12/09/29 朝ドラ「梅ちゃん先生」最終回の日にたまたま蒲田に行っていた(笑)


NHKの朝ドラ=連続テレビ小説「梅ちゃん先生」は、その前の「カーネーション」に続き、かなり面白く見せてもらっていた。その最終回が9/29(土)で、朝のオンエアを見て、出かける用意をし、チケットウェブ松竹で「第八回 三響會 十五周年記念公演」のチケットをGET。
そして、玲小姐さんの歴史散策シリーズの池上本門寺のリベンジ企画に出発~。

前回の池上本門寺散策の時は、五反田から東急池上線に乗ったのだが、今回は蒲田から乗るルートとのこと。蒲田からだとすぐに池上に着く。本門寺の参道の途中にパンフレット置き場があって、「東急池上線開業90周年」というものもあり、目を通してみると、蒲田~池上間で開業し、後に延伸し五反田~蒲田間が全通したとあった。なるほどとガッテン。

前回は横なぐりの雨という悪天候となって境内にある庭園まで散策できなかったことと、参道の久寿餅屋さんに入れなかったことからのリベンジ企画だったのだが、今回はしっかり久寿餅屋さんに入れた。そこに置いてあったパンフレット類の中に「大田区まち歩きNews第3号」があり、最後のページに「梅ちゃん先生」関連イベント情報が載っていた。そこであらためて梅ちゃんのまちが蒲田だったんだと気がついた!!

さらに「梅ちゃん先生」最終回を見る会という企画まで載っていて、そういえば最終回の日にたまたま蒲田に来ていたことにも気づいて可笑しくなってしまった(笑)これはきっと忘れないだろうなぁ。

池上本門寺散策編はまた後日ということにして、蒲田がらみでしめくくろう。
散策後に蒲田に戻り、駅ビル=蒲田東急プラザのレストラン街にあった豆腐・湯葉料理専門店「絶品豆腐」で夕食とおしゃべりをして打ち上げ。
冒頭の写真が28日に始まった新メニューの蒸ししゃぶセット。豆腐と湯葉の入った蒸ししゃぶ鍋、雑穀ごはん、吸い物かとろろ汁かを選んでとろろ汁にして正解。食後に豆乳チーズケーキ 濃抹茶アイス添えとコーヒーもいただいた。

女子高の同級生3人とあいらぶけろちゃんさんという散策のお馴染み仲間の皆さん、お疲れ様!今回は七五三の撮影がずれこんだということで、本門寺の庭園見学がまたできなかったので、再リベンジ企画が決定してしまったので、その時はまたよろしくお願いします!!!
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


12/09/25 秀山祭大歌舞伎千穐楽夜の部(1)「京鹿子娘道成寺」と観劇前の歌舞伎座工事現場


秀山祭大歌舞伎は昼の部を17日、夜の部を千穐楽の25日に観劇。
開場が来年の4月にと近づいてきた新しい歌舞伎座の工事現場。懐かしい旧歌舞伎座の面影を感じさせるファサードの形ができてきたという噂が耳に入っていた。千穐楽観劇前に自分でもしっかり確認できた。携帯で撮影したのが冒頭の写真。
松竹歌舞伎会のこけら落し公演の先行予約会員になる条件の75ポイントがクリアできるか途中でやきもきしていたが、目途がついた今はちょっと安堵している。

今回の秀山祭は播磨屋の芸を染五郎に継承することに力点が置かれているように思っていたが、肝心の染五郎が8月末の舞踊会での大怪我で休演。その分、吉右衛門や歌六、梅玉が気迫あふれる舞台を見せてくれている。まずは、夜の部最後の福助の「京鹿子娘道成寺」の感想を簡単に。

七世中村芝翫を偲んで【京鹿子娘道成寺】「鐘供養」から「押戻し」まで
昨年の秀山祭が父の芝翫の最後の舞台となり、芝翫追善企画ということで新橋演舞場のロビーには下の写真が掲げられていた。

Wikipediaの「娘道成寺」の項はこちら
2010年8月花形歌舞伎で観た福助の「京鹿子娘道成寺」の記事はこちら
今回の配役は以下の通り。
白拍子花子=福助 大館左馬五郎=松緑
所化=松江、亀寿、宗之助、他
後見=児太郎、芝喜松
今回も「押戻し」がつくので「道行」はなく、「金冠」から。「道成の卿承り~♪」と謡いが入るが、囃子方のの田中傳左衛門が「イヨー~」と受けてというのが何回も繰り返され、その繰り返しの多さにちょっと驚いた。ちょっとくどく感じたが、いつもこんなだったろうか?

その後の踊りのテンポもゆったりというかかなり遅く感じてしまった。六世歌右衛門の道成寺がゆっくりとしたテンポだったのかもしれないとは思った。しかし、それにしてもあまりにも遅く感じられるテンポだったので、長唄さんたちもこんなに遅いと大変なのではないかと思ってしまったくらいだ。
千穐楽でもあり、たっぷり!という間をとって踊りたかったのだろうかとも推測したが、申し訳ないが、私には我慢が必要だったのが本音。
裃後見の肝心なところはやはり芝喜松が付いていたが、見慣れない若い女方姿の後見がもう一人いることに気がついた。誰かと思って観ていたが、終演後に児太郎だったとわかった。要は、子息にしっかり見せようと行儀よく丁寧すぎるほど丁寧に踊ったのかもしれない。

花笠の場面の白地に桜の刺繍、ところどころに紫で染め模様のある衣裳は2010年8月と同じと思われる。前回は行儀よく踊っていて好印象をもったのだが、今回は残念な感じ。
鱗四天の「トウづくし」の内容は千穐楽がらみのものもあった。後シテの福助は汗でくずれるのか隈取がくずれてしまっているのが惜しい。せっかくなので、くずれにくくする工夫をしてもらいたい。
松緑の大館左馬五郎は揚幕での第一声からよく、花道に出てきた隈取が似合う顔の立派さ、姿のよさに感心!本当は、福助の道成寺は「鐘入り」まででよいのにと思ってしまうが、そうすると松緑の出番が無くなるし、配役のバランスをとる上ではまぁ仕方がないのかなぁとも思った。

今年は澤瀉屋の団体襲名が話題となったが、成駒屋もいっそ兄弟揃って襲名(歌右衛門、芝翫)すればよいと思っている。四世芝翫は立派な立役だったし、橋之助が継ぐにふさわしい名跡だ。新しい歌舞伎座で福助が道成寺を踊るのは襲名披露公演ではないかと予測しているが、ぜひとも見応えのある花子を見せて欲しいと願っている。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


