ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

06/02/28 抜歯後はやっぱりお粥でしょう!お粥騒動

2006-02-28 23:53:29 | 医療・介護・福祉など
娘は親知らずを抜く前に経験者の友達の話をきいてきて、「歯抜いた後はウイ×ーインゼリーしか食べられなくなるんだって」と言う。キムタクがCMしていた容器からジェル状のものを吸い出して飲むヤツ。私は一回飲んでみてもういらんと思った。
こういう時はやっぱりお粥でしょう。昨年の夏に私が歯科で右下の親知らずを抜いてもらった後もお粥で過ごした。若い人はお粥って発想しないのねと感心したのだった。
一応、2/4の1本目の手術の前に2個買っておいたのだが、1個目の途中で放り出していた。そして2本目の手術後は手も出さないので何故飲まないのか聞いてみた。「だって最後が痛いんだもん」ガッテン!私と同じ貧乏性の娘は勿体ないので最後まで飲もうとして頑張ったら口の中で圧がかかって痛くなったようだ。可哀相だが笑えた。

そして2回ともやっぱりお粥生活となった。ウイ×ーインゼリーと一緒に買っておいたレトルトのお粥で何食かしのぎ、少し硬くても大丈夫になると家でつくったお粥に移行するというパターン。
ところが2回目にブーイングが出た。1回目は○の素社のお粥にしたのだが、2回目は安売りをしていたア△ハタも2パック混ぜておいたら、安い方に文句が出た。やっぱりねえ○の素社の方はグルタミン酸ソーダがきいてるから美味しいんだよな。素朴な味の方は支持されなかった。その時はふりかけを追加してなんとかしのぎ、次は味噌汁と一緒に雑炊風にしてごまかした。
家でつくるお粥といっても私の場合、炊いたご飯や残りご飯から作るのが常である。今日はたまたま炊飯器に「おかゆ」の水位線があることに気づいたのでそれでセットして仕事に出かけ、帰る時にスイッチを入れるように娘に電話して帰宅。そうしたら大変なことになってしまった。

①時間がご飯の時よりも長くかかっていてまだできていない。
②糊状のもの(舌切り雀が食べたようなヤツ)が噴出して周りがベタベタ状態になっていた。
③出来上がったお粥も糊だらけで水分が足りない。結局もう一度鍋にとって水を足して煮るハメに~。
「味付けてよね」というリクエストが出てしまい面倒なので麺つゆを加えてやっと出来上がり~。
もう懲りた懲りた。もう絶対に炊飯器でお米からお粥を作るのはやめようっと。

愛情あふれる手作り料理志向が薄い母の元に育っている娘、ごめんねm(_ _)m
私の場合はそういう風な愛情表現はできないのよ。運命を受け入れておくれ~。

06/02/25 親知らずを今月2本も抜歯手術の娘、可哀想

2006-02-27 23:59:14 | 医療・介護・福祉など
小学校高学年の時から歯列矯正をしてきた娘。顎はそんなに小さくないのに永久歯1本1本の大きさが平均サイズより大きいので矯正することにした。
それくらいいいんじゃないかという話もあったが、以下2点でやることにしたのだった。
1.私は前歯の歯並びが悪くて引っ込んだ歯でしょっちゅう舌を傷つけているので、その苦労を娘にさせたくなかった。
2.娘は小さい時から風邪をひくと鼻が悪くなっていたので抗生物質がよく処方されていた。それで歯の色が悪くなったと歯科医に指摘された。内科の医者はそれを言うとそんな薬は出していないと怒るのだが、とにかくあまり歯の色がきれいでない。エナメル質が薄くて象牙質の色が透けて見えるせいだと思う。そこでせめて歯並びは良くしてあげたかった。

歯列矯正をすすめる中で永久歯を1本も抜かずにすんだのは良かったのだが、親知らずは多分真っ直ぐに出てこれないでしょうという当初からの医師の予告通りになってしまった。昨年の夏に一緒に歯医者に通った際に撮影したレントゲン写真に下の左右ともしっかりと横になって前の奥歯を押している姿が写っていた。

