ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

12/01/14 新春浅草歌舞伎前後の釜めし、散策、ミニオフ会

2012-01-25 23:59:42 | おでかけ、旅行

新春浅草歌舞伎第二部の時にミニオフ会企画。松竹歌舞伎会で同じ日にそれぞれでチケットを確保し、とれたかどうか確認の上で幹事の玲小姐さんともども何を観て何を食べるかを煮詰める。
私が胃弱のため、浅草名物の天丼などはノーサンキューなのだが、何か名物をということで、ずっと行ってみたかった「釜めし春」を提案。雷門からはちょっと離れているが、浅草公会堂での観劇であれば、その先の六区街の近くなので散策がてらでよいでしょう。
11:50に雷門集合。参加者は玲小姐さん、さちぎくさん、あいらぶけろちゃんさんと私。そこから歩いていき、道をちょっと間違えたが軌道修正して到着。冒頭の写真は店頭の様子。黒い格子がそれらしくてよいなぁ。
ぐるなびの「釜めし春 浅草本店」の情報はこちら
上記のメニューでチェックしておいた特上釜めし(1,650円)を注文。竹の子、えび、鳥、かに、貝柱、しめじ、椎茸、いくらなどのちょっと豪華な8種の具が嬉しい。「釜飯 麻鳥」のご飯は硬めだったが、「釜めし 春」のご飯は柔らかめなのが私にはぴったり!ご飯のお焦げもあまり好きではなく、家でも水加減は多めで炊いているくらい。客層はかなり高齢層が目立ち、なるほど柔らかめの方がいいのだろうと納得(笑)
浅草公会堂で観る時はまた食べにきたい。今度は鯛釜めしあたりを食べようかなぁ。

その後は六区ブロードウェイを通って、奥のひさご通りに足をのばし、「江戸下町伝統工芸館」に入ってみたら、予想以上に見応えがあった。
「台東区立江戸下町伝統工芸館」の情報はこちら
言問通りの向こうは千束で「ブラタモリ」で吉原をやっていたねぇという話題でも盛り上がる。そのあたりの裏道を歩くとそういう雰囲気が漂う古風な連れ込み宿があったりもした。
花やしき通りに並ぶ店の店頭が可愛いファサードで統一されていい雰囲気になっている。「浅草花やしき」がナムコグループに入ってから、イメージ刷新されていい感じ。今年5月に開業を控えるスカイツリーで浅草の観光スポット化がすすみ、活力のある楽しい元気な街になっていくのはいいことだと思う。

浅草寺の伝法院は一般公開をしていないが、有名な小堀遠州作のお庭を垣間見られるところを8日の浅草歌舞伎第一部観劇前に見つけておいたので、皆さんをご案内。伝法院の鎮守の「鎮護堂」(おたぬきさま)は誰でも入れるのだ。
伝法院のお庭が見える柵越しに撮影したのが以下の写真。右手の方で庭師の方が手入れをしているのも見えた。
第二部観劇の幕間に、浅草公会堂の階段の踊り場から見下せるのが「鎮護堂」だと気がついた。幟旗がたくさん立っているのですぐにわかると思う。公会堂での観劇の際にはおすすめのスポットだ。(←ここ追記です!)



観劇後、雷門の筋向いにあるビル2階のデニーズで夕食をとりながらのおしゃべり。浅草名物とファミレスを一回ずつ組み入れると財布にもやさしく、コーヒーがおかわり自由で粘れるのでおばさんのオフ会にはちょうどいい(笑)(笑)

