ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

11/07/23 新橋演舞場七月大歌舞伎夜の部の感想をまとめて

2011-07-27 23:59:38 | 観劇
7/9昼の部の感想
23日に夜の部を鑑賞。
30分の短い演目「吉例寿曽我」の鶴ヶ岡石段の場のがんどう返しの後の大薩摩が終わる頃にようやく着席(八幡三郎の猿弥と近江小藤太の右近は見ていない)。
大磯曲輪外の場でちゃちな富士山の背景に大ゼリに乗った登場人物が上がってきて、簡単なだんまり。最後に梅玉の工藤祐経が赤い布も端を広げて山型にした二段に乗って脇に一同が絵面に極まる。
曽我五郎=松江、曽我十郎=笑也、朝比奈三郎=男女蔵、秦野四郎=弘太郎、喜瀬川亀鶴=梅丸、化粧坂少将=春猿、大磯の虎=笑三郎
あまりにもちゃっちい幕切れに、梅玉を上置きにして澤瀉屋一門の弟子たちを一応出しましたというアリバイ演目だねぇという印象。

【新歌舞伎十八番の内 春興鏡獅子】
小姓弥生後に獅子の精=海老蔵
家老渋井五左衛門=市蔵 用人関口十太夫=亀鶴
胡蝶の精=玉太郎 同=吉太朗
局吉野=右之助 老女飛鳥井=家橘
2010年1月の花形歌舞伎で海老蔵の「鏡獅子」を観ている。今回はさらに身体を絞っていて、なかなか美形の小姓の弥生になっている。緊張が切れることなく、伏し目がちな表情で神妙に踊っているように見える。ただ、差し金の胡蝶が舞い飛ぶのを目が追うところなどは目が怪しい感じがして、狂うのはまだちょっと早いんじゃないという気がした。

弥生が獅子頭の妖力で花道を引っ込んで行き、胡蝶の精が連れ舞う二人は玉太郎と吉太朗。ふっくら顔の吉太朗がしっかり踊るのに負けじと細面の玉太郎も頑張っていて、なかなか見応えあり。
後シテの獅子となった海老蔵の花道の七三からの引っ込みは三階上手席からは見えない。左席のモニターを双眼鏡で見ている人がいて、そうすればいいと気づいても遅し。次回からは同様にさせてもらおうっと。

目を大きく見開いた獅子の海老蔵は本当に立派で、荒事役者としての存在感を十分に感じることができた。しかしながら、毛振りが歌舞伎舞踊の範疇を超えていた。あまりにも高速に回すので、これはかなりの回数をいく気だなと最初からわかった。50回を超し、最後はものすごい超高速という感じで動体視力のよくない私にはカウントがつらくなるくらいだった。92回?と思ったらお隣席で94回とか言う声が聞こえたのでそんなものだろう。
胡蝶の二人もかがんで二人で回り続けることをしていなかった。これはつきあわせるのも可哀想だから、最初からその振り付けはなしにしたんじゃないかと推測。
しかし、今回の毛振りは海老蔵の身体能力の高さを見せつけてくれはしたが、別にそんなものを観にきているんじゃないのだが。私は一応、歌舞伎舞踊としての毛振りが見たいのであって、そういう幕切れになっていなかったのはまぁ、海老蔵だからそんなものかという感想。獅子の毛振りといえば、勘三郎が2009年1月の歌舞伎座で100回振った時も見ているが、その時とは全く違う。
私は海老蔵の「鏡獅子」はあまり見たくないが、やるのであればもっと研究してもらいたい。

【江戸の夕映(えどのゆうばえ)】作:大佛次郎 演出:團十郎
以下、あらすじと作品概説は「歌舞伎美人」より引用、加筆。
 江戸幕府は瓦解し、新政府となった明治元年の夏。直参旗本の本田小六(海老蔵)は、許嫁の松平掃部(左團次)の娘お登勢(壱太郎)を残し、幕府軍へ加わり軍艦に乗り込んで函館へ旅立ってしまう。一方、同じ旗本でも小六の友人である堂前大吉(團十郎)は、柳橋芸者のおりき(福助)と夫婦になり町人として暮らし始め、あれから音沙汰のない小六の身を案じているが...。
 数々の新作歌舞伎を残した大佛次郎の代表作。激動の幕末を生きた市井の人々を主人公に、江戸の人情味や粋を巧みに描く。(以下、略)
他の主な配役は以下の通り。
徳松=男女蔵 黒岩伝内=亀鶴
網徳娘お蝶=宗之助 吉田逸平太=市蔵
松平妻おむら=家橘 おきん=萬次郎

何年か前にやはり團十郎の演出で平成の三之助が揃った「江戸の夕映え」の上演があり、評判がよかったが見逃している。その時に松緑と菊之助がやった大吉夫婦を團十郎と福助がやるので、同世代の大吉と小六の対照的な生き方のドラマにはならなかったようだが、今回の配役は配役で面白かった。
このところ、壱太郎が一途な若い娘の役が似合って美しい。そのお登勢が小六という美形の直参旗本の許嫁から去り状がきても思い続け、父の掃部も娘の思いを支持して「待ってやれ」という。
そのお登勢を見初めてわがものにしようとする薩摩出身の吉田逸平太を市蔵が「ひげゴジラ(ご存知「ハレンチ学園」!)」のような顔で執拗に迫るのが可笑しい。明治新政府の高級役人となって自分をふったお登勢の一家への意趣返しも大家に圧力をかけて追い出すという陰湿さ!
最後の蕎麦屋の場面。橘太郎、芝喜松の蕎麦屋夫婦の前で萬次郎の住職の妾おきんが世間話をするところに聞き惚れる。その後、團十郎の大吉が小六をみつけ、待っていたお登勢に会ってやれと言ってきかすところは、台詞回しの上手下手ではなく、熱い気持ちをぶつけているのを聞くのが気持ちがいい。
函館の戦いで死ねずに抜け殻のようになった小六に海老蔵がハマっている。その閉ざした心をこじあけるような大吉の言葉と、かけつけたお登勢の必死の眼差しに、小六の目が目の前の自分を愛し続けた女をとらえ、身体が彼女に向かって動き出すところでの幕切れ。

