HARRY’S ROCK AND ROLL VILLAGE

お気に入り音楽の紹介と戯言

蓮の花咲く頃

2017-04-26 20:56:06 | ROCK

集中してアナログ盤を聴く生活が続くと、普段は手が伸びないというか、棚の片隅にある
忘れ去られていた盤にも手が伸びてしまう。時間にすればCDだと2枚分くらいの
内容がLPなら3枚組くらいになってしまう。そうすると何だか大仰に思えて
ついつい遠ざけてしまうのだが、いい機会だと思って久しぶりに聴いたのが掲載写真の
サンタナの「ロータスの伝説」である。

最近、未発表曲を加えて3枚組CDでリリースされ、気になってはいるのだがその前に
大して聴きこんでいない3枚組LPを克服せねばなるまい。(笑)10年ぶりくらいに
取り出したのだが、あれ、この盤って4チャンネル仕様だったんだ。恥ずかしながら
今の今まで気にも留めていませんでした。(笑)

当時のCBSソニーが出した4チャンネル盤の紹介がライナーのような感じで封入
されていて、近年CD化されて話題になったジェフ・ベック・グループ以外にも
多くの盤があることに驚く。アンディ・ウイリアムスとかミッシェル・ポルナレフの
4チャンネル盤ってどれくらい需要があったのだろう。ベルナール・エスタルディーの
「音楽人間・バロン」がミックス違いだったら聴いてみたいなぁ。(笑)

私はこの盤を15,6年くらい前に買ったのだが、3枚組で尚且つ有名な22面体ジャケ
で、帯こそなかったもののシール(ステッカー?)も付いているにも関わらず1000円台
で購入できた。今の市場はしらないが、昔からサンタナの中古LPは安かったと
記憶しているが、この3枚組を定価もとい低価で買えたことが、過去の記憶を更に
強力に上書きしているのだろう。

元々、サンタナは好きだった、というか高校1年の時に「CARAVANSERAI」を
買って感動したという経験が大きいせいもあって、このライブ盤にも感動した。
70年代のロック・スターの一部にあった独特の宗教観も露わだったこのステージを
見ることができた人が羨ましい。カルロス・サンタナの官能的なギターは勿論だが
キーボードや数多の打楽器の絡みが有機的で、ここでのメロディーとリズムの洪水に
全身を任せて漂いたいと思うのは間違いでは無いだろう。雰囲気づくり、ではないが
お香を焚きたいと思うのも間違いでは無い。(笑)

聴覚と嗅覚、更にはジャケットの視覚で脳と心を刺激した当時のサンタナは無敵で
あっただろうその時期の日本での演奏をレコードに残したというのは、世界に誇る
仕事であったのだろうなぁと当時のスタッフの熱量に思いを馳せるのもまた楽しい。
おお、確かに今は『MR UDO』と表記されている曲は、このLPだと『SAVOR』と
表記されている。こんなことにも気付かずに私は漠然とLPを聴いていたのだなぁ。

LPは収録時間の関係でコンサートで演奏された順に収録しているわけではないし、
曲のエンディングと次の曲のオープニングの切れ目がないものの収録時間の制約が
あるものは次の曲のイントロが被る形でフェイドアウトしたりしていることにも
気付く。もっと熱心に聴かなければいけないね。(笑)

先日リリースされた3枚組CDには7曲の初登場曲がある。その中には正真正銘の
『SAVOR』もある。LPの時にフェイド・アウトして次の面で今のTVドラマの
CM明けのようにちょっと戻って始まった曲は、どんなふうに収録されているのだろう。
気になる。(笑)LP3枚組なのに不思議と疲れなかったこともあり、密かに次は
3枚組CDを狙ってみようか、なんてことを考える今宵である。

3枚組ライブか・・・。よし、次はこれも久々の「YESSONGS」でも引っ張り出して
こようかな。いや、やめておきます。(笑)

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LONG LIVE ROCK

2017-04-23 19:32:52 | ROCK

未だCDプレイヤー到着せず、絶賛アナログ盤生活推進中である。(笑)このところ
金曜日は二週続けて深酒だったので、土曜は死んでいる。なので、RSDにも関わらず
家でだらけていて、そんな体に鞭打つべく棚から取り出したのが掲載写真の盤であった。