12/09/22 お彼岸+敬老をいっぺんに(^^ゞ


局地的にひどい雨が降ったりやんだりする天気の中、22日(土)の朝、関係者の体調もよくはないけれど、なんとか大丈夫そうということで、お墓参りを決行することにした。

北本の妹2夫婦とうちは母娘の2人が実家に集まって、母を拾い、まずは遅いランチになった。道が混んでいたのはお彼岸のせいか連休のせいか、集合もけっこう遅くなり、さらにまたデニーズの料理が遅くて食べ終わったら3時になってしまった。

さらに、介護保険の家事援助サービスで週に2回のお掃除をお願いしているのだが、掃除機のホースが古くなって使いにくいとヘルパーさんから愚痴を言われると、母親がそれを愚痴っているというので、デニーズの真向いにあるヤマダ電機で掃除機売り場をチェック。
最近の掃除機は紙パックを使わないタイプでゴミ捨てがしやすい設計のものがよいのだという。妹2も名古屋の妹1もイチオシはシャープのサイクロン方式のもので、ちょうど広告の品があった。その場で母親にもその肝心の部分をやってみせて納得してもらい、姉妹二人で敬老のプレゼントということにして即買い!

それから「思い出の里」に向かったが、閉園になってしまうのではないかと心配しながら午後5時頃に到着したが、大丈夫だった(^^ゞ
さすがにお彼岸ということで、どちらのお墓にもお花が添えられている。そういうズバリの時期にきたことがなかったので、壮観に感じた。3階建ての屋内墓地の3階だし、まだ外は明るかったが、5時ということで照明も入った。上から芝生墓地を見渡すとこんな時間でもお参りにきている人はけっこういて、まぁ、いいかという感じ。

最近のお墓参りにつきものなのは、スーパー銭湯。道なりに看板が出ているのを電話番号をチェックして今回行ったのは、さいたま市見沼区の「小さな旅 むさしの湯」。今日は炭酸泉に入りたいという妹2のたっての希望にもぴったりで、回数券割引のキャンペーンの最中だったので、それも利用できてgood!日替わりで男女のお湯が替わるということで、女性陣はこの日は「石の湯」へ。ぬるめの炭酸泉に浸かったり寝っ転がったりして15分しっかり入ってきたら血行がよくなっていい気分。

中では食べず、実家近くに戻ってガストへ。結局、夕ご飯も全員で食べることになってしまった。ファミレスが続いてもまぁこれくらいなら大丈夫というか、各人好みや食べられる物がバラバラなのでけっこう食べるところ選びが難しいことからこうなってしまう。こういう時、母が新聞折り込みの広告のクーポン券をしっかりと持っているのが役に立つ(笑)

実家に母を送り届け、新しい掃除機の使い方もざっとレクチャーし、取扱い説明書はすぐにファイル。古い掃除機は引き取って処分は妹2がやってくれる。
私と娘は最寄駅に送ってもらって解散。
これでお彼岸と敬老の日の行事をいっぺんにすませたが、次の日曜日はほとんど雨降りだったので、ぐだぐたと過ごして休養の日にした。娘は予約しておいた「iPhone 5」を引き取りに父親と一緒に出かけてしまったので、気が抜けてしまったというのもある(^^ゞ明日から大学も秋学期開始。さぁ、ちゃんと行ってくださいよ~。

冒頭の写真は、2008年4月に父が亡くなる3ヵ月前の1月に買ってあまり使わないでいた実家のマッサージチェア。このほど、市の老人施設に寄付することが決まった。駅前通りに高齢者のたまり場となるスペースが開設されていて、月に一回の独居老人の昼食会の後に立ち寄ってお仲間とお茶を飲みながらおしゃべりをする機会があり、そこで顔なじみになった市の福祉の部署の職員さんと、「敬老の日」のイベントで再会して急遽、話がすすんだのだという。
そのマッサージチェアの買い替えの際、母は私の事前合意もなしにお古の方を私の家に運ばせるということもやってくれたが、さすがにこのマシンはうちのマンションの居間には大きすぎる。一戸建てに住んでいる妹二人も母が送料をもつからと言っても大きすぎるからと断っていて、どこかで役立てていただきたいと思っていたのが実現した。

父の生前の2005年にピアノを処分今年のGWに屋根裏収納の片づけも決行し、少しずつ実家の片づけがすすんでいる。
うーん、まずい、自分の家の方の片づけもやらなくちゃなぁと思うのだが、ここらへんでいつも力尽きている(苦笑)


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )


12/09/02 蜷川シェイクスピア「トロイラスとクレシダ」さい芸千穐楽 神々に弄ばれる人間たち


蜷川シェイクスピアのオールメールシリーズは大好きで、前回の「じゃじゃ馬馴らし」は実に素晴らしかった。今回はその時に主役2人の脇でルーセンショーとビアンカという美男美女カップルを演じたコンビがタイトルロールということで、2人のさらなる飛躍を期待した。
またこれまでのオールメールは喜劇ばかりで、今回が初の悲劇だという。「トロイラスとクレシダ」は上演が稀な演目で、トロイ戦争の最中の物語だ。
トロイ戦争がらみの悲劇は、2000年の「グリークス」三部作から2006年の「オレステス」まで観ているし、山形治江著『ギリシャ悲劇 観劇ガイドブック』(れんが書房新社)も通読しているので、今回も主な登場人物は把握した上で観ることになるので、戯曲を買っての予習は省いてしまった(^^ゞ
Wikipediaの「トロイラスとクレシダ」の項はこちら

【トロイラスとクレシダ】翻訳:松岡和子
出演:★トロイ方
トロイラス=山本裕典、クレシダ=月川悠貴、
パンダロス=小野武彦、カルカス=岡田 正、
プリアモス=妹尾正文、ヘクトル=横田栄司、
パリス=佐藤祐基、デイポポス=田中宏樹、
ヘレノス=井面猛志、カッサンドラ=内田 滋、
アンドロマケ=山下禎啓、アエアネス=間宮啓行、
トロイラスの小姓=谷中栄介、アレクサンドロス=福田 潔
★ギリシャ方
アガメムノン=廣田高志、メネラオス=鈴木 豊、
ネストル=塾 一久、ユリシーズ=原 康義、
序詞役・テルシテス=たかお鷹
アイアス=細貝 圭、アキレウス=星 智也、
パトロクロス=長田成哉、ディオメデス=塩谷 瞬、
ディオメデスの召使=尾関 陸、ヘレナ=鈴木彰紀、ほか

公式サイトの公演詳細情報より、以下あらすじをほぼ引用。
トロイ戦争のさなか、トロイの王子トロイラスは、神官カルカスの娘クレシダに狂おしいほど思いを寄せていた。クレシダの叔父パンダロスの取り持ちによって、2人は結ばれる。永遠の愛を誓い合った2人だが、捕虜交換によりクレシダは敵国ギリシア軍へ送られる。時がたち、軍使としてギリシア陣営に訪れたトロイラスが見たものは、新たな恋人ディオメデスと抱き合っているクレシダの姿だった―。