この遠回りも、薩摩の官軍隊長黒岩伝内(亀鶴)をはずみとはいえ斬ってしまった小六が受けなければならない罰ともいえるが、許嫁のお登勢が巻き込まれたのは実に不幸なことだった。時代の激変の中で権力を失っていく武家の運命をどう受け入れるのか、一人一人に問われたことだろう。その中で、必死に前向きに生きている人間のドラマとして、見応えのあるものになっていた。
最後の演目がなかなかよかったので、気持ちよく打ち出されることができた昼の部だった。海老蔵にも娘さんが誕生したとのこと、これでまた親としての修行が役者としての成長につながることを信じたい。

玉三郎平安神宮七夕歌舞伎チケットSOS情報!

2011-07-24 14:41:24 | 観劇
私の友人(HN玲小姐さん)が8/6(土)夜7時開演の「坂東玉三郎平安神宮七夕歌舞伎」に行けなくなってしまい、どなたか観ていただける方がいたらというSOS情報です。
今でしたらチケット郵送も間に合うのでこちらでアップさせていただきました。
13000円のA席チケットなのですが、お代は相談でということです。
どなたかご希望がありましたら、まずはコメントでお願いします。その後、メールでやりとりということにさせていただきたいと思います。
皆様、よろしくご検討をお願い申し上げます。

(8/6追記)
玲小姐さんご本人が日程調整がなんとかできて行くことができるようになったとのことです。ご心配いただいた皆様、有難うございましたm(_ _)m

11/07/19 追悼、原田芳雄さん

2011-07-19 23:59:31 | つれづれなるままに

原田芳雄さんが亡くなった。7/11、ネットニュースで映画「大鹿村騒動記」封切りの舞台あいさつに車椅子で出席したお姿に、自ら最後の作品と思い定めているのではと推測してしまった。それから10日足らず、71歳のご逝去は実に惜しい。
ウィキペディアの「原田芳雄」の項はこちら
私にとって印象に残っているのは、井上ひさし作品を2004年に黒木和雄監督が映画化した「父と暮せば」。岩波ホールに観にいってボロ泣きさせられた。昔のアウトロー的な役者さんのイメージから飄々としたオヤジさんぶりが実によかった(ブログを始める前の鑑賞)。

ブログの過去記事を検索してみると、2008年にNHK木曜ドラマ枠でオンエアされた「おシャシャのシャン!」で、原田芳雄が主人公の父で村歌舞伎の座頭の役をつとめている。実にいかつい弁天小僧菊之助姿を披露していたが、ぎっくり腰になって代役を・・・・・、という展開で短いながらも実に楽しく見応えのあるドラマだった。

まさに遺作となった「大鹿村騒動記」と重なった。そして、大鹿村の村歌舞伎との所縁の深い松嶋屋とは家族ぐるみでのおつきあいがあったという(「松嶋屋・若旦那の歌舞伎日記」で知りました!)。
やはり大鹿歌舞伎を舞台に映画化された孝太郎×愛之助共演の「Beauty うつくしいもの」の感想はこちら
村歌舞伎にこんなに入れ込める俳優ということに、「役者魂」を感じてしまった。原田芳雄さんのご冥福を祈りつつ、この「役者魂」を多くの後進の方が引き継いでいくであろうことを信じている。

「大鹿村騒動記」もどこかで観たいと真剣に検討中。
公式サイトはこちら

11/07/18 四十万アクセスの御礼+なでしこジャパン世界一に励まされてベランダ掃除(笑)

2011-07-18 23:59:30 | つれづれなるままに

本日、40万アクセスを超したようです。皆様のご訪問に感謝申し上げる次第です。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げますm(_ _)m

早朝のサッカー女子のワールドカップドイツ大会決勝戦を観る元気はなかったが、先にネットニュースで知っていた娘に聞いてお昼のTVニュースでハイライトを観ただけで泣けてしまった(T-T)

予選リーグでイギリスに負け、身体の大きさの違いというのはやはりハンデになるのだなぁと思っていたが、その後、ドイツ、スウェーデンに勝ち、ついにアメリカにPK戦の末に買って優勝したという。攻勢に耐え抜いて守り抜いてチャンスを生かしたゴールを決める。男子のワールドカップでの決定力のない試合を何度か観た記憶があるので、今回の女子の快挙にはすごく励まされ、リアルタイムではないハイライトなのに目頭が熱くなってしまった。
被災者の方々への大きな励ましになった様子もTV画面に映し出されていたが、被災地の人々に心を寄り添わせながら一人一人が自分のポジションでやれることをやっていくことの大切さを確信させてもらったように思う。
なでしこジャパンの皆さん、おめでとう。そして有難うm(_ _)m

