13/06/23 母の冷蔵庫を買い替える一大事業完了後、実家近くの美味しいスイーツを初体験


先月に実家の母と映画「くちづけ」を観た際の予告編で木下恵介監督と母の物語の映画「はじまりのみち」を観たいと言っていたので、誘いの電話をしたところ、それどころではなく、17年前に買った冷蔵庫がいよいよ通電が切れ、冷やす強度を強めたらついたのだということで買い替えに付き添うことになってしまった。名古屋の妹1に電話で相談したら、「足元を見られないようにね」と釘を刺されたという。

今現在使っているシャープの冷蔵庫は440㍑の観音開きタイプで19万くらい出して買ったとのことだが、2階に台所があるために内階段を電器店のスタッフ4人がかりで上げたのだという。
今回はそれを運び出してもらうこともセットになるが、大型のY電機の店ができてしまい、母も土曜日の通院後に自転車で下見に行ってきたらしい。12万くらいのものを買えばスタッフが通常配送よりも増員されてもいいくらい値引きしてくれると聞いてきたという。
うーん、年寄りの一人暮らしにそんなに高い冷蔵庫はいらないぞ~。まずい、Y電機では車がやっぱり欲しいぞ・・・・・・。

妹2に電話したところ、ツレアイくんも同行してくれることになり、6/23日曜日のお昼に集合。妹家の車でデニーズで昼食後、Y電機へ。

野菜室が最下段になっていると整理しづらいということで、そうすると東芝に絞り込まれたが、400㍑台の観音開きの展示品現品を12万円でという話のようで、それはやめるよう説得。目標は300㍑台だ。片開きの方がドアポケットの収納力があるからと展示品を開いてもらって説明。さらに上段下部のチルド室のプラスチックが割れてしまったので割れにくいものをと言うのでシンプルな方が壊れないよとかなり説得してようやく納得。Y電機オリジナル仕様の300㍑台の2品のどちらにするかでまたまた悩みに悩む。
大きい方でようやく決めてもらったが、今ある方のリサイクル引き取りについて昔と違っていろいろと所有者が負担しなければいけないことや、その分の値引きを広告の品ではできないことを、母に理解してもらうのが難業だった。
妹2夫婦はそれを私に任せて時間潰しに行ってしまったので、一人で奮闘!!

いろいろとこだわる母は昨日の女性スタッフともう一度話がしたいと頑張ってしまうので、最初に対応してくれたイケメンの研修生から替わってもらって交渉継続。大型店では同じ担当者と話がしたいといってもなかなか難しいのだ。
大きな方の広告の品はさすがに人気でオリジナルだし生産出来次第という話だったが、他店在庫で見つかったのでまずはホッとする。
リサイクル引き取りと納品がどのようにできるかの見積もりを来週の日曜日に入れて、追加料金が発生してもそれでも当初の12万円より安いからと得心してもらって、納品日は2週間後に設定した。一大事業のような冷蔵庫買い替え作戦は完了!!

前回の買い物の際にキャンペーンでつくらされてしまったY電機のクレジットカードも解約したかったが、自分でやらなければならないとわかってガッカリした母。そのことも含めて若いスタッフにY電機への苦言をしっかり述べていたが、まぁこういうところは私も似てしまったなぁと苦笑してしまう。
とにかく解約の手続き書類を取り寄せるまで頑張ってもらったら、私がサポートする予定・・・・・・。
それと帰宅後に我が家の冷蔵庫を確認したところ、日立の「野菜中心蔵」で1998年上期製造分だった。うーん、そろそろ危ないかもねぇ(苦笑)

ベルクで買い物と、ごくろうさんでスイーツタイムの店と考えるが、駐車料金を払わないですむとなるとなかなかないので、実家に戻ることにしたが、スイーツをどこで買おうかというので、妹2から提案が出た。
数年前に開業した洒落たスイーツの店が実家近くにあるのだが、まだ買ったことがないので、一度買ってみようという。穀物と自然のやさしいお菓子のパティスリーでデパートへの納品中心だったらしいが、最近は店での小売りも強化されて入りやすい雰囲気になっているからという。
「L'atelier de Hilo Takai/ラトリエ・ドゥ・ヒロタカイ」のHPはこちら
冒頭の写真が入り口のサイドに立てられていた看板だ。
「こしがやブランド認定品」になっている「がもうシュー」と新発売のショコラ味の方も両方売り切れだったので、ショートケーキ3種とフィナンシェを買って実家でいただいた。
白桃のショートケーキもチーズケーキも国産のさくらんぼのケーキもみな美味!
これは名古屋の妹1が来た時も食べたいねぇという話になった。
蒲生の地名のもとになった「蒲が生える土地」の「蒲の穂」は私の出身小学校の校章のデザインにも使われている。その「蒲の穂」を模したという「がもうシュー」をなるべく早めに食べてみたいと思っている。

