05/08/30 NHK『日本の伝統芸能』「文楽」「歌舞伎」を修了?!


観劇のカテゴリーの記事が気がつくと99本になっていて、これを書くと100本目!全くよく続いている。まあ、いいでしょう。好きなことは大事にしよう。

4/22の記事に書いたが、2005年度NHK『日本の伝統芸能』のテキストを買って「歌舞伎」「能・狂言」と観てきたが、録画予約忘れでけっこう回が抜けてしまった。もう一度気を入れ直し、第一タームの最後の「文楽」4回分、第二タームの「歌舞伎」5回分をビデオにちゃんと録画して全部観た。次回からの「能・狂言」も欠かさずに録画して観るつもり。「能・狂言」は確か半分忘れていて、「日本舞踊」は一度も録画しなかった。
興味の強弱が如実に出てしまう(笑)。土曜日の昼の録画は覚えていれば大河ドラマと続けてGコード予約を入れるが、どうも忘れやすい。火曜日の午前5:30~6:00の再放送も月曜の深夜に予約を入れておくとちゃんと録画できる。専用のビデオテープのケースにでっかい字で書いた貼紙をつけておいたのが勝因だったようだ。土曜日に録画を忘れるとそのケースを立てかけて目立つようにしておくと思い出せるのだった。
おかげさまで、9月には文楽デビューを果たせそうなので、今回の予習が役に立つだろう。お能デビューに向けて「能・狂言」もちゃんと通して観たいと思っている。

写真は2005年度NHK『日本の伝統芸能』のテキスト(これはいい本なので宣伝してあげよう)。
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05/08/26 『SHIROH』でゲキ×シネ初体験

昨年12月初日に観てハマり、前楽まで1ヶ月で3回も通った劇団☆新感線初の本格ミュージカルが、ゲキ×シネ第3弾になった。CDも買わずにDVD発売まで我慢しようと思っていた。ところが『モーツァルト!』で中川晃教の歌を聞き、彼の歌声を何かでききたくてゲキ×シネ『SHIROH』の方に行ってしまった。
初演の帝劇公演の感想は以下の通り。
http://blog.goo.ne.jp/pika1214/d/20041208
http://blog.goo.ne.jp/pika1214/d/20041229
http://blog.goo.ne.jp/pika1214/d/20050102
劇団☆新感線のゲキ×シネは初体験である。前回のアオドクロの時も舞台は観たいと思わなかったのだが、ゲキ×シネなら安いし気軽だし観にいけばよかったかなあと上映の最終盤に思ったが、すでに遅かった。今回は舞台をどのように映像化するのかも興味があったのだ。

行ってよかった!観てよかった~!!
①舞台観劇とは違ってアップの映像がもりだくさん。オペラグラスで主要キャストは必死に観てたけどそれにも限界がある。こんなに多くのシーンで多くのキャストが泣きながら演じていたなんて映像で初めてわかった。
②カメラをそうとうな台数(10台以上?)入れていたのではないかと思うのだが、いろいろなアングルからの映像もてんこもり。
③スローモーション、ストップモーション、早回しなど変化をつけた画像処理。
④歌詞がききとれなかったキャストの歌も丁寧に拾われているし、メリハリもついた音楽処理。
舞台とはまた別の魅力がいっぱいだった。NHKの劇場中継なんて比べ物にならない映像作品になっていた。
うーん、いのうえひでのり、あなたはなんて一粒で二度どころか三度も四度もおいしい企画を作り出すのだ(①舞台、②CD、③ゲキ×シネ、④DVD)!なんてすごい商業演劇、もとい商業エンターテインメントを作りだすのだ!

DVDも買うけれど、我慢できなくなって途中の休憩にCDを買ってきてしまった。しばらく聞き込んでしまうだろう。
やはり中川くんの歌がいい。『モーツァルト!』よりもいいかもしれない(そっちを観るとまたそっちの方がいいと思うかもしれないけど)。高橋由美子も寿庵役が一番生き生きしている。
さらにもう一人のSHIROHの上川隆也がいい。神を試した結果、神は与えた力を奪ったのだと苦しむ益田四郎時貞。さらにシローの歌声に奇跡の力があり共に立ち上がった後も「神はなぜ私ではなく彼を選んだのか」とコンプレックスにとりつかれた姿を苦悩濃く演じてくれる姿に魅了される。彼は声がいいので台詞の延長のような歌でも音ははずしてないから十分魅力的。
終了後、上川くんが出ている2002年上演の劇団☆新感線の舞台『天保十二年のシェイクスピア』のDVDも買ってしまった。9月に蜷川版の舞台を観る予習になるしと自分を納得させる。ああでもやっぱり上川病による散財だな。