この3連休は、16(土)は女子高時代のお仲間4人でのランチ会→お茶会、17(日)は実家の母親とさいたま新都心で待ち合わせてシネコンで「小川の辺」を鑑賞。前後に食事やお茶をしたり、ショッピングモールやヨーカドーを見回って少々の買い物。
横断歩道で母親がすっころぶアクシデントも発生。猫背のせいかゴロリンと回って最後に頭をごちんとやっていて、高校生カップルが「大丈夫ですか」と駆けつけてくれて、彼女の方と私で腕を一本ずつ持って立ち上がらせた次第。お茶をしたお店で氷水をポリ袋に入れてもらい頭に氷嚢のようにあてていたが、たんこぶと足に少々の捻挫くらいで、大丈夫のようだ。母親は転倒する度に医者にいっているが、毎回大したことがないというくらい転び慣れている。
まぁ、私も先日コクーン歌舞伎の前に劇場入り口でゴロリンとやっているので、なんかもう驚かなくなってしまった。老老介護にもう入ってきたという感じも否めない。

それよりも、NHKで夜11時からの「イ・サン」を観ていたら、母親から電話がかかってきた。転倒の後でおかしくなったんじゃないかとドッキリしたが、「寝室のエアコンが壊れちゃって、ちっとも冷えなくて眠れない」という。
「居間のエアコンは大丈夫なんだったら、とりあえずそっちで寝たら?壊れたエアコンのことは考えとくから」と切ったが、そこから妹1・2とメールで電話で協議開始。

「海の日で休みなんだから、姉ちゃん一人ででも電器屋行って新しいの買って全部手配してきて」ということになった。
そんな感じで、朝は休日には珍しく早く起きてしまい、10時になるのを待って母親にその旨を連絡。ところが断固拒否の事態となる。「自分の家につけるものは自分も見ないと絶対に嫌」「もう今日は疲れているから出かけたくない」と言い張る。それなら母から妹1・2にそうしたいと電話してもらうことにして、二度寝しようとするが、もうダメだった。

そこで冒頭のなでしこジャパンでの感動の話になるのだが、そこで気分を奮い立たせ、本来やろうと思っていたことに着手!
ベランダ側の窓の網戸掃除とベランダの掃除を決行した。デッキブラシも買ってきたし、生協の雑貨企画で網戸洗いの面白そうなグッズを買っておいたので、ホースで水をかけながらザブザブとやろうとしていたのが、番狂わせになっていたのを仕切り直しできたのだ。

台風6号が西日本に近づいているせいで、このあたりも曇り空で風があったのでベランダ掃除にはもってこいだった。網戸の掃除はマンションを買って以来初めてだったが、終わりに下の方の網が枠からはずれかかっていてショックを受ける!来年あたりは掃除どころか張替サービスを頼まないといけないかもしれない(T-T)

マッサージチェアで仮眠をとって、買い物に行き、浅漬けの素の液体と粉末の2種類を使ってきゅうりと茄子の浅漬けをつくり、にらの卵とじ、キムチの残りを使った野菜スープなど在庫一掃メニューで野菜たっぷりの食事をつくる。
食後は冒頭の写真のさくらんぼのデザート。
職場の別フロアのお仲間から箱で取り寄せた「紅秀峰」のSOSがきた。分ける予定の人がいないので傷まないうちにという押し売り(笑)お世話になっている方なので協力させていただいたが、この12粒で600円。「紅秀峰」なんて知らなかったが、ま、たまには贅沢な果物も食べてみようということですな。住宅ローンの繰り上げ返済とチケット代と医療費で我が家の経済は圧迫されているので、食費は衣料費ともども2大倹約対象となっている(この夏も無事に繰り上げて、ローンの終わりが定年前に入ってきた!)

ネット検索で調べたわかりやすい「紅秀峰」のサイトはこちら
確かに「佐藤錦」よりも身がしっかりしていて甘かった。ギフトにするなら「紅秀峰」の方がいいように思った。まぁ、我が家は中元も歳暮も仲人さんにしかしたことがないけどね(^^ゞ

(7/21追記)
Facebookの友達が「いいね!」としていた記事がよかったので、こちらでもご紹介させていただく。
マスコミが報じない 澤選手 日本人へのメッセージ

11/07/09 新橋演舞場七月大歌舞伎昼の部の感想をまとめて

2011-07-11 23:59:01 | 観劇

新橋演舞場の六月大歌舞伎の感想も未アップである。そちらはきちんと書く余裕がないので遅れてしまっている。七月大歌舞伎の感想はまず昼の部の分をまとめて書く。一本ずつきちんと書きたいと思えないというのが本音。

海老蔵の9カ月ぶり復後の東京公演であり、父子の勧進帳のある昼の部は休日でチケットをとるのが大変だった。松竹歌舞伎会ゴールド先行予約ですぐにとろうとしても3階B席はすぐに良い席がなくなり、9日で確保したがあとから8月歌舞伎の先行予約日じゃないかと気づいた。だから3階B席の残り具合がよかったのかと思ってもあとの祭り。ご一緒する友人にチケット確保をお願いしての観劇となった。

【義経千本桜 鳥居前】
今回の主な配役は以下の通り。
佐藤忠信実は源九郎狐=右近 静御前=笑也
早見藤太=寿猿 武蔵坊弁慶=猿弥
源義経=門之助
歌舞伎座の七月は猿之助奮闘公演だったなと思い出す一幕。澤瀉屋一門がそれぞれのおさまりどころの役で一通り見せてくれる。