開幕すると向日葵の大きな花が一面に咲く野原。序詞役がこの芝居の設定を物語る。その中で、この舞台はトロイで、希望の女神がトロイとギリシャの双方のやる気を代わる代わるくすぐるので勝敗はどう転ぶかわからないと言う。
そもそも戦争の発端は、トロイの王子パリスがスパルタ王メネラオスの妃ヘレネと恋に落ちてトロイに連れ帰ってしまったこと。だがこれも、3人の女神が一番美しいのは誰かという審判をパリスにさせて、世界一の美女をエサにアフロディテの買収が成功したから生まれた恋愛沙汰なのだから、もうどうにもこうにも人間が神々に弄ばれて戦争をしているというしかない。だからそんなに大真面目に観る必要がないと気楽な私だ。

ギリシャ神話の神々は人間との間に子をもうけ、そういう半神半人が平気で人間たちの中にいるという設定自体、現実離れも甚だしい。ヘレネも然り、アキレウスも然り。そういう半神半人は人間離れした美しさや強さを備えている。

Gカップ並のつけ胸をつけた長身の鈴木彰紀が演じるヘレネは人形のように美しく、パリスが虜になるのも無理はないと男兄弟はみなかばう。また、ずば抜けて長身の肉体派星智也が傲慢の極致のアキレウスを好演。アガメムノンに恋人を奪われたせいで戦線離脱し、親友のパトロクロスとテントの中でゴロゴロしているというが、あきらかに両刀使いと思わせる、エロい仲である。

テントから出てくる姿は情事のあとらしく、腰に布を巻いたり、ひまわりの花をつけて前を隠しているだけだったりし、後ろ向きに綺麗なお尻を披露してくれたりする。蜷川の舞台は身体をさらけ出させることが少なくなく、トロイラスの山本裕典も引き締まって腹筋の割れた美しい上半身をさらけ出していた。最近のTVドラマ「GTO」で主人公のダチでお馬鹿風のお巡りさんを演じていた同じ役者とは思えない熱演が素晴らしい!

お互いの名誉のために勇気をふるって戦うという大義名分のための戦争になっている。ヘレネを返せばギリシャ軍は引き上げると言ってきた時、トロイ王の長子ヘクトルは弟パリスにヘレネをあきらめて返せと説得する。しかしながらギリシャ方が叔母を返さない以上、ヘレネを返す必要はないとトロイラスまでもパリスの味方をし、結局はヘクトルも弟の名誉のために戦おうと決断。戦争の膠着状態を脱するために、ギリシャ陣営に一騎打ちをもちかける。
その相手に誰がなるかというところでもひと悶着が起きる。ギリシャ方の老将たちが知略をめぐらしたからだが、そこで出てきたアイアスはヘクトルの従兄弟だったため、一騎打ちは取りやめになる。トロイ王の妹がギリシャ方の捕虜になっている間に生まれたのがアイアスだという。ということは、両国はずいぶんと長い間、敵対関係にあったらしいことがわかる。

一騎打ちをやめ、その翌朝に決戦を約束してお互いを讃える宴会になり、出陣の朝を迎える。兄の出陣を狂気の妹カッサンドラが止める。ヘクトルの死とトロイの滅亡を予言するのだ。「グリークス」では滅亡したトロイから凱旋したアガメムノンの妾にされていたが、自らの死まで予言していた(妻のクリュタイムメストラに殺される)。その高貴な王女ぶりと今回の狂女としての描かれ方のギャップにちょっと驚いた。しかし調べてみると彼女は言いよってきたアポロンを拒絶した際、予言の力をもつがそれを周囲が理解してくれないというアポロンの呪いをかけられていたのだった。

妻のアンドロマケにも自分を止めないように言い渡して、名誉のために出陣していくヘクトル。横田栄治のヘクトルはトロイ最高、いやこの舞台で最高の英雄らしい存在感があり、彼の死によってトロイが滅ぶ必然性を感じさせた。
向日葵の野での戦闘シーン。数多くすっくと立つ向日葵の間を縫ってのものになるので立ち回りが大変そうだ。役者たちに大きな負荷をかけることが大好きな蜷川の演出らしい(^^ゞそしてパトロクロスがヘクトルに捕まり殺される。
参戦拒否をしていたアキレウスだが、愛人を殺されて復讐を誓い猛然と参戦。ヘクトルを追いつめてついに殺す。さらに戦車につけて引き回すように部下に言いつける。これでトロイの滅亡の運命は定まった。

さらにこの物語には出てこないが、パリスが生まれた時に「トロイを滅ぼす子だ」という予言のため山に捨てられたのだという。結局、トロイが滅び、ギリシャが繁栄することは、神々によってあらかじめ決められていて、人間はその路線上で弄ばれていただけだということか?戦争に勝った国のギリシャ神話を元にした物語なのだから、そういう描き方になっているのだろう。
それを後世のシェイクスピアが、人間が神々に弄ばれたということにして、人間の愚かしさをストレートに描かないようにしているのだとすれば、それも実にシニカルな描き方になっていると思わざるをえない。
ギリシャ方の道化のテルシテスがこの戦争の愚かしさを痛烈に皮肉っている(たかお鷹が序詞役も兼ねて作品の輪郭をくっきりと見せてくれた)。自分は名誉をかけて戦う立場になく、一人離れた立場で客観視している。その皮肉な目はシェイクスピアの目そのものだろう。
さらに、それをまた蜷川幸雄が現代の日本で苦い悲劇の舞台として見せてくれたと思うと、実に実に面白かった。

とここまで、トロイ戦争の進展を中心に書いてしまったが、タイトルロールの2人の恋愛についてもちゃんと書く。「踊る大捜査線」の部長で人気の小野武彦は初の蜷川作品とのこと。若い2人の取り持ち役を軽妙に見せてくれた。
クレシダはトロイラスを愛しているのに素振りもみせない。男というものは言いよってくるうちが誠実で落ちてしまえば女への気持ちは豹変すると思い、ガードを硬くしている。実に理性的な女性だ。月川悠貴の美しくクールで硬質な女方ぶりがタイトルロールにふさわしくグレードアップしていた。
それに対してトロイラスの山本裕典は、青臭く分別は足りないが情熱でつっぱしる王子を熱演。クレシダだけにしか目がいかない。自分が一途に愛しているので相手もそうしてくれると思い込んでいる。
しかしながら女には捕虜交換に行くことも拒否できず、敵国で暮らさなければならないのであれば、戻れない国に残した恋人よりもその国の男で頼れる者がいれば庇護を受けていくことで生きていくという選択もありだろう。先にアイアスを生んでいるプリアモス王の妹がよい例だ。これも苦悩の上でのクレシダの理性的な決断であり、「不実なクレシダ」というレッテルを後の世に貼ったのは男中心の価値観の時代のせいだろう。

