プン吉 punkichi の台所★海外遠征大好きな、完全禁煙南国料理店「島結」は飛ぶ!

台所は料理するだけの場所でなくいろんなことを思う場所♪南国料理・泡盛の店「島結」からのお知らせもあるよ

簡易雨靴

2006年05月25日 | ぼやき
昨日の夕方に降り出した豪雨
雷は鳴り響き、真っ暗な空から叩きつけるような大粒の雨が…

外出先で青ざめる私

だってお気に入りの皮のミュールだったんだもん

「帰る頃には大丈夫だよ」

友人は軽く言うけど、あんたは薄汚れたスニーカーじゃん!

1時間経っても、雨は弱くなるどころか強さを増してるよー
道路には小さな流れが集まって川ができ始めてる…

自宅のある江ノ島近辺は、現在は晴れてるけど、そのうち降り出すという情報を入手、こんなところで降り止むのを待ってるのは得策じゃないよね

あぁ、でもこの雨じゃ最寄駅までの道で、ミュールはだめになっちゃうよぉ…どうしよう…

裸足で走る? 

怪我するよ

ここにある雨靴を借りて帰る? 

26.5センチ!無理だ

じゃ雨靴借りて、近くの靴屋さんでサイズの合った雨靴買う?

ここから最寄り駅までの5分のために?得策じゃないよなぁ


あ!スパーマーケットの袋ある?

強攻手段

両足に袋を履いて、脛から下を覆うようにしっかり口を縛る

まじ?!それで外歩くの?
写真撮らせて~

雨が弱まった隙を狙って、笑い声に送られながらドアを出た
こんな大雨の中、誰も人のことなんか見てない
小走りで最寄り駅を目指す

シャカシャカシャカ…

あのスーパー袋独特の音、雨が当たるからよけいに響く!

ああああ、無常に踏切がぁぁぁ
立ち止まらなきゃならない!
スーパー袋、さすがに人目が気になるよ~

あれれ?
やっぱりみんな人の足元なんか見てないや
いや、そう思い込む事が大事

こんな時の踏み切りはやたらと長いものよね…

遮断機が上がった!
踏切を渡ればそこは駅

改札を抜けて、壁際に寄ってビニール袋をはずして、予備に持ってきたもう一枚の袋に放り込む
ひざ下が少しだけ湿っていたけど、カバーされてた部分は

濡れてな~い!

廻りのズブ濡れさん達、可愛そうに…

短時間なら強い雨にも耐える優秀な

「簡易雨靴」

今日から私のバッグにはスーパー袋が小さく畳まれて3枚
これからの季節手放せないアイテムになりそう…

まじで!?

呆れ顔の友達に自信満々

もちろん!



月の子供チャンドラー その3

2006年05月19日 | 毒バリ
バリでは料理のテイクアウトを

ブンクス

といって、バナナの葉っぱに器用に包んでくれる
南国らしくていいのよねー 衛生面は目をつぶって…

最近はコート処理された再生紙を使うところが多いなぁ
三角推に包まれたナシゴレンは見た目がとってもかわいい!

うちのレストランでも、ナシゴレン(焼飯)やバリ風カレー、生春巻きなんかをお持ち帰りをしたいって人がいて、さすがにコート紙ってわけにはいかないから、日本のデパ地下なんかで遣うのとそう変わらない品質の容器を常備

ある日事件が…

「あれー?ブンクス用のパックがなくなってる…」
先週5個以上あったパックが急になくなるかぁ?

キッチンスタッフ、ホールスタッフ、そのほか色々調べても結局誰も知らないって…そんなわけないんだけど!
絶対誰かが盗んでるんだ!何のために?
デワの仕業か?嫌がらせか?

次の日の夕方、チャンドラーが事務所のドアをノック

「ぷんさん、話があります」

「どーしたの?」

廻りを気にしながら、中に入ってドアを閉めるチャンドラー

「私、誰があれを取ったか知ってるの」

「え!?」

「でも絶対にその人に言わないで欲しい!言われたら私が密告したってわかってしまうから」

「わかった、言わないって約束する…」

チャンドラーは目に涙をためて、搾り出すように

「アグンです」

やっぱりーーーー!

アグンは陽気なセキュリティー兼ウエイター
英語はぺらぺら、日本語も少しだけ話すことができる
頭の回転もはやいし、行動力も◎!

だけどね、どーにも適当というかお調子者というか…

スタッフルームに残っているごはんやカレーを、その容器に入れて家に持ち帰っていたんだって
紙に包めない汁物も入れられるし、しっかりとした容器だから潰れてしまうこともない
チャンドラーが注意したら

「お前、絶対に言うなよ!言ったらぶん殴るからな!」

と脅したらしい

「私、物を盗んだり嘘をついたらいけないっていつも両親から言われてます…みんな知ってるくせに黙ってるなんてひどいと思ったの」

泣きながら訴えるチャンドラー

アグンめー!
すぐにも奴を捕まえてとっちめたいところだけど、勇気を持って私に話をしにきたチャンドラーをこれ以上傷つけたくないからなー
奴を痛めつけるのは別の機会に…