以前も書いたが、この盤には思い出が多い。というか、月にアルバムを1枚しか買えない
学生時代はどの盤も熱心に聴いたから、それなりの思い入れや思い出は付随する。

洋楽3年生(笑)の頃、1月に入るであろうお年玉を勘定に入れて、12月に馴染みの
レコ屋で何枚かのアルバムを注文した。そんな中の1枚がこれだった。「キンクスの
1枚目とザ・フーの『MY GENERATION』を注文しといてください。」なんて言った筈だ。

初心で無知な私は廃盤なんてことに気がいかず、店頭に無い盤はレコード会社の倉庫に
あって注文すれば揃うと思っていたものだ。そうでないと、小さなレコード屋の棚は
溢れてしまい、それ故にストーンズのコーナーにはいつも6,7枚のLPしか入って
ないのだ、とマジで思っていたのだ。(笑)

年末にレコ屋のおばちゃんから「注文した盤が揃ったよ。」と電話を貰ったので、正月明けに
喜び勇んで行ったのだが・・・。「これが、キンクスの1枚目」と行って渡されたのが
「LOW BUDGET」。今思えば、洋楽に疎いおばちゃんが問屋に聞いたら当時の日本での
所属レーベルであったフォノグラムの在庫の一番若いのを持ってきたのでは、なんてこと
が想像できる。つまり、パイ時代の「THE KINKS」はおろか、フォノグラムでの1枚目
である「SLEEPWALKER」ですら廃盤だったのだろう。

ザ・フーに至っては「『MY GENERATION』という曲がこのレコードに入っているから、
これでいいんじゃない?」と言う始末で、高校生にとっては高額な2枚組LPを見せて
くれたのだ。「キンクスもザ・フーもいずれ全ての盤を揃える算段だったので、順番が
違ってもいいか。おばちゃんが折角取り寄せてくれたんだから、断るのもナンだし。」
と思って両方とも購入したものだ。

アルバム「THE KIDS ARE ALRIGHT」は同名映画のサントラの体を成す。様々な
TV番組やライブでの音源を集めているので音の感じはバラバラだが、ある意味ベスト
盤のようでもあり、何度も聴いたものだ。ザ・フーの情報が少なかった時代に、写真が
ふんだんに使われた全20Pのブックレットは、未だ見たことの無い「動くザ・フー」
への憧れを増幅させたし、誤植だらけのライナーであったが内田裕也の訳のわからない
熱量を帯びた文章にも興奮した。当たり前だが、対訳を読んで歌詞の内容を理解する
ことができたのも嬉しかった。なんせ、最初に私が買ったザ・フーのLPは廉価盤の
「DIRECT HITS」と題された編集盤で、それには対訳は無かったのだから。
レコードをジャケットの横からではなく、上から取り出すというのも新鮮であった。

当初の目的であった『MY GENERATION』よりも、『不死身のハードロック』や
『無法の世界』、更にはカバーであるが『ヤング・マン・ブルース』の歌詞を読んで、
その漢気にヤられ、更には『ジョイン・トゥゲザー』の歌詞にも魅了された。
そして、『ババ・オライリー』・・・。次にアルバム「WHO'S NEXT」を探すのは
必然であった。

私が買った2枚目のザ・フーのレコードがこれである。最初が「DIRECT HITS」、
次が「THE KIDS ARE ALRIGHT」。こんな順番でスタートしたレコード集めだが
今は、まあまあなコレクションを所持していると言えるところまできた。

受験勉強に拍車をかけた高校3年生の冬はこれで乗り切り、受験期間中に買った
「WHO'S NEXT」が、私のザ・フー熱を更に後押しして今に至る。久しぶりに聴いた
のだが、これを聴くと気分は今でも10代のあの頃に戻ってしまう。

LONG LOVE ROCK , I NEED IT EVERYDAY .