出席率が超低空飛行だったために抜歯を自宅研修期間まで延ばし、ついに今月2本の抜歯手術を終えた。
当初紹介された口腔外科は医師と相性が悪く、紹介先を変えてもらい、自宅の近所でできることになって助かった。そちらで担当していただいた若い医師は感じもよくきちんと説明してくれて納得のいく手術を受けられた。私が医師に「左右どちらから抜くのですか」と質問すると「簡単な左の方からにします」と即答してもらえた(もちろん本人のいないところで)。確かにその方が2回目の抜歯が怖くなりにくいからいいに決まっている。夏に最初に紹介されてそこに行くのをとりやめた方の口腔外科の先生は「どっちでもいいですよ。好きな方で」って専門家としての主体的な判断なしの回答。そういういい加減な態度で信頼できないと思ってしまったのだった。
精神的に不安定な状態にもあるので笑気ガスも使ってもらえたので全く怖くなかったというのも有難かった(夏に歯科で私が抜いた時もホントは使って欲しかったのだけど)。
2/4の1回目の手術後、娘は「予想よりも痛くなかった」と余裕のよっちゃん状態。私が夏に下の右の親知らずを抜いた時、立ち直るまでに2~3週間を要したことを年のせいにして馬鹿にしてくれていた(どうせ、フンだ!)
ところが3週間後の2/25の2回目の手術後は「痛い」「痛い」と大騒ぎ。1回目は使わなくてすんだ頓服の痛み止めまで動員している。やはり左右でも生え方によって抜きにくい歯は術後の痛みがひどいようだ。なんと宵っ張りの娘が今日はギブアップでもう寝てしまっている。ちょっと可哀想。
明日、消毒。土曜日に抜糸の予定。まあなんとか卒業式の3/8までには回復できるといいのだけれど。

それとお友達から紹介されたバイト先は面接して今日断りの連絡がきたという。紹介された手前、こちらから断れなくなっていただけで、履歴書を届けた時にあまりの遠さに採用されないことを祈っていたくらいだからちょうどよかった。
母娘ふたり分の自転車の駐輪場の権利が確保できていないので、娘はマンションのレンタル自転車を使っているのだがたまに出払っていることもある。間の悪いことに履歴書を届けようとした日に1台もなくて私だけ自転車に乗ることもできず、ふたりで歩いて行ったら1時間かかってしまった。坂もあるし、雪の日は自転車使えないし、バスでも家からは行けないところだったのだ。地理感覚がないので喜んで紹介受けたのだけど...。地図くらい主体的に見て判断できるようになって欲しいのだけどまだ無理みたい。卒業後、名古屋の従姉妹と遊ぶという卒業ご褒美バカンスの後で一緒に近場で探すつもりだ。めざせ、引きこもり志向脱却!

06/02/21 「京鹿子娘二人道成寺」で胸打たれたこと

2006-02-25 23:54:00 | 観劇
二月歌舞伎座2/21夜の部でついに玉三郎・菊之助の「二人道成寺」を観ることができ、短い感想だけアップしておいたその記事はこちらが、1回しか観劇できずにとても残念。しかしながら他にも手広く観劇予定を入れてしまっていたので幕見もかなわず。

1回だけの観劇であったが、特に印象的だったことについて書いておきたい。
上記の記事の前に菊之助の舞台写真写りが悪いことから彼の顔のメイクについても勝手に書き散らしてしまった。心配だったそれを花道からの登場でまずチェック!そうしたらメイクが変わっていたようでとってもいい顔になっていて安堵!!夢の世界にすーっと入っていけた(「真ん中な日々」のまこさんから、月の後半からのメイクが変わったというコメントもいただきました。感謝、感謝ですm(_ _)m)

舞踊ではまだまだイヤホンガイドの力も借りる私だが、今回は若い菊之助が玉三郎の胸を借りてつとめる舞台というように紹介されていた。「二人道成寺」は演じ方もいろいろあるらしいが、玉三郎の解釈で一人の花子の分身のように演じられているとのこと(以下、玉さん、菊ちゃんで表記)。だからまず菊ちゃん花子ひとりが花道から登場するのねと納得。分身の方の玉さん花子が花道のスッポンから登場してきて花子が二人揃って舞い始めた瞬間から身体にゾクゾク感が走る。

ふたりとも容姿端麗で所作も美しい。さらに1+1=2ではないことがはっきりと見てとれる。ふたり並んでひざまずき懐紙を鏡に見立ててのお化粧の所作のところなどは仲のよい姉妹のよう。玉さんは妹を気遣うような素振りがあちこちで見られる。
若い菊ちゃん一人の場面もしっかりとつとめている。まず山門のところで菊ちゃん花子がひとりで所化たちに「鐘を拝ませて」という場面、鈴を転がすような美声。これは玉さんよりも声が綺麗だと思ってしまった。
舞姿もそれぞれに個性的。菊ちゃんはちょっと硬いなあと思う時もあるが、キビキビと若さあふれる動き。玉さんは悠然とした動きだが、緩急のメリハリがきいている。特に菊ちゃんの若さを押し出したいと思われる場面では玉さんは少し抑えた動きをしているようにも見えた(鞠つきや海老反りの場面など)。

