ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

10/02/13 歌舞伎座昼の部(1)二の午まつりを初体験(最後でもある)!

2010-02-28 23:45:04 | 観劇

二月歌舞伎座名物の初午まつりに行ってみたいと思っていたが、しっかり最後になんとか実現。初午がいつかをネットで調べたところ旧暦と新暦がのっていて、2/13だろうと予測してちょうど土曜日だったので昼の部のチケット(3階B席の最前列)を確保。
歌舞伎座デビューをしていただく北西のキティさんとご一緒したのでいつものぎりぎりではなく早めに到着。開演前に劇場を案内する。イヤホンガイドをおすすめし、地下食堂も予約してしまった(「ほうおう」の割引券を使い忘れたのが残念(T-T))。

いつもいつも3階席から文字通りのエコノミークラス症候群を避けるべく、トイレだけでなく一階の売店まで下って登ってを繰り返している。
昼の部は4本立てで幕間が3回もあるので、最初の短い休憩はおやつタイム。久しぶりに3階ロビーで売っていた「めでたい焼き」を食べてしまった。
次の食事休憩に地下食堂へ。食堂の入り口に地口行灯がかかっていたのが二月公演らしい。「白魚そば」もあっさりと美味しかった。

1階上手ロビーのガラス戸が開けられて「歌舞伎稲荷」にお参りさせてもらって、振る舞いのお神酒とお汁粉をいただいた。お汁粉には「めでたい焼き」の中に入っているような紅白の御餅が入っていた。

歌舞伎座初体験の方の幕間の案内で重視しているのは歌舞伎特有の舞台装置を説明することだ。一階席の一番前を下手から上手へ歩いて、かかっている定式幕と他の幕の違い、ツケ板や所作台を見てもらって説明。そこから後ろを振り返ってもらって提灯のかかった客席の雰囲気も見てもらう。花道をくぐる時にスッポンの場所とそこからの登場の意味も説明。炬燵状になっている桟敷席も見てもらい、売店の奥にご案内。絵てぬぐいの展示も歌舞伎座ならではのもの。

北西のキティさんには「NINAGAWA十二夜」「三人吉三」「浅草歌舞伎」と少しずつ歌舞伎を観ていただいていたが、今回は歌舞伎座初体験。売店の多さにも驚かれていたが、イチオシのグッズはキティちゃんの携帯ストラップの歌舞伎コレクションシリーズの傘を持っている「助六」と「鷺娘」。この2点は実際につけるのには傘の部分が邪魔になるのだが、飾るには実に見栄えがする。そう説明したら両方お買い上げになった。私もついつい両方買ってしまう(ダブった「助六」は妹にあげるつもり)。私たちがサクラになってしまったようで、その2点が他のお客さんにも売れて売り場からなくなってしまった(笑)もちろん補充があるだろう。

勘太郎×七之助の「爪王」も仁左衛門×玉三郎の「ぢいさんばあさん」も楽しんでいただけたようだが、「口上」が新鮮に思われたようだった。歌舞伎役者が裃姿でずらっと並んで普通にしゃべるところもある口上はやっぱりなかなか見る機会がないだろう。こういうのを見てしまうとハマるのである(^^ゞ
終演後はデニーズでゆっくりしゃべって、次回は3月日生劇場の「染模様恩愛御書」でご一緒する。こうして少しずつ歌舞伎観劇のお仲間も増やしている?!

写真は「歌舞伎稲荷」にお神酒やらが奉納されているのを携帯で撮影。地口行灯もかけられていたが、アングルには入らず。

10/02/25 歌舞伎座千穐楽夜の部(3)勘三郎×玉三郎×仁左衛門の「籠釣瓶」

2010-02-28 14:58:06 | 観劇

今月の歌舞伎座の演目でさよなら公演にふさわしいのは「籠釣瓶」だろう。2005年の勘三郎襲名披露公演の再現ともいうべき勘三郎×玉三郎×仁左衛門という配役だし、現歌舞伎座での最後の「籠釣瓶」だしということで、久々に3階A席を奮発し、千穐楽の1列目センターがとれてしまっていた。
【籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)】
今回の配役は以下の通り。
佐野次郎左衛門=勘三郎 兵庫屋八ツ橋=玉三郎 
立花屋長兵衛=我當  立花屋女房おきつ=秀太郎
下男治六=勘太郎  繁山栄之丞=仁左衛門
九重=魁春  七越=七之助 初菊=鶴松
釣鐘権八=彌十郎 白倉屋万八=家橘
絹商人丹兵衛=市蔵 絹商人丈助=亀蔵

