ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

05/12/30 年末ドラマ③「3年B組金八先生スペシャル」+夜回り先生

2005-12-31 13:46:37 | テレビ

まず、年末のご挨拶を。いろいろあったこの一年。ブログにいろいろ書かせていただいたことでずいぶんと自分を支えられたと思う。コメントやTBでずいぶん励ましていただいたことにも本当に感謝しています。皆様、これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
それと新年よりアクセスカウンターがつけられるテンプレートにします。ブラウンのテンプレートへの愛着も強かったのですが、思い切って変更しました。
この間いろいろな方からいただいた情報をもとに、忍者TOOLSさんのよろずカウンターを無料レンタルして変更作業を実施しました(うわっできた、できた~)。


さて、年末ドラマの3連続アップの最後である。関連のオマケから書く。
12/30の昼間、NHKのアンコール番組の中で、夜回り先生のETV特集番組を再放送していたのを観た。ドキュメンタリー「生きていてくれて、ありがとう~夜回り先生・水谷修のメッセージ2」だ。今調べてみたら、もう閉鎖になっているが出版社が管理してくれていたサイトや先生の応援ホームページもある。
「水谷修の春不遠」はこちら
「夜回り先生」(水谷修氏)応援ホームページ
ドラッグ問題、非行問題に取り組む夜回り先生の存在は以前のTV番組で知っていたが、現在の活動をあらためて認識した。夜の街に出てくる子どもたちはまだ元気がある「眠らない子どもたち」で外にも出られないでひとりで悩む「眠れない子どもたち」の存在に気づいた水谷先生の活動が紹介されていた。
リストカットがやめられない、心療内科などで処方された薬の一気飲み...。先生の家にメールや電話がひっきりなしにくる。夜間高校を退職後、全国を講演活動で飛び回りながら対応されている。何日も家を空けていた間に連絡がとれずに自殺してしまった子もいて、ショックを受けてこの仕事を続けることの意味を自問自答する水谷先生。それでも先生がいたから生きていけるという子の存在に続けることを決意。先生自体も生きていくことに疑問を持ち、この仕事を続けている中で自分の生きる意味を見出されているということをおっしゃっていた姿にとても納得できた。
娘とふたりでこの番組を見ていて、先生に自分のつまずきを講演で話してと思いを託してHIVで死んでいったアイちゃんの話には二人とも滂沱の涙。

今の世の中の荒廃に、まず大人がイライラし、それを子どもに向ける。その子どもは弱い仲間をいじめることで憂さをはらす。心優しい子は他者をいじめることができないので自分をいじめてしまう。この連鎖をとめるには、いじめられていることを大人につきつけろと先生は子どもに言う。ひとりではない、自分が応援するからやってみろと。部活の顧問の異常な指導にリストカットしている部員全員で校長室でリストカットしろと助言。実行された校長が「私を殺す気か」と抗議してきても「あなたが子どもを殺すのです」とズバッと切り返す話もすごかった。

子どもに問題を起こさせている大人に立ち向かう勇気をくれる夜回り先生。こういう大人がいるということにまだまだ希望があるかもと思わせてもらった。

さて、前ぶりが長くなった。同じ12/30の夜、TBSの「3年B組金八先生スペシャル」を観た。今年の春に終わった第7シリーズのスペシャル番組だったのだが、本当にこれでシリーズを終了するということでこれも気合を入れて観た。娘も小さい頃からこのシリーズが大好きで一緒に観ていたものだ。「自分の担任がこういう先生だったらなあ」という思いだったようだ。
「3年B組金八先生」公式HPはこちら
第6シリーズでは性同一性障害問題が取り上げられたが、第7シリーズではその続きも盛り込まれたし、さらにいろいろなテーマが盛りだくさんだった。発達障害のある子も一緒に受け入れスペシャルオリンピックのトーチランもあったし、ファニーフェイスの養護学校教師との娘の恋愛もあった。
しかしながら最大のテーマはドラッグ問題だった。ドラッグ常習に陥り少年院に送られていたしゅうが、出院したら彼の卒業式をみんなでやろうという約束になっていたのだ。それが今回のスペシャルの中心で、独り立ちの自信がつくまで皆に連絡をとれない気持ちのしゅう。ドラッグからの立ち直りは難しく、その偏見を持つ教師を殴って退学になってしまった幸二郎。金八先生は高校にまで出張っていって、幸二郎の偏見教師との闘いをサポートするその痛快さ。
しゅうは年上のルームメイトとともに理解のある新聞店主のもとで働きながら高校受験の勉強をしている。ところがルームメイトは恋人が自分を待たずに他の男と結婚していたショックからドラッグに再び手を出してしまい、揺れるしゅう。それを支えたのは金八先生と3年B組の仲間たちだった。ついにしゅうの卒業式が実現した。最後はトーチランを思い起こさせる地元開催の麻薬撲滅のためのチャリティランに皆が参加して走る姿でTHE END。
こんなに爽やかであったかくて考えさせられるドラマが終わってしまうなんてとても寂しい。脚本家の小山内美江子さんをはじめ、ドラマのキャスト、スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。長い間、本当にありがとうm(_ _)m