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SENTIMENTAL FOOL OF THE 21ST CENTURY

2017-04-17 18:53:44 | DAY BY DAY

遂に本格的にCDプレイヤーが壊れてしまった。ここ数年、調子が悪いのをなだめすかし
ながら使ってきたのだが、どうやら潮時のようだ。iPodはあるし、パソコンでも聴くことが
できるし、ましてやレコード・プレイヤーは稼働中なので、音楽を聴く環境はそれなりに
あるのだが、やはりCDプレイヤーが使えないのは物足りない。注文したプレイヤーが
届くまでアナログ生活に突入したものだから、10年ぶりに「ウマグマ」なんか聴いて
しまいましたよ。(笑)

レコード・コレクター誌が創刊35周年を迎え、通巻で500号に到達した。
で、その「お祝い企画」が「レココレ読者が聴くべき21世紀の名盤」ときた。
う~む。これは手放しでは楽しめない。

創刊25周年の時は60年代から80年代の30年を10年単位で、ベストアルバム100を
選出したのだが、それはとても楽しんだ。別に自分がついていけた時代だから、というだけの
理由ではなく、聴き逃している盤の再発見に繋がったからだ。

で、90年代はおろか、00年代のベスト100をスルーして「21世紀の名盤」、である。
個人的には、この2つのディケイドを総括して欲しかった。
それを踏まえて「21世紀の・・」とくるのなら、それなりに納得したのだけど。

とかなんとか思いながら選出された盤を見て、また考える。「レココレ読者向け」という
縛りがあると、こんなにも不自由な選出になるのか、と思ったのだ。
レココレ読者の大半は、80年代90年代あたりでリアルタイムのロックを聴くのを終えて
所謂過去の大物の組物のリリースや、LP時代に幻だった盤の再発に心躍らせる人たち
だから、こういう選盤になったのかと思うと、自分もそんな中の一人であるのに、ひどく
窮屈な気がしたのだ。

エアロスミス、パティ・スミス、ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトン、
ポール・ウェラー、マリアンヌ・フェイスフルといった処の選出盤の共通項は「カバー・
アルバム」であり、レイ・デイヴィス、ジョン・フォガティーの選出盤の共通項は
「焼き直し」であった。これが「レココレ読者向け」というのであれば、私も間抜けな
括りの中にいるようで、居心地が悪い。

尤も、選ばれた200枚の中で私が所持しているのは34枚にすぎないのだから、
四の五の言わずに未聴盤にトライすればいいのだろう。しかし、分母たる200枚の
選出基準に疑問があるとすれば、なかなか興味が先に進まないのも事実である。

できれば、今更ではあるが90年代と00年代の100枚を選出して欲しい。
過去を振り返るのは得意(笑)なので、喜んで復讐もとい復習するのだけど。(笑)

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春うた

2017-04-11 12:25:50 | 日本のロック・ポップス

この雨にやられて、桜も散ってしまった。以前も書いたが花は愛でるものの花見という
行為に全く興味がないので、自然の成り行きを憂うこともない。散り急いだ花が路面に
張り付き、雨で流れていく様を見やるのみである。

さて、春なのでスカパーの音楽チャンネルでは例によって「はるうた」特集なんてのが
組まれる。「はるうた?春歌か・・・。ま、定番なら『まっくろけ節』とか『ヨサホイ
数え歌』だよね。」なんてことを思うのだが、そんな歌は誰が歌っていようとオンエアーは
されない。当たり前か、趣旨が違うから。(笑)

掲載写真はなぎらけんいちが74年にリリースしたアルバム「春歌」。音だけは持っていた
ものの、私的に長年CD化を希望していたので今回のまさかの(笑)初CD化は嬉しい。
なぎらのオリジナルが1曲ある以外は、古来伝わる正統派の春歌集である。

ブルーズが持つ猥雑な側面が好きである。ジャンルは違えど綺麗な(?)言葉で遠回しに歌うか、
意味深に歌うか或いは直接的に歌うかの違いはあれど、全てのラブソングとまでは言わない
までもほとんどの歌は近かれ遠かれセックスに言及していると解釈する私は、他人から
みれば頭がおかしいと思われても仕方がない。そんな中、直球ド真ん中の大穴めがけて
マイクを突き刺す、この盤の存在にはド肝を抜かれたものだ。

なぎらの男気を支えるのは、はちみつぱいの面々や村上律、洪栄龍ら名うての強者たち。
スタジオ内は笑いに包まれながらも、ある種ご禁制の物を作っているようなドキドキした
気分があったであろう。アルバム内にはそれ以上に楽しさが満ち溢れ、聴く者を楽しませる。
如何せん、内容が内容なだけに一人でのリスニング或いはヘッドフォンの装着を余儀なく
されるが。(笑)