実際バリでは、仲間同士の結束が固いから見て見ぬふりをするのが普通なんだよねーそれなのにチャンドラーは私に本当のことを告げに来てくれた

彼女の勇気とまっすぐな心に触れて、私まで涙ポロポロ…

そして私はキッチンスタッフを集めて

「みんなの中に犯人がいるとは思っていないよ
 密告したくないのもわかってるから追求もしない
 だけどこれはお客様のためのものってこと
 わかって欲しいから言うね
 もしも誰かがこれを持ち出そうとしたら
 お客様のものだから絶対に持ち出さないように
 って言って欲しい」


みんな黙って頷いてた

チャンドラーは私と視線を合わせて、ちょっとだけ微笑む…


数日後、チャンドラーが自分のレシピブックに書かれた英語の落書を見せに来た

「どういう意味かなぁ?」

彼女のことを中傷する落書き…

「お前はイヌだ」

その字を見て思い出した!
数日前にスタッフルームに伝票の裏に書かれた英語の走り書き

「前のレストランから新しいレストランになったっても何も変わらない!」

どちらの筆跡も同じ

そう、それは

アグンだ

店が新しくなって、何かが変わることを期待していたのにテロでツーリズムは大打撃、店が新しくなったこところでお客は増えない、収入は増えない!
アグンの気持ちもわかるけど、ぶつける場所が違うだろ!

月の子供チャンドラー その2

2006年05月17日 | 毒バリ
チャンドラーと彼は、高校生の頃からお互いに惹かれあって「つきあってる」という関係だったらしいんだけど、彼は旅行でバリを訪れた日本人女性「ケイコ」さんにヨロヨロと…

バリで「東京ラブストーリー」が放送されてたとかで、バリ人そっくりの織田裕二に自分を重ねるバリ男いるんだよねー

アホ

それを利用して「僕カンジ、君はケイコ(バリの吹替えではリカという名前ではなかったらしい)」なんて言って口説く男も結構いるみたい

チャンドラーの話では、ケイコさん(本名じゃないってことね)が彼に「カンジ」という名前をつけて、自分のことをケイコって呼ぶように言ったとか…
バリに来るたびに高価な贈り物をしたり、手紙を送られたりしているうちにカンジさんはチャンドラーをほったらかしにしただけではあきたらず挙句に

「ケイコさんと結婚する」

とか言い出したらしい

実際ウブドでは 「日本人の嫁、大奨励」
なぜかといえば 「日本人妻税」 という制度があるとかで、それが村の収益となって村が潤う
税金は高額ゆえ、日本人妻はお店を開いたり、手っ取り早く日本へ出稼ぎに帰ったりする

そーすると、ほーら、バリに残されたダンナは好都合に浮気~

バリに戻ってきた日本人妻はびっくり!

知らぬ間に第二夫人が…

なーんてことは少なくないのよん(バリは一夫多妻制OK)

もちろんバリ男だけが悪いわけじゃない
中には本当に純粋に恋したバリ男を単なる「リゾラバ」としてのみ利用する日本女も少なくないんだから

彼女の言葉を信じ、多額の借金をして日本へ飛んで住所を頼りに会いに行ったら「私、来月結婚するの」
これはまだいい方
「あなた誰?」
なんていうことも

悲しきバリ男
なけなしのお金でここに来たのに…お腹がすいて都会のレストランに入れば
ナシゴレン(チャーハン)1000円!!!!しかもぜんぜん辛くないし…

バリでの1週間分の給料じゃないか!!
そして恨みは旅行客の日本女へと向けられて、騙し合いの連鎖はめぐるのであった…


「ケイコさんは色が白いの、そう、ぷんさんみたいに…」

だって人種が違うんだからさ~
チャンドラーは自分の黒い肌をとても気にしてる
確かに彼女はバリでは色黒のほうかもしれない

でもよく見たら腕にはシミがある!ということは本当は黒くないのでは?
農業を営む家族の手伝いをいつもやっていると言ってたなぁ

チャンドラーの肌の色は、家族思いの証…

スタッフは一家に1台か2台しかないバイクを、自分で運転して来ることもあれば、家族に送ってきてもらうことも
迎えに来る家族に会う機会の多い私
挨拶程度の会話しかないけれど、みんなとても感じがいい

チャンドラーの家族は本当に礼儀正しく、心が温かい感じがすっごくよくわかる
私を慕う彼女は、きっと私のことを良く言ってくれるんだろうな…

おい、カンジ!どーなってんだ!

と殴りこみたい気分なんですけどぉ

月の子供チャンドラー その1

2006年05月12日 | 毒バリ
デサック・マデ・チャンドラワティ

これが彼女の本名

でもみんなは親しみをこめて

「チャンドラー」と呼ぶ

デサックは彼女の階級を、マデは第二子であることを示してる
チャンドラーの意味は「月」
ワティは日本で言えば「○○子」「○○美」の子や美の部分に当たる

日本名なら「月子」かな?