桜の咲き誇る吉原仲之町にやってきた上州佐野の絹商人・佐野次郎左衛門と下男の治六は、いかにも田舎からのお上りさん風情で登場。勘太郎の治六は膝を折った腰の低い姿勢がなんとなく苦しそうだし、ちょっとまだしっくりこない感じ。勘三郎の次郎左衛門は顔中にこれでもかというくらいの痘痕を押して出てきた。家橘の白倉屋万八はこういう色街で人を騙すのを生業にしている男のいやらしさを感じさせてよし。我當の立花屋長兵衛に会所に連れていかれそうになってこそこそ逃げ出す様子もいい。「生き馬の目を抜くようなお江戸」の物騒体験がこの田舎者の悲劇の序章になっているのだと思った。
花魁道中が七越は上手奥から、九重は花道から、八ツ橋が舞台中央奥の満開の桜の植樹の裏手から現れるが、供揃えも豪華な道中が見られるのも贅沢。
花魁道中に見惚れて注意散漫となった次郎左衛門が八ツ橋にぶつかってびっくり。道中をすすめて方向転換をした時に次郎左衛門をあらためて見て微笑みかける八ツ橋の玉三郎をしっかり見るのが最初の見どころ。千穐楽だけにたっぷりと表情をいろいろと変化させてくれたが、人気絶頂の花魁の実に罪つくりな仕業である。お歯黒の歯がチラッと見える程度にとどめるのが玉三郎の八ツ橋で、今の時代にあった品のいい演じ方が好ましい。

治六に定宿に帰ろうと促されて「宿へ帰るが嫌になった」と漏らす勘三郎の台詞がちょっと張りすぎのような気がした。魂抜けたらもう少し嘆息的な台詞回しになるはずだと思う。
釣鐘権八は中間勤めをしていた主家の娘だった八ツ橋が身を売った時、親代わりの判子をついてやった恩を着せ、八ツ橋に着いた客を金蔓に無心を繰り返している。これまでは芦燕 で見てきたがちょっと無理を感じていた。「折助」)かと蔑んで言われたこの役を今回の彌十郎でようやく納得出来た。金策を断られた権八は八ツ橋の間夫の繁山栄之丞を焚き付けたのは、身請けの話をすすめた立花屋の顔をつぶそうとしたのだと今回ようやく気がついた。

立花屋を通じて八ツ橋の元へと通うようになった次郎左衛門は急速に吉原で遊ぶマナーを身につけ、佐野の同業者の丹兵衛、丈助を連れてくるようになっている。
権八は栄之丞とともにやってきて次郎左衛門の座敷に出る前の八ツ橋を呼び出して、身請けまで話を勝手にすすめたと不義理をせめたてる。二世の誓いを守れと責めるというのではなく、そういう仲の自分への不義理不人情を言い立てて、自分に不実でない証拠として今回の身請けを断るように八ツ橋を追い詰める。
今回の八ツ橋と栄之丞のカップルは見目は麗しいが、二人とも賢くはない人物にしっかり見える。江戸風の義理とか見得を重視する色恋の仲のふたりにすぎない。八ツ橋はよくしてくれる上客に、嫌いではないからといい顔を続けてきてしまっている、要は優柔不断なお馬鹿な女だということがよくわかった。それがまた可愛いいのだから始末が悪いのだ。
ここでいつもは八ツ橋がヨヨと泣き崩れて場面転換してしまうのだが、今回は気を取り直して栄之丞とこれからどうすればいいかのやりとりをしているように見える。
そして縁切り場!
八ツ橋の愛想づかしはわけのわからない始まり方をする。気分が悪いと言い出して、次郎左衛門や周りの者が機嫌をとるのだが、嫌なお客に出るから気分が悪いとか言い募って翻弄する。立花屋のおきつが身請け披露の直前での愛想づかしはないと説得しようというのを、権勢を誇る立場を言い立てて「嫌なものは嫌」と突っ放す。
次郎左衛門は自分が通い詰めて気に入られていると思い込んでいるので、仲間に惚気ていたのがまずかった。花魁に身請け直前の愛想づかしされ、丹兵衛と丈助に騙されたと責めたてられての満座の中での大恥。
(ここのところを追記)座敷を後にする八ツ橋が次郎左衛門への仕打ちについての心苦しさを身体中に滲ませてはいるが、ここまでしたらもう後には戻れないのだ。身を捩じらせるような玉三郎の姿が切ない。