曲別の解説はライナーに詳しく書かれてあり、非常に勉強になった。邦画好きの私には
痒いところに手が届く内容でもあり、次に映画を見るときの参考にもなった。
今回のCDは紙ジャケで丁寧に作られており、LPと同じようにゲイトフォールド・カバーを
見事に再現している。掛け布団をめくれば歌詞が掲載されているというアイディアは
極めて秀逸である。秘め事は布団の中だけで行われるとは限らないのは、収録された楽曲の
数々で歌われているとおりだが、やはり布団の中というのはいつの時代もストロングスタイルである
ことに変わりはないのだから。(笑)布団をめくれば、やりたいことが山ほど書かれてある
というのが面白いのだ。

万人の理解を得られるとは思っていないが、愛と笑いと人類の繁栄(これはどうでもいいか)
のために、一聴をお勧めする。柴山俊之の「春歌」と併聴して漢気を暴発させるのも
股好し、もとい、また良し。

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ROLLY COMES ALIVE !

2017-04-10 00:04:26 | 日本のロック・ポップス

所謂洋楽のロックが華やかだった70年代の名曲を伝承することに長けていたROLLYで
あるが、近年は日本のロックやポップスの名曲をカバーして現代に蘇らせているのは
承知のとおり。そんなROLLYがリリースした2枚組ライブ盤が掲載写真の「ROLLY COMES
ALIVE !」。今回のジャケットはエルトン・ジョン風の眼鏡をかけて、タイトル通り
ピーター・フランプトンである。ジャケットを一目見て「これはライブ盤だ」とわかる
ようになっている、というかそれだけ「FRAMPTON COMES ALIVE !」のジャケットの
印象というか脳内への刷り込みは強い。(笑)

近頃のライブ盤といえば、複数のコンサートで録音された中からいいテイクを選りすぐり
更にスタジオで修正して出すのが当たり前となっているが、今作は昨年10月18日の演奏を
MCを含めてほぼ全て収録してある。

MCの中でROLLYは、当日はライブレコーディングが行われていることを明かし、尚且つ
複数回のコンサートを録音していいとこを出すのでなく、今日しかレコーディングしていない
のでやりなおしが出来ないなんてことも喋る。2曲目が終わった後の長いMCのあと、「曲が
終わったあとの会場が盛り上がっている様子の素材」として、曲のエンディングと歓声と拍手を
録音しようとして笑わせてくれる。

オープナーの『オートマチック・パイロット』から歌詞を忘れてごまかす場面があるが、
そんなとこも修正なし。正にリアル・ライブ。選曲は2枚出した日本のロックのカバー・アルバム
からのものが中心で、96年のアルバム「ROLLY’S ROCKROLLY」発売20周年ということも
あって、同アルバムから3曲が演奏されている。

それにしてもMCが長い。(笑)CDのチャプターは収録曲数分しかないのだが、曲と
MCのチャプターは分けてほしかったかも。(笑)ROLLYらしい、ちょっとぐだぐだした
感じのMCは嫌いじゃないけど。

頭脳警察の『いとこの結婚式』はスタジオ盤より今作のほうが勢いがあっていいかも。
カバー・アルバムを制作する際に本当は『さようなら世界夫人よ』をカバーしたかったのだが
許諾が下りなかったことが明かされて少々驚く。ヘルマン・ヘッセ或いは日本語訳者の
権利がクリアできなかったということなのだろうか。ま、私は『いとこの結婚式』の演奏の
出来を気に入っているから満足しているし、『世界夫人』にそれほど思い入れは無いから
構わないが。

先の2枚のカバー・アルバムの両方に収録された、はっぴいえんどのカバーが無いのが
意外だが贅沢は言うまい。全体の選曲、流れを含めて実に楽しいライブである。
弦が切れるハプニングを上手く乗り切る場面もあるし、最後をSCANCHの『恋のマジック
ポーション』で締めくくるのが嬉しい。
興奮の一夜を我が家で堪能できる贅沢に感謝、である。

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QUOTATION & PATCH

2017-04-09 00:58:24 | ROCK

ハニカムズの『COLOUR SLIDE』を初めて聴いたのは、かなり遅く90年頃だったと
思う。ブリティッシュ・ビートと呼ばれた一連のバンドのなかでも、かなり遅く知ったのだが
件の曲のイントロを聴いて「あれあれ?」と思ったものだ。

