね。」
なんてことを思っていたら、本当に目の前にそれが現れた。夢は叶う時も稀にある。(笑)

ロジャー・ニコルス・トリオ時代も含む全10枚のシングル盤。それも全てモノラル仕様。
今日のような何もすることの無い、日差しの暖かい午后に酒を飲みながら1枚1枚7インチを
ひっくり返してレコードを聴くのは何という贅沢な時間なのだろう。
『SNOW QUEEN』『THE DRIFTER』『LOVE SO FINE』を7インチで聴けるのだから
これ以上の贅沢はない。残念ながら私が飲んでいたのはワインではなく焼酎であったが。(笑)

一度もこの盤を聴いたことのない可愛い女の子が横にいれば最高(笑)なのだが、それは
また別の話。それにしても。今回の小西氏のライナーで初めて知ったのだが、87年盤に
氏が書いたライナーに勝手に他者によって加筆されていた箇所があったとは・・・。
新事実を知ってゾワゾワしてしまいましたよ。

 さて。次はコレを狙いますかね。

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LIVELY UP YOURSELF

2017-11-01 00:16:44 | REGGAE

昨年LP3枚組でリリースされたボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの「LIVE !」が
遂に2枚組CDでリリースされた。聴きたい気持ちは山々だったが間違いなくCDに
なるはずと思ってスルーしたのだが、やっとCD化である。

最初にLPでリリースされた時は7曲収録の1枚物であったが、両面全くダレることない
演奏と歌唱に聴き入ったものである。リア・ジャケットには75年7月18日の録音と
書かれてあるが、本当は7月17日の演奏で『LIVELY UP YOURSELF』のみが18日の
演奏。(17日には演奏されていない。)

CDの1枚目には17日の演奏が2枚目には18日の演奏が収録されているのだが、
聴き馴染んでいる点を差し引いても17日の演奏の方が締まりがあるように思え、
LP1枚の尺に収録するための選曲を踏まえた上でも、LP発売時の曲選択は正しかったと
いうことがよくわかる。

ミックス違いというのは曲者で、今回のCDはコンサートの完全収録(曲が終わって歓声が
フェイドアウトする箇所はある)という意味で価値は高いのだが、LP時代とは趣が違う
点もある。それはマーリー以外の声のミックスが小さいということだ。

一部の曲でのアイ・スリーズのコーラスもそうだが、歓声や観客の掛け声がLPと比べると
小さいのだ。あの掛け声や歓声がライブの臨場感というか生々しさを演出(というと作為的
な感じでイヤなのだが)していたのだが今回はそれが削がれ、演奏とマーリーの歌唱に
耳がいくようになっている。全体的に低音の出も強力だ。LPの音が身に染みついている
ので多少の違和感はあるが、これはそのうち慣れるのだろう。

それにしても、凄い演奏である。人生に於いてあと何回この盤を聴くのだろう。
そして、聴くたびに感動で満たされるのだろうなぁ。

コメント (8)
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