【歌舞伎十八番の内 勧進帳】
今回の主な配役は以下の通り。
武蔵坊弁慶=團十郎 富樫左衛門=海老蔵
亀井六郎=友右衛門 片岡八郎=権十郎
駿河次郎=松江 常陸坊海尊=市蔵
源義経=梅玉
海老蔵の富樫の口上からして嫌な予感がする。不祥事謹慎後の隠忍自重の気持ちの表れなのか、荘重な感じというよりも陰気な台詞まわし。梅玉の義経以下の一行はいつも通りの勧進帳という感じ。ところが團十郎の弁慶も途中で声がおかしいところもあり、風邪でもひかれているのではとちょっと心配になったくらいだ。そのせいなのかわからないが、二人のやりとりがいつも以上に何を言っているのか聞き取りづらく、双方とも陰気で聞いていて滅入ってきてしまった。
ここまで台詞が下手なのは父子とも耳がよくないのだろう。七代目の幸四郎も口跡がよくなかったというし、そこからのDNAがしっかり伝わってしまっているような気がした。台詞がうまくない役者に、陰気な芝居をされると苦痛以外の何物でもない。

また、客席がこんなところで笑っちゃうの?というところで1階席がどっと沸いている(弁慶がカッカッカっと喉を鳴らすような荒事の声を出したり、酒を蔓桶の蓋で所望するところなど)。話題の海老蔵を一度観てみようという初心者のお客さんが団体できているのではないかと思われ、しらけてしまった。
ここまで難行苦行の勧進帳も初めてだった。つらかった一幕。

【楊貴妃】
「鞍馬天狗」の作者である大佛次郎の書いた戯曲の第一作で1951年に初演とのこと。観る前に会報『ほうおう』の解説を読んでこれはけっこう面白いかもとちょっと期待。あらすじは以下の通り。
中国の唐代、楊一族の天真は最初の結婚に失敗して道教の寺院に引きこもっている。絶世の美女である天真を玄宗皇帝の妃として迎える使者は皇帝の寵臣高力士。彼が宦官であることを知らず、その美しい姿に焦がれていた天真は失望。その使いを拒否しようとするが、できるわけもないと親族に説得され、入内して楊貴妃となる。
それから十年、帝の変わらぬ寵愛を受ける楊貴妃は、ふと高力士を誘惑してなぶりものにする。その後、安禄山の乱が起き、宮廷ごと都落ちの末、反乱軍は君側の奸として楊一族の成敗を要求。大臣となった楊国忠を血祭りに上げ、楊貴妃も差し出すように迫る。貴妃は堂々と賊軍の前に出て行こうとするが、それをとどめたのが高力士。皇帝に貴妃を亡骸にしてから賊軍に渡すように説得。殺す役目も引き受けて・・・・・・。
今回の主な配役は以下の通り。
楊貴妃=福助 高力士=海老蔵
天真の従兄のちの大臣楊国忠=権十郎
一の姉=笑三郎 二の姉=春猿
三の姉=芝のぶ 女道士=歌江
竜武将軍陳元礼=猿弥 李白=東蔵
玄宗皇帝=梅玉

冒頭の道教寺院の場で歌江が女道士として牡丹の切り花を天真に持ってくるところでニンマリ。そこから天真の姉の三人組が姦しくやってきて、福助の天真とからむあたりは、スーパー歌舞伎のようなコスチュームプレイで楽しくてまたまたニヤリ。権十郎の楊国忠も加わって、寵姫を一人出せば一族すべてが浮かび上がるという欲丸出しのコメディが笑える。

そこに身体を絞ってますます細面になった宦官役の海老蔵登場。
「通し狂言 雷神不動北山櫻」の安倍清行の時のような裏声のような高い声での台詞回しがなんとも宦官っぽくてハマっている。普通の二枚目の男の役の時にこの声を出されると気持ち悪いが、宦官という役であればおかしくはない。
福助も控えめで純真だった女がその美しさゆえに皇帝の寵愛を一身に集めて慢心し、焦がれるような思いをさせた男をサディスティックにいたぶり、その憎しみによって殺されるという振幅の激しい女が実によく似合う。

梅玉の玄宗皇帝はニンに合う役であり、東蔵の李白もそれらしい存在感。
美しくもグロテスクな愛憎劇を展開する二人の男女の姿を福助・海老蔵コンビがうまくハマって予想以上に楽しめた。
これで「勧進帳」で耐えた分を埋めあわせて、チケット代のもとをとらせてもらった感じ。これってマイナスプラスゼロという感じかな。

猿之助が座頭をつとめられなくなって以降、若手の澤瀉屋一門に玉三郎や海老蔵を座頭に迎えた公演が続くが、亀治郎が加わって澤瀉屋一門で七月公演をやれるようになってくれないかなぁと思う。海老蔵との二枚看板でもいいから、新しい歌舞伎座ができる辺りでやってくれないかなぁという夢を描いているが、実現しないだろうか?

