プン吉 punkichi の台所★海外遠征大好きな、完全禁煙南国料理店「島結」は飛ぶ!

台所は料理するだけの場所でなくいろんなことを思う場所♪南国料理・泡盛の店「島結」からのお知らせもあるよ

バリ人の階級

2006年02月28日 | 毒バリ
バリを訪れる多くの人々が、バリヒンズーの宗教儀礼に出会うと、その華やかさと神秘的な光景に心を奪われる

色とりどりの民族衣装に身を包んだ女性達が、頭の上にフルーツやお菓子で作られた塔状のお供えを乗せて背筋を伸ばし歩いて行く姿は麗しい

このお供え 高さが高いほど良い って知ってる?

スマトラのメダンからお嫁に来たエルナ、借金をしてでもできるだけ大きなお供えを買い求めることに疑問を感じて

なぜそんなことをするの?神様は平等に守ってくれると思います

と姑に尋ねたら

何言ってんの!ウチだけ小さなお供えだったらみっともないじゃないの!

って叱られたんだって

あれは信仰心の強さじゃなくて、バリ人のプライドの高さを示してるのよ

エルナ、うまい事言う~

イスラム勢力に押された、ヒンズー教徒がバリに逃げのび、この島の原始宗教と融合する形でバリヒンズーが出来上がっていった
現在のバリにはヒンズー以外の宗教があるとはいえ、島民の殆どがヒンズー教を信仰してて、その宗教儀礼を中心にバリのすべてが動いている
宗教儀礼が何よりも優先 され、彼らの収入の多くが宗教儀礼と、それに関わる祭事のために消えていく

宗教儀礼と切り離せないのが

彼らのカスター:所属階級

ブラーウマナ(僧侶)、サトリア(貴族)、ウェーシャ(領主)、スードラ(平民)の4階級に分けられ、名前でそれが判別可能

別階級との結婚は許されるようになった現在でも、上の階級の女性が下の階級の男性と結婚する場合

男性の階級が上がることはなく、女性の階級が下がる

時代が変わっても野心家の男性を支配層に入れない配慮?

下の階級の女性が上の階級の男性と結婚する場合

女性の階級は上がり、それに見合った名前が与えられる

んだけど、この名前、彼女が下の階級からお嫁に来たこと知らせる名前

下の階級の両親は、元の自分の娘の名を呼ぶことは許されず、娘は自分の実家の神様に祈ることも許されなくなる

神にも上下があるってことなの? 
意地悪なツッコミしたくなる…

経済社会が彼らの生活を変えて、かつてサトリアであったものたちが、スードラの経営するホテルやショップで働くっていう逆転現象が起こってしまってるけど、カスターと宗教は一体で、どんなにお金持ちになったとしても

下層のものは宗教儀礼で上に立つことはない

この逆転現象が社会の歪みを生んでいるって感じがするんだけど…
ブラーウマナやサトリアはカスターの話をするのが大好きだもん
こちがカスターのことを尋ねると、鼻高々で説明してくれる

昔は僕達は貴族だったんだ、王様もサトリアなんだよ僕とアグン・ライはサトリアで、クトゥさんとスカルダニはスードラ
ジェローの前の名前はワヤンだけど、サトリアと結婚したからジェローになったんだ


違う階級の二人が結婚するって大変なの?

時々ファミリーの反対があるから結構難しいかな?反対がなかったとしても同じ階級だと奥さんが楽なんだよ、階級ごとにお供えの形とかが違うし、言葉も違うし、他にも色々な違いがあるから、お嫁に行ってから新しく覚えることが少なくて済むよ

じゃあ、ジェローはきっと苦労してるんだろうなぁ…

その通り、ジェローは結婚してからかなり痩せた
日頃から口うるさい姑との確執があるから、残業も進んでするし、休みもあまり保欲しくないって言うんだよね

それでも
スードラの女性はサトリアとの結婚が夢ボーイフレンドがブラーウマナやサトリアなのを誇らし気に口にするのがその証拠
貧富の差が広がるバリにおいて、お金持ちであることは重要だけど、別な形での社会的不平等「階級」を誇ることがバリ文化の中に深く根付いているんだと思う

下層者に使われる上層者

お金をどんなに持っていたって、君に出来ることには限界があるんだよ
君は所詮スードラだからね
それは一生変わらないお金があっても階級は買えないよ


って思いを抱きながら作り笑顔で、下層者に仕える

上層者を使う下層者

昔は支配者だっただろうけど、今は違う、お金が全てなんだよ
この村に一番寄付をしているの私だ
寺院へのお布施、供物が一番多いのも私だ
だからみんな私を尊敬しているし、私なしにこの村の繁栄はない


って胸を張り、村の会合に出かけて行く…

美しさの基準

2006年02月27日 | 毒バリ
日本の女の人ってものすごくいい化粧品とか使ってるのよね?
髪が真っ直ぐでツヤツヤだし、お肌の色もとても白いし…

いやぁ…人種の差だと思うけど

答えになっていないらしい

東南アジアのどこの国にも共通する美人の条件に「色白」というのがあって、日本人としても色白の部類に入る私は、それだけでものすいごーく羨ましがられる

確かに日本にも「色白は七難隠す」なんて言葉もあるのは確か
でも色白うんぬんとはぜんぜん違った美への評価もあるわけで、色が白けりゃいいってのはどうなんでしょ?