若くて直情径行な青二才のトロイラスは幕切れまでには死なない。しかしながらその後、やはり死んでしまうらしい。まぁ、この主人公は死んでも仕方がない人物だねぇと思うしかない。同じように愛する女に裏切られたメネラオスは最終的にヘレネとよりをもどしているのが対照的だ。純愛に命を投げ出すというのは、実は青臭く愚かしいことなのではないかと思えてきた。

それとアポロンに言及してさきほど思いついた。向日葵の花は太陽の方を向いて咲いているという。その向日葵の咲く国の王女が太陽の神アポロンを拒絶したことの報いというイメージも重なってくる。
この皮肉にみちた苦い物語を面白く見せるという演劇的な仕掛けとして、オールメールキャスティングが実に効果的だったと思う。そしてベテランと若手の配役のバランスが絶妙で、若手の成長ぶりが実に頼もしく思えた。これも蜷川マジックだろう。
そしてこの勢いで東京芸術劇場12月公演の「トロイアの女たち」につながっていくのだろうか?これだから蜷川幸雄演出の舞台から目が離せない!!

さいたま芸術劇場千穐楽のカーテンコールは、舞台に蜷川夫が呼びこまれないと客席が赦さない雰囲気の拍手で湧く。上下とも黒い服で歓呼に応えていた。さらに山本裕典も一言挨拶するよう共演者に促された。「今日で(東京言い直して)さいたまが千穐楽になりましたが、全国巡業があるのでよろしくお願いします」というようなことを言っていた。可愛いねぇ。
冒頭の画像は今公演のチラシ画像。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 1 )


12/08/31 三津五郎ほぼ一人芝居の「芭蕉通夜舟」俳諧における大衆性と芸術性の相克


井上ひさしの生前から喜寿のお祝い企画として検討されながら、没後に取り組まれることになった「こまつ座/井上ひさし生誕77フェスティバル2012」。そのうち4作品のチケット半券を示せば“特製チケットホルダー”をプレゼントというキャンペーンにも取り組まれている。「日の浦姫物語」を観ればクリアするので楽しみ。

井上ひさしの作家の評伝劇は何本も観ているが、俳人は初めて(「小林一茶」も観ていない)。今回の松尾芭蕉を描く作品はほぼ一人芝居。そして坂東三津五郎が初めて井上作品に挑むということで歌舞伎観劇のお仲間でご一緒に観ようということになった(^^ゞ

【芭蕉通夜舟(ばしょうつやぶね)】作:井上ひさし 演出:鵜山仁
出演:松尾芭蕉/船頭=坂東三津五郎
   朗唱役=坂東八大、櫻井章喜、林田一高、坂東三久太郎
冒頭の場面も舟の上。前口上の中で役者が自分の名で挨拶し、これから芭蕉を演じると堂々と言う。上流階級の嗜みだった和歌や連歌に対し、庶民が短詩型の文芸を楽しむものとして俳諧之連歌が生まれ、五七五と七七を連ねていく連句が大流行。36句連ねることを「歌仙を巻く」といい、それになぞらえて36景の芝居となっているとも説明。

それから伊賀上野の藤堂家の若君の俳諧の道づれとして抜擢され台所方の奉公人として仕える19歳の若者になる。若君の舟遊びに従って舟の上で火を起こしているところから。しかしながらその若君は早逝し、芭蕉は俳諧の師匠を頼ってその道で食べていくしかなくなる。
町民などが主催する俳諧の席に出て進行役や添削評価をする俳諧師という職業で芭蕉も次第に頭角をあらわしていく。江戸俳壇で地位を築き、門人の杉風の深川の家に庵に結び、他の門人が贈った芭蕉がよく茂ったので「芭蕉庵」「芭蕉」となったらしい。
3月の深川散策で行った富岡八幡宮に芭蕉を祀った社があったことを思い出す。

お上が経済引き締め政策をとると俳諧文化は打撃を受け、そういった中で談林俳諧で活躍していた上方の井原西鶴も作家に転換したらしい。同様に談林俳諧で食べていた芭蕉だが、和歌や謡曲をもじり倒すような流行に辟易し、独自の道を歩み始める決意を固める。全国を漂白しながら歌を詠んだ能因、西行にならい、自分も剃髪、僧形となり行脚を始める。

芭蕉の思索や句作の苦闘の場面はいつも雪隠。しゃがみこんだ便座の金かくし部分の板を握りしめての苦悶というパターンを繰り返す。前口上の中で、芭蕉は一人になりたいと強く願い、一人になれる場所は雪隠だからそういう場面が多くなるとあらかじめ予告してくれているので、その場面になると客席はあきれるというよりも笑ってしまうのだ。芭蕉の思索や句作はもう「ひり出す」という感覚らしい。さらにその木製の便座はひっくりかえすと文台にもなる優れものの小道具で、驚いてまた笑ってしまう。

「閑さや岩にしみいる蝉の声」は当初「しみこむ」だったのを「い」の音を重ねたいと、一句一句を推敲に推敲を重ね、言葉を絞り出す芭蕉。天才型ではなく努力の人だったのかと納得。
36景の舞台転換は4人の黒衣姿の朗誦役がてきぱきとこなす。書割や小道具を運び、頭巾を上げて進行の説明もし、差し金で蛙や赤蜻蛉も飛ばす。さらに4人で芭蕉を乗せた台を回す盆回しまでやる。だから「ほぼ一人芝居」。

『野ざらし紀行』の中にある捨て子のエピソードも盛り込まれたが、本当は食べ物を投げ与えてそのまま去ってしまうところを、井上ひさしは戻って手をさしのべさせてしまう。抱き上げたら息の根は止まっていたのだけれど・・・・・・。芭蕉の時代は行き倒れて野にさらされたままの髑髏があるのも特別なことではなく、責任を持てなければ捨て子を拾うという人道性の発揮も当然ではない。そのような無常感を持ちながら、一人一人が必死で生きていくしかなかったのだろう。

人は「天命」に従って一人で生まれて生きて一人で死んでいくものだという感覚が、今の私にはある(もちろん「天命」というものは自分が生きる中で見つけるものだ)。それがこの作品の芭蕉像と実によく重なり、共感また共感に包まれながら見入っていた。
「時めいていた過去」と「滅ぶしかない未来」を漂わせるのだともいう。「夏草やつわものどもが夢の跡」などの句もそれに該当するのだろうか?すべては生成・発展・消滅するものだが、だからといってそのことが無意味なのではなく、その過程にこそ意味があるし、味わうべきものもあると思っているので、こういう感覚も共感至極。