そして、今後も同様なドラマが新しく生み出されてくることを願っている。

写真は「3年B組金八先生」公式HPより、金八先生の武田鉄矢の画像。この笑顔が大好きだったなあ。

05/12/28 年末ドラマ②「anegoスペシャル」

2005-12-31 13:42:28 | テレビ
日本テレビでの年末ドラマスペシャルの2本の2本目は12/28夜の『anegoスペシャル』。4~6月の放映中も楽しみに観ていたので今回のスペシャルも楽しみにしていて気合を入れて観た。
『anego』第1回の感想はこちら
『anego』最終回の感想はこちら
しか~し、前日の『河井継之助』からすると拍子抜けするほど内容がなかった。要するに総集編+α。anego奈央子(篠原涼子)が退職して半年、いつもの立呑み屋「金太郎」にいつもの女性メンバーが集結して奈央子を呼び出し、過去を思い出しながら疑問に思っていたことを質問し、いちいち納得するというのが主な筋。いつもの心の中に思うことを画面に字幕で出す手法も多用されている。

モンゴルに単身赴任した年下の黒沢(赤西仁)からはメールも途絶えて音信不通。すっかり捨てられたと思った奈央子は40歳の医者(吉田栄作、年取ったなあ)と付き合って今度こそゴールをめざしており、その日もデートの時間までということで「金太郎」にいる。
ところがそこに黒沢がモンゴルで遭難したという知らせ。元の職場にかけつけると上司や同僚は誰ひとりモンゴル語ができず、習っていたモンゴル語で現地の警察とやりとりする奈央子。モンゴルに向かってくれと拝み倒され、やっぱり引き受けてしまう。
デートをキャンセルし、成田に向かうところで黒沢と遭遇。遭難現場とされたところにはPCだけ置き去りにしていて誤解されたのだった。モンゴルに来てと言われるが結婚を条件にすると二の足を踏む黒沢。まだ若いしな~。
彼を思い切って医者とのデートの店に駆けつけるが、気持ちを見透かされ、THE END。人生を計画的に生きる強いポリシーを持ったこんな男とじゃ奈央子は幸せにはなれないから、これでよかったんだよ!と勝手にひとりごちる私。

「金太郎」に戻って飲んでいると黒沢も合流。そこに彼女らが信奉しているドクター・コパが現れ、奈央子と黒沢に来年は重大事が起こると意味深なことを言ってナニナニと詰め寄るところでスペシャルはTHE END。ハイハイ、またスペシャル番組つくれるようにひっぱったなあ。
ところで、篠原涼子と市村正親が12/8に入籍したが、それでも全く影響しなさそうなシノリョウ人気。その人気に乗って手間をかけずにラクにつくったドラマにまたまた面白がらされてしまった。日本テレビ、うますぎるぞ!

総合職になって半年で副部長になったという設定の加藤博美(戸田菜穂)。そんなことあまり考えられないが、まあいいでしょう。その戸田菜穂もゴジラ松井とラブラブだというし、まああちこち羨ましい限り!