11/06/18 コクーン歌舞伎「盟三五大切」時代の価値観に縛られる悲劇

2011-07-08 23:59:26 | 観劇

東急Bunkamura改装前のラストの公演「コクーン歌舞伎 盟三五大切」。私はこの作品をコクーン歌舞伎版で観るのは初見。1998(平成10)年に上演の舞台を資料などでイメージしてきたが、ようやく実際に観られるのが嬉しい。
前月の「たいこどんどん」に引き続いて橋之助が主演し、菊之助の初参加が話題の舞台。きちんと感想を書いておこう。明日は7月歌舞伎の昼の部を観るので、またまたあせってのアップ(^^ゞ

2008年11月歌舞伎座での仁左衛門が源五兵衛の時の感想
2005年6月歌舞伎座での吉右衛門が源五兵衛の時の感想

【渋谷・コクーン 歌舞伎第12弾「盟三五大切」】串田和美:演出・美術
今回の主な配役は以下の通り。
薩摩源五兵衛実ハ不破数右衛門=橋之助
芸者妲妃の小万実ハ神谷召使お六=菊之助
船頭笹野屋三五郎実ハ徳右衛門倅千太郎=勘太郎
富森助右衛門/家主くり廻しの弥助実ハ神谷下部土手平=彌十郎
ますます坊主/徳右衛門同心了心=笹野高史
船頭お先の伊之助=亀蔵 芸者菊野=新悟
若党六七八右衛門=国生
「歌舞伎美人」のこの公演についての情報はこちら

串田和美の舞台は彼の美学による舞台装置が演出と相俟って独自の世界をつくりだす。今回の舞台には印象派風の水辺の風景が幕に書かれていて、幕を上げずに透かして奥を見せるという方法が多用されていた。
特に幕開けの佃沖の場。透けた幕の向こうで舟の上で三五郎と小万夫婦が源五兵衛を騙す相談をしながらもいちゃついている。水面のもやが晴れたという感じで奥の書割が開くと、もう一艘の上に当の源五兵衛が現れるという場面が実にコクーンの舞台の間口にあって絵になっていて期待が高まる。

橋之助の源五兵衛は立派すぎないのがよく、赤穂の浪士不破数右衛門として敵討ちに加わりたいという志は抱きながらも、芸者の色気には振り回されるという俗っぽい人物になっているのがよかった。長男の国生が若党六七八右衛門に抜擢されていたが、いかんせん台詞回しが稚拙で、この若党が主人を思う気持ちの芝居でいつもホロリとくるのが今回はなし。御曹司として生まれて覚悟を決めてよく頑張ってくれているということでよしとしよう。

三五郎には初役で勘太郎、小万にはコクーン歌舞伎初参加の菊之助というコンビがまた実によい。この若い二人が源五兵衛を騙して金を巻き上げるという、この物語の設定にいつも違和感がつきまとっていたのが、反芻するうちに次第にみえてきた。
やはり身分社会であり町人は武士にへつらわねばならないが、人物をみて心の中では馬鹿にしていることもある。そして、町人の世界においても主人への忠義をたてるということが一番大事なことであり、次に親への孝をたてることが大事。それを果たして立派な男になるために、三五郎は騙しやすそうな源五兵衛を利用するのだ。三五郎の仲間たちもその狂言立てにあそこまで協力するのは、馬鹿な武士でも騙しおおせれば普段からの武士への鬱憤は晴らせるし、そういう義をたてる仲間に力に貸すことで自分も義理人情をたてられるという満足感もあるだろう。
百両をまきあげた後で、すぐに三五郎は小万が自分の女房でと真相を明らかにしてしまうことにいつも馬鹿だなぁとツッコんでしまっていたが、これは町人としての彼の感覚からするとアリなんだろうと思えるようになった。「お武家だからってチヤホヤされて騙される方が馬鹿なんだぜ」という感覚だ。多少は悪いことをしたと思ってはいるが、お主に尽くすためにしたことだから仕方がないという割り切りがこの夫婦にはあるのだ。

一方、惚れ込んだ女と信用した男に騙されて、男としても武士としても誇りを傷つけられた源五兵衛は、本当に敵討ちを第一に生きているのであれば隠忍自重したであろう、復讐を実行する。三五郎夫婦をねらっていたのに、二人には逃げられて暗闇の中での五人切。六七八右衛門が主人に大望を果たして欲しい一心で身代わりとなって命を投げ出す忠義心。一瞬はほだされるものの、やはり二人を殺す一念に突き動かされて毒殺にいく。しかしここでもまず死んだのは小万の兄・・・・・・。

二人の死を見届けにいって生きている小万と再会。小万は夫のお主のためにお金が入用だったと説明しようとするが、復讐の鬼となった男は聞く耳をもたない。様式美の殺し場となり、夫婦の間に産まれた赤ん坊まで殺し、小万の首をとって抱いて帰る。
ここはまるで、サロメが愛するヨカナーンの首を褒美に所望して斬り首に口づけをする場面を彷彿とさせる。洋の東西を問わず、片思いの成就に相手の首を抱くということをするらしい。歪んだエロスの追及はここまで醜悪な行動まで暴走するのか?!

この後、家来筋の僧了心に匿われている愛染院で小万の生首の前で一緒に飯を食べたかったと嘆く場面。通常の歌舞伎版では口元にごはんをはさんだ箸を持っていくと人形から役者に変わっている首が目と口をカッと開いて驚かせる演出があるのだが、串田演出はそれをせず、ひたすら源五兵衛が悲嘆にくれるのだ。
そこに了心が戻ってきて、すべてが露見。部屋にあった早桶からは腹に包丁をつきたてた三五郎が姿を現し、全ては父のお主の不破数右衛門が敵討ちに加われるための金の工面のためだったといい、赦しを乞いながら落命する。

このあとは、通常の歌舞伎版では不破数右衛門に大勢の義士たちが討ち入りに加われとやってきて幕切れとなる。ところが串田演出は義士たちを登場させず、何人かの義士の声を響かせるのみ(今回は出演できなかった勘三郎を声で出演させるという粋な計らいは憎いが)。
その代わり、冒頭のように透けた風景画の幕の奥で五人切の舞台となった家の装置を回し、殺されていった人物たちが死なないで動いている幻想を次々と見せる。
源五兵衛実ハ不破数右衛門は、こんなに多くの人を殺した上で義士として敵討ちもしたのだが、そのことを悲しんだというか、空しさでいっぱいになったように描き出している。