12/01/08 亀治郎・愛之助の卒業公演「新春浅草歌舞伎」第一部

2012-01-23 23:58:58 | 観劇

今月の東京は5座で歌舞伎の公演があるが、国立劇場と平成中村座は見送った。浅草公会堂一部二部、演舞場昼夜、ル テアトル銀座の5公演を観る。「新春浅草歌舞伎」第一部は1/8(日)に観劇。雷門前で待ち合わせした職場のS先輩は吾妻橋のたもとまでスカイツリーを観に行ってから合流。今年の5月開業ということで冒頭の今回の公演のチラシ画像もスカイツリーをバックに撮影された写真が使われている。亀治郎・愛之助が浅草歌舞伎を卒業する公演でもあり、バトンタッチする若手と勢揃いしているのが感慨深く、しっかりプログラムも買ってしまった(^^ゞ
「新春浅草歌舞伎」の公式サイトはこちら
【お年玉<年始挨拶>】
浅草歌舞伎初登場の隼人による挨拶。高校3年生で現役高校生の出演は七之助以来とのこと。俳優祭でツーショットを撮らせてもらったこともあり、若手花形としての成長を確かめられたことが実に喜ばしかった。
以下、冒頭に上記のサイトからのみどころを引用。
【南総里見八犬伝】
第1部の幕開きは江戸の文豪、曲亭馬琴原作『南総里見八犬伝』。滝田城主息女の伏姫と、その愛犬の八房の不思議な関わりから生まれた八犬士が、里見家再興を目指し奮闘します。今回の上演では八犬士誕生を描く富山山中の場、足利家の宝剣、村雨丸をめぐる大塚村庄屋蟇六内の場、八犬士が勢ぞろいする圧巻の円塚山の場をご覧いただきます。亀治郎は強欲な庄屋蟇六と八犬士の一人犬山道節の二役に挑みます。
主な配役は以下の通り。
伏姫=春猿 金碗大輔/簸上宮六=男女蔵
庄屋蟇六/犬山道節=亀治郎 犬塚信乃=歌昇
蟇六娘浜路=壱太郎 蟇六女房亀篠=竹三郎
下男額蔵実は犬川荘助=薪車 網干左母二郎=亀鶴 
犬村大角=巳之助 犬田小文吾=種之助
犬坂毛野=米吉 犬江親兵衛=隼人
犬飼現八=愛之助
2006年の納涼歌舞伎でも八犬伝を観ているが、その時とは上演する場面がだいぶ違っている。座頭は亀治郎で因業な庄屋蟇六をコミカルに見せるのが眼目。そして最後の「円塚山の場」で、今回初登場の若手たちが八犬士で勢揃いし、亀治郎も二役目の座頭役として絵面に極まるという、今回の公演にふさわしい演目ということだろう。

伏姫の腹の中から八つの水晶玉が飛び散って八犬士が生まれるという発端の春猿が美しい。その犬士のひとり犬塚信乃と浜路という若く健気な恋人どうしを歌昇・壱太郎が好演。その仲をひきさくのが蟇六であり、左母二郎。蟇六夫婦の亀治郎と竹三郎が登場した時から一転してコメディの世界へ。蟇六の家の下男実は犬川荘助の薪車の頼もしい兄貴ぶりがよい。12月の演舞場で藤山直美の相手役として舞台の芯を堂々と勤めた存在感がある。横恋慕の敵役左母二郎の亀鶴の陰のある着流し姿が魅力的だ。

代官の簸上宮六に騙されたと恨まれて客席の通路でないところをわざわざ観客の膝の前を通って逃げ回る亀治郎に客席は沸きに沸く(第二部の天下茶屋と混同しているかもしれないので、違っていたらご指摘ください)。最後には祝言の小物の角樽や嫁入り道具にかかった幕を使い、金龍山浅草寺に因んだ金龍の舞も騒動のどさくさに紛れて見せるというのも嬉しい。

円塚山の場。信乃のために村雨丸をとりもどそうとした浜路は左母二郎に斬られるが、火遁の術を使って村雨丸をとりもどした犬山道節が実は兄ということで腕の中で看取られても死ぬのは救い。そして澤瀉屋、松嶋屋、播磨屋、萬屋、成駒屋、大和屋、音羽屋、滝野屋、八幡屋と9つの屋号の若手が並ぶだんまりは賑々しい。最後に亀治郎の犬山道節が馬連をつけた四天姿で再登場し、花道で立ち回り後、飛び六法で引っ込み。浅草歌舞伎卒業の堂々たる幕切れだった。

【夕霧 伊左衛門 「廓文章」吉田屋】
上方和事の代表的な作品の一つ『廓文章』。放蕩により勘当された伊左衛門が紙衣姿に身をやつしながらも、恋人である傾城夕霧に会いに吉田屋にやってきます。上方芸を継承する愛之助が伊左衛門を初役で勤める話題の一幕です。
主な配役は以下の通り。
藤屋伊左衛門=愛之助 扇屋夕霧=壱太郎
吉田屋女房おきさ=春猿 吉田屋喜左衛門=竹三郎
愛之助の伊左衛門は初役とは思えないほどの好演。仁左衛門の芸をしっかりと継承している様子が好ましい。竹三郎の喜左衛門とのやりとりが上方歌舞伎の風情を味あわせてくれる。春猿のおきさも予想外の落ち着いた花車方の女房ぶりがよかった。
さて、壱太郎の夕霧は綺麗だったがまだまだ硬く、傾城の風情が出ていない。浜路の方がよかったが、これは仕方がないだろう。
それにしても上方和事のじゃらじゃらした芝居も好きな私だが、「廓文章」は仁左衛門で観ても藤十郎で観ても、今回の愛之助で観ても眠気に襲われてしまう。