ここで私が重要視しているのは、八ツ橋の愛想づかしを確認にきた間夫の栄之丞に気がつく場面だ。間夫のあまりの美男ぶりに次郎左衛門の容姿へのコンプレックスの火に油が注がれると思うからだ。
これが吉右衛門の次郎左衛門だとまた違った感じになってしまうと思う。顔のあばたでいくら醜くしてもガタイがよすぎて、ビジュアル的には仁左衛門の栄之丞との容姿での差があまりなくなる。初代吉右衛門の容姿くらいだとちょうどいいのだろうけれど。「容姿のコンプレックス」をこの悲劇のひとつのポイントにして考えると、今回の3人はそういった意味でもベストキャストだと思う。

うちひしがれた次郎左衛門に九重の魁春が羽織を着せ掛けて「また遊びにきてくれないと気になりますよ」と声をかける場面が好きだ。前回ではあるが、ここの舞台写真を1枚買ったほどである。

さて、殺し場!!
四ヶ月後、何事もなかったかのように再び吉原に現れた次郎左衛門。顔を出せるものではないという八ツ橋を遣手婆が手を引いて連れてくるが、次郎左衛門は屈託なく初回からまた通うと言って皆を安心させる。
二人にさせてから杯をとらせ、本音を語りだし、床の間に置いた掛け軸入れの中から妖刀籠釣瓶を取り出して一刀のもとに八ツ橋を斬って捨てる。
玉三郎の八ツ橋はここも千穐楽らしく本当にたっぷりとした海老反りでくずおれる。女方の様式美を堪能しつくす。
さらにここで「お灯りをお持ちしました」とやってくる下女のお咲をも斬り捨ててしまうのだが、小山三のおさきの斬られっぷりが実にいい。立花屋店先の場で出てきた時も90歳とは思えぬ若い女の可愛らしい姿が嬉しかったが、幕切れを飾るのは籠釣瓶の切れ味の犠牲になった女ふたりの最後の姿である(小山三のお咲は千穐楽だからこそだったようで、それも有難かった!長く元気な姿を見せて欲しい)。
それでこそ「籠釣瓶はよく切れるなぁ」の次郎左衛門の最後の台詞が活きるのだと思う。次郎左衛門の狂気をたたえた姿は当代勘三郎、見事である。

この悲劇は可愛くお馬鹿な花魁にひっかかってしまった田舎の純朴な金持ちが、容姿コンプレックスを刺激するような間夫の存在のために、満座の中で愛想づかしをされ、その怨みを晴らそうとした。そのために使ったのが妖刀籠釣瓶であったためにその妖力で殺人を重ねてしまったというドラマだろうというのが、私の解釈。いかがだろうか。

2006年9月に観た吉右衛門の「籠釣瓶」はこちら
写真は「本日千穐楽」の垂れ幕が並んでかかる歌舞伎座の正面を携帯で撮影したもの。
2/25千穐楽夜の部(1)三津五郎×福助の「壺坂霊験記」
2/25千穐楽夜の部(2)高下駄タップの「高坏」

10/02/25 歌舞伎座千穐楽夜の部(2)高下駄タップの「高坏」

2010-02-28 00:33:44 | 観劇

2004年12月に観た勘三郎の勘九郎としての最後の舞台「今昔桃太郎」の中で中年メタボになった桃太郎が痩せるための運動として踊りに踊る場面があった。勘九郎として踊ったことのある演目のメドレーだったのだが、「高坏」の下駄タップもホンのちょっとあった。それを今回初めてちゃんと観ることになるので楽しみだった。
昭和の初めにタップダンスが流行した時、六代目菊五郎がそれを取り入れて下駄でタップ風に踊る新作舞踊として初演。娘婿の十七代目勘三郎が戦後になって復活、さらに工夫したのだという。今月は十七代目中村勘三郎二十三回忌追善公演ということで2階ロビーに所縁の展示があった。その中に十七代目が使った「高坏」の高足=高下駄の展示されていて、それを携帯で撮影したのが冒頭の写真。

【高坏(たかつき)】
あらすじと配役を公式サイトよりほぼ引用。
次郎冠者(勘三郎)は、主人の大名某(彌十郎)と太郎冠者(亀蔵)と共に花見に出かける。大名は次郎冠者に盃を載せる高坏を買うよう命じ、太郎冠者と立ち去る。ところが、次郎冠者は高足売(橋之助)の口車に乗せられて高足を高坏と思い込んで買ってしまい、大名の酒を二人で飲んで酔い潰れる始末。高足売が去り、大名達が戻ってくると、次郎冠者は高足を高坏だと言い張って高足を履いて踊る。

今現在の日本でダメ男を愛嬌たっぷりに演じられる役者といえば、まず勘三郎だと思う。それを騙す役として橋之助というのも実にぴったりな組合せだ。黒塗りの高下駄を杯をのせる高坏だと言いくるめ、鼻緒を高坏の尾だと納得させてしまうのだが、確かに黒塗りなので見た目はなかなか立派だし、地面からは高く離れるし、鼻緒の間に赤塗りの杯の底がしっかり挟まって置けるし、それなりに見えるのだ。本当に知らなければそうだと言って言い張るのも無理はないと思わせるのが実に可笑しくていい。

次郎冠者が大名と太郎冠者に高坏だと言い張っていながらも、履いてみてしまってなんとなく踊ってしまう。これは間違いに気がついたけれども謝りたくはなく、なんとなくごまかしてしまおうと酒の酔いが残っている中でとっさに身体が動いてしまったのだろうか。
最初は怒っている大名と太郎冠者もその楽しげな動きに誘われて、自分たちも身体を動かして笑ってゆるしてしまっているのがいい感じだ。

実はこの記事を書きながらもさっきまで怒っていることがあったのだが、こうやって舞台を反芻しながら書いていると、ちょっと赦そうかなぁという気分になってきたかな。
2/25千穐楽夜の部(1)三津五郎×福助の「壺坂霊験記」

10/02/25 歌舞伎座千穐楽夜の部(1)三津五郎×福助の「壺坂霊験記」

2010-02-27 23:59:20 | 観劇

歌舞伎座さよなら公演二月大歌舞伎も2/25に千穐楽。夜の部を観てきた。その次の日は12月の1ヶ月の予定が3ヶ月かかった50年の歴史年表作成作業がようやく終わったご苦労さん会があり、1週間の疲れと天気の急変で体調悪化。土曜日は娘の通院も延期して一日寝ていたが、少しずつ感想をアップしたい。

【壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)】
TVで住大夫の素浄瑠璃で聞いて文楽デビューを決意した演目で、2008年2月に文楽の「壺坂観音霊験記」を観ている。歌舞伎で観るのは今回が初見。
十七代目中村勘三郎二十三回忌追善公演でもある今月は十七代目所縁の演目を並べているわけで、その座頭沢市を三津五郎が初役で演じるのだ。
(追記:筋書をあとから読んで三津五郎の今月の役のところに「十七代目は三津五郎の曽祖父(七代目)に沢市を教わっている」とあり。こういう継承がされていくのが実に歌舞伎らしいと思った。)
文楽で観た場面の中の「沢市内の段」「山の段」にあたる場面の上演。あらすじは上記の文楽の記事に書いたため省略。
今回のキャストは以下の通り。
座頭沢市=三津五郎 女房お里=福助
観世音=玉太郎