しかし、本当にこの作品は面白い。「指揮をとる四郎と士気を高めるシロー」って言葉遊びも二人で一人的な人物づくりもしっかりされている。なんかゲキ×シネももう一回くらいは観に行ってしまいそうでコワイくらいの魅力がある。
写真は、初演東京公演の時のHPよりの舞台写真。
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05/08/07 『もとの黙阿弥』22年ぶりの再演


7/30の記事に古本屋で昭和60年発行の野田秀樹の戯曲『野獣降臨(のけものきたりて)』の文庫本を見つけ、解説が井上ひさしだとわかって喜んで買ってきたことを書いた。その解説で井上ひさしは野田秀樹を「三大技法を巧みに使いこなす名人」と誉めていた。三大技法とは「見立て」「吹き寄せ」「名乗り」で、日本の伝統演劇や江戸期の小説でしきりに使用され、鍛え抜かれてきた技法で、野田秀樹は伝統的な技法を新しい感覚でみごとに使いこなしているという。なるほど、だから歌舞伎にまでつながっていけるのだなと納得した。

その井上ひさしの『もとの黙阿弥』が6月1ヶ月かけて改装した新橋演舞場の杮落としの翌月に22年ぶりに再演された。演出は初演と同じ木村光一。
キャスト
( )内は1983年の初演時のキャストで戯曲の文庫本『もとの黙阿弥』の解説にあったのから書き抜いた。
河辺隆次=筒井 道隆(片岡 孝夫)
長崎屋お琴=田畑 智子(大竹 しのぶ)
久松菊雄=柳家 花緑(古今亭 志ん朝)
船山お繁=横山 めぐみ(水谷 良重)
河辺賀津子=池畑 慎之介(有馬 稲子)
長崎屋新五郎=辻 萬長(名古屋 章)
坂東飛鶴=高畑 淳子(渡辺 美佐子)
坂東飛太郎=村田 雄浩(松熊 信義=文学座*新橋演舞場に電話で問い合わせ)

あらすじは松竹のHPより。
時は明治。ここ浅草では芝居小屋が立ち並び、連日満員の賑わいをみせていた。舞台はその浅草七軒町界隈の劇場・大和座である。この大和座、「東京十座」と呼ばれるような立派な劇場ではなく、黙阿弥の新作まがいのものを新作と称し、上演していたのであったが、今では興行停止の処分を喰らい、座頭・坂東飛鶴と番頭格・坂東飛太郎は途方に暮れる毎日であった。
しかたなく、「坂東飛鶴よろず稽古指南所」なる看板を出し、毎日の食扶持を稼いでいた。そんなふたりのところに河辺男爵家の跡取り、隆次が書生の久松菊雄を連れて相談に来た。姉の賀津子が勝手に決めてしまった縁談の相手と鹿鳴館の大舞踏会で踊らなければならないので踊りを教えてほしいと。これと入れ違いに今度は、政商長崎屋商会・新五郎の娘、お琴が女中のお繁と共に飛鶴の元に相談にやって来た。やはり親が勝手に決めた婚約相手と鹿鳴館で踊ることになっているので踊りを教えてほしいと。この話を聞いた飛鶴はピンと来た。もしやこの二つの話は一緒なのでは…。しかし、自分の結婚相手をじっくり見極めたいとこともあろうに隆次は久松と、お琴はお繁と入れ替わってしまったのだ。運命のなせる業なのか。二組の主従はお互いにそれぞれ入れ替わっていることを知らずに出会ってしまう。やがてこのことが大騒動となってしまうのも知らずに…。