赤穂の義士たちの敵討ちを成就させるため、「忠義」という大義を不破数右衛門という実はたいしたことのない男に果たさせるために、こんなに多くの人が死んでいったという大悲劇。鶴屋南北は世の中を皮肉に描いていたので、けっこうグロテスクに江戸時代の庶民に受けそうな芝居として書いたのだと思う。シェイクスピアもチェホフも人間のドラマというものをぐっと引いた視点で皮肉をこめて描き出すところは共通しているように思う。

それを串田和美は、不破数右衛門の心の暗闇を描き出す演出をしたようだ。悲劇を悲劇としてかなりウエットなドラマとして見せるというのが串田演出のひとつの特徴だと私は思っていて、それがあまりよくないと思える舞台もこれまでいくつかあった。今回に関しては、これはこれでアリの舞台だと思えた。
串田和美の舞台に欠かせない笹野高史は三五郎の父とますます坊主の二役が実によかった。ますます坊主は実にアナーキーな存在として、「いま頭の中がメルトダウンしてるから」など、時局の原発事故ネタをぶちかまし、アングラ演劇っぽい演出がチラチラさせるところも串田ワールド!

今回のコクーン歌舞伎もけっこう堪能できて満足。橋之助は若手たちの兄貴的な座頭として頼もしかったし、勘太郎もぐっと大きくなった気がしたし、菊之助の小万は芸者の顔も女房の顔も母の顔もそれぞれ魅力的だった。
しばらくシアターコクーンの舞台はお休みだが、次は秋からの平成中村座の舞台を楽しみにしていよう。でも安い席はないのだろうな。それがちょっとつらいな(^^ゞ
冒頭の写真は今回のチラシ画像。

11/07/07 近所に三菱の実験原子炉の跡地があった!!

2011-07-07 23:16:11 | つれづれなるままに

今回の福島原発の事故が転換点になって、原発がある地方と原発のない都市部の人々が連帯感をもち、日本の今後のことを真剣に考えていかなければならないと思っていた。
そういう問題意識から、脱原発や放射能汚染についてもいろいろ書いてきて、コメントもいただいたり、直接ご感想をいただいたりしていて有難く心強い思いをしている。

よくコメントをいただくparuさんの企業の実験原子炉についての記事で、大宮の三菱の原子炉の情報を知って早速リンクを開いてみたら........なんと、隣駅のさいたま新都心にあるシネコンに自転車で向かう時に前を通る研究施設だったことがわかった。
「研究・製造地跡地の環境汚染」サイトの「大宮・三菱実験原子炉反対闘争の歴史と現状」
そのトップページには「大宮・北袋の三菱マテリアルの大量の放射性廃棄物が地中に埋められ、そして原子炉の核燃料を使った研究がされている。そんな話を聞いてから、東海村の臨界事故があり、他人事では済まされない、地元の生活環境に大きな影響を及ぼしそうな気がして。そんなことで、安全と環境を守る住民運動を考えるホームページを作ってみました。」とあった。

2004年7月に今のマンションに引っ越してきて、隣駅のさいたま新都心のショッピングモールやシネコンによく遊びに行くようになっていたが、全く知らなかった。裁判を闘った住民運動もあったのに!
その闘いの末に、地中に埋められた放射性廃棄物が掘り出され、所内に新設した地下保管庫にすべての放射性廃棄物を収納する整備作業をやらせることができたようだ。
三菱マテリアル(株)サイトの企業の社会的責任(CSR)環境への取り組みのページ

情報をいただけたことに感謝したいm(_ _)m
この事実をきちんと踏まえたことで、私はより緊張感と切実感をもって脱原発の声を上げていこうと思う。
企業は、社会に役立つ技術開発の研究をしていたというのだろうが、周囲の住民にそのことを隠ぺいし、事実が知られて然るべき対応を迫られるまで最低限の処置しかしないということによって、社会に役立つよりも儲けるための事業をしているにすぎないことが明らかだ。
資本主義社会の企業というものは利益追求の為にはいくらでも暴走するおそれがあるものだということを肝に銘じながら、それをゆるさないような牽制システムを社会の中につくりあげられるかどうかが問われていると思う。私はそのためにやれることをやっていきたい。

私は、「人間」と「人間がつくるもの=芸術・文化・歴史・社会など」を深く理解し、味わい、そのあり方について考えていくことが一番好き。自分という人間の人生をどう楽しむかというのはその次になる。まぁ、そういう生き方もありということで・・・・・・(^^ゞ

11/07/06 安斎育郎著『家族で語る食卓の放射能汚染』を読む

2011-07-06 23:59:33 | 美術・本

6/29のNHK「あさイチ」の特集「イチからわかる 内部被ばく」で懐かしい安斎育郎先生(放射線防護学)が専門家ゲストとして出演していた。チェルノブイリ原発事故の後で食品の放射能汚染についての学習会の講師としてあちこちで活躍なさっていた方だ。昔と違うのは髪が真っ白になってお年を召されたことで眼鏡の奥の大きな目は同じように力がこもっていた。
今回の福島原発の事故の後、書店に行ったら当時の先生のブックレットの改訂版が並んでいたのでちょっとびっくりしたっけ。確かにチェルノブイリ原発事故の問題と今回の問題は原理的には同じだから、今の状況を踏まえて改定すればいいわけだ。
見かけたのは→『かもがわブックレット12 放射能そこが知りたい 改訂版』と『かもがわブックレット14 原発そこが知りたい 増補版』
このTV番組を見て勢いづきネット検索の上で、娘に頼まれた『ヘタリア』最新刊の初版特装版と一緒に安斎先生の本を書店に買いに行き、以下の本をGET!電車の中で居眠りしながらようやく読み終えた(笑)