井上ひさしの芝居は下ネタが盛り込まれているものだが、あまりに雪隠の場面が多いからか(笑)、お色気の場面は象潟の海士の苫屋に泊った時に他人の情事を覗き見できてしまったというくらいのものだった。蛸と女人の浮世絵で言わずもがなにするのが憎い。

「荒海や佐渡に横たふ天の河」の場面では、舞台に穴の開いた幕が広げられたと思いきや、舞台奥からの照明で客席の脇の壁や天井に天の河が出現した。その美しかったこと!
旅から戻った芭蕉は、ついには文台も投げ捨て、庵も売り払って旅の中で詠む暮らしをする決意を固める。「侘び」、「さび」とか「新しみ」、「軽み」とか、さらに芸術性を極めていく道をすすんでいくが・・・・・・。

そして最後も舟の上の場面。舳には芭蕉の棺が乗せられて朗誦役は門人役として乗り込んでいる。だから「通夜舟」なんだなぁと納得(大阪で客死した芭蕉を遺言に従って粟津の義仲寺に埋葬すべく、伏見まで川を上っている)。
三津五郎はその船頭になっている。その船頭はなんと女房の目を盗んで俳諧の道にのめりこんでいる。嬉しそうに「俳諧のコツは、俗っぽく、ちょっとふざけて、目先を変えて」などとひとりごちている。
俳聖と呼ばれるまでに芭蕉が極めた俳諧の世界は、こうした庶民のところまで広く継承されることはない。実に皮肉のようだが、ちょっとかじった素人の作品でも先生が褒めてくれるのが嬉しくて、礼金をへそくりで払ってまで俳諧を楽しんでいる。三津五郎は苦悩する芭蕉の役もよかったが、こういう三枚目の庶民の役にも軽みが自然に出ていて実によい。
まさに「大衆性と芸術性の相克」が俳諧の世界にもあることを突きつけた幕切れだ。これはあらゆる芸術・芸能・文化の領域にあることで、いずれも必要なことなのだと理解している。そう受け止めてしまえば、この幕切れも実に味わい深いものだった。

作家を主人公にした評伝劇シリーズは井上ひさし自身が投影されているが、この作品にもそれが強く感じられた。松尾芭蕉の人生や作品についてもっと知りたくもなった。
また、三津五郎が実によかった。歌舞伎以外の現代劇にも意欲的に出演を重ねているのが結実したのだろう。また、襲名以来俳句を始めていたということでこの膨大な台本がすっと頭に入ってきたのだとのこと。同様に俳句を嗜む小沢昭一という怪優に当て書きされた脚本でハードルは高かったと思われるが、三津五郎はそれを超えていった。それを観ることができたのも嬉しいことだ。

三津五郎は10月の国立劇場で「塩原多助一代記」を主演する。塩原太助という実在の人物を踏まえた芝居ということで、これも楽しみだ。

ネット検索でみつけたサイト「あの人の人生を知ろう」の「松尾芭蕉の生涯」の項はこちら
「俳聖 松尾芭蕉・生涯データベース」の「芭蕉の晩年と墓所義仲寺」の項はこちら
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )


12/09/08 浅草公会堂チャリティ企画「伝統芸能の今2012」夜の部で大盛り上がり!


市川亀治郎×三響會で2009年に始まったチャリティ企画「伝統芸能の今」を初体験!
開演前のロビーの行列はチャリティの募金受付とプログラム販売に並ぶものだった。奥なのでわかりづらかったが、階段の上に続く列がすすんでいくと2つに分かれ、募金受付は猿之助、亀井広忠たち3人が並んでいて、プログラム販売は愛之助と田中傳次郎の2人。売り上げも募金に回すということだったので、そちらに並び、愛之助から購入してしっかり握手もしていただいてしまった!
このところの勢いに乗って、6500円の席を張りこんだら端席だが5列目GET!!その関係で「対談」後の幕間、この企画に初参加の愛之助の直筆サイン入り舞台写真先着10枚に間に合ってしまった。この日は何やら愛之助デー(笑)

【新作狂言劇 源平双乱「六道の辻」】茂山逸平作
閻魔大王=市川猿之助 平忠度=茂山逸平
源義平=片岡愛之助
囃子=田中傳次郎 笛=一噌幸弘
地獄に落ちる亡者が減ったため、閻魔大王は自ら地獄ゆきの亡者を増やそうと六道の辻に出向いてきたが、誰もいないので居眠りを始める。そこに平清盛の弟忠度がやってくる(昨年の国立劇場歌舞伎公演で團十郎が演じた薩摩守忠度)。ところが金への執着が激しいキャラ設定がどうも義弟の時忠っぽい(笑)「地獄の沙汰も金次第」とうそぶき、腰に大きな金の袋を下げている。
そこに大音声を響かせて薙刀を振り回しながら悪源太義平がやってくる。修羅道に落ちていたが、平清盛が死んで極楽に行ったと聞きつけて、追いかけているという。
そこで源平の亡者が鉢合わせして諍いを始めるが、閻魔大王が目を覚まし・・・・・・追いつ追われつして3人とも姿を消すのだが、忠度の持ってきた金の袋は後からやってきた後見さん(広忠さん??)が捧げ持ってきた募金箱に入れての幕切れ。という実にチャリティ企画らしい筋書になっていた(大笑)
茂山逸平の本格的な狂言と、歌舞伎役者二人は後の対談で猿之助が「狂言もどき」と言っていたように、全く次元が違うのであえて「狂言劇」としているということだが、これはこれでコラボ企画として面白いということが重要。
それよりも公演の後半日程に参加している笛方の一噌幸弘の演奏に驚いた。横笛ではなく邦楽にはない
縦の笛で2本持って左右の指でそれぞれに穴を押さえて違うメロディをいっぺんに吹いている!持ち替えていくつも種類を変えるし、中には角笛まで使っていた。
邦楽の枠さえ超えている企画にびっくりし、広がり融合する可能性を感じてしまった。

【対談】
舞台中央に赤い毛氈をかけた床几が二つ。田中傳次郎、市川猿之助、片岡愛之助、茂山逸平が登場し、傳次郎が司会進行役をつとめる。
まずは、チャリティ企画の寄付先の2団体の代表の方からご挨拶をいただいてのやりとり(「公益財団法人 がんの子どもを守る会」(ゴールドリボン)と「認定NPO法人 世界の子どもにワクチンを日本委員会」:プログラムに活動が詳しく紹介されていた。まぁチャリティ企画のプログラムだから当然か!)。
若手の芸能者が社会に目を向けて自分たちができることを始めていて、それでこういう企画が始動したわけで、猿之助は昨年の3.11以降の生き方の変化にも言及し、私の聞いた過去のトーク企画も彷彿した。