三大技法の「名乗り」とは、「ナンノダレソレ、じつはナンノダレガシ」という技法で、東西に共通する演劇の作劇方法という。このことによっていくつもの可能世界を成立させるための必須の手段だとのこと。
この作品も主従2組の入れ替り、劇中劇もその手法を使ったものにしている。さらに坂東飛鶴が仕掛けたお芝居バトルの課題の中にこの作劇法を盛り込むことによって、主人公2人の入れ替りを自分たちで気づかせようとしているのだ。
そのねらいはきちんと効果を上げ、隆次とお琴はお互いが誰かにおのずと気づくのだが、女中のお繁だけが現実の貧しい自分に戻れなくなっているという悲しい結末を迎える。そしてそのこともドンと背中を押す効果をあげて、隆次は男爵家の跡取りの地位を捨てお琴は裕福な実家を出て隆次とともに庶民の世界で生きていく決意を固めるという誰もが予想をしないような幕切れ。書生久松菊雄は秩父事件の関係者の家族だし、この決着のつけ方といい、井上ひさしらしい作品になっているのだ。(秩父事件120周年映画『草の乱』の感想はこちら。参考まで)→http://blog.goo.ne.jp/pika1214/d/20050206
ところが、観終わった時にはそこらへんがよくわからない状態だった。あらかじめ読んだ戯曲の最後も忘れ果てていたのだが、最大の問題は主人公二人の芝居のメリハリがなかったことだった。
筒井道隆は立ち姿もよく品もいいのだが細やかな感情表現はうまくない。田畑智子も朝ドラ『私の太陽』や大河ドラマ『新撰組』では上手いと思ったが、舞台での演技はまだまだと観た。ここを片岡孝夫と大竹しのぶだったらどう演じたのだろうか。最後に狂気に入ってしまった場面を水谷良重はどう演じたのだろうか。そう思ってしまった。柳家花緑も古今亭志ん朝と同じ落語家からの配役で熱演はよかったと思うが、やはり一本調子のところがあり、志ん朝だったらどうだったんだろうと思ってしまった。
池畑慎之介、辻萬長、高畑淳子、村田雄浩はもう安心して観ていられる演技だった。特に大和座の座頭飛鶴とそれを支える飛さんのコンビがこの芝居の人情味をぐっと引き出していたと思う。
鹿鳴館時代になっても江戸時代の雰囲気を残す大和座をこきおろし、演劇改良運動の先頭に立っているという河辺男爵家未亡人役の池畑慎之介は賀津子の役も劇中劇の中の役も目一杯怪しくてよかった。かなり前にやはり井上ひさしの『ある八重子物語』でも芸者になりすます芸者役(追記:初演ではこの役を中村勘九郎が自分から希望して演じたと『勘九郎ひとり語り』に書いてあった)を演じたのを観ているが、こういう変身ものはお手の物のようだ。

それと劇中劇のうち2つが黙阿弥の作品のパロディで、「三人吉三」と「都鳥廓白浪」を踏まえているそうだ。特に後者は、歌舞伎役者の孝夫が「おまんまの立回り」をわざと素人くさく演るからよかったのだ。この作品は初演の配役を踏まえた当て書きだったらしい。また劇場への当て書きとも言える。この花道のついた舞台の天井も高い大きな劇場に合う大和座の装置を回す回す舞台進行も新橋演舞場ならではである。他の劇場での上演は...無理だろうと思う。
今回の公演の次の上演は、また新橋演舞場が改装か何かがないとないのではないだろうかとちょっと心配している。

写真はこの公演のチラシ写真(松竹のHPより)。
松竹のHPは以下の通り。「私の初日観劇記」は井上芳雄が書いている。帝劇で『モーツァルト!』にマチネに主演後にかけつけて観劇したという。やはり真面目で研究熱心な芳雄くん、エライ!!
http://www.shochiku.co.jp/play/enbujyo/index.html
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05/08/24 TV再放送で片岡孝夫・眠狂四郎を観る


この頃話題に上っていた片岡孝夫主演のTVシリーズ『眠狂四郎 円月殺法』を今日やっと見ることができた。というかTVのチャンネルを回したらやっていた。8/15~9/9まで毎日テレビ東京の「時代劇アワー」11:35~12:30で放送とのこと。
http://www.tv-tokyo.co.jp/jidaigeki/
今日は第8話「無惨!乙女肌魔性剣」敵役は小林稔侍だった。眠狂四郎ってただのヒーロー時代劇ものじゃなくてお色気路線だったのね。仁左衛門と小林稔侍のふたりとも今とは違う声でへえ~状態。孝夫時代の狂四郎、噂通りに美し~い。娘は明日からも毎日観ると宣言。8/15~9/9まで毎日テレビ東京で11:35から12:30

しかし、ちょっと待てよ、映画のチラシファイルに去年もらってきた「市川雷蔵祭」のチラシがあるはずと捜したら、ありました。このチラシです(携帯カメラで撮った写真参照)。
私の幼少時代にTVでよく時代劇映画を観たのだが、目に焼きついているのは市川雷蔵の眠狂四郎だった。白黒映像であの刀が残像を残しながら徐々に円を描いていってバサッといく。とにかく目が冷え冷えとしていて冷た~いカッコよさだった。
以下、市川雷蔵について検索して調べたことから。
158本という数の作品にわずか15年で出演し、37歳という若さで他界(昭和44年らしい)した市川雷蔵。デビュー50周年を記念して市川雷蔵の魅力を再び伝えるのが『市川雷蔵祭 艶麗』。そのHPは以下の通り。http://kadokawa-pictures.com/rai-sama/film/
市川雷蔵・眠狂四郎というページもあり。
http://dribox.g-serve.net/eiga/Nemuri/Nemuri.htm

やはり仁左衛門は目が優しいと思った。まあ雷蔵の冷たい目と比べてはダメでしょう。田村正和でもこの冷たさは出せないよね。やはり若くして亡くなると伝説の人になるということもあるけれど...。
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05/08/23 娘と初めて二人でカラオケ『オペラ座の怪人』絶唱!