しかしながら一番大きな違いは二人の表情だった。菊ちゃんはまだまだ余裕がないのか顔の表情の変化が少ない。鐘に怨みの気持ちを見せる決めの場面が何箇所かあるが、玉さんは怨みのこもったきっとした目になっているのに菊ちゃんは睨んでいるくらい。さらに後になればなるほど玉さん花子の怨み目は蛇というか般若度が増していくのがはっきりわかる。そして、最後の鐘に上った後の場面で私は唸ってしまった。玉さん花子は怨み目の表情で上りきるとふっと微笑みを浮かべ、そこからまたさらに凄みのきいた怨み目を見せて決まるのである。その微笑みは?!所化たちの制止もふりきってついに鐘を占拠でき、してやったりと微笑んだのだろうかと思ってしまった。一方の菊ちゃんは、鐘に上って身体の方はしっかりと固定できて余裕ができるとだんだんだんだん目をすごませていっていた。これだ~、20代と50代の経験の違いはここだ~と痛感。さらに玉さんは菊ちゃんを慈しむような表情が何度も見てとれた。自分を慕って必死についてくる見込みのある若手を育てようという慈母観音のような表情。こうして芸は伝承されていくのだろうと見ていて胸を打たれるような瞬間があった。
一回しか観ていないというのに、とにかく眼福、至福、一生の宝物の舞台となってしまった。一回しか観ていない分、玉三郎舞踊集のDVDを買ってしっかり流れも頭に入れて再再演に備えようかという気持ちになってきている。

写真は玉三郎舞踊集のDVD。バラで買おうかセットで買おうかという悩みに進化しつつあるのであった。

06/02/24 あっぱれじゃ!荒川静香金メダル!!

2006-02-24 12:40:41 | つれづれなるままに
くだま記のharukiさんのブログで新橋演舞場で上映されたシネマ歌舞伎第2弾『研辰の討たれ』の感想(こちら)で書かれていた、福助丈のお部屋さまが連発した「あっぱれじゃ!」。
それを荒川静香の金メダルの演技に進呈したい。
長野オリンピックで16歳で出場した時は本当に高校生っていう顔だったのに、2年前に世界選手権(?)で優勝した時には綺麗な大人の女性になったなと思っていた。その後、採点方法が変わってしまい成績が出なくなってしまった時期には暗い表情をしていたのに、今回は飄々としている感じだった。
クールビューティとかよく言われていたけれど、ショートプログラムで第3位になった時の映像をホント能面のような美しさだなと見ていた。
その時もフリーでも空中で3回転を2回転に変更したりとかの冷静な判断をすることができるなんてすごい。いつもの自分の演技ができるように他の選手を見ないとか防音ヘッドフォンで歓声が耳に入らないようにとかもしていたとのこと。
12月に今のコーチに変えて曲も「トゥーランドット」にして評価されなくなってやらなくなっていたイナバウアーをやはり入れて自分らしさを表現すると決めてから迷いがなくなっていたようだ。
そして滑り終えた後に見せた笑顔、表彰台の笑顔。能面の下に普段は隠れている笑顔が日本中に焼きついてしまったようだ。
やっぱり「あっぱれじゃ!」であった。写真は毎日新聞のウェブサイトより。

今晩は、本物の能面をつけた『紅天女』を国立能楽堂で観てきた。能面ってやっぱり美しかった~。感想はまたゆっくりと...。

06/02/22 『アンナ・カレーニナ』もDVD発売って、東宝さん?!