だいたいインドネシアじゃ白い方がおかしいじゃん!

テレビに出ている女優の中にはとても白い人がいるけれど、日の当たらないスタジオでの仕事なんだから当然だと思うし、白人や中国系の血が入っていたり、濃いお化粧とライトのおかげだったりしてるだけなんだよね~

ウエイトレスのワルダニは、バリ人としては色が白くて、顔も可愛らしい
「きれいな子がいるな」と思って見るとワルダニだったってことが数回あった
他にも可愛い子は沢山いるけど、肌の色が他と比べて薄いというのが、ここではとても目立つから それが「美しい」ってことになってしまうのかもしれない

でもワルダニは、貧血、原因不明の頭痛、生まれつきの気管支炎などがあり、とても体が弱い
あの島の気候風土で生きていくにはなかなか大変
やっぱり元気なのが一番って、私は思うけど

スマトラ、メダン生まれのエルナの髪はくるんくるん
でも縮れ毛っていうんじゃなくて、純直毛の私には憧れの

ふわふわナチュラルカーリー

人はないものを求めるのよね…
エルナはそう言いながら、私の髪を羨ましそうに眺めてる…


バリではストレートアイロンで髪を真っ直ぐにするのが流行ってる
ストレートパーマは高いから、薬液をつけた髪をアイロンで伸ばして、数日間のストレートヘアを楽しむ

って言っても、ナチュラルなサラサラにはならない
頭を横に振ると、まっすぐの塊になった髪が一緒に揺れるようなそんな感じ
それでも真っ直ぐがいいんだ…

バリ人と結婚していたり、付き合っている日本女性がとても多いことは有名な話
普通の日本人なら、殆んどの人がバリ人よりは色白いのが普通だしー
彼女達も毒バリにハートを突き刺され、もう後戻りできなくなったのかな?
そんな日本人女性達、みーんな日焼け厳禁、髪は染めずに真~っすぐ

髪を切るのも恐ろしい美容院しかないというのも理由のような気もするし、普通のバリ人暮らしじゃ、パーマなんて贅沢…農作業のときは極力長袖で!って感じなんだと思う
愛する旦那様に第二婦人、第三婦人が現れないように頑張る姿は健気…

キッチンスタッフのチャンドラーが淋しそうに言う

私は色黒だから、彼氏ができないのかな?
私の好きだった人、私と付き合うって言ったのに

色の白い日本人のケイコさんのところに行っちゃったの…

ひゃー?マジ?
確かにチャンドラーは色が黒いかもしれないけど、違うよ
それはね、お金に目がくらんだだけだよ!
と思ったけど、言えないよねー

チャンドラー、大丈夫だよ
まじめで可愛くて気持ちの優しいチャンドラー、私はあなたが大好き!
きっと彼もすぐに目が覚めるよ

彼女は通りすぎる日本人観光客をまぶしそうに眺めている

でも私はこの子は絶対に幸せになれるって思うんだ
嘘をつくことなく、純粋にまっすぐに私と向き合ってくれるチャンドラー
私の大切な妹…

そして去年…目を覚ました彼はチャンドラーもとに戻ってきたの!
すでに男の子が一人
幸せそうなチャンドラーの結婚式の写真、パウチしていつもお財布に入れているよ

健康的な元気色の肌をしたチャンドラーに、幸せはちゃーんと訪れた

さあ、今度バリを訪れる時、私のバリの甥っ子には沢山のお土産を持っていこう
そして妹チャンドラーには、彼女の大好きな日本のレトルトビーフカレーに決まり!

ビックル再び

2006年02月25日 | 毒バリ
バリには停電が多い
雨季には雷による停電が毎日のようだし、電力不足が続くと天候に関係なく停電はやってくる

レストランにとってドキドキ、ヒヤヒヤの非常に迷惑なアクシデント
特に暑いバリでは、食材管理に大迷惑!
冷蔵庫の開閉も慎重に…

出すものを考えてから、速攻で取り出す
スタッフは家に冷蔵庫はないから、いきなり開けっぱなしで喋っていたりする

こらぁジェロー!閉めて~!