写真は日本テレビのウェブサイトより。スーツ姿もこういうカジュアル姿も可愛いし、確かにシノリョウ魅力全開だ。


05/12/27 年末ドラマ①「河井継之助 ~駆け抜けた蒼龍~」

2005-12-31 13:23:24 | テレビ
日本テレビでの年末ドラマスペシャルの2本の1本目が12/27夜の『河井継之助~駆け抜けた蒼龍~』。中村勘三郎が河井継之助をずっと演りたかったというのを実現させた企画だ。越後長岡藩家老の河井継之助というのは名前をきいたことがある程度の認識しかなかったが、勘三郎主演ドラマとあっては観なくてはならない。
主な出演者は以下の通り。
中村勘三郎 中村獅童 唐沢寿明 稲森いずみ 京野ことみ
伊藤英明 佐野史郎 吹越満 火野正平 北村和夫 中村育二
神山繁 坂東三津五郎 田畑智子 中村七之助 中村勘太郎

話の概要はrin小姐さん(お茶屋娘さん)のブログにある記事が面白いのでここでご紹介(最近ご紹介多いなあ、ぴかちゅうの省力行動をお許しくださいm(_ _)m)。
rin小姐さんの記事はこちら
長岡藩は徳川幕府譜代の藩でさらに殿様は幕府の老中を勤めるような家柄の家老だったことが彼の最終の破滅の原因だ。家老になっていた時の殿を三津五郎!ハマってる。
継之助は若い頃に江戸や全国を遊学。それも時代の急激な変化、そこでの自分の藩のあり方を考えるのに役立つ生きた学問を身につける。そこで得た海外諸国の知識から、スイスのように自衛のための武装をしたうえで中立を保つ国をめざしたのだった。
薩長の大軍が長岡藩にまで到達し、戦を避けるために殿の陳情書を持って官軍の大将や官軍側についた近隣の諸藩を回るがどこも取り合おうとはしない。そこでボロボロに失意した姿を演じる勘三郎が秀逸だった。そして庶民代表でもないが田畑智子演じるおむつに「けっして戦はしない」と約束したことを破って戦うことを決意。
同じ譜代で恩義のある会津藩を裏切ることはできないという「義理」を選択せざるを得なかったのだ。庶民にしっかり目配りしていてもそこはやはり譜代藩の家老という限界があった。そういう苦渋の選択をした男というのは演じ甲斐があるだろうなあと、勘三郎がやりたかったのを納得。

勘三郎襲名の年の締めくくりにふさわしいドラマだったといえよう。今年は集英社文庫で『勘九郎ぶらり旅』から始めて入手順に『勘九郎ひとりがたり』『中村屋三代記~小日向の家』『勘九郎とはずがたり』と読んだ。その中の『中村屋三代記』の中で六代目の娘でもある母親が勘九郎の生まれたのが遅かったと悔しがっていたという話が載っていた。ところがそれは今は逆になっていると思った。母親が乗り遅れたという世代(團十郎、菊五郎、幸四郎、吉右衛門)はまさに横並びなので、それより一回り若い現・勘三郎は今が一番脂が乗った状態で、ふたりの子息も年子でお互い刺激しあって立派に育ってきて中村屋は父子3人で人気も一番盛上がっている。だから一門総出演のこういうドラマができてしまうのだろう。
勘太郎・七之助とも両者にぴったりの役柄だったし、弥十郎や源左衛門(姿はよくわからなかったけど声でわかる)まで登場していて、中村屋贔屓は観ていて嬉しくて仕方がなかった。

rin小姐さんと違って中村屋贔屓という観方で楽しんだドラマであった。ああ、12月歌舞伎座の感想サボってこっち書いてます。すみません。ミュージカルとかテレビは比較的気軽に書けますけれど、やっぱり歌舞伎の感想を書く時はけっこう構えてしまうので相当気力を絞るのですよ。
来年1年間は歌舞伎座への勘三郎の出演がないので寂しい。その分コクーン歌舞伎『四谷怪談』は南番・北番とも行きますよ~。歌舞伎座版も観ているし、澤潟屋版も観ているので比較しまくりで相当楽しいぞ~。ワクワク。

写真は日本テレビのウェブサイトより。でもガトリング砲を家老自ら操るかなあってツッコミを入れてしまう。とっても嬉しそうにハンドル回してたよ(笑)こういう子どもっぽいところも好きだなあ。
日本テレビのウェブサイトはこちら