まぁ、最後は伊左衛門の勘当もゆるされて、夕霧の身請けの千両箱が山積みされて、めでたしめでたしの華やかな幕切れとなり、正月芝居らしく打ち出された。

第二部は「着物で観劇の日」ということで、入場を待つお客さんたちが正月らしい雰囲気を醸し出しているのを横目で観ながら退出。
その後、浅草の町を散策し、浅草寺で先の記事に書いた大吉を引き当てたのだった。

12/01/22 偶然同じ版の大吉の御籤を続けてひいた幸運2つ?!

2012-01-22 23:58:45 | つれづれなるままに

最近になってわかって驚いたことのご報告。2年くらい前からの散策企画の時に玲小姐さんが用意してくれた散策するエリアの江戸の古地図や神社仏閣のリーフレットなどが封筒やクリアファイルなどでバラバラとしていたものをクリアブックに入れて整理する中で気がついてびっくり!
それが冒頭の写真だが、昨年12月の平成中村座と今月の新春浅草歌舞伎観劇の際に散策した2つのお寺でひいた御籤(おみくじ)を並べたもの。左が12/11平成中村座夜の部観劇前の待乳山聖天のもの、右が1/8浅草花形歌舞伎昼の部観劇後の浅草寺のものが右だ。なんと同じ版を使った「第八番 大吉」を続けてひいていたのだった。

「願望:叶うでしょう」とあり、それが示すような幸運が続いている。
その1=2008年4/10に亡くなった父のお墓を地元のさいたま市営霊園「思い出の里」で確保できた。
同年7月にそちらの一時納骨堂に預けることができたが、募集がなかったり、昨年は落選したりだった。粘りに粘って今年度の募集でようやく当選、住民票等を提出して審査を待っていて、先日無事に審査を通った。希望していた立体式屋内墓地の3階部分を2回目の分譲でようやくGET。墓地使用料も振り込み、今日その証明書をもって北本の妹2とそのツレアイくんとともに霊園に出かけ、無事に「墓地利用許可証」の交付を受けてきた。
2009年にお墓の相談会に行き、その時の担当者の方がその後もまめに資料を送ってくれていたので、当選後にすぐに連絡し、今日の手続き後に霊園で待ち合わせ。待ち合わせの前に霊園の近くの石材業者も見に行って値段の相場が比較できるようにもしておいた上で、同じ立体式屋内墓地で先に建立されているものを見本に第1回目の打合せもして、話を前にすすめた。子どものいない妹2夫婦もこのお墓に入ってくれるということで、自分のこととして一緒に考えてくれるのが頼もしい。

その2=娘が大学に合格した。AO入試で内定していたS学院大学に卒業した高校の調査書をつけて出願していたが、本日、最終合格通知が届いた。やれやれ・・・・・・。
英検準2級の受験も今日だったが、まともに勉強していないのがバレバレで、しっかり玉砕してきたらしい(^^ゞその後、3時間ほど一人カラオケしてきたというが、まぁ、一人で受験しにいっただけでいいとしよう。

子どもとしてやるべきことをやり、親としてもやるべきことをやるしかない。そう思っているが、今月は大金の振り込みが続くので、気を張って間違いのないようにしなければ!
冒頭の御籤だが、同じ版とはいえ、浅草寺の方には裏にも説明書が印刷されている。日本語と英語の説明の後に「御籤の由来と心得」の項もあり、「大吉が出たからといって油断したり、また高慢な態度をとれば、凶に転じることもあります。謙虚で柔和な気持で人々に接するようにしましょう」とあった。自戒したい。