そして、06年にCDになったピクシーズ・スリーのアルバム『PARTY WITH THE PIXIES
THREE』のボーナス・トラックとして収録されたシングル曲『COLD COLDWINTER』を
初めて聴いて、また「おやおや?」と思ったのだ。

1曲からパクるのでなく、複数の曲からいただくのか・・・。おっと、パクるなんて
品の無い言葉は慎まないといけませんね。元曲に尊敬の念を持ち、伝承を兼ねてその時代
ごとに手を加えて蘇らせるという作業は簡単ではないのだから。何より愛がないと
できない所作である。

ポップスに深い造詣があれば、すぐに気づいた事や、所謂ナイアガラーとかいう呼称に喜びを
感じる熱心な人ならとっくに探求の旅に出て発見していた事柄に、私は辿り着くことは出来ずに
いるが、かといって辿り着きたいわけでもない。それでも、掲載写真の盤「ナイアガラの奥の
細道~ルーツ・オブ・ナイアガラ・ポップス」には興味があった。これで完璧なんて編集者も
熱心なマニアも思っていないだろうが、単なる自称一本気なロックンローラー(久々、笑)の
私にすれば、最短距離である程度の目的を果たせる3枚組コンピレーションなのだから。

タイトルから簡単に推測できるように、大瀧詠一が自身の曲に引用した元ネタであろう曲を
集めているのだが、3枚のCDに収められた全63曲を聴いて、それが容易にわかるものも
あるがそうでないものもある。ここらは大滝の曲をどれだけ聞き込んでいるかということ
元ネタ発見のポイントになるのだろうが、そうすると私はまだまだ聴き込みが足りないということであろう。

しかし、重要なのは元ネタを知って悦に入ることではなく、こういう機会でもないと知る
ことができなかったポップスの宝の山に分け入ることができたということだ。
そういう意味で私的には実に有り難い3枚組である。限定1000部で尚且つ廉価なので
買い逃すと次は無い(かもしれない)。

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微熱少年

2017-04-08 07:10:47 | 日本のロック・ポップス



間近に迫ったレコード・ストア・デイであるが、何を何処にオーダーするかで未だに
思案中。赤黒情報が出揃わないのがその一因であるが、ボウイ様の2種は欲しいと
思っている。しかしながら、海外サイトでは既に高値で売り出されるような気配を
感じさせる値段設定がされていたので、そのあたりも考え処である。

そんな中(笑)、タワーレコード限定で鈴木茂の2枚の7インチがリリースされた。
何れの盤も初カップリングによる初7インチ化ということで、喜んでいる方もいるだろう。

特に私は『砂の女 / 微熱少年』のカップリングに唸った。この2曲こそ名盤の誉れ高い
アルバム「BAND WAGON」収録曲中、最高の2曲だと思っていたからだ。ジャケットは
当初カセットのみでリリースされ後にCD化された「鈴木茂&ハックルバック」で
使われたものを上手く流用している。

 これも好きだけど、それでも今回の7インチの
2曲の方が好きなので、よくぞ7インチにしてくれたという思いは強い。

『LADY PINK PANTHER / 8分音符の詩』はセカンド・アルバム「LAGOON」からの
2曲。ジャケットはアルバム・ジャケットのデザインを活かしたもので、雰囲気を
損なわない良い出来である。ファーストとは全く違った趣のアルバムに最初は戸惑ったが
全く別の着地点を目指したのだから、そこでの成果を汲み取るのが本筋と思えるように
なってからは楽しめるようになった。

昨今の7インチは1枚物の輸入盤CDより高い値段であるが、贅沢(笑)をするなら
クオリティーの高さを求めるのは当然であり、今回の2枚はそれを十分に満たしてくれる
リリースである。

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愛は特撮

2017-04-05 00:05:06 | 日本のロック・ポップス

いや、なんとなく「恋は悩殺」に並ぶタイトルかなと思って。(笑)

目が利くわけでもなく、せどり屋でもないのだが、「これは数年後に高額物件になる
のでは?」と思う盤に出くわすことがある。最初に目利きで無いと書いたことから
わかるように大概はそんな思いは外れてしまうのだが、それで悔しいとか思うはずもなく
単純に興味を持った盤を聴く毎日である。掲載写真の盤は久しぶりに「これは後に
高額物件になるかも」と思った盤である。そんなに売れないだろうし、廃盤になったら
次の再発は無いだろうという考え故にである。