150センチに満たない小な体、丸い顔、少し下がった大きな目がカワイイ~
19歳には見えないんだよね~中学生みたい

エルナが対等に話せる友達であるのに対して、チャンドラーは妹のような存在…柔らかな笑顔とまっすぐな瞳、私のバリ生活での ひとすじの癒し だったなあ~

以前のレストラン「N」でチャンドラーの地位はキッチンヘルパー
下ごしらえや洗い物、簡単な調理をするだけの可愛い娘って感じ

私たちがお店を経営することになって、トレーニングを重ねていくうちに彼女は化けた!
丁寧な仕事は一目見て彼女だとわかる
まじめで誠実な性格は、一度教えたことは忘れない
習ったレシピは綺麗にノートにまとめ、皆が彼女のノートを盗み見る

今までの、手際だけが一番の、いい加減適当な料理のオンパレードだった店じゃ彼女の評価は低いはず
でも私は違うよ
材料の準備、チェックはもちろん、レシピを正確に覚え、与えられた仕事をきちんとこなす能力は誰よりも勝る

というわけで、開店してから彼女は上から2番目の地位に昇格!

なんでチャンドラーが?
バリスタイルのキッチンしかわからない奴らには、私が彼女をえこひいきしているように映ったらしくて、最初彼女は妬みや誤解で苛められたこともあったみたい
でも厨房で毎日働いていれば、他のキッチンスタッフにもわかってくるものさ
デワの馬鹿(別ブログ:「ある男の存在」等参照)を一人除いて…

実際に私は彼女をえこひいいきしていなかったとは言えないんだよね

もちろん仕事上は誰にも公平
叱る時は叱るし、誉めるときは誉める

でもそれ以外の時…日本に興味を持っている彼女は、素直な心で、外国人の私を慕ってくるし、仕事を切り離すとやっぱりえこひいきしたくなるわけで…私はそんな立派な人間じゃないもん!

「ぷんさん、日本人の目って小さくて細くて…すごく綺麗だよねー

「へ?」

綺麗って言葉が続くとはオドロキ

「台湾や日本のドラマを見てると、男の人がすごくかっこいい!細くてまっすぐな形の目が大好きなの」

人は自分に無いものを求める

と言うけど、そうなのかもしれない

「チャンドラー、彼はいるの?」

恥ずかしそうに笑いながら

「前はいたんです」

「あら、別れちゃったの?」

「日本人の女の人、ケイコさんの方が好きになったって…」

ええ~っ!

毛穴の話

2006年05月11日 | 毒バリ
インドネシア語は繰り返す言葉が多い

日本語もそうだけど、響き的になんだか可愛らしい言葉が多いのがおもしろーい
その中でも

ポリポリ

毛穴 の意味なんだけどね
なんとなく可愛いひびきでしょ?

バリ人は日差しのない雨季が寒く感じるらしくて、どんより曇った日、ビキニのトプにミニスカート姿の欧米人を見ると不思議で仕方がない

確かに欧米人の皮膚感覚はどうよ?と思うときがないわけじゃない
日本人がウエット着なきゃ入れないような冷たい海に、ビキニや海パン一枚で入る欧米人は山ほどいるもんね

でもいくらなんでも君たちも負けず劣らずおかしいぞ、バリの皆様!

セーター着る温度じゃないだろ?

Tシャツでいいと思うよ、私は…


「どうしてウエスタンピープルはあんな格好でいるの?」

キッチンスタッフのチャンドラーが言う

「チャンドラー、毛穴ってわかる?ポリポリのことだよ」

「うん」

「あのね、欧米人はもともと寒いところの人種なの、だから通常毛穴が閉じてる」

ポリポリ(毛穴) トゥトゥプ(閉じる)なわけさ

「でね、チャンドラー達は熱いところの人でしょ?だから毛穴が開いてる」

ポリポリ(毛穴) ブカー(開く)なわけさ

「閉じてると熱がこもって暑いんだよ、チャンドラー達よりもずっと低い温度でも暑いって思うんだよ」

「じゃ、日本人はどう感じるの?」

「日本はすんごく暑い季節と、すんごく寒い季節の両方があるから毛穴が閉じたり開いたりする機能が良くできてるんじゃないかな?」

「だから中間の服装なんだーそうなんだー」

気分は小学校の先生

欧米人のお風呂の適温は36~38度ぐらいで、海水浴も10度位の水温ならへっちゃら

日本では10度じゃ気合の寒中水泳!

暑めのお風呂が好きな私は、サウナ後の水風呂が大嫌い

バリのスパで
毛穴が締まって体が冷えにくくなるし、お肌もきれいになるのよ

って言われても嫌なものは嫌

大喜びで冷たいジャグジーに浸かる欧米人の気が知れん
お肌が綺麗になるって言うけど、同世代の欧米人の肌より、私のほうがお肌はずっと綺麗だと思うんだけどなぁ~

バリ人はマンディ(水浴び)が大好きで、昼間の暖かい時間に川や水道の水で何回も水浴びをして、汗を流す
普段は太陽であたためられた、ほとんどお湯のような水を使うから、雨季の水は冷たく感じるはず
そのせいもあって
「雨季は寒いよー」って言うのかも知れない

にしても

セーターはいらん!