12/01/21 演舞場昼の部観劇後、歌舞伎座建築工事現場をチェック

2012-01-21 23:58:50 | 観劇

1/21(土)はJR王子駅近辺で火災が起き、京浜東北線、高崎線、宇都宮線が止まってしまい、新橋演舞場の昼の部の11時には間に合わなかった。埼京線の駅までバスで行こうかと思ったが、なんとか折り返し運転で運行が始まり、赤羽駅で上野行きの高崎線も運行開始となった最初の電車に乗れた。それで何とか「金閣寺」の冒頭にすべりこんだ。
感想はまた改めて。

観劇後、歌舞伎座建築工事現場をチェック!
正面の歌舞伎座のファサード部分は既にでき上がっていて、後ろの高層ビル部分を上へ上へとくみ上げている最中のようだった。前の部分の柱より後ろの高層ビルの方の鉄骨が太いのがありありとわかった。
来年はもう開場になるという実感が湧いてくる工事現場だった。

(追記)
「壽初春大歌舞伎」観劇後、実家に顔を出した。小一時間ほど話をしただけで、次の予定へ回る(^^ゞ娘の保育園の時のママ友の新年会に参加。今回はあまり歌わずに美味しい料理を食べておしゃべりが盛り上がる。下の写真は味噌味の海鮮ちゃんこ鍋。小さいキンキもたくさん入っていた。お刺身、カンパチの塩焼きともども美味しかった。御馳走様!!

12/01/06 坂東玉三郎特別公演「妹背山婦女庭訓」シネマ歌舞伎化を熱望!

2012-01-16 23:59:14 | 観劇

今年の観劇初めは坂東玉三郎初春特別公演の1/6(金)夜の部から。ロビーにはお正月らしい繭玉飾りにあふれ、天井には今年の干支「龍」が大書された凧。獅子舞が観客を迎えている。
「歌舞伎美人」より坂東玉三郎初春特別公演の情報はこちら
三島由紀夫が絶賛したという玉三郎のお三輪は見逃せないので今回頑張ってチケットGETしたのだが、一等席の後方は空きが目立ったのが残念。三等席と二等席をもう少し増やしていただけると有難かったとやはり言っておきたい。
【口上】
開演前の定式幕の前でも獅子舞が披露され、口にくわえた軸がほどけて「謹賀新年」のご挨拶。
口上では今年もル テアトル銀座で歌舞伎公演ができることを喜び、来場者に華やかな気分を味わっていただけるようロビーの飾りも工夫し、松の内には獅子舞も披露させていただくようにしたとのことだった(早い時期の観劇にしてよかった!)。昨年の惨事の中で自身が考えられたこともお話しされた(プログラムの中にもっと詳細な思いが語られている)。
今回の演目について、今回共演する松緑の祖父の二代目の思い出や芸の継承への期待を語った。昨年は松緑の成長に目を見張らされた私なので共感至極だった(プログラムの対談も読みごたえあり!)。音羽屋から松緑と右近の二人をお借りし、演舞場の菊之助には雪姫を教えたとのことで、輸出したり輸入したりというお話に客席が湧いていた。

下の写真はル テアトル銀座のロビーにあった口上姿の玉三郎の看板。右には「龍」の玉三郎の揮毫の書も展示されている。先月17日に平成中村座観劇後に立ち寄った浅草寺の羽子板市で東日本大震災のチャリティ入札コーナーが設けられ、歌舞伎役者の書の入った羽子板の中に玉三郎の「龍」の入ったものも何点か並んでいたものだ。


【妹背山婦女庭訓】「道行恋苧環」「三笠山御殿」
主な配役は以下の通り。
杉酒屋娘お三輪=坂東 玉三郎 入鹿妹橘姫=尾上 右近
烏帽子折求女実は藤原淡海=市川 笑三郎
蘇我入鹿/豆腐買おむら=市川 猿弥
漁師鱶七/実は金輪五郎今国=尾上 松緑
玉三郎のお三輪は11年ぶり、松緑の漁師鱶七は初役とのこと。「道行恋苧環」は歌舞伎で観るのは初見。2007年2月文楽公演で「道行恋苧環」~「入鹿誅伐の段」までの上演を観ている。玉三郎は義太夫狂言の場合、丁寧に本行=元の文楽の台本との突合せを行い、文楽と歌舞伎のそれぞれのよいところを活かして作品の原点を追求する(プログラムに豊竹咲大夫のお話にもあり)。竹本も若手でも聞き取りやすい太夫を揃えてくる。
しかしながら「道行恋苧環」の竹本も頑張ってくれてはいたのだが、やはり聞き取りにくく、今ひとつ世界に入っていきづらくて、玉三郎の出ていない時は眠気に襲われてしまった(^^ゞ文楽のように義太夫節を電光掲示板で流してくれるといいのになぁと思ってしまう。長唄なども同様に聞き取りにくいので、舞踊等は詞章の電光掲示があれば、眠気に襲われないだろうと思っている。