昼前に娘を総合病院の口腔外科に連れていき、「親知らず」抜歯の相談をしてきた。事前の電話での問い合わせではレントゲン検査は抜歯まで期間があく場合はしないと言われていたのに、今日行ったらすぐにレントゲン検査に連れていかれそうになったので事情を言ったら、先生にお話くださいとのこと。通されたら先生はもう機嫌が悪そう。ふだん飲んでいる薬の資料を見せたら大丈夫とのことだったが、夏休みに予約がとれなかったので冬休みにしたいといったらその時に予約してきてくれればいい。ただし、その日抜けないこともあると言われた。それは困るといったらレントゲンをとらないと抜歯が難しいものかどうかわからないとのお答え。それなら今日とってくださいと頼んで検査へ。すぐにフィルムができてきて先生はこれなら大丈夫と言ってもらえた。冬と春で1本ずつ抜こうと思うがどちらが先とかはあるのでしょうか?と質問したが「どちらでも好きな方から」という。先生にお任せしますと言ってきたが...感じが悪い医者!!でも仕方がない。冬休みの予約は早めにしようと決意。
ココスで食事。平日昼には日替わりランチがあって助かる。

せっかく遠出してきたのだから、カラオケに行きたいと娘にねだられてしまい、平日昼なら安いからというのでしぶしぶ行った。ところが歌手別索引の「ケ」のところに「劇団四季ミュージカル」という欄があるのを発見!『コーラスライン』『夢から醒めた夢』から『オペラ座の怪人』までふたりで歌いまくった。娘はクリスティーヌで私が怪人。合唱部でソプラノだった娘は♪ア~アア~アア~アア~ア♪のところもかなりの高さまで出る。最後は無理だけど。怪人の声は私はなんとか出るのでけっこう気持ちよく二人で歌ってしまう。もちろん、他の歌も歌いまくり。2時間の予定を30分延長。娘と二人でカラオケというのは初めてだったが、けっこう楽しかった。雨が降りそうな中を急いで帰る。

しかしながらその後はぐったりしてしまった。けっこうカラオケって疲れることを痛感。舞台をつとめる人ってやっぱり体力あるんだなあ。
映画『オペラ座の怪人』のDVDを買わなくちゃと思い出す。アマゾンからでも買おうかな。
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05/08/21 『モーツァルト』中川晃教ヴォルフバージョン観劇、終了後オフ会


歌舞伎座の幕見に行った帰りに帝劇に立ち寄ってプログラムを買い、再演にあたっての演出家・小池修一郎のコメントや作曲家リーヴァイ氏との対談などを読んでから行った。初演初演時に買った『モーツァルト』の手提げ袋に入れて持っていく。再演の手提げ袋よりもロゴが地味に入っているのが気に入っている。ロゴ入りの銀色の金属タグがついているのもポイント!

さて、この間いろいろな方のブログでアマデの子役とヴォルフガングのからみの芝居について言及されていて、これまであまり注目してこなかったと反省した。ヴォルフにしか見えない非現実的存在としてのアマデと二人一役という設定があるために重層性のある舞台を作り出しているのだから、そこをもっと観ようと今回はしっかり表情もチェック。
この日のアマデの子役は川綱治加来(かわつなちから)くんだったが、表情が豊かだった。一幕の終わり、中川ヴォルフの腕に白い羽ペンを突き刺し、流れる血で譜面にペンを走らせるときの嬉々とした表情!刺された中川ヴォルフの苦悶の表情の対極にあるこの表情を対比させた作劇に感動し、期待に応えた治加力くんに感心した。
中川晃教は、前回の公演以降、宮本亜門演出の『キャンディード』と劇団☆新感線の『SHIROH』を観たが、キャンディードはオペラ陣との声調の不調和が致命的だった。この『モーツァルト』と『SHIROH』が彼の代表作になると思っている。
ワクワクと観にいった今回だったが、中川くんの本領発揮のはずの歌で冒頭かなりセーブした歌い方でちょっとエッと思ってしまった。大司教との最初の衝突のあと調子が出てきたけれど。あと何箇所か歌でふらついていたし。「残酷な人生」「影を逃れて」などシャウトで終わる2曲も無事歌い上げてほっとした。最後、死んだ後の場面で胸にくっきりと肋骨が浮き上がっているのが見えてびっくり。3ヶ月公演の長帳場のラスト1週間だが、ちょっと痩せすぎじゃないかと心配になった。名古屋、博多とまだまだ続くのだから元気に頑張ってくれることを祈っている。
初演と比べて進歩したのが芝居。きめ細かな動きや表情も出てきた。2チャンネルによると前日のマチネで最後の作曲で使う赤い羽根ペンがみつからなくなって即興の芝居をしたらしい。その後アマデの子役(高橋愛子)が羽ペンを見つけて渡してつないだという。そうか、そういうアクシデントの疲れが翌日まで残ったのかもしれないとか思ってしまった。この日もアマデの治加来くんとの芝居の息もぴったり合っていたし、二人揃ってカテコの最後の幕前の登場はアマデに見えない糸でひっぱられて登場という小芝居も見せてくれた。(前回の井上ヴォルフは伊藤渚アマデを背負って退場してたっけ。)