はい!

いつの間にやら日本語で返事してるよ…

15分ぐらいで復旧するときもあれば、一日中ってことも
一番ひどかったのは8時間連続、しかも意図的にっていう

葬式停電

バリヒンズーでは、亡くなった人を運ぶ際、神輿のようなものに乗せるんだけど、これが実力者や位の高い人だと、それに比例してやたらと高い

あまりにも高いので、普段から低めのバリの電線との接触事故を避けるため、電気を止めちゃうっていうんだから!どうなのよ!?
神輿のほうを低くすりゃいいじゃんと思うけど、そういうもんじゃないらしいんだよねえ

に加えて、実力者の葬列は長い長い…
車もバイクも列が終わるまで足止め
日本で言えば開かずの踏切り?

停電が起こると、スタッフの反応は手馴れたもの、お祈り用の線香に火がつけられ、そこからあっという間に数十本のロウソクに火がつけられていく
エントランスの階段やフロアの置かれたロウソクの優しい光は、カップルのお客様には好評だけど、やはり調理する方は大変

電化製品を使うメニューは、飲み物、食べ物共に全部ストップ
ロウソクの灯りじゃ、パスタのガーリックも狐色なのかなんなのかさっぱりわからないし、揚げ物の色もわからない…調理は勘に頼るのみ
料理中の怪我も心配
目が慣れても、やはり火や高温の油を使うし、刃物も使う

この危険はレストランだけの問題じゃなくて、バリの火災原因の上位にもなっているからやばいよね

日本のODAなどの協力で、発電所などの建設が進んでるとのことだけど、葬式で意図的に電気を止めるんじゃ、電力不足とは無関係ってことでしょ
改善されることはないだろうなあ

さて、ある日のこと
バーの冷凍庫が壊れてしまって、中のものをキッチンに総移動
みんなの狙いは溶けかけたアイスクリーム
少しずつ食べていいよ、と言ったら大喜び
19、20歳の女の子、どこもみんな同じ、かわいいもんだ

バーでは焦げたような臭いがするということで、コードがショートした可能性大で、ちょっと危険
水をかけないように、慎重に冷凍庫のコードを手繰っていく…
冷凍庫をどけるとそこには…

うがーーーーーー!!

ま、また、ねずみ

お腹がすいていたんだろうね、コードを口にくわえたまま感電死
口の周りだけ焦げて、ネズミ独特の前歯がしっかりコードを挟んでる…
焦げ臭いニオイがするわけだ

「地ネズミの瞬間グリル電気ショック風」

オーダー入ってもそう簡単には作れないね、うん

美女とビックル

2006年02月23日 | 毒バリ
ねええ、ぷんちゃん、なーんか臭くない?

エルナが鼻を抑えながら言う

奥のソファ席、ファンを回すでしょ、ほら

どれどれ…う!
何?このニオイ!
これは何か動物性のものが腐敗しているニオイに間違いない!
エルナと二人、ソファ下や箱型のテーブルの中、床周辺、飾り棚、、、
すべてを調べても何もない

ファンをまわして臭うという事は上からだよね
私は調理人、鼻は利く…椅子の上に乗って天井付近をぐるりと眺める
ニオイの元がありそうな場所はわかってるんだけど天井高くて見えん!

背の高いバーテンダー、色男ロビを呼んで

この辺なんだけど…

あ!あった…ビックルだ!

ビックル…それはネズミ

壁と天井の隙間に入り込んだまま身動きが取れなくなった、おバカなビックルちゃん、大きな体がそのままそこに挟まって死んでいるって!?

なんとかそれを取り出さないと、異臭レストランになっちゃうよ~

ロビと、キッチンスタッフのクトゥ姉さんの二人が、鼻と口部分にタオルを巻いて割り箸でつんつん…

うっげええええええええええ

ロビは急いで椅子から飛び降り、吐いている…

そりゃそーだよなぁ
どーしたもんか

そこへ産休明けで戻ってきたジェロー登場
そうだ!彼女はネズミにめっぽう強いんだった!

ゴキブリホイホイの巨大バージョン、強粘着タイプの

ネズミホイホイ

をしかけておくと、でっかいねずみがかかるんだけど
半死半生のちーちー啼くネズミのかかったそれを処分するのは勇気がいる~
みんながためらっていると、ジェローがやってきて二つに折りたたみ
ゴミ箱へポイ!
毒団子で死んでるネズミも、尻尾を持って紙袋にポイ!