右近の橘姫は赤姫を熱演。笑三郎の求女は顔の描き方が硬い感じ。二人の女に同時に惚れ込まれ、ついには二人とも命を投げ出すことになるということに無理からぬと思わせる色気があればいいのにと思えた。猿弥は青隈の入鹿と笑いをとる下女のおむらを替わって、両方ともに満足できる。猿弥の太めの笑いをとる女は福々しい可愛らしさがあるのがいい。

松緑の鱶七も明るくぬけぬけとした感じが暗い物語に光明を射す。本性を現して金輪五郎今国にぶっかえっても立派。立ち回りの末に主の藤原淡海ともども入鹿を討つことを予感させる顔ぶれで絵面に極まっての幕切れこそ、お正月公演にふさわしい。玉三郎が見込んで共演し、またまた大きくなったようで実に喜ばしい。

玉三郎のお三輪は、心から男を愛し、恋に殉じた姿が愛おしい。恋敵とも果敢にたたかい、官女たちに辱めを受けた時の被虐美、一転して嫉妬の炎を燃やした時の激しさを、美しく見せる。この大きなうねりには、男の身分を知らずに恋した庶民の女の恋情がなんの抑制も受けずに生命力をほとばしらせることを感じさせる。そのお三輪の生血にこそ入鹿の妖力を封じ込める力があるという日本のアニミズム的な文化の匂いのする物語が成立するのだと思った。
そして金輪五郎にすべてを聞いて「あなたのお役にたてるなら死んでも嬉しい、かたじけない」と喜びながら、それでも「もう一度お顔が見たい」と言いながらこと切れていく姿が哀れ。
「身体いっぱいの愛をほとばしらせ、美しく哀れに死んでいく女」としての玉三郎のお三輪の至高の姿だった。

1/21からシネマ歌舞伎で玉三郎の泉鏡花シリーズ3本が1ヵ月間隔で連続上映される。今回の「妹背山婦女庭訓」もシネマ歌舞伎として残してもらいたい。道行の部分にも義太夫節も字幕で入れられるので、もっと深く味わうことができると思う。
プログラムに「玉三郎の覚悟」という寺尾博和氏の取材記事があった。「世界が置かれた状況を鑑みても、これから何事もなく過ごせるという保証はないわけで、厳しい言い方ですが『何が起こるかわからないぞ』という気でいます。今後いかなることが身に降りかかっても、それに対処できるよう、謙虚に生きていかなければいけないという覚悟を決めています」とのこと。
玉三郎の生きる姿勢に共感するとともに、現役の舞台人としての仕上げの中の舞台を映像として後世にしっかり残していただくことをお願いしたい。それが後から生きるものの力になると信じている。

12/01/14 娘にセンター入試を受けさせる(東京大学劇場観劇?)

2012-01-14 23:56:36 | つれづれなるままに

12/18に娘がAO入試で大学に内定したことをご報告させていただいているが、このS大学はセンター利用試験を採用していない。そのことを11月の学園祭の時の個別相談会でわかって驚いた。キリスト教系の私立大学で、日曜日は教会にいく日ということでセンター入試用にキャンパスを貸すこともできないのだとのこと。うーん、調査不足(^^ゞ

せっかく受験料を払っているのだから実力テストと思って受けておくことを勧められたので、そのアドバイスに従うことにしていた。国語と英語の2教科受験で申し込み済み。8か月前に買い揃えた問題集があるので、1ヵ月の短期決戦だが勉強して受験することを約束していた。
ところが、連続して22日には同じように勧められて受験する英語検定もあるのに、集中して勉強する気配が全くない。それどころか最近目覚めたビーズの手芸の材料集めに熱中し、直前にはネットゲーム仲間に中古のPS3を譲り受けて「戦国BASARA3」ばかりやっている。
「ちゃんと勉強してる?」と聞くと「うるさい」と答えるし、「受けたくないよ~」とぼやいている。

高い受験料を私に払わせているのだから、ちゃんと受けてくれなくてはゆるし難い!とにもかくにも前日には、会場に行って試験を受けてくるということだけに目標を下げた。
現役高校生とは違い、自宅の最寄りの大学ではなく、試験会場はなんと「東京大学本郷キャンパス」なのだ!!