ロック・パイロットはGSブーム終焉後の所謂ニュー・ロックの先駆けとなるべく
登場したバンドであったと思う。71年のデビュー・アルバムは豪華作詞・作曲陣で
固められた外注の曲を収録しているが、強烈なユニゾンのボーカルと的確な演奏とユニークな
アレンジで今聴いても「素敵だ」と思える瞬間を多く含む盤であった。

しかし、72年に発表された「みんなのアイドルTVマンガ大行進!!」は当時のアニメや
特撮物をロック寄りのアレンジで演奏するという企画物であった。どういう経緯でこういう
盤を録音することになったのか知らないのだが、いろいろと想像することはできる。
当たっていないかもしれないが、そこにはネガティブな要素はあったはずだ。

今なら「アニソン」なんて言葉は一般的だし、声優が集って開くコンサートの客の入りが
上々なこともあるし、否定的要素は少ないかもしれないが72年にこういった盤を出して
ロック・ファンの支持を得られるとはなかなか考えにくい。話題つくり、或いはこれで
売れたら次は好きなことができたかも、なんてことも考えたかもしれないが、歴史を
辿ればロック・パイロットの歴史は同年に終焉をむかえている。

選ばれたアニメ・特撮の主題歌は全12曲。ロック・アレンジが似合う勇ましい歌や
気分が高揚する曲もあるが、「え?」と思うような少女漫画からのものや、個人的には
子供っぽすぎる曲も選ばれていて、その揺れ幅に驚くが私好みの曲は少ない。
それでも、あの時代に所謂アニソンをロックのアレンジで演奏したというのは、
画期的な出来事なのではなかったかと思う。

正確に時系列を書けばロック・パイロットがこの盤をリリースしたのが72年2月で、
6月17日のコンサートを最後に解散。もし、バンドがあと暫く存命していれば、そして
この企画物のリリースが72年の暮れであったなら、彼らはデビルマンを取り上げて
くれただろうか・・・。

CD化は無いだろうと思っていた「みんなのアイドルTVマンガ大行進!!」が
まさかの初CD化である。快挙を喜び、先に書いたような不埒な想像をし、ついでに
自分の好きなアニソンや特撮ソングを思い起こしてみる。
時代が何重にも廻った今、この盤の果たした特異な役割に思いを馳せるのも
一興である。

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シャー

2017-04-04 20:26:41 | ROCK

 

先日見た新聞の、片隅に載っていた雑誌の広告に描かれていた猫の絵と鳴き声の表記が
いい塩梅で妙に気に入った。単に怒っている猫が「シャー」って唸っているだけなのだが
この「シャー」という音が気に入ったのだ。阿呆な話である。

掲載写真左はシャーの、もといシャークスのニュー・アルバム「KILLERS OF THE
DEEP」。同名異バンドの話はさておき、シャークスといえば未だにクリス・スペディングと
アンディー・フレイザーの双頭バンドのように扱われることがあるが、アンディーは
すぐに抜け、クリスとボーカルのスニップスが中心の体制になる。

70年代に2枚のアルバムを出したシャークスは解散し、その後95年に1枚アルバムを
制作するが、なんと20年以上の月日を経て新作が出るとは思わなかった。
クリスとスニップスは11年にキング・モブという名前のバンドを作るがアルバムを1枚
出して頓挫し、そこにベーシストが加わってTHE PRESENCE LDN名義での活動に
移行するが、それが発展したのが今回のシャークスとみていいだろう。
昨年、アナログ盤が出たのだがCDになって流通したのは今年になってからである。

新作を聴いてまず感じたのは紛れもないバンドの音である、ということである。
ソロ・ミュージシャン名義の盤をつくるのでなくバンドの盤をつくったという感じで
感覚的な物言いであるがノリがいいというか生物として生き生きしているという
ように感じられる。特にリズム・セクションのバランスがよく、私はここでのベースを
非常に気に入った。