(追記)
いろいろと撮影した写真もあったので、過去の日付で記事を後からアップ済みですm(_ _)m
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13/06/22 サイエスタでランチ、「レ・ミゼラブル」で我が家初のブルーレイ


我が職場の職員寮が与野にある。そこに住んでいる後輩のMさんに先月中旬に東京方面から帰ってくる電車の中で遭遇。まったく偶然に隣席に座ってお互いにびっくりした。それがご縁で与野のお仲間としてランチでもしようということになり、日程調整の末に本日「サイエスタ」でランチ!
午後1時に待ち合わせして、娘も合流。雲がたくさん広がっていた空は晴れて、お庭の木々に陽の光が差し込んで美しい。

女性3人で座卓席でおしゃべりしながら盛り上がった。自然酵母のパンも店長さんをはじめスタッフさんたち、店内の雰囲気もみな気に入っていただいたようで、お一人でものんびりしに来てみたいとのこと。「サイエスタ」ファンが増えたようで私も嬉しい限り。
2月の親知らず抜歯前の「サイエスタ」ランチの記事はこちら

食事が終わったら娘はさっさと帰ってしまったが、Mさんと私はゆっくりまったりとおしゃべり。
我が家の前までお付き合いいただき、映画に一緒に行く約束だった娘に確認したらお昼寝中。夜にちゃんと眠れなかったらしい。生活のリズムが狂ってますなぁ(溜息)

駅前のコンビニでアマゾンから届いている、6/21発売の「レ・ミゼラブル」のブルーレイを引き取りにだけ行くことにして、Mさんを送りつつ、最後までおしゃべり。女子仲間というのはとにかく話が続くのが男子にはわからない世界らしい(苦笑)
お付き合いいただいたMさんに感謝!またの機会にランチいたしましょう。

実は我が家でブルーレイを買うのは初めてなのだ。歌舞伎等の場合、ブルーレイはなくてDVDだけだったりする。初回生産限定商品(豪華フォトブックとデラックス版サントラCD2枚(42曲収録)付き)にも心が動いたが、モノを増やしたくないという思いが強くなっていたので、ブルーレイ(デジタル・コピー付)にしたのだ。珍しく娘もシンプルバージョンでいいというし(^^ゞ

先ほどから早速ながら見しているが、さすがに画質がよくきめ細やかな映像に感心至極。昨年のクリスマスイブに映画館で観た時は、日本語字幕観賞となったが英語字幕で観ることができるのも嬉しい。
やはり歌の鑑賞だけだともの足りないが、映像と一緒に鑑賞するとトータルの魅力があるなぁとあらためて痛感させられた。
全部観ると遅くなるので、そろそろやめよう(→結局全部観てしまった!)
明日は、実家の冷蔵庫がそろそろダメになりそうと母親から一緒に買いに行って欲しいというリクエストに応える予定。北本の妹2もツレアイくんとともに付き合ってくれることになり、心強い。ちゃんと昼集合に遅れないようにしなくっちゃ(^^ゞ

(追記)
実は韓国2泊3日旅行から戻った翌日も「サイエスタ」ランチでお茶をしている。玲小姐さんのオツレアイが近所の口腔保健センターで治療を受けている間にご一緒したのだった。池田理代子が「ベルサイユのばら」の後で描いた「オルフェウスの窓」全巻を貸していただくことになっていたのもまとめて持ってきていただいた。
いろいろと読みたいものがあるのというのもいいことかなぁ。
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13/06/21 心のメンテナンス?職場の先輩が一緒に「大祓」をと声をかけてくださった


冒頭の写真は6/20の夜に帰宅途中の道に置かれたプランターで咲いていたサボテンの花。夜の暗さの中で何度やってもうまく撮影できないと思っていたら、車のライトの中で浮かび上がったところで携帯でもなかなか撮ることができた。
今日、久しぶりにお顔を見せてくれた職場の先輩のIさんが、地域で習っている短歌サークルの先生が神官の奥様ということで、毎年「大祓(おおはらえ)」をしてくださるとのことで、私の分も一緒にお祓いをしてもらうからとお声をかけてくださった。
Wikipediaの「大祓」の項はこちら
「大祓」は、6月と12月の晦日に行われる除災行事である。犯した罪や穢れを除き去るための祓えの行事とのこと。
下の写真はその説明書と人形(ひとかた)と切麻(きりぬさ)。

説明書にあった「お祓の仕方」を以下、引用。
①人形で身体を撫で、次に人形に息を3回吹きかけて、自分の罪穢を人形に移します。
②切麻を3回に分けて、「左・右・左」と身体にふりかけてお祓いします。
②には「ふりかけて」とあるが、和紙にくるんで身体に触れるという方法でよいとのことだったので、職場の床にふりまかずにすんだ。
最近の私のいろいろな災厄を心配してくださったIさんに感謝したい。