最寄りの駅までの行き方を説明し、地図をプリントアウトして渡したが、今日の朝起きてからの受験票チェックで「シャープペンは駄目なんだって。鉛筆あるかなぁ?」と言い出し、あわてて携帯用の鉛筆削り器ともども探索し、指定の濃さの鉛筆を1本見つけ出す。途中で買い足すように言って、私は自分の浅草歌舞伎観劇に出かけてしまった。国語からの受験の場合、集合は12:45と遅い時間なのだ。

途中で娘に電話をしたら、家を出て向かっていることがわかってひと安心。試験が終わったら電話をもらうことにしていたので、観劇後に携帯の電源を入れたら、「試験終わった~」とメールが入っていた。

帰宅後、先に帰って爆睡中の娘にどうだったか尋ねると「フツー。」との答え(何が普通なんだか・・・・・・)。「東大は広かったでしょ?」と聞くと「めちゃくちゃ広かった~」とのこと。

ふっふっふ、それでいい、それでいい。こんな機会でもなければ、東大キャンパスになんて入れないでしょう。私だってそんなに頻繁には行ったことないもんねぇ。
まぁ、センター入試の2教科受験の12000円は、娘にとっての東京大学劇場の観劇代のようなものだと思うことにしよう。
お金を使うことにきちんと意味づけをしたい私としては、そう思って割り切ることにしたい。それにしても娘が私の理解できない行動をする場合、別の人間なのだからとはわかっているが、感覚的にすっと受け入れるということは難しいなぁとまたまた痛感・・・・・・。


12/01/05 仕事始めはネットワーク+今月の観劇などの予定(写真追加)

2012-01-05 23:58:03 | 観劇

1/5に本年の初出勤。昨年末からアポイントの入っていた本部からの閲覧者に朝から対応。関係の深い研究員さんも加わっていただき、流れでバイキングレストランで4人の女子会的パワーランチを決行!3年ぶりの某調査企画のため、若手担当者には過去の経緯をおさえてもらうようにレクチャー付きで対応。ライブラリアン、アーキビストであるだけでなくネットワーカーの役割も果たせるように尽力する次第!

さて、以下は今月の観劇などの予定。
6(金)ル・テアトル銀座:坂東玉三郎初春特別公演=昨年の阿古屋の時に職場の女性の先輩Oさんのリクエストがあり、ようやく1年後にご一緒する企画(^^ゞ
8(日)浅草公会堂:新春浅草歌舞伎第一部=職場の女性の先輩Sさんの亀治郎リクエストにお応えします!
14(土)浅草公会堂:新春浅草歌舞伎第二部=ミニオフ会を予定
21(土)新橋演舞場壽初春大歌舞伎昼の部
26(木)新橋演舞場壽初春大歌舞伎千穐楽夜の部
28(土)埼玉会館大ホール:新春狂言 万作・萬斎の世界=女子高時代のお仲間6人で観劇+大河ドラマ「江」関連散策企画

ご一緒する皆様、よろしくお願いしま~す(^O^)/
(1/8追記)
Sさんと浅草歌舞伎第一部観劇→散策後、劇団若獅子の「一本刀土俵入り」観劇の際にさちぎくさんとご一緒した釜めし屋さんへ。仲見世通りの一本脇の道にあるが、ラッキーにもちょうどいいタイミングで待たずに席に通された。炊き上がるまでの30分もたっぷりしゃべれた。冒頭の写真は五目釜めし<松>1400円の蓋を開けたところ。
食べログの「釜飯と串焼き 麻鳥」の情報はこちら

12/01/03 CGアニメ映画「friends もののけ島のナキ」→「ともに生きよう!」

2012-01-03 23:59:06 | 映画(映画館、DVD、TVを含む)