2006-02-23 23:56:04 | 観劇
昨晩はル・テアトル銀座でミュージカル『アンナ・カレーニナ』観劇。さすがにレンチャンでお疲れモード。今晩仕事から帰って鏡を見たら目の下に隈ができていた。

まずい、いよいよ明日はお能デビューの日なのに~。新作能『紅天女』を国立能楽堂に観にいくのだ。居眠りしちゃうよ~。
早く寝なくては...。
『アンナ・カレーニナ』は「一見の価値のある舞台」だった。しかしながら私にとっては時期が悪いのだと思う。内容がね~。ちょっとね~。感想はまた後日。思い出すだけで疲れてしまう。でも写真はセピアっぽい古めかしい感じが素敵だったので2000円のプログラムはしっかり買ってしまった。写真が好きな私の道楽。グッズ類はほとんど欲しくならないけれど写真欲しい人なのよね(自分でオートフォーカスカメラでいろいろ撮影するのも好きなのです)。

しかしどうしたのだ、東宝さん!『ベガーズ・オペラ』に続けてこの舞台もDVDを発売するとは!!確かにライバル松竹は「シネマ歌舞伎」第2弾・野田版『研辰の討たれ』に続けて第3弾をついに玉三郎舞踊で製作して上映する。舞台と映像の協力企画が連続して続いている。東宝もついに社内でそういう気運が盛り上がってきたのだろうか?
そうであれば大歓迎だ。今年の新作は次々とDVDを製作してくれるのだろうか?
しかし、昨年の『レ・ミゼラブル』2000回記念DVDってやっぱりつくってくれないだろうか。私はそれをず~っと待っているのだけどな~。

写真は東宝のHPよりアンナ・カレーニナ役の一路真輝 。

06/02/21 玉・菊「二人道成寺」観劇で感激の短い報告

2006-02-21 23:59:31 | 観劇
二月歌舞伎座夜の部でついに玉三郎・菊之助の「二人道成寺」を観ることができた。一昨年一月の初演を見逃していて今回の再演はとても楽しみにしていたのだった。

前日に予習する。まず、てぬぐいさんのブログでご紹介があった方のブログ=まこさんの「真ん中な日々」に飛んでいって長唄の詞章をプリントアウト。それを見ながら勘三郎箱の「京鹿子娘道成寺」のDVDを見て長唄の詞章をききとる練習をした。
その上で今日の観劇とあいなった。「道成寺」の前の休憩に舞台写真もチェック。写真になっている場面は見どころが多いのでそういう意味でも事前チェックをなるべくすることにしているのだ。残念ながら昼の部を観た18日と同じものしかなかったが、しっかりと買い足してしまう。

玉さんがスッポンから登場して二人花子が揃って舞い始めた瞬間からゾクゾクしてしまった。予習の成果も上がり、しっかりと見どころも観たつもり。もうとにかく眼福、至福、一生の宝物の舞台となってしまった。
詳しい感想は後日にして、早く寝ることにする。明日は『アンナ・カレーニナ』観劇予定。レンチャンになってしまったことを少々後悔。だって玉さん観たあとだと一路さんだってきっと霞んじゃうよ~。

06/02/20 菊之助ってなんで舞台写真写りがよくないの?

2006-02-20 23:59:02 | 観劇
2/18歌舞伎座昼の部を観てきた。感想は『幡随長兵衛』しか書いていないが、舞台写真をチェックした際に感じた疑問についてちょっと...。
今月の超話題の舞台『二人道成寺』は明日の夜観るのだが、先に写真を2枚買ってきた。せっかく二人なので玉三郎・菊之助のツーショットを買おうとしたのだが、なかなか表情よく写っているのがないのだった。
この間、毎回2~3枚をメドに舞台写真を買っているのだが、枚数で一番多いのはやはり玉三郎!!菊之助は4枚しかないのだ。女方姿は紫の上のみ、若衆姿は獅子丸、児雷也、玉三郎と人形遣いでのツーショット。写真で見る顔の写りが私の好みじゃないのだ。舞台で見るとすごく綺麗なのになんでなんで??

そしてさきほど、「たまごのなかみ」のmayumiさんのところの記事でハタと思い当たった。菊之助の顔が21世紀型だからだったのだ!(追記:元のお顔ではなく女方メイク顔の時に多く発生すると思われる)
mayumiさんの「予言」の記事はこちら
21世紀型って?ということだが、研ナオコのように少し目が離れ気味で顎の小さい顔のことを今回はさしている。思えば宝塚の昭和の『ベルばら』アンドレ・オスカル編でオスカルを演じた安奈淳の素顔は少し目が離れ気味だったのだが、宝塚メイクで目を内側に大きく描くととても目の大きな可愛い顔に変身したのだった。