特定の宗教を信仰する心は特にないが、人智のまだまだ及ばない世界があってもおかしくないし、あるだろうということは信じている。
自分でも心身をメンテナンスしながら、皆様のお心づかいも素直に有難く頂戴し、なんとかこれからの日々を生きていく力を得たいし、維持したいなぁと思っている次第。
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13/06/20 身体メンテナンスで院長先生への初代タイガーマスクのサイン入りマスク拝見


6/8~10の韓国2泊3日旅行から帰って右足に集中的にできてしまった靴擦れの水膨れもようやく治り、仕事帰りにかかりつけの佐々接骨院へ。
骨盤が歪んでうつぶせ状態で右が少々上がっているとのこと。矯正!
さらに首の牽引とともに首の歪みを矯正。私の首はストレートネックの上に突き指状態のように背骨の方に入ってしまうのを時々治していただいている。
そうすると霞がかかっていたような眼も視界がはっきりすることも多く、定期的なメンテナンスが欠かせない。

入ってすぐに何やらタイガーマスクの仮面の展示をみつけた。院長の佐々先生はスポーツ会館で開業していた頃から格闘技の選手の治療もよくされていたので、ピンとひらめいた。

お話をお聞きしたら、6/7の後楽園ホールでのプロレスのイベントで初代タイガーマスクが出場する前にテーピングをされ、その効果に喜んだご本人が後日来院されて感謝の言葉とともにセレモニーに際に着用したマスクをプレゼントされたのだとのこと。
当日の日付とサインがマスクの裏に入っている。ファイトの際に着用したものはさすがにプレゼントにはならないらしい(イメージしたらやっぱりそうだよなぁと納得)。

プロレスのマスクといえば、2006年12月に観たNODA・MAP公演「ロープ」を思い出す。そういうお話も先生にさせていただいた。私自身は格闘技を好きにはなれないが、パロディなら観ても大丈夫だった(^^ゞまた、こんなに真近に見せていただけるのは有難いことだ。細かいパーツを縫い合わせた作品としても鑑賞させていただけた。先生、有難うございます。

プログラムの対談で「2008年冬NODA・MAPに勘三郎出演?」などという話題が出ていて、実現したのは2010年9月の番外公演「表に出ろいっ!」だった。「勘三郎が60歳までに野田さんが歌舞伎を最低でも3本は書く!」とかいう話も出ていたのに、勘三郎は57歳で逝ってしまった(T-T)
心身のメンテナンスをしながらも、私はもう少し頑張りたいと思っている。
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13/06/10 韓国2泊3日旅行から無事に帰国!土産物の一部をご披露(^^ゞ


6/8~10の韓国2泊3日旅行からなんとか無事に帰国!すぐに靴擦れして水膨れが何個もできてしまう体質(摩擦で火傷状態になりやすい皮膚とのこと)で、右足に4個できた水膨れをソウルで2個、帰国してから2個つぶした。仕事に戻ってからも椅子に座っていると治っていないためにじんじんと痛んで2日ほど鎮痛剤を飲むはめになった(こんなことは初めて!)。ようやく傷口も乾いて落ち着いてきたので、まずは土産物の一部をご披露する記事をアップしよう。

冒頭の写真は、ロッテマートのファブリックコーナーで買ったクッション2個。韓国では細長いクッションをよくみかけた。妹1のところの姪っ子2からの情報で妹2がロッテマートで真っ先にチェックしに行って、韓国らしいデザインのものを見つけたのだが、彼女は最近クッションを買ったばかりと悩んでいるうちに私が惚れ込んでしまった。
ちなみにロッテマートは6/9(日)はせっかく行ったものの日曜日というのに店休日で、翌日リベンジしてようやく買い物ができた(ロッテ百貨店は開いていた)。大体ヨーロッパのキリスト教の影響の強い国では安息日である日曜日に店が休むのは最近までは当たり前だった。それが店を開けるようになったのはアメリカの流通チェーンなどの影響による悪弊だという。ソウルでも街中のスーパーに買い物にくるのは私たちのような観光客が多いので、従業員をきちんと休ませることが優先なのだろう。
前日の土曜日には街中で警察官がデモ行進をしていた。日本と違って団結権が保障されていて労働組合があって労働条件改善のために行動できるのだ。ヨーロッパでもそういう国が少なくない。この2つを目撃して、韓国の方が働く者の権利が守られているなぁと感心。私が子どもの頃は独裁国家だったのにいつの間にか日本よりも民主主義のレベルで追い越されてしまったことを痛感した。

話をもとに戻す。添えてある団扇は、韓国観光公社観光案内センターのKorea Travel Hotline 1330 利用体験でいただいたもの。赤・黄・青色の三つ巴のようなマークは陰陽五行説にもとづくもので「三太極」というらしく、空と地と人=宇宙を意味しているらしい。そういえば韓国国旗の中心にも二色の太極図がある。これもカッコイイ。

次の写真は、やはりロッテマートの食品売り場で2箱買ってきた「韓菓」。9個並んで2段になっている。同じ菓子でも下の段は装飾が省かれたりしている(笑)