1/3、天気も母の体調もよく、さいたま新都心で集合し、MOVIXさいたまで「friends もののけ島のナキ」を観ることを決行。
goo映画の「friends もののけ島のナキ」の情報はこちら
上記サイトより以下、あらすじを引用。
霧に隠された海の先には、“もののけ”が住むと恐れられ、近づくことさえ禁じられた不気味な島があった。ある日、そこに迷い込んだ人間の赤ん坊コタケ(声:新堂結菜)は、不思議なもののけたちに出会う。突然現れたコタケを目にして、大パニックを起こすもののけたち。実はもののけたちも人間に怯えて暮らしていたのだ。そこで暴れん坊の赤鬼ナキ(声:香取慎吾)と青鬼グンジョー(声:山寺宏一)がコタケの面倒を見ることになった。初めはケンカばかりのナキとコタケ。だが、一緒に暮らしているうちに、ナキの心の中には優しい気持ちが芽生え、2人はかけがえのない“ともだち”になっていく。だが、どんなに仲良くなっても、もののけと人間はずっと一緒にいることはできない。やがて悲しい別れの日が訪れるが……。

「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの山崎貴監督が、浜田廣介の童話「泣いた赤おに」をアレンジした3DCGアニメーションとのことだが、2Dで観賞(3Dは苦手)。
もののけ達は長生きで200年近く前に、人間と戦になり敗れて島に逃れて、その戦で赤鬼は母を亡くし、青鬼は母と別れ別れになった。その惨事は“もののけ”界でも人間界でもそれぞれへの恐怖として記憶・伝承されていた。
兄のタケイチが禁忌を犯して不思議なキノコを採りにやってきた舟にコタケが潜り込み、兄だけが追い払われたことから物語は始まる。人間に母を殺された赤鬼ナキだが、コタケと暮らすうちに気持ちが通いあう。
先に帰ったタケイチの話から、“もののけ”への警戒を強めていた村人は用心棒を雇う。コタケを帰してしまったものの、好物を届けたくて村にやってきてしまったナキを用心棒が襲う。青鬼グンジョーが助けるが途中で姿を消し、再び姿を現すと人間への復讐心を露わに凶暴な姿に変身。用心棒が逃げ出し、村人たちが追いつめられたところに、赤鬼がコタケや村人たちを守って闘い、青鬼を退散させる。
その姿に人間は“もののけ”が敵ではないと知り、ナキの怪我を治し、仲間として認める。そのナキが島に戻り、グンジョーを探すと・・・・・・「泣いた赤おに」の結果と同じことになる。ただし、グンジョーは母を探す旅に出かけたということなので、童話よりも救いはあったのが救いだった。

そして双方ともにお互いへの恐怖が払拭されて、ともに生きられる存在として認め合い、あらたな日々が始まったことがエンドロールのイラスト集で表現されているのも秀逸。

私も娘も涙、涙であった。母は寝なかっただけで偉かった(笑)
童話を踏まえているが、実に深い話になっていた。もののけ達と人間達の不幸な戦争からお互いへの不信と恐怖が植えつけられ、疎遠になっているというのは人間の世界の中でも戦争を繰り返す国々のあり方と同じだと思う。不信と恐怖を取り除く手段が、この作品の場合は青鬼のお芝居だったわけだが、人間どうしの戦争をなくすために必要なのは人間の「知恵」だろう。そうか、お芝居というのも知恵の産物だから、それも同じことだ。

戦争、天災、人災、そういう不幸なことを繰り返さないで、被災した人々にそうでない人々が「頑張れ」とか「頑張ろう」とか元気な人だけが言えるような言い方だけでなく、気持ちも寄り添って「ともに生きよう!」という語りかけ方で、「知恵」を絞って新たなしくみを作り出すことが必要なのだろう。そういうところまでイメージが広がる映画だった。
3DCGアニメーションはアメリカの二大メジャー(ピクサーとドリームワークス)の寡占状態にあるようで、それに日本勢が果敢に挑んでいる心意気もよし。

「ともに生きよう!」は最近の愛読誌『ビッグイシュー』で東日本大震災の被災者にかけたい言葉としてキャンペーンを始めてくれていることに共感しているので、私も使わせてもらっています。

12/01/02 謹賀新年m(_ _)m・・・・・・正月の母親孝行顛末記

2012-01-02 23:59:07 | つれづれなるままに

謹賀新年 本年もどうぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m

年末年始は気が重い。実家の母をどうするかが三人姉妹のテーマとなる。実家に泊って相手をすることは全員がお断りしたい状態。
実家というのは、家の設計が趣味だった母親自身が設計し、頼んだ大工さんと喧嘩をしながら建てたもので、うちの娘が産まれた頃だったから築20数年経っている。一番下の妹が結婚できなかった場合に1階に同居させようというコンセプトだったが、結婚したので実に中途半端な間取りになっている(その2部屋は納戸状態)。夜中に母親がトイレに起きるとその物音が気になるし、駅から3分のところにあるので、線路に面した部屋は始発電車が通るともう寝ていられない。更年期の娘たちは実家に泊るとしばらくは体調が悪くなることが明らかになっているので、なんだかんだと忌避している。