後半は伝統芸能のジャンルを超えたコラボ企画についての対談。40歳になったばかりの愛之助をのぞくと全員30歳台ということでほぼ同世代。20代では古典的な技術をしっかり身につけることに重点を置いてきたが、30代に入ってからジャンルを超えた交流をさらにすすめ、コラボレーションに取り組みだしたのは、みなこのままではいけないという危機感を共通してもっていたからだとのこと。その積み重ねの中で化学反応のように新しいものが生まれてきているという。
狂言劇は茂山逸平が作ったが、どんどん自分の手を離れ、アウェイ感が強まったとか言って笑わせた。朝ドラ「オードリー」で全国区になった彼だが、実にいい雰囲気だった。

一世代上で傳次郎が先生と呼ぶ一噌幸弘もさまざまなアーティストとのコラボ企画を展開されていて、笛の多重演奏にもつっこみが入り、最高は5本をいっぺんにくわえて吹くという!!ルネッサンス・リコーダーとかの洋物の笛の名前も飛び出した。一噌先生の天然キャラも炸裂して、盛り上がる。

そして、8日この日だけの特別ゲストが招き入れられた。傳次郎が共演した際に告白し、お願いし、今日だけ日程の都合がついたとのこと。津軽三味線プレイヤーの上妻宏光(あがつまひろみつ)だった。そして特別に2曲(アレンジつきのじょんがら節とオリジナル曲)をその場で演奏してもらえるというサプライズで盛り上がりは頂点に達した。私は津軽三味線大好き派なので聞いているうちにこの音楽を生み出した津軽の厳しい風土とそこに生きる人々のイメージが湧いてきて涙腺が緩んでしまった。猿之助は上妻の左手に見入っており、愛之助にそれを耳打ちしている。その表情から「自分も三味線を弾くがあの左手で弦を弾く弾き方はできないよなぁ」という感じが見て取れた。やはりその後のトークもそこに触れていた。

伝統芸能の枠を超えて新しいものが生まれてくる取り組みへの期待が高まり、最初はぐだぐだと迷走しそうだった対談もぐっと引き締まって幕となった。
それと長兄広忠はチャリティ部門を主に担当。幕間の特別グッズ(4人のサイン入り鼓の革、愛之助のサイン入り写真)を案内し、かけつけたらしっかり売り子をつとめていたけれど(笑)

【創作 「龍神」】一噌幸弘作曲、田中傳次郎作調、市川猿之助振付
狂言劇で20分、この舞踊で15分と演目自体は短く、メイン企画はやはり対談(^^ゞ
最後の竜神の扮装になるのに休憩20分はやっぱり必要だろう。
青色のカシラに竜神像を頭につけた姿は文楽で見た「小鍛冶」の狐明神のようだ。神の使いの化身などの場合につけるのだろうと思う。袴には白い雲、小袖には黒い雲と稲妻だろうか、肩脱ぎになった下の着物には銀の波模様。猿之助の青やグレーの隈取をとった顔が引き締まっていて素敵だ。
一噌先生(笑)は笛を3本使いで吹いていて、その不思議な音の中で竜神が空を舞いながら飛ぶ様を踊る姿が幻想的に見えた。序破急でつくられているのだと思う。
終盤は持ち替えた横笛(能管?)によってぐっと張りつめた踊りになり、最後は船弁慶の花道の引っ込みのようにくるくると回りながら能舞台から橋ガカリのような角度で下手に引っ込んでいった。
そこからのカーテンコール。「亀治郎の会 さよなら公演」の時もそうだったが、舞台中央で客席の三方を向いて観客に応える姿の堂々とした姿が実に立派だった。こうして座頭役者に成長した姿を見つめながら、これからも私の観劇人生を充実したものにしてくれそうな役者を見つけた喜びを噛みしめた。

観劇後のデニーズでのおしゃべりで、さちぎくさんから3階席からの「龍神」の猿之助の足遣いの美しかったことを教えてもらった。一階席だとそういう動きは見えないので有難い。
終演後、10/27の「第8回-15周年記念公演-三響会」のチラシが追加で置いてあったのを見つけ、さっそく議題(笑)にして、またまたご一緒しようと盛り上がったのだった!

冒頭のプログラムの表紙をよく見ると、龍の背に鼓を打つ田中傳次郎、笛を吹く一噌幸弘、尺八を吹く藤原道山がいて、下の方では「六道の辻」の三人が追いかけっこをしている凝ったイラストだった。

その前後のオフ会、散策企画の記事はこちら
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )


12/09/08 浅草公会堂「伝統芸能の今2012」観劇前に散策(2)柳島妙見堂、十間橋よりスカイツリー


「鬼平犯科帳」「剣客商売」等の池波正太郎ファンの私としては「柳島の妙見さま」は一度は行ってみたいところ。浅草公会堂「伝統芸能の今2012」観劇前に散策することにして、神谷レストランでランチ後に都営地下鉄「浅草」から「押上」へ。この路線は初乗車になるのでそれも楽しい。京急が乗り入れということで、スーツケース持参のお客さんは羽田空港から乗ってきたんじゃないかなぁ。
押上駅を出ると東京スカイツリータウンということだが、スカイツリーはどこにあるんだい?状態。警備スタッフに柳島とか十間橋とかの方向を聞いて歩き出すと駅の出口があったビルの陰から見えてきた。そのビルにすっぽりと隠れる死角にいたらしい(^^ゞ

駅前を昔からの道路に回って北十間川沿いの道を行くと、「柳島妙見山 法性寺」の看板や「墓苑募集中」の幟が見えてくる。
すみだTOWN情報「Avenue」の「再発見!柳島妙見山 法性寺」を読んでいたので、現在はマンションと一緒のビルになっていることを知っていたが、本当にそうだった。
入るところに昔ながらの寺の名前の入った石塔があったが、折れていたのを修理した跡があり、戦災にあったせいだろうかなどと考える。「墓苑募集」チラシを入れるケースから1枚いただくと以下のように
書かれてあった。
「北斎は柳嶋の妙見さまへお参りし、満願の日の帰り道で落雷に遭い失神。その後めきめきと絵が売れ出しました。以来北斎は生涯にわたり妙見さまをあつく信仰しました。」
ということで、北斎の赤富士の錦絵がビルの一階の外壁にも大きく掲げられているわけだ。その下には「葛飾北斎辰政翁の碑」もあった。