韓国の文化と生活情報をソウルからお届けするサイトの「韓菓」の項はこちら
1個ずつパックされているので職場などで食べていただくのにちょうどよかった。我が家では残った6個ほどを持ち帰って娘と今日食べたがなかなか美味!箱の蓋のデザインも韓国伝統工芸品の螺鈿細工のように色が変わって見えて美しい。

最後の写真の奥の2種は、化粧品の店でもらったおまけのフェイスシートとリップパッチ。化粧品会社がKポップアイドルと提携しているのでその写真が使われている。

一番手前は、南大門市場を散策した時に見つけたノリゲのストラップ。現在、NHK総合TVで毎週日曜夜11時からオンエアされている「トンイ」で蝶の飾りのついた鍵飾りが重要アイテムになっていることにちなんで即買い。赤が私用で青は娘にお土産だ。
さて、真ん中のロッテガム。最後に金浦空港で現金を使いきる買い物を終え、T-money カード(チャージカードで地下鉄タクシー何でも使えて超便利!)に残った1300ウォンを使い切るために空港内のセブン・イレブンで頭をひねって買ったものだ。レジ近くの売り場で「2+1」とポップに書いてあったので3種類を買おうとしたらレジで3個分計上されたので、ここに「2+1」と書いてあると猛烈にアピールしたところ、スタッフが3人がかりでやってみて、同じ種類を3個なら2個の値段になることをつきとめてくれて一件落着。レディス向けの味を3個にした。小さいチョコ菓子と組み合わせて買ったら最後に残ったのは50ウォンのみ。
これはリップパッチと組み合わせて娘のお友達用のお土産にできた。

他の店での買い物でも若い店のスタッフが真面目に礼儀正しく納得のいくまで対応してくれた姿に胸を打たれていた。中国に3回行った時と比較してみても、とにかく韓国の人びとは若い人まで礼儀正しくて優しいように思えた。カロスキル散策で韓流スターのお母さんのジェラート屋さんを探してウロウロしていた時も「May I help you?」と助けてくれた。閉店して違う店になっていたことが判明。教えていただけなかったらしばらくぐるぐるしてしまったことだろう。
儒教やキリスト教の影響もあるだろうが、ガイドさんの話でも若い世代でボランティアが盛んだとのこと。日本人よりも好感がもてる若者が多い。これは日本で韓流ファンが増えるはずだと体感できてしまった。
1日めの空港への迎えと2日めのオプショナルツアーのガイドさんが同じ女性だったのだが、広島の女子大に1年留学していたとのことだった。昼ご飯を食べた時の話題で「日本では北朝鮮のことはどんな感じですか」と聞かれ、問い返すと「あれは挑発です。それに乗ってはいけません」ときっぱり答えてくれたが、私も同感だった。しかしながら同行した別グループの方は、元々4月の旅行予定だったのをキャンセルして今回の日程であらためて来たのだとのことだった。やっぱり影響してしまうのだなぁと複雑な思いになった。

お互いの国の歴史や文化を学んで尊重しあえる関係になることが大事だと思う。妹の韓流贔屓につきあっての今回の旅行だったが、得られたものは大きかったと感謝している。
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13/05/15 前進座五月国立劇場公演「御浜御殿綱豊卿」「一本刀土俵入」


前進座劇場は閉場となり、このお正月にファイナル公演の「三人吉三巴白浪」を観た。そこで五月国立劇場公演「御浜御殿綱豊卿」「一本刀土俵入」のチラシ(冒頭の画像)を見て、これは観るしかないことを決定。2009年3月の仁左衛門主演の舞台でしばらく封印モードとなっていたが、嵐圭史の綱豊卿の扮装が能「望月」の獅子の衣裳ではなく「舟弁慶」の知盛のようで、前進座独自の舞台であることがはっきりわかって見逃してはいけないと即決した。
女子高仲間のAさんが歌舞伎座新開場杮葺落公演から歌舞伎観劇を本格的に再開し、ご一緒してくださっている。前進座の歌舞伎観劇もお誘いしたところ国立劇場五月公演にもご一緒してくれた。
そこで簡単ではあるが、記事アップしておこうと思う。

ところが私たちの観劇日の5/15の前日に中村梅之助さんが楽屋入りの時に転ばれたとのことで休演となってしまった。残念ではあるがご高齢でもあり、はやく舞台で元気なお姿をみせていただけるようになることを祈っている。

劇団前進座の公式ウェブサイト
【御浜御殿綱豊卿「一本刀土俵入」】脚本:真山青果
今回の主な配役は以下の通り。
徳川綱豊卿=嵐圭史 富森助右衛門=嵐芳三郎
中臈お喜世=河原崎國太郎 御祐筆江島=山崎辰三郎
上臈浦尾=藤川矢之輔 新井勘解由(白石)=武井茂