コンスタンツェ木村佳乃も8/7に観た時よりも歌の声が出るようになっていて、一応はプロだと見直した。しかしそうなると今度は動きのぎこちなさに目がいってしまう。「ダンスはやめられない」のソロシーンでピアノの上に乗ったり小物を落としたりという動きがまるで段取りになっているのがみえて興ざめ。ネームバリューでの集客力やスポンサーが集めやすいなどがあるのだろうが、舞台の上でも納得させられるようになってほしい。しかし、帝劇のプログラムの裏表紙とその裏が2社の広告になっていて2つとも木村佳乃!ふだんは2000円くらいするものが1600円だったのだからそのおかげなのかもしれない。品が悪くなければ広告入れるのは別にいいんだけど。
ヴォルフガングパパ市村正親のソロの♪心を鉄に閉じ込め~♪の最後の「め~」のところの声の優しさにウーンとなっていたら、親心的優しさの遠い目の光がちょうどオペラグラスでこっち方面に入ってきてしまい、さらにヤラレてしまった。目に力のある役者だけに目の芝居がいい。これってよほど前の席でないとオペラグラス使わないとわからない魅力。というか、それを見たさにオペラグラスを必死に使って後で頭痛になるというくらいとりつかれている。山口祐一郎の「麻薬声」に対して「麻薬目」と命名することにしよう。このふたりはこれにヤラレてリピーターになっているのだ。来年の『ダンス・オブ・ヴァンパイヤ』の二人の共演はもう楽しみで仕方がない。

コロレド大司教の山口祐一郎、ナンネールの高橋由美子、シカネーダーの吉野圭吾も大満足。ドクトル・メスマーの大谷美智浩は『レミゼ』のグランテール以来のご贔屓だが、一幕二幕冒頭のぶちあげがドスのきいた低音がきいていて気持ちがいい。あとアルト伯爵の花王おさむのコミカルな味が山口祐一郎のコミカルシーンとともにこの暗い調子の作品を救っていると思う。若手では、ずっと野沢聡(居酒屋で大司教のマネをしている人)を注目しているのだが、もう少し歌声に安定性と艶が出てくるといいと思っている。

8/12の『たけしの誰でもピカソ』の「小池修一郎特集」は見逃してしまったのだが、プログラムを読んで日本版の台本がウィーンやハンブルク版を踏まえて小池修一郎が流れを整理した独自版になっていることがわかった。ウイーン版などはオペラ同様に一曲一場面主義で物語の展開はつなぎですませているとのこと。ブロードウェイ・ミュージカルはドラマの展開を重視しているそうで小池版はその手法で手を入れたらしい。こういう作劇や演出上の工夫などについての文章が読めるからプログラムを買わずにはいられないのだ。資料がたまる、たまる~。まだ知~らないっと。

そういうことも話題になった終演後のオフ会。4人でしゃべるしゃべる!オーダーストップまで銀座で粘れるなんて、なんていいお店を選んだんでしょう。またの機会を楽しみに、ねっ!

写真は、東宝のHPの舞台写真より。
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05/08/19 父が無事退院の報告くる+続・親知らず

8/11深夜に不調を訴え緊急入院した父が無事退院しました。お見舞いコメントを多くの方からいただきました。本当に感謝しています。

前日に母から「あなたは来なくても大丈夫」と電話があったので、私は自分の方の通院をすることにした。
8/17にずっとさぼっていた矯正歯科に娘を連れて行き、下の「親知らず」2本を抜歯したら前の方に装着している矯正用の金具をはずして矯正終了にするとのことだった。そこで虫歯の治療に通っていた歯科医から紹介状をもらって口腔外科にいくことにしていたが、電話をしてびっくり。夏休み中の抜歯はもう予約がいっぱいで無理という。綜合病院を甘くみていた!!

娘は私の付添いがないと通院が難しい状況にあるし、私の復職が9/1からに決まったので口腔外科による抜歯は冬休みに延期することにした。日常的に飲んでいる薬などとの関係で夏休み中に事前の相談に行くことに変更。自分の予想の甘さと計画が狂ったことに脱力するまでガッカリしてしまい、ここまで考えを整理するまでには1時間くらい要した。
歯科のS先生に紹介状を書いていただいたのを受け取りに行ってきたが、その後の昼食をとる時に氷水がしみたので、自分の知覚過敏の治療をお願いしてみることを思いついた。電話で空きがあることを確認して再度また行ってくる。

診察台に座ったらまだ「親知らず」の傷がふさがっていないので隣の歯の治療ができないとのこと。その隣の歯もしみているようなのでそっちだけコーティング治療をしておきましょうということでやっていただいた。あと1ヶ月くらい様子をみてまだしみるようであれば治療に行くつもり。抜歯から4週間たっているのにまだ治っていないとは...。日常的にはもう痛くもないのだが傷の回復にはかなりの期間が必要なのだとあらためて驚く。左の下の方は腫れたり問題が起きてから抜くことにしようかな。そっちはやはり口腔外科だし...。

写真は、この間お世話になった歯科があるビル。14階にある。地震ではそうとう揺れたとスタッフさんが言っていた。
追記
8/20の通院は娘本人は行けず。私が薬をもらいにいく。
いよいよ8/21は『モーツァルト!』中川バージョンの観劇。楽しみ~!!
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05/08/14 8月歌舞伎座第三部『串田版・法界坊』感想

今月もポスターは派手派手。ご丁寧に第一部から第三部まで写真のポスターがつくられている。第三部のポスターは勘三郎にあらず。串田和美の歌舞伎座初演出で話題になっているが、その串田氏がつくった「法界坊人形」のアップ写真だ。その人形が2階ロビーに説明と共に飾られていた。

『串田戯場(くしだワールド)法界坊(ほうかいぼう) 』
奈河七五三助作の『隅田川続俤』を串田和美が演出・美術した舞台。5年前の平成中村座での初演だが、観ていない。
「法界坊人形」を見てから舞台の幕開きを見たために、舞台の左右の奥にある人形群にもそんなに驚かなかったが、これは江戸時代の芝居小屋のつくりを意識した舞台づくりをしたようだ。舞台の左右奥に「羅漢台」とか「吉野」とか言われる桟敷舞台を再現し、そこに観客がいるように人形が並べられている。さらにそこにも仕掛けがあってちょっとお遊びがあるのもご愛嬌。役者の後姿しか見えないが安い席だったようだ。しかし江戸の芝居小屋の役者と観客が一体になるような劇場ということを今回の串田ワールドの舞台づくりの前提にしたようだ。
『法界坊』の通常の演出版の舞台も未見なので、第3幕が基本的に舞踊劇だということも知らずに観てびっくり驚いた。
あらすじは以下の通り(松竹のHPより)。
堕落し切った願人坊主の法界坊(勘三郎)は、永楽屋権左衛門(弥十郎)の娘お組(扇雀)にひと目惚れしますが、お組は手代要助(福助)と恋仲で、もとより法界坊には目もくれません。要助は、実は御家再興を期す吉田家の嫡男松若で、野分姫(七之助)という許嫁のいる身。法界坊は、そんな要助を陥れようとしますが、吉田家の下僕で、道具屋に姿を変えている甚三郎(橋之助)に暴かれ失敗。その腹いせにお組を誘拐しようとしますが、これまた失敗。さらに今度は、野分姫をかどわかそうとしますが、拒否されると「お組との仲にはじゃまだから殺すよう要助に頼まれた」と偽って、野分姫を斬り殺します。しかしその法界坊も、甚三郎の手に掛かって、あっけなく絶命。と思いきや、現世に恨みを残す野分姫と合体霊となって姿を現し、要助実は松若とお組を苦しめる執念深さを見せます。
(合体霊が現れて宙乗りしてふたりを追いかけ始めるまでが第2幕までで、苦しめるところは舞踊)

法界坊の鬘はこれまでのものと違って「法界坊人形」と同じパンクロッカーのようなつんつん髪の頭。禿部分は布切れが貼ってあるような感じで灰色メッシュまで入っていた。羅漢席の人形との一体的な視覚的なねらいがあったのかもと思う。とにかく滅茶苦茶自己チューの悪党の破戒僧で金を手に入れて還俗してぞっこんのお組坊と添いたいのだ。それを愛嬌たっぷりに勘三郎が演じていておかしい。
七之助の赤姫が可愛くてよかった。それでも松若につれなくされるとすぐに懐刀で自害しようとする振りが繰り返されるコメディエンヌぶり。「野田版鼠小僧」のおしなが思い出された。勘太郎もお組に言い寄る金持ちの息子の阿呆ぶりがよかったし、第三幕ではまた女船頭との二役で器用なところを見せていた。やはりお組に言い寄る番頭役の亀蔵もうまい。
要助=松若で久しぶりに福助の立ち役を観たが、今回はよかった。勘三郎の弁天小僧でみた赤星十三郎の時、声がおかしかったのでがっかりしたのだった。お組の扇雀とのじゃらじゃらした痴話喧嘩も可愛かった。それと茶屋女将の芝のぶがしっかりした女将ぶりで見直した。
法界坊が権左衛門らを次々と殺すところは『鈴が森』で白井権八が雲助たちの手足や顔をすぱっと切るやり方と同じ方法をとっていたので歌舞伎のお馴染みの手法なんだなと納得。野分姫も殺してさあ、お組というところで甚三郎にやられそうという予感が正夢になって殺されるあたりまで、とにかくギャグ多発で楽しかった。左右が違う顔の合体霊による宙乗りも勘三郎、汗みずくで頑張っていた。
そこまでは楽しかったのに...。
国立劇場での『本朝廿四孝』の通し上演も第2幕が舞踊劇だったけど。でも最後が舞踊なんだとわかってなんだか冷めてしまった私。「合体霊が後シテ、甚三郎が押し戻しのようになって終わるのがなんか道成寺みたいで変」って思ってしまった。
あとで「歌舞伎座掌本」を読んだら、この部分の舞踊は立ち役だった中村仲蔵がどうしても道成寺を踊りたくてこれを作ったと書いてあって、納得したが、それでもうーん。

せっかくの串田版なのだから普通のお芝居にして終わって欲しかったとか思うのは私が変なのか?舞踊好きじゃないからか?これでしめくくられてちょっと不満。
通常の演出の方の「法界坊」を観てみたい。そうすればそんなものかと観ることができるような気がする。あとはコクーン版で思いっきり縮めて踊りを芝居にしたバージョンも観たいなと、ふと思いついた。怖いもの知らずで勝手な企画を作っている。

写真は、「法界坊人形」ポスターの顔部分。外に貼ってあるものを携帯のカメラで撮影。
追記
①江戸時代の芝居小屋のつくりについては、奥村書店でこの日買ってきた岩波書店同時代ライブラリーの服部幸雄著『江戸歌舞伎』を読み始めたため、ちょうどわかったことである。
②当初、8/7と書いたが8/14のマチガイである。ああ8/7の『もとの黙阿弥』の感想を書いてないので間違えた。夏ボケ、お盆ボケか・・・。
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05/08/16 父を見舞って名古屋の妹と姪が帰宅、その前に夏コミに連れていく


父の病気が大きな問題がないことがわかって、名古屋の妹の大学生の娘の東京見物が解禁になった。
それにおばさんはしっかりつきあったのだ。8/13土曜日には、お台場の「夏コミ」(=コミックマーケットの夏版、冬と春もあるが、夏が一番大規模らしい)にも社会勉強の一環としてつきあった。
詳細はrin小姐さんのブログの下記の記事に詳しい。
http://plaza.rakuten.co.jp/asianrtyatya/diary/200508130002/
娘はここ数年、毎年常連のように行っていてご贔屓の同人誌もあるようだが、姪っ子にはこういう趣味はない。教職過程をとっている彼女は当世の若者気質を理解するために行ってみたいという。そこで私も付き添いでいくはめになったわけだ。
西館の企業出店ブースには行かず、ひたすら東館の同人出店ブースだけ集中して回ったが、いわゆる「オタク文化」エネルギーを実感した。
「電車男」風の男性やコスプレに身を固めた女性を目のあたりにして、姪っ子は「すごーい、すごーい」を連発。名古屋の彼女の行動圏ではあまり見かけないらしい。こういう世界は、小学1年生から剣道一筋だった彼女にはかなりドキドキしたようで「冒険しちゃった感じ」だそうだ。
しかし、お台場の混雑のすごいこと。この行事と花火とフジテレビの「冒険王」企画による大混雑だ。ハイ、私も社会勉強になりました。

最後の2泊は一番下の妹の家に泊まっていて、そちらから実家に車で送ってもらって私も電車で合流し、今日の昼過ぎに父を最後に見舞って帰宅することになった。
そこに昼前の宮城県沖地震である。

TVニュースで室内プールの屋根が落ちた報道や新幹線の運行状況などを見て、東海道新幹線は大丈夫なことを確認。
最後に皆で病院へ。元気を回復しつつある父の顔をみて、妹は「また秋にくるからね」と名古屋に帰って行った。
今年もお盆の時期に姉妹が全員顔を合わせられたのは幸せなことだったと思う。

写真は、夏コミの出店終了時間を過ぎた東京ビッグサイト。人手がかなり少ないのはそういう時間だから。
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05/08/15 『覚悟~戦場ジャーナリスト橋田信介物語』から想う


TBSの終戦の日スペシャルドラマということで標記のドラマをこれはと思って見る。甥ごさんとともにイラクでの取材活動中、銃撃されて亡くなったフリージャーナリストの橋田信介さんの妻幸子さんが同名の本を出版され、それを原作にして少々フィクションを入れたドラマだった。
私もこの事件の時はショックを受けた。なぜ戦闘の中で目を怪我した少年モハメドくんの目を治そうと奔走していた橋田さんが銃撃されたのか理解できなかった。しかし、その後、真面目に追っかけていたわけではないし、報道も日々に疎しとなるのがマスコミというものだから、真相を知らないままずっときていたのだった。
その後、犯人グループに接触できて真相が明らかになっていたのだ。同じ黒い車で移動していたCIAの要人たちのグループと間違われて待ち伏せされて襲撃されたのだという。襲撃後にマチガイに気づいた犯人たちは、まだ息があった甥ごさんを助けようと自分たちの車に乗せていったが、途中で亡くなったので遺体を置き去りにしたらしい。そして遺族に対して謝罪したのだというのだ。
ようやっと胸のつかえが降りた気がした。事件直後も橋田さんの信念=「人は自分たちを愛している者には銃口を向けない」というようなことを幸子さんが口にしていらしていたが、それが立証されたのだ。

それとドラマの最後、荷物を片付けていた幸子さんが夫の遺書を見つけ、遺書の最後の言葉=「月は満月になり、私の人生も円になった」に、夫は幸せな人生を送ったのだと知ることができ、その夫の遺志を引き継ぎ、モハメドくんの目を治す活動を全うしたというエンディングになっていた。
事件の直後から遺族を取材する記者で、「危険な地域に勝手に出かけてこういう騒ぎを起こした。自己責任ではないか」と避難を続ける象徴的な記者をひとり強調して配置していたが、これは当時の御用マスコミの論調を代表させていて興味深かった。人質になっていた人に対しても同様の非難が多く注がれていたことに、私はあきれはてていたのだが、このドラマの中でその論調の不気味さを描いていてよかった。

終戦の日のからみでのTV報道の中で、太平洋戦争の評価についての世論調査で「間違った戦争だった」という人が4割を越していたが、「やむをえない戦争だった」という人も3割、残りが「よくわからない」と答えたという。これはドイツの戦後の歴史教育と日本の歴史教育の違いである。ドイツは周辺諸国と相談しながら歴史の教科書を作り、ナチスの評価などかなりきちんと教えてきているのである。南京大虐殺はなかったという教科書が採用される日本となんという違いだろうか。日本でもようやく韓国や中国と共同研究が始まるという。遅きに失したとはいえ、まあこれから認識をすりあわせていく中でいろいろと見えてくるだろう。
とにかく、過去の歴史をきちんと学ばない限り、未来を正しくつくることはできないと私は考えている。

追記
1.キャストについてふれるのを忘れた。
橋田信介=柳葉敏郎 その妻幸子=財前直見 息子大介=小栗旬
3人ともなかなかよかったと思う。財前直見は北条政子できりっとしたところを好演しているし、芯の強い女性の役は適役。主役も堂々としていた。小栗旬が黒い髪で普通っぽい青年を演じていて最初気がつかなかったが、きちんと骨のある息子を演じていてよかった。
2.続けて放送された「NEWS23」の特集は良かった。
ドイツへの取材した内容もいい。先日も書いたが「ホロコースト記念碑」が今年作られたことの意義は大きい。自分たちのしたことを忘れない努力をいまだに続けているのだ。周辺国との歴史認識の違いを埋めていく共同研究所が1951年に作られ、教科書の内容是正の勧告が1976年から出されているという。戦後処理に成功したドイツと成功しているとはいえない日本。このくらいの地道な努力が必要なのだ。さあ日本でこれだけのことができるだろうか。政府にそれだけのことをさせる国民の意識の高まりが必要なのだ。今度の選挙の争点は「郵政の民営化」だけではないはずなのだが...。
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