ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

05/12/27 年末ドラマ①「河井継之助 ~駆け抜けた蒼龍~」

2005-12-31 13:23:24 | テレビ
日本テレビでの年末ドラマスペシャルの2本の1本目が12/27夜の『河井継之助~駆け抜けた蒼龍~』。中村勘三郎が河井継之助をずっと演りたかったというのを実現させた企画だ。越後長岡藩家老の河井継之助というのは名前をきいたことがある程度の認識しかなかったが、勘三郎主演ドラマとあっては観なくてはならない。
主な出演者は以下の通り。
中村勘三郎 中村獅童 唐沢寿明 稲森いずみ 京野ことみ
伊藤英明 佐野史郎 吹越満 火野正平 北村和夫 中村育二
神山繁 坂東三津五郎 田畑智子 中村七之助 中村勘太郎

話の概要はrin小姐さん(お茶屋娘さん)のブログにある記事が面白いのでここでご紹介(最近ご紹介多いなあ、ぴかちゅうの省力行動をお許しくださいm(_ _)m)。
rin小姐さんの記事はこちら
長岡藩は徳川幕府譜代の藩でさらに殿様は幕府の老中を勤めるような家柄の家老だったことが彼の最終の破滅の原因だ。家老になっていた時の殿を三津五郎!ハマってる。
継之助は若い頃に江戸や全国を遊学。それも時代の急激な変化、そこでの自分の藩のあり方を考えるのに役立つ生きた学問を身につける。そこで得た海外諸国の知識から、スイスのように自衛のための武装をしたうえで中立を保つ国をめざしたのだった。
薩長の大軍が長岡藩にまで到達し、戦を避けるために殿の陳情書を持って官軍の大将や官軍側についた近隣の諸藩を回るがどこも取り合おうとはしない。そこでボロボロに失意した姿を演じる勘三郎が秀逸だった。そして庶民代表でもないが田畑智子演じるおむつに「けっして戦はしない」と約束したことを破って戦うことを決意。
同じ譜代で恩義のある会津藩を裏切ることはできないという「義理」を選択せざるを得なかったのだ。庶民にしっかり目配りしていてもそこはやはり譜代藩の家老という限界があった。そういう苦渋の選択をした男というのは演じ甲斐があるだろうなあと、勘三郎がやりたかったのを納得。

勘三郎襲名の年の締めくくりにふさわしいドラマだったといえよう。今年は集英社文庫で『勘九郎ぶらり旅』から始めて入手順に『勘九郎ひとりがたり』『中村屋三代記~小日向の家』『勘九郎とはずがたり』と読んだ。その中の『中村屋三代記』の中で六代目の娘でもある母親が勘九郎の生まれたのが遅かったと悔しがっていたという話が載っていた。ところがそれは今は逆になっていると思った。母親が乗り遅れたという世代(團十郎、菊五郎、幸四郎、吉右衛門)はまさに横並びなので、それより一回り若い現・勘三郎は今が一番脂が乗った状態で、ふたりの子息も年子でお互い刺激しあって立派に育ってきて中村屋は父子3人で人気も一番盛上がっている。だから一門総出演のこういうドラマができてしまうのだろう。
勘太郎・七之助とも両者にぴったりの役柄だったし、弥十郎や源左衛門(姿はよくわからなかったけど声でわかる)まで登場していて、中村屋贔屓は観ていて嬉しくて仕方がなかった。

rin小姐さんと違って中村屋贔屓という観方で楽しんだドラマであった。ああ、12月歌舞伎座の感想サボってこっち書いてます。すみません。ミュージカルとかテレビは比較的気軽に書けますけれど、やっぱり歌舞伎の感想を書く時はけっこう構えてしまうので相当気力を絞るのですよ。
来年1年間は歌舞伎座への勘三郎の出演がないので寂しい。その分コクーン歌舞伎『四谷怪談』は南番・北番とも行きますよ~。歌舞伎座版も観ているし、澤潟屋版も観ているので比較しまくりで相当楽しいぞ~。ワクワク。

写真は日本テレビのウェブサイトより。でもガトリング砲を家老自ら操るかなあってツッコミを入れてしまう。とっても嬉しそうにハンドル回してたよ(笑)こういう子どもっぽいところも好きだなあ。
日本テレビのウェブサイトはこちら


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3 コメント

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コメントします! (rin小姐さん(お茶屋娘さん))
2005-12-31 16:06:25
中村屋ひいきとしては、ヨダレモノの企画でございましたね。まあ、わたくしなどは、継之助というと、どうしても大河ドラマ『花神』の高橋英樹さんなどを思い出してしまうのですが(笑)。



しかし、勘三郎さんが、継之助に関心があったとはちょっと意外でした。よほどの幕末マニアか司馬ファンでないと、知らない人物なんですよ。歴史に関心がおありになるのね。よいことですわ。



年齢的に、若い頃の破天荒ぶりよりは、家老になってからの演技が落ち着いていますね。戸板に乗せられての峠越え、これをやりたかったと思うよ。



それでそれで、弥十郎さん、かっこよかったよね!
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TB、コメントありがとうm(_ _)m (ぴかちゅう)
2006-01-02 17:21:04
★rin小姐さま

>弥十郎さん、かっこよかったよね!

激しく同意いたします(笑)勘三郎襲名の全国公演、大宮ソニックシティに来たらご一緒しましょうか。

★「Deep Breathe」のassassin2さま

TBありがとうございますm(_ _)m

歴史的なご説明、とても納得がいきました。

交渉相手が岩村精一郎でなければ...という悔しい感じ、本当ですよね。それを本当に憎憎しげに演じた中村獅童も誉めてあげたいですけど(笑)

またよろしくお願いします(^O^)/
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「ザクとは違うのよね」のfolksong様 (ぴかちゅう)
2006-01-30 01:28:28


TB有難うございました。また文中でのご紹介も嬉しいです。TB返しさせていただきましたが、よく考えると文中でご紹介いただいたわけで不要だったかもしれませんね(笑)

>岩村は後の回顧録で若気の至りであったと述べている...ということを教えていただいて有難かったです。河井継之介のしたこともその時には実を結ばなかっただけで全く無意味ではなかったということがわかって嬉しかったです。

日本史がお好きだとか、私も好きなんですよ。また遊びにきてくださいね。

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