実はジェローはすご~く美人
キリリとしたその瞳をきらりと輝かせながらゴキブリさえも素手でプチュ!
凶暴な美人って、なんだかスゴイ

マニア向けやね

ジェローはビニール手袋を両手にはめ、ちぎれたネズミの体半分をいとも簡単につかみ出すと、ゴミ袋にポイ!
ふーっと息をついて…

笑った…

美人だからよけに怖いんだよー、これがあ~

数日後…

私が気づいた異臭
これはまさにあのときのニオイ!
どこ?どこ?
縁側式になっている座席の下を見ると、いた、いました…
今度はネコ

ジェロ~!

ダンボールをちりとり代わりにして、恐ろしい早業でネコを処理
そして、流し目で笑顔…

何でそんなに満足げなん?
まっ、まさかあんたが殺してるんじゃないでしょうね?

サプライヤー

2006年02月21日 | 毒バリ
バリ(インドネシア)は コミッション社会

スタッフの誰かが紹介してきたサプライヤーは、ほぼ 100% そのスタッフにコミッションを払っている
それが上乗せされた金額を経営者側がサプライヤーに払うことになるから、わかっていながら、そいつにボーナスくれてやってるって感じ?

コミッションは良いことじゃないけど、これが習慣だからどうしようもない
インドネシア政府そのものがそういう体質で、日本で言うところの談合や賄賂に当たるもの

魚心あれば水心、よいでわないか~

ということで、黙認されている

これはかなりオイシイ事のようで、私達の出現で自分のコミッションが一切なくなったデワの逆切れはここにも理由の一端があるというわけ
彼は私達が自分の受け取るべきコミッションを横取りしたと思い込んでる
アホやなー

自分の店なのに自分でコミッション取るわけないやろーが!

サマーシーズン、クリスマスシーズンともなればフードやアルコールの注文は、かなり増えて日本円で数万円!彼らの受け取るコミッションもそれに合わせて跳ね上がるから、家族に内緒のお小遣いもホクホク~

それがお店のクオリティに影響しちゃうのが大問題
だって、奴らはコミッションを多く渡してくれる会社を選ぶだけだから…
品物の善し悪しなんてさして関係ない
キッチンヘッドに据えたカデが、たった1ヵ月でお店を辞めるときの捨て台詞

プンさんは僕のベジタブルサプライヤーを勝手に切った
だから僕と彼らの友情は壊れてしまったんだ
僕は平和を愛する人間だから、それを乱す店にはいられない


乱れたのは平和じゃなくて、あんたの懐やろ? 

そのサプライヤーは、最初こそまともな商品を納めていたけど、そのうち半分しおれたような野菜を平気で置いていっちゃうような会社
おいおい、ホワイトマッシュルームが、ブラウンマッシュルームになりかけてるっつーの!

バリで採れる野菜は限られているし、そこそこのレストランが使えるレベルに達している程度のいい野菜は、ジャワ島から来るか、オーストラリアやニュージーランドからの輸入物なのはあまり知られていない事

流通事情が悪く鮮度が良いとは言えないうえに、輸入品、例えばイエローパプリカやマッシュルームなんかが、バリ中のスーパーマーケット、市場、サプライヤーから一気に消えてしまうこともよくあること

日本ではサプライヤーを2つ、3つと抱え、駄目なら別なところに注文をかけるのは当たり前なんだけどね
そんなことをバリで言ったところで無意味
海外からの直喩を専門にしている、外国人オーナーの店がましなくらいで、あとはどこもみんなダメダメ
フード知識はおろか品質が一定しているところは皆無に近い

日本でもファンの多い中国醤油「生抽王」は、最悪の保管状態だったんだと思う
栓をあける前に すでに酸化してて濃厚な濁り汁になってるし

固まったローカルパームシュガーの中には蟻がぎっしり詰まっていて、砂糖を削ると蟻も一緒に削られてくる… 

バラ肉を注文するとスモークベーコン が届く
しかしスモークベーコンを注文すると生のバラ肉が届く
訂正してもまた生肉…しまいには

スモークベーコン?それはうちの商品か?

なあんてと言い出す始末~

2キロ注文すると4キロ届き、5キロ注文すると2キロだったりして全くラチがあかない!!

インドネシア産として有名なエビ、ブラックタイガーを注文するときがまたタイヘン!
注文時にサイズ指定してるのに、毎回サイズがまちまち
値段はMとLと差があるので、MのサイズでLの値段をとられてしまったこともある
キッチンスタッフは、今までクサヤ臭のする冷凍庫海老しか使ったことがないので、ブラックタイガーの微妙なサイズの大きさや、鮮度がわからない
私の不在中に何ヵ月も冷凍庫で寝かされたような、ひどい品を受け取ってしまったり、キロ30ピースのエビを注文しているのに小さい海老が届いて

45ピース以上あった!