冒頭の御浜遊びのところからしていつもの見慣れた舞台とは違っていた。奥女中たちが歌舞伎役者に扮装しての余興の場面がいくつも披露される。原作通りの舞台を大事にする前進座らしい。新歌舞伎ということもあり、女形と一緒に女優陣が脇役で大活躍だ。特に女が男装しての余興という雰囲気がよく出ていて面白かった。ただしかなりの長丁場となってしまうので、これを頻繁に観るというのはなかなか退屈になってしまう気がした。たまに本格上演を観るからいいのだと思う。

場割りもかなり違っていて新鮮。詳細は「渡辺保の歌舞伎劇評」「今月の劇評」に言及がある。
松の茶屋で矢之輔の加役の上臈浦尾が予想以上に面白くて収穫。辰三郎の江島がベテランらしくてよい。國太郎のお喜世、芳三郎の助右衛門はまぁこんなものでしょう。お伊勢参り姿の女の子役の子役ちゃんが少々ものたりなかったのは残念(2007年6月の歌舞伎座での公演の子役が見事すぎた)。

嵐圭史の徳川綱豊卿が仁左衛門とは違ってまたカッコイイ。お喜世を可愛がる様子も助右衛門とのやりとりを楽しむ様子も、助右衛門に本心を揶揄された時に見せる激昂の様子といい、自在な芝居を堪能。嵐圭史の円熟期を観ることができる幸せも痛感。

大詰の場所の設定も普段と違って庭となるため舞台転換に少々時間がかかる。原作通り劇中の能が「舟弁慶」で知盛というのは、持ち物の薙刀で助右衛門の槍との立ち回りをじっくり見せるためだったのだろう。
前進座の伝統演目ということらしく、これからもしっかりと継承していってほしいと思った。

【一本刀土俵入】脚本:長谷川伸
「一本刀土俵入」は2011年4月に亀治郎が客演した劇団若獅子の舞台が頭に焼き付いている。しかしながら國太郎のお蔦もよかろうと楽しみにしていた。
今回の主な配役は以下の通り。
駒形茂兵衛=藤川矢之輔
お蔦=河原崎國太郎 掘り下げの根吉=芳三郎
船戸の弥八=益城宏 辰三郎=高橋祐一郎
老船頭=武井茂 舟大工=津田恵一

取手の宿の安孫子屋の前で、地回りの弥八が若夫婦に因縁をつけて仲裁の人々を相手に暴れだす冒頭の場面の脇役たちの芝居がよい。そして、布施の舟の修理場の場面での船頭と舟大工のベテラン2人の芝居も味わい深かった。こういうあたりが前進座らしくて好きだ。
國太郎のお蔦、矢之輔の茂兵衛、芳三郎の根吉は一通りという感じだったが、この3人が揃うとファイナル公演の「三人吉三」を彷彿とした。再演を重ねるうちにもっと味わい深い舞台となっていくだろうことを確信している。(追記:お蔦が茂兵衛を思い出すのは演出によって違いがあるが、今回は大詰の立ち回りで相撲の低い構えをみせた時だった。)

Aさんはご自身も日本舞踊を習っていて「藤娘」を踊ったことがあり、おツレアイが普通の仕事と脇役俳優の二足のわらじを履いていらっしゃるのを応援してきたということもあって、主役脇役を問わず舞台俳優が頑張る姿への共感力が強い。前進座の舞台もそういった視点で楽しんでいただけたようで、お誘いした甲斐があったと思えて嬉しかった。
11月の「赤ひげ」東京公演も観るつもりだ。
劇団前進座の公式ブログも楽しい。
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13/05/27 歌舞伎座新開場五月公演第三部「京鹿子娘二人道成寺」菊之助と玉三郎の表裏一体

歌舞伎座新開場杮葺落五月大歌舞伎を締めくくるのは、玉三郎と菊之助の「京鹿子娘二人道成寺」。冒頭は敬意を表して買ってしまったホログラムのしおりの表と裏。
前回は2009年2月に観ていて、その時の舞台がDVDにり、この4月に“歌舞伎名作撰"シリーズの第III期全17巻の一番最初に発売された(なんと商売がうまいのかと感心)。
2009年にはこれで玉三郎の道成寺は封印かと危ぶんでいたが、どうだろうかとちょっとドキドキしながら開幕を待つ。
<第三部>
【京鹿子娘二人道成寺】道行より鐘入りまで
白拍子花子=玉三郎
白拍子花子=菊之助
所化=團蔵、権十郎、宗之助、萬太郎、巳之助、尾上右近、米吉、廣松、隼人、虎之介

菊之助の花子が圧倒的に美しい。これまで化粧が下手だのなんだのといろいろと指摘してきてしまったが、この間、顔がうまくなっていると思っていたが、今回の花子で確信をもった。前回までのお人形のような顔から女の顔がうまくつくれるようになっていてその進化が嬉しかった。