『家族で語る食卓の放射能汚染 増補改訂版』
以下、目次を同時代社のサイトより引用。
福島原発事故危機の中で
第1章◆はじめに――私がやってきたこと
第2章◆放射能って何だろう?
1、原子の名前の表し方
2、放射能って何物か?
3、放射線のいろいろ
4、放射能の強さの単位
5、被曝線量の単位(シーベルト)
6、半減期
7、有効半減期
8、体内汚染はどこまでふえるか?
9、自然放射線による被曝
第3章◆放射線の人体への影響
1、放射線障害の歴史
2、放射線障害の二つのタイプ
3、放射線障害の非特異性
4、放射線防護の原則的考え方
第4章◆食品の放射能汚染にどう対処するか?
1、厚生労働省の規制基準
2、食品汚染の実態はどうか?
3、汚染食品による放射線被曝は?
4、食品汚染にどう対処するか?
おわりに
Wikipediaの「安斎育郎」の項はこちら
セブンネットショッピングでの著者情報が最新のものを反映している。

アマゾンでのレビューにあるように、放射線の基礎的な説明が私のように理系が苦手な者にもわかりやすい。放射性核種によって人体への影響がずいぶん違うし、カリウム40などは自然界にあって既にいろいろなものから体内に入ってしまっていて内部被ばくもしているという。それに今回の原発事故で環境中に放出されてしまった放射性物質にどう対応するか、わかりやすく論理的に指摘されている。

特に最後の「食品汚染にどう対処するか?」で以下の5点を提起しているのがストンと胸に落ちた。
①食品汚染の実態を知ること。
②たとえ、放射能汚染が国の許可基準以下のものであっても、それなりに放射能が含まれている食品は、あえてその消費を奨励しないこと。
③汚染の実態はできるだけ公表し、最終的には消費者の選択の自由を保証すること。
④汚染食品、体内摂取にともなうリスクを評価する際には、いたずらに「放射能に対する恐怖感」といった感情に溺れず、科学的な評価結果をふまえること。
⑤食品の放射能汚染に対する関心を持続し、供給者との間に好ましい緊張関係を保つこと。

安斎先生は「感情的にこわがるな、科学的にこわがれ」が持論だが、今回ちゃんと本を読んでみて「科学的に」というところにあらためて確信をもつことができた。
私は自分で食べるものの放射能汚染については産地で忌避したりすることはしていないし、多少食べても調理方法で気をつけたり、身体に貯めこまないようにしたりすればいいという考え方をとっている。
気を使って産地限定品を手に入れている人についてはそれもありだとは思うが、周囲に強要はしてほしくない。自分の子どもだけ汚染の給食を食べさせないでお弁当を持たせるお母さんも報道されていたが、子どもはそれを嫌がってはいないのかということの方が気になるし、自分の子だけよければいいという考え方も私はあまり好きになれない。
冒頭で紹介したTVでも「放射性物質を減らす調理術」のコーナーがあって、まぁそんなところだろうと私もやれる範囲でやっている。
職場でお子さんをもつ方の情報ネットワークで紹介されていた資料が今回の本の中でも紹介されていた。以下の資料なので、関心のある方はご活用ください。

財団法人 原子力環境整備センター発行の『食品の調理・加工による放射性核種の除去率』

11/07/05 最近の体調+今月の観劇などの予定

2011-07-05 23:59:14 | 観劇
6月から地元埼玉県のちょっと離れた熊谷市で観測史上最高気温が出るような猛暑に早くから突入。通勤着もポロシャツからTシャツへと一気に夏モード化。一応は半袖のブラウスなど着ていた頃もあったけれど、もう最近はそういう洒落っ気の一片も振り捨てて、ひたすらラクに過ごすことを最優先させている。花粉の季節が終わっても梅雨時の気圧の乱高下で喘息の具合がよくない。一年の四分の一くらいしか苦しくない時期はなくなってしまった。
長生きしたいなどという意欲は既にないが、娘も心配なので、やっぱりあと15年くらいは生きていたいかな。
仕事と家のことをしながら、けっこうな頻度で観劇や映画鑑賞をしているが、まぁこれもメンタルヘルスのお薬がわりということで(^^ゞ

以下、今月の観劇などの予定です。
9(土)新橋演舞場:七月大歌舞伎昼の部
16(土)玲小姐さんよびかけランチ会(今回は持ち本等の貸し借り中心で散策なし)
23(土)新橋演舞場:七月大歌舞伎夜の部
29(金)すがも創造舎体育館:「大規模修繕劇団 旗揚げ公演 血の婚礼」=清水邦夫×蜷川 幸雄シリーズはやはり観ておきたい。
ご一緒する皆様、よろしくお願いしま~す(^O^)/

映画では、シネマ歌舞伎「女殺油地獄」をどこかで観ようと思っていて、日程検討中。
それと実家の母から「また映画に連れていって欲しい」といわれている。「女殺~」はどうと聞いてみたが、ドロドロした話はイヤということで物別れ。最近のリクエストは東山紀之主演の「小川の辺」。「藤沢周平ものはあまり好きじゃないのじゃなかったっけ?」と念押ししたが、「ヒガシだからいいの」とのこと。まぁ、愛之助も出ていて観ようと思っていたのでつきあいますかね。


11/07/03 新大久保コリアンタウンで生マッコリ初体験!