74年頃にライブで演奏された曲である『COLOURS』が『RED RED RED』という
タイトルで生まれ変わったのが嬉しい。この曲はエンディングがあの『GUITAR
JAMBOREE』状態になるのが楽しいのだ。といっても物真似大会でなく件の曲における
キース・リチャーズとジャック・ブルースのフレーズで進行するという話。
更に言えば、『GUITAR JAMBOREE』は76年の曲なのでクリスがシャークスでの
アイディアを使いまわしたというのが正解なのだけど、楽しいことは間違いない。

THE PRESENCE LDN名義で録音していた曲も覇気のあるバンドの音になっているし
クリスの78年のアルバム「GUITAR GRAFFITI」収録の『BREAK OUT』の再演も嬉しい。

『BREAK OUT』といえば、掲載写真右のシャークスの発掘録音盤「CAR CRASH TAPES」にも収録されている。
これは74年にジョン・エントウィッスルのプロデュースで録音されながら世に出なかった曲と
2曲のライブを収録した盤で昨年リリースされた。
この盤はCDRで、当初はクラウド・ファンディングで制作資金が集められたのだが、
私はのんびり構えていたら出資する前にファンディングは終了(笑)してしまい、
出資者はともかく一般人はライブ会場でしか手に入れられないブツとなってしまった。

こういうとき、いつもの私ならかなり焦るのだが今回は鷹揚に構えていたところ、通販で
手に入れられるようになり一安心。焦りは禁物である。(笑)音はあまり良くないが
それでもザ・フーのジョンがプロデュースし自身もホルンで参加しているとなれば
ザ・フーのファンでもある私には手元に置いて嬉しい1枚ということになる。
アルバムとしての出来は新作の方が良いが、シャークスが3枚目のアルバムを準備していた
ということがわかる「CAR CRASH TAPES」の存在は貴重だ。

盛り上がってきたので、ブートレグも引っ張り出してこよう。
シャー。

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EXTRA ETCETRA

2017-04-01 09:24:51 | ROCK

            

日本限定という触れ込みでローリング・ストーンズの映像が2種リリースされた。限定という
ことはスタンダードにはならないということであるが、ファンとしては嬉しいリリースで
ある。日本のファンの熱心さがストーンズ側に伝わった結果のリリースであろうが、日本人
なら何でも買ってくれるだろうというマーケティングの結果であったとしても、個人的には
一向に構わない。(笑)

掲載写真右の「TOTALLY STRIPPED PARIS」は1枚のブルーレイと2枚のCDで構成される。
映像自体は、昨年リリースされた映像作品「TOTALLY STRIPPED」の限定版に収録されて
いたが、今回は全22曲を収録した2枚のCDが添付されている。映像は所持しているものの
「新たな2枚組ライブ盤」としてCDがリリースされたと考えると、ここは購入するしか
ない。この2枚組CDが単体でリリースされれば当然購入しているので、これでしか手に
入らないのなら、躊躇する理由はないのだ。ま、後々単独でリリースなんかされたりしたら
「熱心な日本のファン向け」というお題目も怪しくなってくるのだが、その時はその時
である。(笑)

掲載写真左の「LIVE IN JAPAN EXTRA」はDVDと2枚のCDで構成される。TV放送
され先に商品化された90年2月26日の映像の一つ前の公演である2月24日の映像で
これは放送が予定されていた26日に備えてのカメリハともバックアップ素材用とも
いわれていたもので、ブートレグで見ることができたがそれとはカット割りは全く違う。

ブートレグでの映像はステージ全景とミック・ジャガーを中心に追った映像(例えば
『MISS YOU』でソロをとる際のボビー・キーズは一切映らない)であるが、今作は
違和感なく一つのコンサートとしての映像を楽しめる。ただし、画質は今一つでそれ故に
ブルーレイでの発売は無いし、これの「日本のみ発売」というのは理解できる。

とはいうものの90年2月24日の2枚組ライブ盤CDも、ここにしか収録されていないのだから
世界が羨む一品ということになるだろう。ま、後々単独でリリースなんかされたりしたら
・・・以下略。(笑)冗談はともかく、映像の音質やCDの音質は素晴らしいのでこれは
特筆すべきであろう。

冗談交じりに書いてきたがストーンズが日本を重視しているのは本当だろう。
5月に出る予定の昨年の南米ツアーのドキュメンタリーも日本先行発売だし、ボーナスで
添付されるライブを収録したブルーレイにも日本のみ3曲多く収録されるようだし。
有り難いことである。

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