ところが歌舞伎の女方メイクは宝塚メイクのように内側に大きく描くわけにはいかない。特に写真の場合は顔の陰影が出にくくのっぺりと写ることが多い。そのためによけいに菊之助は舞台写真の写りが悪くなるのではなかろうか。
玉三郎・菊之助のツーショットを見ていてよけいにそんな風に感じてしまった。もしかしたらもう少しメイクを工夫するといいのではないだろうか?
メイクの上手な玉三郎からそのへんについても教えてもらえるといいのにな。教えてというか技を盗むのでもいいや。
以上、勝手なことを決めてかかって書いているのでご贔屓筋の皆様、ムッとくるかもしれないけれど、ごめんなさいm(_ _)mでも悪気はないのよ~、私も菊ちゃん贔屓のひとりとして、もっといいお顔の写真が欲しいのです!!それで思いついたことを書いてしまっております。ひらにご容赦くださいませm(_ _)m

明日、いい舞台写真が増えていると嬉しいんだけどな。

06/02/19 『ヨイショ!の神様』、あ~面白かった~

2006-02-19 23:58:09 | 観劇
松竹ウェブサイトから以下引用。柄本明…中村勘三郎…波乃久里子…藤山直美…あの“浅草パラダイス”シリーズでお馴染みの出演者達が、新たに繰り広げる人情喜劇!今回は、小池栄子、火野正平が初参加!金子成人作、ラサール石井演出により、昭和初期を舞台に、個性あふれる面々のおかしな物語。

「浅草パラダイスシリーズ」が面白いという噂は耳に入っていたのだが結局観る機会をつくれなかった。昨年、勘三郎襲名披露公演の前から真面目に彼の舞台を観ることを決意し、その第1弾として2月演舞場で『空想万年サーカス団』を観た。話はたいしたこともないのだが、柄本明・中村勘三郎・藤山直美・笹野高史に大笑い。
子どもの頃にTVで見た藤山寛美が大好きだった私は、人情喜劇の後継者たる藤山直美も応援できるし、こういう組合せの舞台は毎回とりあえず観ることに決めたのだった。
予算の関係で3階B席での観劇。花道上の最後列の前の列だったが、双眼鏡もたまにしか使わないで肩の力を抜いて観る。あまり期待しないで行ったのがよかったのか面白かった。

勘三郎の世話物でもハマっている幇間の役で、お客をヨイショする意味の『ヨイショ!の神様』というわけだ。よく調べもしないでいったから、な~んだそうかとまずここで納得。TVドラマの『長七郎江戸日記』でよみうり屋の情けないタツの役でハマっていた火野正平が、ここでも情けない男の役でとてもいい感じを出していた。最後はちゃんと一途に思い続けたお嬢さん(小池栄子)と結婚してるし~。
藤山直美は12月の『狸御殿』から引き続きよくしゃべくる役で本当に見ていて楽しいし、大河ドラマの秀吉でピッタシサルの柄本明がここでも相当変な役。
波乃久里子は小池栄子を囲った軍属の男の正妻役で、夫の横暴に耐えかねて刃物沙汰を起こし囲い者の借金証文を破棄させるというひとり新派の役どころ。

ただの喜劇ではなく戦争の暗いカゲ、女の哀しい反乱のカゲを落として陰影をつけ、戦後は占領軍もヨイショしてでもたくましく生き抜く庶民の姿を描き出した。作・演出も合格点を出してあげたい。

中村屋の姉弟の共演も初めて観ることができて満足。源左衛門・小山三の狂言回し役もよかったし~。小山三さん、最後はお茶目に写った遺影で登場ってそりゃブラックユーモアたっぷりすぎだよ~。
中村屋贔屓、直美贔屓の私としてはやはり観てよかった~という舞台だった。気合を入れないで観ることができるこういう舞台もたまにはいい。

今日は北西のキティさんとご一緒した。彼女は『ベルばら』の原作ファンで高校時代に宝塚での舞台もご一緒したものである。終演後、真聖さんと3人でお茶して盛り上がったのであった。あ~、たのしかった~。

写真も松竹ウェブサイトからチラシの画像。

06/02/18 『幡随長兵衛』で吉右衛門に惚れる

2006-02-18 23:54:56 | 観劇
今日は思いっきりミーハーでいく。

TVドラマ『鬼平スペシャル』の翌日、歌舞伎座昼の部で『幡随長兵衛』の吉右衛門...うーん、惚れた!侠客役いい!!舞台の吉右衛門で初めて反応。昨年の弁慶でも反応しなかったのに、どうしたことか?これって鬼平が触媒効果を果たしてる??