2011-07-04 23:59:49 | おでかけ、旅行

名古屋の姪っ子2が埼玉県の教員採用試験を受験するため。7/2(土)に北本の妹2の家に前泊。7/3(日)の試験終了後、待ち合わせて新大久保コリアンタウンへ。
JR新大久保駅で妹2と姪っ子2、私と娘の4人が集合。先に来ていた妹たちは既にいろいろと買い物して袋を下げている。実は私に渡す荷物を入れた紙袋を山手線に忘れてきたとかで、少々がっかり。私が預けていたものと、妹に頼んでいたゴム製のゆたんぽと名古屋土産のういろうが行方不明。JRの忘れ物問い合わせセンターに何度か電話しているけれど届いてないよ~。怒ってはいないけど、ちょっと悲しい(T-T)

姪っ子2は韓流にハマっていて、「KARA」「少女時代」とかが可愛いとか、ドラマもばっちり字幕版で見て、耳から韓国語も親しんで、大学では韓国語クラスも聴講させてもらっているくらい本格派の韓流ファン。妹2も負けじと韓流ドラマを見ていて「チャン・グンソクが可愛い」と盛り上がっている。
大学の卒業記念の家族+親族旅行で韓国に行こうかという話が持ち上がっていて、食べ物が口に合うか、妹2はツレアイ氏と新大久保に一緒にきたらしい。韓国料理はけっこう口にあったらしいが、韓流ショップに何軒かつきあったツレアイ氏は一回で懲りたらしく、今回はお留守番とのこと。

新大久保コリアンタウンのマップはこちら
合流してから「サイゼリヤ」で軽くお茶をして、その後で何軒か韓流ショップにつきあう。姪っ子2はすでにインターネットで欲しいグッズの目星をつけ相場の価格もチェック済みで、ショップによる値段のバラツキに感心している。私はおそらく立地のよい繁盛店は強気の値段で、ちょっと裏通りの目立たない店は安いはずとアドバイス。「なるほど~」と納得してもらった。

しか~し、あまりにも韓流ショップは若いお兄ちゃんたちの写真のついたグッズにあふれ、私は「お兄ちゃんあたり」してしまった。ペ・ヨンジュンやイ・ビョンホンは既におじさんの部類で、やけにヤサヤサしたお兄さんばっかり~。おじさん好みの私には「ガキンチョ」にしか見えな~い。私はグンソク君には反応できまへん(妹2、ごめんよ~)。

「冬のソナタ」のオンエア初回のベタな音楽で盛り上がるところで挫折して以来、韓流ドラマには手を出さずにきたが、友人が「チャングム」のキャリアウーマン話にハマっているという話を聞いて、歴史物ならいいかもしれないと、日曜夜のNHKの「イ・サン」を頑張ってみている。日中の合作で原作と別物になっていた「蒼穹の昴」をちゃんと観ていたので、その後を観ているというノリもあるが(^^ゞ
その「イ・サン」の主人公も、結局はグッズの中には見つからなかった。

ようやく職安通りにたどりつき、散策途中で妹がGETしていた10%割引クーポン付チラシのお店「王様」に入ってみた。地下のお店の方が冷房が効いているんじゃないかというのも選択の決め手(今回の4人は全員身体が弱いからねぇ)。今年の5月オープンということで店内も綺麗でよかった。
ネット検索したらお店のサイトはみつからなかったが、
「韓流男子」さんの記事がよくわかるのでご紹介。私たちもこのヨン様の写真がおいてあるテーブルだった(笑)

冒頭の写真のようにお通しの4皿がついたけどちょっと少な目。サムギョプサルセット(2人前)に豆腐のチゲと海鮮チヂミを注文し、お酒はせっかく大人数だからと生マッコリを頼んだら、ボウルにおたまのようなものに入ってきてびっくり!娘は水でいいからと残り3人で飲んだが、一番の呑兵衛は姪っ子2で、心ゆくまで飲んでちょうだいモード!

私も生マッコリは初めてでけっこう美味しく面白かった。サムギョプサルの肉を焼いたり鋏で切ったりするお給仕のお兄さんが飲む前も箸でかきまぜて飲むようにとやってみせてくれ、そうして飲むと味が違うのがわかる。上澄みはうす甘いが、下に沈殿する部分に旨みと酸味があるようだ。
姪っ子2にはお土産に写真集を買い、なぜか娘にもミニ写真カレンダーを買ってやってしまった。その元「東方神起」のなんとか君が中学の時に好きだった人に似ているのだと胸きゅんしている姿がちょっと可愛かったせいかもしれない。ああ、甘やかしだ~。
皆さん、お疲れ様~。

さあ、家で「イ・サン」を観ようとシャワーから急いで戻るとNHK総合TVはウインブルドンの決勝の中継で、ドラマはお休みだった。「なんだよ~、私はテニスはどうだっていいんだよ~」とやさぐれる。

いいもんね、明日は「亀治郎の会」の松竹歌舞伎会の会員先行予約がんばるもんね。私には亀の方が可愛いもんねと寝たのであった。

ちゃんと、「亀治郎の会」の3等席をGETできた!
韓流に燃えられない私は、韓国旅行を辞退した方がいいかもねぇと弱気モード。娘はビューティグッズを買いあさりたいらしいし、博物館に行きたいメンバーはいるのかなぁ。