長唄は十挺十枚というかつて見たことのない豪華な布陣。それでも三味線がピタッとあっているのは杵屋勝国社中だからだとさちぎくさんから教えていただく。うーん、新しい歌舞伎座の舞台客席の空間に響き渡る音の洪水。
桜と光の洪水の中を二人の花子が舞う。そして玉三郎の花子がスッポンから登場してピタッと寄り添う。そして二人の顔の表情を見ながら、今回は表と裏の花子だとひらめいた。

菊之助はずっと美しい表情、玉三郎はずっと屈託のある表情で踊っている。鐘への怨みを見せる場面で菊之助も顔に怨みを浮かべるがぐっと柔らかい。玉三郎の怨みは深い。これって、女の本心の部分を玉三郎が受け持って、菊之助は表に出す表情ではないかというようなイメージが湧いてきて、じーんと涙腺が熱くなったまま、目くるめく世界に身を委ねて観ることになってしまった。

今後はもう難しいかもと思える「毬つき」などの場面では、菊之助が低く舞台を大きく回り、玉三郎は無理をしないで高い位置で回るなど、二人の動きの組合せで美しく見せる。
「花笠」を菊之助、「恋の手習」を玉三郎と分担するだけでなく、今回「ただ頼め」のところを奇数日が玉三郎、偶数日が菊之助と分担するなど、玉三郎の負担を大きく軽減している。27日は玉三郎で拝見。

最後に鐘に上がったところも、菊之助を手前にして玉三郎は菊之助に隠れてから伸び上がるような動きを繰り返したようで、裏に隠れた女の本心の闇の深さを見せるようで唸ってしまった。
二人の組合せで見せる道成寺としての完成度は上がったなぁと感心した。これならば、あと何回かは見せてもらえることを期待できると思えた。

『演劇界』7月号の表紙は玉三郎と菊之助の花道での花子のツーショット。表裏一体の感じがよく出ている。

これで杮葺落五月大歌舞伎の感想も全てアップできた。安心して、明日からのソウル2泊3日旅行に行ってきます!

5/19歌舞伎座新開場杮葺落五月大歌舞伎第一部「三人吉三」菊五郎のお嬢吉三の至芸
5/19歌舞伎座新開場杮葺落五月大歌舞伎第二部「伽羅先代萩」「廓文章」
5/27歌舞伎座新開場杮葺落五月大歌舞伎第三部「石切梶原」明るい吉右衛門に感涙
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13/05/27 歌舞伎座新開場五月公演第三部「石切梶原」明るい吉右衛門に感涙


これまで吉右衛門のインタビュー番組はあまり好きではなかった。ネクラな性格なのをみせつけられる感じだったからだ。謙遜を通り越してあまりにも自分を卑下しすぎる話し方にげんなりした。播磨屋の名をしょっているのだからもう少し堂々としていていいんじゃないかと思った。いいや、初代吉右衛門が大きな存在であり過ぎて自分がそれに及びもしないと思う意識が強すぎるのかなぁとも思えた。秀山祭の座頭をつとめ始め後進の育成に力が入りだしても、その暗さは続いていた。(自伝的エッセイ集『半ズボンをはいた播磨屋』を読むとその性格がどのように形成されたかがよくわかる)

しかしながら、3月の娘の瓔子さんと菊之助の婚約記者会見に「花嫁の父です」と出てきて、そこでも自分は暗いと言っていたが、そのあたりから一変!4月の舞台でも5月の舞台でも堂々の押し出しぶりに、いまの歌舞伎界をしょって立つ気概があふれていた。

さて、「石切梶原」の吉右衛門は?!
<第三部>
【梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり) 鶴ヶ岡八幡社頭の場】
梶原平三景時=吉右衛門 大庭三郎景親=菊五郎
六郎太夫=歌六 梢=芝雀
俣野五郎景久=又五郎 奴萬平=錦之助
山口十郎=歌昇 川島八平=種之助
岡崎将監=米吉 森村兵衛=隼人
剣菱呑助=彌十郎

以下、あらすじとみどころを「歌舞伎美人」の公演情報より引用。
梶原平三景時は、大庭景親と俣野景久の兄弟が居並ぶ鶴ヶ岡八幡宮の社頭に参詣します。そこへ、青貝師の六郎太夫と娘の梢が重宝の刀を売りにやって来ます。大庭に刀の目利きを頼まれた梶原は、名刀であると鑑定しますが、これに納得できない俣野の意見で二人の人間を重ねて斬る「二つ胴」で斬れ味を試すことにします。あいにく斬られる囚人はただ一人で、娘のために、刀を売って金の工面をしたい六郎太夫は、口実を作って梢を家に帰らせると、その役を自ら買って出ます。試し斬りを請け負った梶原は、一気に刀を振り下ろしますが、真っ二つになったのは囚人だけで...。名刀の奇瑞を描いた、義太夫狂言の名作をお楽しみください。

大体、刀の斬れ味を試すために囚人を斬るという話自体が現代の感覚では理解できない。そういうこともあって、いまひとつこの演目には入れ込めず、このブログでも記事アップしたことがなかった。しかしながらこの間、氏家幹人著『大江戸死体考―人斬り浅右衛門の時代』(平凡社新書)などを読んでいたので、当時の社会状況がよくわかったので、物語の展開にはついていけるようになっていた。