劇評で吉右衛門の時代はニンではなく、世話がいいと書いていた方がいたのだけれど、私もそんな感じがした。といってもそんなに何回も観ているわけではないのだが、それでもここまでドーンと魅力を感じたのは初めてだった。

鬼平でも長兵衛でも仕事一途ではなく酸いも甘いもかみ分けるまで遊んだ経験を十分持っているからこそ多くの人に惚れこまれる魅力を放ち、野暮はなし、「男」を通すという魅力。兄・幸四郎との違いをやはり大きく感じる。品行方正でエリートに育った兄と屈折して育った弟というあたりだろうか。

玉三郎のお時がまたいい。長兵衛ほどの男が惚れた女房という自信が一本ピシッと通っている。白柄組の旗本・水野宅への招待を受け、命を捨てにいく夫に新しい黒紋付袴を着せ付けるところの緊迫感のすごさ、これもこのふたりだからこそのものと思った。吉右衛門が着物を自分で身につけていく動きも見惚れるほど絵になっている。

一方の菊五郎の水野も敵役として十分な大きさ。最後の湯殿の大槍で長兵衛にとどめを刺しての幕切れも絵になっていた。
黙阿弥の名調子の長台詞も心地よく、見ごたえ十分の舞台で大満足。
終演後は夜の部を観る真聖さんとミニミニオフ会。明日の演舞場も同じ昼の部だとわかり、再会を約して別れたのでしたって、時代物の幕切れみたい(笑)

06/02/17 『鬼平スペシャル』でエクセルと格闘した疲れを癒す

2006-02-17 23:59:38 | テレビ
さちぎくさんのブログでフジTV『鬼平犯科帳スペシャル~兇賊』の予定を知って、帰宅が間に合わないかもしれないのでGコード予約録画設定をかけてから出勤。大正解だった。

資料のリストをエクセルで作成しているのだが、午後3時くらいからややこしい修正を入れる作業を6時半までかけてしていたのだが、エラーが出て全部パアになってしまった。こまめに上書き保存しておけばよかったのだが、ちょっとややこしいことをしていたので区切りまでとズルズルしたのがいけなかったのだ。思い出しながら全部修正!帰宅したら番組は終了していた。ビデオで観ながら夜食をとる。ビデオもちゃんととれていたのでよかった~。

フジTVの番組のサイトはこちら
今回の話の冒頭紹介:平蔵(吉右衛門)がお忍びで立ち寄った居酒屋の亭主、九平(小林稔侍)は元盗賊。夜鷹のおもん(若村麻由美)に酌をする平蔵の人柄に九平は感服する。店を出た平蔵を凶悪強盗の甚五郎(大杉漣)が雇った浪人たちが襲撃。気になって平蔵の跡をつけた九平は彼の正体を知り姿を消すのだが…。

久しぶり吉右衛門の鬼平を観て「余は満足じゃ~」状態で疲れもふきとぶ。吉右衛門の味のある渋い声が◎。舞台よりこっちがやっぱり好きみたい。この渋い声って要はタバコでかすれてるせいじゃないかなと今日もこれを観ながら推測してしまう(笑)反抗期からずっとタバコ吸ってるみたいだし...。鬼平役は萬屋錦之介がやっているのをTVで観たことがある。さすがに吉右衛門の父、松本白鸚のは観たことがない。父のテレビでの十八番を45歳から引き受け、今回で140本目だという。
妻久栄役の多岐川由美、密偵役の梶芽衣子も年とったなあなんて思いながら見ていた。『神はサイコロをふらない』で変な教授役をやっている大杉漣もこちらでは徹底した悪役やっていた。鬼平に悪党だった親を殺されて怨み敵討ちをしようとつけねらっていたという設定。うーん、火付盗賊改方に成敗されるような悪党の敵討ちって大義があるのかねとは思うが、まあそういう時代ということで...。

しかし、最後にキャストがエンドロールで流れているのをよく見たら、なんだ歌舞伎座でおなじみの方々がこんなに出演していたのね~。歌昇ですら気づいていなかった私。

ハイ、これからはそういう方々もちゃんとチェックしながら見ることにしますm(_ _)m

追記:写真はTBしていただいた「かしまし娘」さんの記事からいただいた写真。娘に見せたらボソっと「カッコイイ」。そうだろそうだろオジ様の魅力炸裂なのであった。