と喜ぶ始末

怒っても仕方ないので、まず鮮度の見分け方から説明

目がとれていたり、しおれているのは駄目
ボディの色も赤茶色なのは駄目
青白く光ってて足や尾はちょっと黄色がかってる
触って身が締まったものがフレッシュなの


次は数と大きさ

1キロ30ピースがLサイズ
35ピース以上あったらサイズが小さい可能性があるら大きさをチェックして、ちゃんと数えてねもちろん値段もチェックするのを忘れないで


これを徹底させるのに数カ月…

サプライヤーへの対策も不可欠
バリ人のコックが品物にクレームを付けることは殆どない
でも私は違うぜ!
多少の妥協はするものの、鮮度の悪い品物は買わずに突っ返す!

これを徹底して行くうちに、鮮度の悪いモノは届かないようになってきた
サイズについては注文時にMサイズとLサイズの両方を注文するようにする
こうすれば必ず、Lサイズのエビを手に入れることが出来るでしょ~

しかし奴らはアホだった…

どう見ても2つの袋の海老は同じサイズ
ん?でもどっちもLサイズだ…伝票はMとLになってる…
ひひひ
こういう間違いならいつもしてくれていいよ

バリ人とモスリム

2006年02月20日 | 毒バリ
ニョマンの

「あいつらはモスリムだから」

この言葉、実はバリ人の大多数の気持ちを代弁している
インドネシアで唯一ヒンズー教のバリ島は、他のインドネシアの島に比べ治安もよく観光業も盛ん、比較的給料もよい事から、ジャワやスマトラ、ロンボクなど近隣の島からの出稼ぎ者が沢山

ビーチでバリ人のふりをして、観光客を騙すビーチボーイは殆んどが出稼ぎのヤツだら!なんて言うバリ人も多いけど、なんのなんの、バリ人も立派に同じことしてるよねー

商売荒らされて怒ってるだけじゃん

増えすぎたビーチ沿いの屋台を一掃するとかで、屋台を壊して焼き討ちした事もあるんだから
怖い怖い…

ひとつ言える事がある
モシモシ社長も私達も同じ意見なんだけど

経済社会活動において有能な人材はバリ人にはいない

いないと言い切るのは良くないね
「かなり少ない」としましょ
ホテルやレストランで、重要な地位についている人は他の島出身者が多いのはあまり知られてないことだけど、これは本当

マーケティングとして雇った「エルナ」とフロアマネージャーの「ロイケ」は綺麗な英語を話し、世の中の動きにも敏感に反応する能力があって、話していても飽きることがない

松田優作似の長身「ロイケ」はジャワの出身でモスリム、豚肉は食べない
くるくるヘアの「エルナ」は聡明で明るくて実にしっかりした女性
フォーシーズンスホテルに勤務しているバリ人と結婚して、モスリムからヒンズーに改宗したばかりだとか

ある日のこと、村の子供達がレストランにやってきて「お布施」を要求
ワケがわからず断ったエルナ、するとその親たちがニョマンのところに押しかけて行き「儀式用の人形作りのお布施を払わないつもりか!」と大騒ぎ!

どうやらお布施は慣習で払うのが当たり前らしい

払わないということは、バリ人として許されない神を冒涜する行為なんだか
でもさ、そのとき初めて説明されたんだから…
ニョマンは激怒してエルナを呼びつけ、村人の前で謝罪させることに

エルナは初めての経験に涙しながら、私達にも謝罪…

ボス、ごめんなさい…私何も知らなくて…

いいんだよエルナ、大丈夫大丈夫

デワにやられた!

あいつはこいうことが起こることを知ってたくせに、私達に前もって説明せずに知らんふりを決め込んでいた
知っていたからしくまれたんだろうけど

バリではエルナのようにハッキリとモノを言う女性は嫌われる
男性に対して指示をしたり、間違いを指摘したりするのはタブー
頭脳明晰、明朗快活で、バリ人ではないエルナのことが、デワは大嫌い!
たぶんデワ以外のバリ人男性の多くが、そんなふうに思っているんだろう
私がダンナに意見したり、対等に話しているのを驚きをもって見ている

私のことは日本人であまりにも遠いので、違った目で見るてくれけど、もともと宗教的対立のあるインドネシア人同士だと、その溝は深い

ドバイやシンガポールの高級リゾートホテルで働いていたエルナは、この島の不合理さが納得いかなくて、いつも私に問いかけてくる
そのすべてが的を射ているのがまたスンバラシイ!
頭の中は先進国…この子、本当にバリ人と結婚して良かったんだろうか?

次第に彼女は結婚生活について語り始める…
バリ人の結婚生活は私達の想像を超えたところにあって
エルナの人生は、私達がバリを撤退するのと時を同じくして

急展開を迎える
ことになるなんて、この時は思ってもいなかったんだよねー



ニョマンという人

2006年02月15日 | 毒バリ
バリは祈りの島とも言われているだけあって、みんな毎日の祈りは欠かさない
葉っぱや花で作られたお供えに、ご飯やおかずをちょっとだけのせ、お香を焚いて、聖なる水をふりかけながら、祈りをささげる
この所作はとても優雅で、バリ人女性のすっと伸びた背筋と細い首がとても清らかに美しく、思わず見とれちゃう

スタッフにきいてみた、その動作の意味ってどんなもの?

え?わからない~みんなこうするから…

あ、そうですか…このあたり、日本の若い子と同じですわ

このお供え、道端では車やバイクに轢かれゴミになる

いくら自然に戻るもので出来てるとはいえ、問題だよー

室内にある神棚、昨日備えたものを片付けてから新しいのを備えればいいものをうちのスタッフはそのままにして積み重ねていくんだな、これが!

お供え物目当てにネズミがやってきて大変なことになるんだからさー
バリの宗教を否定するつもりはないけど、ストランの厨房にはよくないこと
ニョマンの娘が祈りにきた時も掃除はしないでただ供えて行くだけ
バリヒンズーのお供えのしきたりはわからないけど、こんなに汚い神棚は他の店では見たことないぞ!
神様のいる場所は、どこの国だって綺麗にするのが普通なんじゃないのかな?

でもニョマンの家に行った時、すべてが判明

汚い…だらしない…

ニョマンの家族は掃除が嫌いなのか?
これがすべての根源だったのだ!
メンテナンスされていなかったフロア、荒れた厨房機器、蜘蛛の巣とゲッコーの糞だらけの事務所…ニョマンの言葉を思い出す…

「彼らは何も知らない、トレーニングしてやってくれないか」

よく言うよ、あんたにトレーニングが必要なんじゃないの?

モシモシ社長の島内ツアー客からも、ニョマンが経営しているスパに「汚い」とクレームが多いとうのもこれで頷ける

思い出したことがある
まだバリに来て間もない頃、ニョマンが朝食にピッタリのフルーツサラダをご馳走してくれると言うので、近所の小さいワルン(休憩所みたいな小さなお店)にでかけた

一口大にカットされた

トロピカルフルーツに練乳をとろとろとろ~フレッシュココナッツの擦りおろしたものと、ちょっと塩味のきいたピーナッツをトッピング

これが超ウマイのだー

お店のメニューにどうだ?との提案、うん、早速取り入れることに決定!
毎日食べても飽きないのはフルーツの新鮮さかな?

その帰り道だった…
工事現場のような場所の裏に、むしろを屋根にしたような小屋があって、そこに汚い服装の男性が3人ぐらいごろごろしてる

あいつらはとても怠け者だ、モスリムだからな!

彼は顔をしかめてそう言いながら、さっきのワルンで買った小さなお菓子を口にいいれると、そのビニール袋をポイっ!

げ!差別主義者のうえに、ポイ捨てですか?

ニョマンの明るい人柄に好感を持っていただけに、それにはショックを受けた

自分の家だってそんなに綺麗にしているわけじゃないけど、お店を営業して、誠実にお客様にサービスしていく気持ちがあるなら、必要最低限のメンテナンスは欠かせない
日ごろから祭礼だ儀式だと飛び回るほど信心深いなら、神棚くらい綺麗にするように家族やスタッフを躾けたほうがいいんじゃない?

口うるさく何かを言いたくないのはわかるよ、そのために私達が彼と契約を結んだんだから…でもさ、こういうのってそんな簡単には直らないよね
ニョマンファミリーの体質なんだもん

ニョマンがキライなもの…モスリム、中国人、アメリカ的商売

うちの店の新しいスタッフ、二人雇ってしまったんだよね
モスリムのスタッフ
何も起こらない事を祈りながら、嫌な予感が胸をチクチクと刺すのは毒バリのせい?

雨季

2006年02月14日 | 毒バリ
バリの雨季は12月初旬から始まって、1月が一番のピーク
しとしと数日続く日もあれば、バケツどころか、プールをひっくり返したくらいの勢いで、数十分で何事もなかったかのように太陽が顔を出す時も…

道は川となって、いろんなものが下流にどんぶらこどんぶらこ~
濁った茶色の水は、まるでバリコーヒー
(粉状のコーヒーにお湯を注いで、上澄みだけ飲むので、澄むまでは濁り水)
下流の町、スミニャックあたりではいつも同じ場所が床上浸水状態~

うちの店と道を挟んだ土産物屋の奥さんが、店内のゴミを川となった道路に捨てている!

何でそんなことするの!?

見れば、あちこちでそんな光景が…

翌日は道路がゴミ溜めのみたいに汚れて大変なことに…
「汚いですね~」って当たり前じゃ!あんたも捨ててたじゃん!よく言うよ、ほんとに

私も例外でなかったけど、この季節、体調を崩す人がとても多いのも頷ける
日本でも湿度の多い季節は食中毒に注意が必要なのと同じ
もっともバリは一年中リスク高いんだけどね

そうは言ってもやはり雨季は

空気中の菌の量

がものすごいんだと思う、食材を冷蔵庫に入れておいても2、3日で腐っちゃう!
豆腐や残ったツナ缶はすぐに異臭を放って、溶けてくる…

オイルや水を使って空気と遮断するくらいじゃだめ
その上に更にラップをピッタリと密着させて、水やオイルを完全に空気と遮断するとかなり良い
バリでは高級品のラップを惜しげもなく使う
食材ダメにするよりいいもんね

雨季の大雨は思わぬ収益を運んでくる!
青く晴れた空に誘われて、散歩に出た人たちは無防備
彼らの頭上に雨雲はいきなり現れて、叩きつけるように降りだす雨は容赦ない

みんなお店に駆け込んできて、冷えた体に「コーヒー!」思わず注文してしまう!
はい、いらっしゃいませ~

5分で満席 うん、恵みの雨!

これがランチタイムと重なると、嬉しい悲鳴
厨房でも違った意味で悲鳴

「誰かお皿洗って!カレープレートが足りないから!あー、ほらフレンチフライ早く出して!トマトサラダのドレッシング、それじゃないよ!」

ある日のティータイム
今までにない勢いの豪雨
雨漏りがはじまった…ぽたぽたぽた…
優しく垂れていたのに、次第にその量が増えていく

何で?この屋根作ったばかりじゃん!

大工のチョビヒゲおやじ達は、透明のトタンを固定するときにそのまま釘を売っていただけで、間にリング状のクッションを入れていない
そりゃ漏りますわ…日本じゃ考えられないんだけど、ここでは思いっきり考えられるし、ある意味当たり前

「雨は漏るもの」

あれ?二階から水?階段を伝って水が垂れ始めているような?

ぎゃーーーーーー!!!!

オープン状態の二回に吹き込んだ雨水が、階段下スペースにあるキャッシャーを直撃~
キャッシャーの「ダユ」の悲鳴にお客さん達もビックリ
皆びしょぬれで、なぜか店内はテンション高く、皆大笑い!

この最悪の状況の中、ひとつの空間を共有して皆が同じ思いで止まない雨を見つめる…
この豪雨がまるで ショータイム みたいに

バリでお店を開くダイエット

2006年02月13日 | 毒バリ
この島に来て3ヶ月弱…

私は痩せているみたい

「みたい」というのは自覚がないから
周りの人がみなそういうので、そうなのかな?と思いながら時間が過ぎていく
ニョマンは直接私には言わなず、ダンナに「ぷんさん、痩せたな…体大丈夫か?」といったらしいけど…
忙しさと、激辛のスタッフミールの刺激が強すぎて

口内炎が3個…イタタタタ

食欲が全然なかったのも事実

そんな中、カデが抜け、アグン・ライが結婚休暇中のニューイヤー、お客は多いのに、キッチンスタッフはたった4人…しかも一人はつい昨日来たレシピを知らない子~

なんとかシフトを組んだけど、私は朝から晩まで休むことなく料理を作って、フード管理をし、厨房に立ち続ける日々…
2日の夜、次から次へと波のように押し寄せるオーダーを、私と小さな体の「チャンドラー」とで、たった二人大汗流しながら片付けていった事、今でも忘れられない

客足が少し落ち着いた頃、ついに

疲労と風邪でダウン!

私の体力はものすごく弱っていて、もう食べ物も受け付けない…英語が通じるオーストラリア資本の病院へ行って診察すると
「過労ですねぇ、ゆっくり休みなさい」
心の中は穏やかじゃない、私がこのまま倒れていたら厨房はどうなるの!?

ゆっくりなんか休んでいられないよ!

オーストラリアからの薬、オージー大人用の処方は私には効きすぎているみたいで、ふらふら~階段から転げ落ちそう…あああああ
涙をのんで1日の休息を決断するより他はない

翌日、薬おかげで熱は下がり、体調完全ではないものの、なんとかお店に行けそうだ…あれ?
腰骨が痛い…
一日寝ていたら、下着の縫い目が当たってた腰の部分が真っ赤になってる!
こんなこと初めて

ジーンズが緩いぞ…
日本から持ってきた洋服はブカブカ…あれ?
Tシャツは手洗いしてるから伸びたのかと思ってた…

自分が痩せたんだと自覚できたのはまさにこの時

バスルームの鏡に映る自分の姿は、今までの自分じゃない!
頬がこけて、ぎらぎら光る目の下にはクマができている
鎖骨も深くえぐれて、肋骨も浮いているし、お腹もお尻もぺちゃんこ…

私の痩せ方はヤバイ!?

「ぷんさん、痩せた?!」

久しぶりにゆっくり顔を合わせた人は口をそろえて言う

開店前にお店で雨宿りしていった日本人のお客様も「あの、、、ここの奥様ですよね?」とちょっと驚いた様子

出国前、今まで生きてきてマックスの体重だった私が、たった3ヶ月弱で服のサイズが2サイズ代わってしまったんだから、そりゃ人相も変わる…
体重計がなくてハッキリしたことはわからなかったけど、たぶん10キロ以上は痩せてたんじゃないかな?

その後私の胃は小さくなって、食べる量は激減
今でも昔の食欲には戻らない…
この時以来、あんなに丈夫だった胃腸も弱くなってしまったし、完全な健康体が取り戻せていない気がする

早い話、暑い国で精神的にも肉体的にも過酷な労働をすれば確実に痩せられると言うこと!

バリに行きたいかー?
体重10キロ減らしたいかー?
病気になりたいかー?


これもある意味「毒バリ」?




オージーとバリニーズ

2006年02月10日 | 毒バリ
カデが心酔しているオージー男は、70年代のヒッピー崩れと見た!
ヨガだとか瞑想だとかピースだとか、バリ人の若い子には目新しく感じることを並べ立て、バリとは全く違う魅力を持ったオーストラリアの話をして

いつか連れてってやるぞ!

と夢を抱かせる…

カデがいつかオーストラリアに連れて行ってもらえると信じて待っても
99%実らぬ夢かな?
インドネシア人が海外に出国するには

先進国の人も躊躇するような出国税を払う

んだから、そんなお金を払ってまで一人のバリ人を出国させるなんて、結婚か、企業が後ろにいるか、お金持ちかでない限り無理でしょ
そのオージー男が、本当にカデを大事に思っているなら、身銭を切ってでも苦しい時期に彼を他の店に出したりなどしないはず

その証拠にバカンスシーズンが落ち着いて、客足も減り始めた頃、ダンナの携帯にカデから電話が…
「元気ですか?お店の様子はどうですか?」
どのツラ下げて電話してくるわけ?

図星だ!またしてもオージー男に休職言い渡されたんだろうけど、うちはもう雇うわけがない
ダンナがそっけなく受け答えをして、黙っていると淋しそうに切ったらしい


バリは、どんな人間も受け入れてくれる場所

何かに行き詰まってこの島を訪れると、なぜか元気になる人が多いから不思議…これが私の言う所の

毒バリ

自分のだらしなさやふがいなさを抱いてバリに来ると、あれれ?
この島には自分以上ににだらしなく、なまけ者がいっぱいいて、しかもそんな彼らが楽しそうに生きてるじゃないか!

勇気百倍、元気を貰って帰国

その後道は二つに分かれる…

タイプ1:毒針による急性バリ熱型
自分よりダメな奴らが結構楽しく生きてるのを見てきた旅、自分は結構捨てたモンじゃないんだと元気が沸いて、自国の生活を頑張れるようになる
辛いときはあの旅でのバカさ加減を思い出して、ついついにんまり…
まだやれる!

タイプ2:毒針による慢性バリ脳炎型
帰国するとまた被害妄想が頭をもたげる…ああやっぱ俺はこの国じゃダメ人間だ、バリにいれば携帯も持ってるし、毎日10万ルピアくらいは使えるし、俺はすごい人間って言われるのに…バリに戻りたい


日本人がバリに旅をするようになって、ビジネスを起こし始めたのはそんなに昔ではないけど、オージーはもっと昔からここにいる
ヨーロッパ人が、お金を使って遠くからバカンスを楽しみに来るほどお金をかけなくても、簡単にバリに来られるのも理由のひとつ

ヨーロッパ人が、バリを芸術性豊かなバカンスの島に作り上げたのに、オージーはヒッピー文化全盛期にバリに来て、大麻を吸いながら安っぽい商売をはじめ、バリ人を甘やかし、騙し、オージーの為の貧乏楽園をつくりあげた…
日本人がバリでビジネスを起こす頃には、騙されたバリ人たちはすーっかり外人慣れして、おいしいところだけを持っていく知恵をつけていた!


テロ事件で大勢のオージーが死んだけど

「俺達、オージー嫌いだからな~」

と言ってはばからないバリ人が少なくなかったのもホント

もしかして日本人の事も嫌いなんじゃないかな?
でもオージーよりケチじゃないし、気持ちも優しいし、女の子はカワイイし、とりあえず殺すのはやめとこうか…
ってところでしょーかね?