梶原を吉右衛門でも仁左衛門でも見ていたが、今一つ世界に入っていけなかったのだが、今回は違った。竹本の葵太夫の語りが聞き取りやすくて物語の世界にすっと入っていけたこと。そして何よりも吉右衛門がこれまでと違ったのだ。
この話の「肝」は名刀にあるというのがよくわかった。六郎太夫が買ってほしいと持ってきて目利きを頼まれた梶原の作法通りの「目利き」の芝居が実によかった。こんな名刀には出会ったことがないという目利きの眼力のある男の昂揚感が実によくわかるのだ。見れば見るほど心が踊ってくる様子が吉右衛門から伝わってきて驚いてしまった。3月の娘の結婚で吉右衛門の心がどうやらひと皮むけたように明るさを加えたことがここまで芸に反映しているのかと嬉しくなってしまった。

この名刀を何か事情があって売りたい、それも父が命をかけてまで娘に金を残してやりたい事情をくんでやる梶原は、その事情を話したがらない六郎太夫が敵方の源氏の所縁の者であることを見破った。そして周囲に誰もいないことを確かめた上で、源頼朝を助けた自分の本心を明かすのだ。
それでも同情心から刀を買いとられるのを嫌がる六郎太夫の誇りに感じ入り、八幡社頭の石の手水鉢を真っ二つにしてみせる。
まさに名刀をめぐっての物語、その名刀ぶりに心を動かされた梶原の物語なのだということがよくわかって実に楽しめた。

さらに、私は吉右衛門が自分の芸を初代に及ばないとぐるぐると自分の中で精進だけ重ねていた時代を打ち破り、その屈託まで娘の慶事が吹き飛ばし、まさに新開場の歌舞伎座で二代目吉右衛門の芸が花開き、その円熟期に立ち会えた気がして、目頭が熱くなったのだった。
最近、更年期のせいなのか、嬉しくては泣き、哀しくなっては泣き、「奥州安達原」で袖萩が目を泣きつぶしたというのがなんとなくわかるような目になってしまっている。伝統芸能の表現が実に人間をよく描いていることを身を持って体験できていて、人生の面白さにもあらためて気がついている。

5/19歌舞伎座新開場杮葺落五月大歌舞伎第一部「三人吉三」菊五郎のお嬢吉三の至芸
5/19歌舞伎座新開場杮葺落五月大歌舞伎第二部「伽羅先代萩」「廓文章」

冒頭は、地下の木挽町広場の「はなみち」で1個ずつGETした歌舞伎座のデザインの紙コップ。3回にして全てのデザインが揃った。こちらはデイリーヤマザキ等の系列のお店らしい。ヤマザキのランチパックの歌舞伎座厨房監修仕様も4月は売り切れていて買えなかったが、5月は第一部の幕間にしっかりGETして食べることができた。粒あんとホイップクリームに求肥の入ってなかなか美味!2個買って娘のお土産にしたら美味しかったと誉められた。
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13/05/19 歌舞伎座新開場五月公演第二部「伽羅先代萩」「廓文章」


冒頭は五月公演のチラシ画像。歌舞伎座のこの入り口から入場するのがやっぱり嬉しい。チケットももぎりのスタッフが3人ずつ2列に並んで入場者に声をかけながら送っていくので渋滞しないのがさすがで、国立劇場の2人体制と大違いだ。第一部終演後は地下の木挽町広場に出かけ、第二部で再度入場するので何度も出入りしてしまう(^^ゞ

<第二部>
【伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)】
〈御殿〉        
乳人政岡=藤十郎 八汐=梅玉
沖の井=時蔵 松島=扇雀
栄御前=秀太郎
〈床下〉        
仁木弾正=幸四郎 荒獅子男之助=吉右衛門
2006年1月の藤十郎襲名の「伽羅先代萩」を観ていて、まま炊きの場面が独特で面白かったのだが今回はカット。三部興行では仕方がないだろう。梅玉の八汐、秀太郎の栄御前の悪役ぶりもバージョンアップしていて小気味よい。沖の井、松島で時蔵、扇雀が揃うのもよい。
千松が八汐に刺された直後、鶴千代を上手の別室に隠すやり方も本行を踏まえる藤十郎の型だが、鶴千代を守るだけでなく、まずこの惨劇を見せたくないという気持ちが加わっているようにみえ、私には好ましい。
八汐を成敗した後で、「床下」になる。久しく共演から遠ざかっていた幸四郎・吉右衛門が2006年にこの役で共演して以降は、兄弟でがっつりと組んだいい舞台が積み上げられてきた。今回の「床下」は吉右衛門の男之助に荒事らしい明るさが加わったことが嬉しかった。