上記の情報にあった江戸時代の錦絵などの公開は名画ギャラリーがつくられているようで、墓地見学者は無料、一般には200円で拝見できるようだ。
「柳嶋妙見堂」と書かれた入り口から入ると「北辰妙見大菩薩」が祀られているお部屋もあり、左手には白蛇弁財天も岩屋風の中に祀られていた。普通の大玄関から寺務所らしいところに行って、おみくじやお守りを売っている場所があり、大黒さんと思われる方が集印帳対応もしてくださった(開運方位除守500円を買って自宅玄関の一輪挿しに飾った)。受付の小部屋の奥で住職さんが卒塔婆に筆をとっていらした。
「柳嶋妙見山法性寺Webサイト」はこちら
日蓮宗のお寺ということで、本山の本門寺の情報誌『池上』などをいただいてきた。9/29の本門寺リベンジ企画の予習に役立ちそう。

ビルの周囲にあるスペースに旧境内にあった石碑がみられるように並べてあった。享保、宝永など江戸時代の年代が刻まれているもの多数。近松門左衛門供養碑もあった。

北十間川にかかる十間橋より望む東京スカイツリーはビューポイントになっているようで、橋の上にはカメラを構えているグループがいくつかあった。当然私たちもデジカメや携帯で頑張って撮影(冒頭の写真)。左に枝葉が写っている松の木が河岸工事のコンクリートにもたれているのが苦しそうに見えてしまった(^^ゞ

残暑厳しい中の短時間の散策だったが充実。浅草に戻って公会堂へ急げ!!
下の写真は、観劇後のおしゃべりを雷門前のデニーズで盛り上がったあとでライトアップされていたスカイツリーを撮影したもの。雷門前の横断歩道上で撮ったのであせってかなりピンボケ状態で残念!
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


12/09/08 浅草公会堂「伝統芸能の今2012」観劇前に散策(1)神谷レストラン


9/8(土)浅草公会堂でチャリティ企画「伝統芸能の今2012」夜の部観劇前、しっかり散策企画を入れてしまう(^^ゞ
まずはランチ。散策時間を確保するためにランチ難民になるのを避けるため、玲小姐さんに神谷レストランに予約を入れておいていただいた。神谷バーのビル(冒頭の写真)2階のレストランだが、一度行って満席であきらめたことがあった。ということでリベンジ(笑)1階の神谷バーには浅草新春歌舞伎観劇後に北西のキティさんと行ったことあり。
2階のレストランは下町の洋食屋さんといった感じで、前回入り口でスゴスゴと引き上げた時には奥行きの広さに気がつかなかった。女性スタッフは、トラディショナルな白い小さいエプロンもつけたメイドさんの制服で大ベテランの御姉様もいらっしゃり、きびきびと働いているお姿に感心至極。

軽食メニューはめちゃくちゃリーズナブルプライス。さちぎくさんと私はスパゲティナポリタンを注文(下の写真)。けっこうなボリュームで610円だが、お決まりのような具のピーマンが入っていないと盛り上がった(笑)。あいらぶけろちゃんさんのチキンライスにはオムライスのような黄色い薄い玉子焼きが半分乗せられていたし、玲小姐さんのマカロニグラタンは小麦粉とバターと牛乳でしっかり練り上げられた固さということで、各自満足!私は食後にコーヒーにしたが、皆さんの注文したソーダフロートの大きなグラスとしっかりしたアイスにはびっくりした。
これならリピートしてもいいな。その時はチキンライスをいただこうかなぁ。



腹ごしらえがすんだら、都営地下鉄浅草線で2駅の押上をめざす。東京スカイツリータウンもあるが、私たちの目当ては歌舞伎や時代小説でよく出てくる「柳島妙見」。以前の向島→浅草散策の時もちょっと離れていたのであきらめていたのだ。しっかりと実現してしまって嬉しいぞ。

以降、(2)に続く。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


12/09/04 自宅近くの隠れ家カフェと虫歯報告+9月10月の観劇などの予定


今の家に引っ越してきて、ご近所に隠れ家カフェ「サイエスタ」があることは知っていたが、私にはなかなか利用できないお店だった。それなのに友人の玲小姐さんが先駆けてしまわれたようで、これは私も娘と行ってみなくてはなるまいと決意!
営業は平日中心で週末の日曜は全休、土曜日が月2回営業ということで、営業している土曜日をねらって行くぞと決意して2ヵ月ばかり。9/1(土)、午前中に食材の買い物に出たついでにチェックして開店していることを確認。ランチの時間に間に合うよう、娘をたたき起こして一緒に行ってきました!!
「YONO LIFE」の「サイエスタ」の記事はこちら
上記の情報によると、2011年7月にオーナーさんが変わったとのこと。住宅街のそれもちょっと奥まった民家を改造したお店なので、JR与野駅から歩いてきて、小さな路地に入る角のところにちょっと目立つようにパンを入れた籠と営業中という看板が出されるようになってわかりやすくなっていた。新しいオーナーさんの工夫のようだ。

靴を履いたままテラスに出ることができ、お料理が出てくるまでさっそくお庭鑑賞。地続きの隣家が元のオーナーさんのようでおそらくそのお庭だと思う。そうであれば、下の写真に写っているモダンなオブジェの存在も理解できる。

冒頭の写真がランチセット。かぼちゃを全部すりつぶしていないスープ、人参のこれも全部すりつぶしていないソースがかかった胡瓜の細かく切ったサラダも美味。メインの茄子のミートソースオープンサンドも絶品。野生のパン酵母"白神こだま酵母"を使ったパンということで、甘味ともちもちした食感がたまらなく美味しい。ホットで紅茶をお願いするとポットにたくさん入っていて何度もお替り可能。
さらにその上に、「パンのお替りはいかがですか?」と声をかけてくださるので、2回お替りしてしまった。下の写真は2回目の2種類。手前がじゃこ、奥が数種類のナッツ類を乗せたパンだが、ナッツが香ばしくて感動的だった。これで一人900円というのも有難い有難いm(_ _)m

娘は次回営業の15(土)にもまた来たいと早速のおねだりモード突入。まぁ、日ごろの行い如何でしょうなぁ。

この夏の猛暑にいよいよ疲れが出たと思ったら、上顎の方の歯茎が腫れてきて、9/4(火)急遽仕事帰りに大宮のかかりつけの歯科医を予約してかけつけた。久しぶりに本格的な虫歯になっているとのこと。この年になると歯間からやられるのだねぇ。虫歯菌が嫌気性なのかどうかを質問したら、両方いるというお答えにびっくり。原因菌は7~8種類もいるのだとのこと。そして口中の常在菌には存在意義があるというお話にも驚いた。もっと悪いものが侵入できないようにしてくれているのだそうだ。身体の抵抗力が弱ると共生している常在菌に負けてしまうらしい。要はマウスウォッシュなどで殺せばいいということではなく、疲れすぎて抵抗力が弱っているのがいけないということのようだ。うーん、反省・・・・・・。