我が家は娘が同居するようになってから母を泊めることはできない状態になってしまった(^^ゞ
ここ何年か、北本の妹2の家で母親を年越しさせるのに私も付き合ったが、一戸建てで居間が寒い環境なので私が降参。そこで、今回は名古屋の妹1宅へ私が連れていこうかと相談していたが、母親が足が痛くて東京駅まで行けないと頑張るのでその計画は中止。

30~31日に妹2と最終的な計画を相談。妹の人工透析の日を避けて元日に実家に終結して「お正月をする」ことに決定。大晦日から休暇に入った妹のツレアイくんが今年も風邪をひき、妹だけで来ることになった(最近は一人で実家に来て体調が悪くなると怖いので同行してもらうことが基本になっている)。その決定をNHKの紅白歌合戦が終わった頃に母親の携帯に電話して伝える。嵐やSMAP、EXILEが大好きな母親だが、今年は紅組がよかったと思ったらやっぱり勝ったと喜んでいた。確かにAKB48のステージなどは最後が被災地へのエールになっていて見直したっけ。

いよいよ元日!娘にも用意をさせて実家へ。妹2と合流して食卓を用意する。妹は煮物やなますを家でつくって持ってきた(エライ!)。私は生協の宅配で届いた簡単なおせちセットを持っていき、蒲鉾や伊達巻などを切って並べるだけ(安いのでゴメンよ)。婿さんがいない方がのびのびできる母親は機嫌がよいが、それでも成金の家で一人っ子で育った母親は食がすすまない。
家でずっといるのは嫌なので、スーパー銭湯かカラオケにいこうと妹が提案(私がショッピングモールに行くのが嫌いなことも踏まえてのこと)。おなかがいっぱいになって居眠りしていた娘が「カラオケ」という言葉に反応して目を覚まし、昔行ったことがあるカラオケ店に車で向かった。

空いていて待ち時間なし!さすがに元日にカラオケに来る人は少ないらしい(笑)母ももっと元気だった頃によくカラオケ仲間で来ていた店だが、施設もだいぶ手が入ってよくなったとのことだった。父が元気で孫たちも小さかった頃にカラオケに来た時のことを覚えているかと娘に聞いたが、覚えがないという。だんだん母もノってきて何曲も歌った。母が高い声でけっこうな声量で歌うのを聞いて娘はびっくりしていたが、母は音程やリズムは不安定なのだが声は綺麗なんだよね。妹2はフォークソングサークルにも入っていたくらいだし、私も娘も歌はそれなりなので2時間半はあっという間だった。全員満足して終了。

その後、デニーズで食事。外食が大好きな母はようやく空腹を満たして満足。2食をともにして「お正月をした」は無事終了!
2日は予定の入っている娘以外は全員休養日。3日に母の体調がよかったら、さいたま新都心まで出かけてきてもらってアニメ映画「もののけ島のナキ」を観ることに決定。母と娘と3人で一緒に観ることができる作品は限られるのが、クリスマスの頃に娘と2人で観る予定で時間に間に合わなかったこの映画ならなんとか大丈夫!
さて、どうなることやら・・・・・・。(→決行して感想記事をアップしました!)

(追記:さいたま新都心ショッピングモールのベーカリーで応募しておいたお菓子の詰合せセットが当選して12/29に届いた。冒頭の写真はダンボール箱を開封したところ。広げた写真が以下だが、娘が年末年始に楽しそうに食べ進んでいる。ダイエットはどうしたんだ~!!)



(1/6追記)
上記の危惧が的中した。ミルキーの袋を半分くらい残して、完食されてしまった。この摂食障害の原因はなんだろう。大学は内定したが、個別指導で受けておくとよいと言われて受験するセンター入試と英語検定への不安と緊張のせいではないだろうかと推測。これくらいでこんなストレスを感じていては、4年間通学できるのか心配になってしまう。問題集をいっぱい買わされたのに8か月間でどれくらいやったのか?!とにかく私の理解の範疇を越えている我が娘を受容するのがかなり大変状態の私である。