【夕霧 伊左衛門 廓文章(くるわぶんしょう) 吉田屋】
藤屋伊左衛門=仁左衛門 扇屋夕霧=玉三郎
吉田屋喜左衛門=彌十郎
吉田屋女房おきさ=秀太郎 太鼓持豊作=千之助
阿波の大尽=秀調 番頭清七=桂三 
仁左衛門×玉三郎の「廓文章」は観ているが感想未アップ。2008年11月の藤十郎の「廓文章」の記事はこちら
「傾城買い」という上方和事の典型演目で、二枚目の風情を役者で見せる芝居。今回ようやく仁左衛門の芸で楽しめるようになったという感じだ。
久しぶりに会える夕霧を探しに吉田屋の座敷をどんどん開けて行き、阿波の大尽の宴席に出ている夕霧を見つけた嬉しさをいっぱいに見せたかと思うと、いざ目の前にするとすぐに来てくれなかったとすねて素直になれず夕霧に当たってしまうという大商家のぼんぼんの子どもじみた可愛さを、仁左衛門にこれでもかと見せつけられるのを楽しめてしまったから、もうこの世界の住人になってしまったかなぁ。

その二人がじゃらじゃらしている膠着を太鼓持豊作がなだめて取り持つ。千之助の踊り、頑張ってました!
玉三郎、文句なく美しい夕霧。伊左衛門の勘当が解けて実家の藤屋から夕霧の身請けの金が6箱も届く。500両でひと箱で三千両ってことかな?
祝儀の打掛が新しくなった。前回の打掛は2011年10月の玉三郎特別舞踊公演でも「傾城」で使われていたと思う。今回は背中に大きく金の鳳凰が、裾には何本もの牡丹が大きな刺繍で入れられていて舞台に映えた。こういう衣裳の工夫も積み重ねているところが玉三郎らしい。

5/19歌舞伎座新開場杮葺落五月大歌舞伎第一部「三人吉三」菊五郎のお嬢吉三の至芸
下は一階ロビーの絨毯のデザイン部分。毛足がしっかりしていて歩くと弾む感じが歌舞伎座新開場のウキウキ感にふさわしい。
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13/05/19 歌舞伎座新開場五月公演第一部「三人吉三」菊五郎のお嬢吉三の至芸


さて、五月公演は一部ずつ簡単にアップしてみよう。冒頭は第一部開幕前に3階B席最前列より富士の緞帳を撮影したもの。

「歌舞伎美人」の歌舞伎座新開場杮葺落五月大歌舞伎の公演情報はこちら
<第一部>
【鶴亀(つるかめ)】
祝儀舞踊という感じで、皇帝の梅玉の品格のよさに安定感を感じる。亀(橋之助)と鶴(翫雀)に東西の成駒屋が揃った。頭にそれぞれ鶴と亀の飾りをつけているのが大層すぎてちょっとおかしい。従者の松江が姿よく踊りもきっちりしているのが印象的だった。

【菅原伝授手習鑑 寺子屋】
松王丸=幸四郎 武部源蔵=三津五郎
戸浪=福助 千代=魁春
涎くり与太郎=亀寿 百姓吾作=由次郎
園生の前=東蔵 春藤玄蕃=彦三郎 

三津五郎の武部源蔵は初見だがなかなかよかった。福助の戸浪も神妙にきちっとしていて好演。涎くり与太郎の亀寿はどうしても頭がよさそうに見えてしまうそのギャップに笑えた。彦三郎の春藤玄蕃は安定している。幸四郎の松王丸はリアルな演じ方でそれはそれでよいのに、首実検でどうしてあんなに底を割ってしまうのだろうか。そこが興ざめ。

【三人吉三巴白浪 大川端庚申塚の場】
冒頭の菊十郎の金貸太郎右衛門が研師与九兵衛とやりとりするところから見応えあり。菊十郎は独特の声といい、台詞も絶品。
梅枝の夜鷹おとせが綺麗で幸薄い感じがよい。菊五郎のお嬢吉三が並ぶと容色の差が際立ってしまうが、それでも菊五郎が近年になく絞り込んでのお嬢は歌舞伎座新開場にふさわしい。
菊五郎の台詞やしぐさ、身体の動きに無駄がなくさらさらと運んでいく様子に至芸を感じる。男なのに女装している盗人という役はやはり兼ねる役者でこそふさわしく、化けている時の声と本性を顕した時の声の使い分けが自然で力みもない。そうみせられるというのこそ芸の力だろう。

仁左衛門のお坊吉三がまた贅沢極まりない。御家人の坊ちゃん崩れという若い男の子どもじみた屈折ぶりが可愛く、菊五郎とも絶妙なからみを見せる。菊五郎が仁左衛門や吉右衛門とからむ時の芝居は見応えがあると思ってきたが、今回の顔合わせでもそれが堪能できた。 
幸四郎の和尚吉三は小悪党になかなかみえないところが難だが、それでもその存在感でしっかりと好演。それでも和尚が團十郎だったらとつい思ってしまうところが、私の未練。
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