さて、以下は今月の観劇などの予定。
2(日)さいたま芸術劇場:「トロイラスとクレシダ」=蜷川シェイクスピアオールメールシリーズ初の悲劇を堪能!
8(土)浅草公会堂:チャリティー企画「伝統芸能の今」夜の部
14(金)職場の職員有志の勉強会+懇親会
15(土)歯の治療予約日(T-T)=「サイエスタ」のランチで元気を出してから行こうかなぁ(^^ゞ
17(月)新橋演舞場秀山祭九月大歌舞伎昼の部
21(金)国立小劇場:九月文楽公演第二部
25(火)新橋演舞場秀山祭九月大歌舞伎千穐楽夜の部
26(水)歯の治療予約日(T-T)
29(土)玲小姐さんの歴史散策:池上本門寺を再訪=前回悪天候のため小堀遠州作のお庭まで行けず。そのリベンジ企画。あ、くずもちもリベンジか(笑)

10月分も決まっている分をアップしておこう。
12(金)シアターコクーン:「騒音歌舞伎 ボクらの四谷怪談」夜の部
19(金)東京芸術劇場プレイハウス:NODAMAP「エッグ」夜の部
26(金)国立大劇場:歌舞伎公演「塩原多助一代記」夜の部
新橋演舞場十月大歌舞伎は昼のみ観る予定。
ご一緒する皆様、よろしくお願いしま~す(^O^)/
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


12/08/24 稚魚の会・歌舞伎会合同公演デビューしました!


毎年8月は納涼歌舞伎ということで三部制興行があり、関心はありつつも若手役者の勉強会「稚魚の会・歌舞伎会合同公演(国立劇場歌舞伎俳優研修修了生・既成者研修発表会)」は気になりつつもまだ未見だった。
今月は新橋演舞場の夜の部をパスしたため余裕ができ、さちぎくさんにお誘いいただいた第18回公演でデビュー!国立小劇場で24(金)夜の部A班の公演を観劇した。冒頭は今公演のチラシ画像。

最前列センター席ということで、これは全く寝られないぞ、いつものブラックガムを噛んで頑張ろうと変に緊張したが、杞憂だった。実に3つの演目とも面白かった。
【絵本太功記「尼ヶ崎閑居の場」】中村魁春=監修・指導 市川團蔵=監修・指導
歌舞伎で観た太功記の十段目いわゆる「太十」はあまり面白いと思える演目ではなかった。主人公の光秀があまり格好のよい役ではないということもある。しかしながら、何年か前の文楽国立小劇場公演で観て、この場面は主君への謀反を起こした息子をゆるせずに家出した母皐月の閑居の場であり、その母の目で観ると面白いドラマであることに気がついた。
Wikipediaの「絵本太功記」はこちら
A班の配役はこちら
武智光秀=市川猿琉 妻操=坂東玉朗 母皐月=片岡松寿
武智十次郎=市川笑野 初菊=中村春之助
旅僧実は真柴久吉=中村獅二郎 佐藤正清=市川茂之介
「亀治郎の会さよなら公演」の「檜垣」で小野小町を演じた笑野の前髪の若者姿が実に美しく芝居もよく、今回はこの若く美しい若者が父の謀反のために命を落とす悲劇という側面を強く感じた(笑野戯言草の記事)。光秀の猿琉も声姿ともよく、猿翁門下の二人がしっかりとこの舞台のシンになっていたと思う。
若手の役者が皐月のような老けの大役をつとめるのは本当に大変だと思うが、松寿が松嶋屋のお弟子らしく立派につとめていた。獅二郎の顔や台詞が獅童によく似ていたのが師弟関係を感じさせた。

【妹背山婦女庭訓「道行恋苧環」】竹本連中 藤間勘祖=振付
今年1月の坂東玉三郎初春特別公演でも観たが、竹本の詞章がよく聞きとれずものすごくフラストレーションを感じてしまった。なんと、今回は筋書に詞章が全部掲載されているということで、チラチラと詞章をチェックし、床も近くて竹本がよく聞きとれた。そうすると振りの意味もなるほどとわかるので実に面白く観た。
A班の配役はこちら
入鹿妹橘姫=澤村伊助 烏帽子折求女=中村京三郎
杉酒屋娘お三輪=中村竹蝶
ビジュアル的には求女の京三郎が細く華奢な姿で二枚目に見えず、伊助の橘姫と逆の配役で見たいと思ってしまった。ご一緒したさちぎくさん(日本舞踊の名取)によると伊助が三人の中で一番踊りがうまいとのこと。この場面は橘姫が一番長く踊るので、そういう配役でよいのかと納得。

【新古演劇十種の内「身替座禅」】常磐津連中・長唄囃子連中
2008年6月の歌舞伎座で観た時の記事はこちら
岡村柿紅=作 藤間勘祖=振付
A班の配役はこちら
山蔭右京=市川左字郎 太郎冠者=中村京純
侍女千枝=中村京珠 侍女小枝=中村春希
奥方玉の井=尾上音之助
右京役の左字郎は長く日本舞踊をされていて左團次門下に入られたという方で、舞踊は本当にうまい。声もいいし、台詞もさすがに菊五郎劇団仕込みだと感心。小柄だが二枚目がよく似合って立派なお殿様ぶりだった(いいお衣裳だと思っていたら、富十郎の右京の衣裳だという、さすが!)
太郎冠者の京純も軽妙で、侍女二人も綺麗で舞もよかった。さらに奥方玉の井の音之助の山の神ぶりが実によかった。どっしりとして女優の片桐はいりによく似たお顔で愛する殿様と一時でも離れていたくないという様子、浮気を知ってヤキモチを焼くところも可愛いといったらない。
大劇場の1列目はちょっと見にくいのだが、小劇場ではかぶりつきでも見やすくて、こんなにいいお席で3本も退屈せずに観ることができたのは、有難い経験だった。感謝、感謝!!

「道行恋苧環」の詞章も載っているということで、筋書を購入。表紙のデザインが実に凝っている(下の写真)。「身替座禅」の右京が花子にもらった黒字に桜花の小袖風のデザインを地にして、「道行恋苧環」で恋人につけて後を追うための苧環が赤と白が上下にあって糸を伸ばしている。そして、武智の家紋の桔梗の青い花、国立劇場の座紋(楽を奏でる天人像)も散っている。ちゃんと工夫をされているということがよくわかった。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )