また回想に戻って…
私達にこのビジネスの話を持ってきたモシモシ社長は、新婚旅行でバリを訪れた時
フォーシーズンズ・ジンバラン
に宿泊して、日本にはないその優雅な趣にすっかり魅了された
この時、彼の脳天にプスっと 毒バリ が差し込まれたに違いない
毒バリにも色々あるけど、この毒は
「エクセレント」
「ラグジュアリー」
「セレブ」
という言葉に反応しやすくなって、旅行中嫌な思いを一度もしなかった、一流好き日本人に効果テキメンの強力な毒
バリの毒が全身に回ってしまった社長は、何かにあやつられるようにバリ島紹介のホームページを作成し、バリの広報活動を開始
その後一流商社を退職してまで、バリ島内オプショナル専門の旅行代理店をたちあげてしまった
ネットでバリに関する様々な情報を提供し、お客の獲得もネットからの申し込みによってのみ行われる
バリのみならず旅行業界では常識である
コミッション(レストランや土産物屋が、旅行代理店やガイドにコミッションと呼ばれるお金を渡し、お客を連れてきてもらい、そのお金は観光客の買う商品や、食事代にあらかじめ上乗せされている仕組み)
を排除した方法はなかなかに評判を呼んで、パッケージツアーを好まない自由旅行者には重宝がられていた
社長は更なる毒の効果か、インドネシア語を巧みに操れるようになり、生来の押しの強さも手伝って、経営は順調~
そこに目をつけたバリ人が、今回のカフェレストランの実質的オーナーであるニョマンだったというわけ
毒バリ恐るべし…
ニョマンは、ラフティング会社やスパも経営しているお金持ちのバリ人で、ウブド地区ではちょっとした実力者
役所では顔もきくというが…
どこでも役所で顔が利く人間はちとやばい
芸術の村として知られているウブドで、一番最初にレストランをオープンしたのは彼
70年代、欧米人のバリ旅行ブームに乗って、お店はなかなか繁盛したとか
そのレストランを長男に引き継いだのは3年前、全面改装を施、しその時あの立派な業務用の大型冷蔵庫、厨房機器も揃えたんだとか
なるほどね…カワイイ息子の為か…
だがこの長男、レストランビジネスには興味が持てず、レストランは中途半端なまま、ジャカルタのコンピュータースクールへ進学してしまって今に至る…
「その後は経理をやっていたデワにマネジメントを任せたんだが、ご覧の通りうまくいっていない」
横でデワと呼ばれた男が、薄笑みを浮かべてた
自分の話になっていることは分かっているようだが、英語はあまり得意ではないらしく、内容までは理解していない様子
逆三角形の小さな顔には長い毛のついたホクロ、薄くなった坊主頭、痩せた体に合わないやたらと大きなポロシャツを着たこの男が、実は最悪のシナリオをもたらす張本人になるとは…
レストランに関することは、この男にすべて聞くようにとのニョマンの指示だったのに、どうにも当てにならん!
あてにならないどころか全く頼りにならなくて、サプライヤーの情報、工事の工程なども一切知らせてはくれなかった
バリ人はいい加減で、ノンビリ屋だからこんなもんなんだなねー
私達に対しても毒は効果を発揮し、優しい気持ちでそんなふうに思ってしまった…不覚…
大卒のデワは、村ではエリート
にもかかわらず、いきなり現れた日本人にレストランの前権限を奪われ、プライドがズタズタだった
彼は、私達に対して日増しに
復讐の炎
をメラメラと燃やしていく
彼の地位を奪ったのは私達じゃなくて、外国人とビジネスをしたくなったニョマンなんだけどなぁ…
私達にこのビジネスの話を持ってきたモシモシ社長は、新婚旅行でバリを訪れた時
フォーシーズンズ・ジンバラン
に宿泊して、日本にはないその優雅な趣にすっかり魅了された
この時、彼の脳天にプスっと 毒バリ が差し込まれたに違いない
毒バリにも色々あるけど、この毒は
「エクセレント」
「ラグジュアリー」
「セレブ」
という言葉に反応しやすくなって、旅行中嫌な思いを一度もしなかった、一流好き日本人に効果テキメンの強力な毒
バリの毒が全身に回ってしまった社長は、何かにあやつられるようにバリ島紹介のホームページを作成し、バリの広報活動を開始
その後一流商社を退職してまで、バリ島内オプショナル専門の旅行代理店をたちあげてしまった
ネットでバリに関する様々な情報を提供し、お客の獲得もネットからの申し込みによってのみ行われる
バリのみならず旅行業界では常識である
コミッション(レストランや土産物屋が、旅行代理店やガイドにコミッションと呼ばれるお金を渡し、お客を連れてきてもらい、そのお金は観光客の買う商品や、食事代にあらかじめ上乗せされている仕組み)
を排除した方法はなかなかに評判を呼んで、パッケージツアーを好まない自由旅行者には重宝がられていた
社長は更なる毒の効果か、インドネシア語を巧みに操れるようになり、生来の押しの強さも手伝って、経営は順調~
そこに目をつけたバリ人が、今回のカフェレストランの実質的オーナーであるニョマンだったというわけ
毒バリ恐るべし…
ニョマンは、ラフティング会社やスパも経営しているお金持ちのバリ人で、ウブド地区ではちょっとした実力者
役所では顔もきくというが…
どこでも役所で顔が利く人間はちとやばい
芸術の村として知られているウブドで、一番最初にレストランをオープンしたのは彼
70年代、欧米人のバリ旅行ブームに乗って、お店はなかなか繁盛したとか
そのレストランを長男に引き継いだのは3年前、全面改装を施、しその時あの立派な業務用の大型冷蔵庫、厨房機器も揃えたんだとか
なるほどね…カワイイ息子の為か…
だがこの長男、レストランビジネスには興味が持てず、レストランは中途半端なまま、ジャカルタのコンピュータースクールへ進学してしまって今に至る…
「その後は経理をやっていたデワにマネジメントを任せたんだが、ご覧の通りうまくいっていない」
横でデワと呼ばれた男が、薄笑みを浮かべてた
自分の話になっていることは分かっているようだが、英語はあまり得意ではないらしく、内容までは理解していない様子
逆三角形の小さな顔には長い毛のついたホクロ、薄くなった坊主頭、痩せた体に合わないやたらと大きなポロシャツを着たこの男が、実は最悪のシナリオをもたらす張本人になるとは…
レストランに関することは、この男にすべて聞くようにとのニョマンの指示だったのに、どうにも当てにならん!
あてにならないどころか全く頼りにならなくて、サプライヤーの情報、工事の工程なども一切知らせてはくれなかった
バリ人はいい加減で、ノンビリ屋だからこんなもんなんだなねー
私達に対しても毒は効果を発揮し、優しい気持ちでそんなふうに思ってしまった…不覚…
大卒のデワは、村ではエリート
にもかかわらず、いきなり現れた日本人にレストランの前権限を奪われ、プライドがズタズタだった
彼は、私達に対して日増しに
復讐の炎
をメラメラと燃やしていく
彼の地位を奪ったのは私達じゃなくて、外国人とビジネスをしたくなったニョマンなんだけどなぁ…