歌舞伎座さよなら公演でこの演目は地味という気がするが、こういう役を情感豊かに演じられる三津五郎主演で検討して決められた演目なのだろうと推測。
福助のお里がきっちりと演じてくれるかどうか、いつもの心配をしながら観ていたが、杞憂に終わった。伯父に育てられ、一緒に育った3つ違いの従兄の沢市と素直に夫婦になって貞節な世話女房になっているという人物設定が、観ていて素直に納得できるお里になっていた。三味線の糸にのっての場面も三津五郎、福助がともにそれなりにきちんと見せてくれたので納得の舞台だった。

身投げをした谷川の崖の岩屋から姿をあらわす壺坂観音が若手女方でくると思っていたら、玉太郎だったのにちょっと驚いた。昨年1月の「鏡獅子」の胡蝶で千之助ともども頑張って可愛く踊っていたが、実に成長著しい。これからも楽しみだ。

お里が毎晩のお参りを続けたことを受け止めた観音さまの霊験で、二人の命は助かり、沢市の目も明いて、お里の顔を初めてみてびっくりし、声で確認してから「お初にお目にかかります」と笑いをとる場面も、三津五郎がなかなか愛嬌も見せる。
地味な演目ではあったが、まぁ予想以上の舞台でよかったと思えた。
写真は、千穐楽夜の部入場前の正面のさよなら公演カウント時計。

10/02/23 いただきもののゴンチャロフのチョコセット

2010-02-23 23:41:24 | つれづれなるままに

以前の職場でご一緒した方からゴンチャロフのチョコセット「SUTTON EAST」をいただいた。箱に印刷されている複葉機が可愛らしい。
娘が最近ハマっている「ヘタリア」(=国を擬人化したキャラが他愛ない話を織り成すコメディ漫画)の中でロシアさんのキャラが一番お気に入りで、ロシアのチョコが食べたいとうるさく言っていたところだった。ちょっと前までロシアのチョコは不味いというのが定評だったらしい。
ロシア革命から日本に逃れてきたロシア人のつくった製菓会社のひとつがゴンチャロフ製菓
帝政ロシア時代に貴族たちの美食を支えたお菓子職人の末裔だと思う。ソ連等の社会主義国では贅沢な美食を楽しめる層はあまりいなくなってしまったから、美味しいお菓子もなかったんじゃないかな。
社会主義国のままの国でも経済は自由化がすすんでいるので、状況はずいぶんと変わっていると思うけれど、どうかしら。

いただいたゴンチャロフのチョコは美味しかった。感謝!!

10/02/22 SMAP×SMAPにゴルビー出演!

2010-02-22 23:59:25 | テレビ

なにげなくTVをつけていたら、ビストロSMAPにゴルビーが出演するという予告が出てそのまましっかり見た!
ゴルビーとは元ソ連大統領のミハイル・ゴルバチョフの愛称。東西冷戦を終らせた立役者でノーベル平和賞を受賞している。ソ連崩壊から来年で20年も経つわけで、今の若い世代にはピンとこない人かもしれない。
ロシアでは日本食がブームになっているそうで、「ビストロSMAP」では鰻と天ぷらをオーダーし、フォークとナイフを使って美味しそうに食べていた。調理中に中居正広が、1989年のベルリンの壁崩壊について質問すると、「ドイツのコール首相も私も壁が壊れるのは21世紀になるだろうと話していた。その4ヵ月後に壁が壊された」と話していた。

若い頃はスターリンを尊敬していたが、自分の国が順調でないことがわかり、国民にも知らせて改革をしようとしたと話し、「グラスノスチ(情報公開)」「ペレストロイカ(改革)」を推し進めたということも話していた。途中には8月クーデターや暗殺未遂事件もあって、命の危険にさらされたという話もあった。

そうそう激動の時代だったよなぁと思い返してしまう。ゴルビーを迎える前に、池上彰さんが「東西冷戦」や東西の代理戦争だった「ベトナム戦争」などもわかりやすく解説するコーナーがあった。池上さんがしきりにSMAPメンバーがゴルビーに会えるのを羨ましがっていたが、私も実に羨ましかった。
ゴルビー、年をとったけど相変わらず目に力があったし、可愛かったなぁ。同時通訳がうるさくて最後の方になってやっと本人の声が聞けた。相変わらずの力強いしゃべり方だったし、声もけっこう好み(^^ゞ「ミハイルとは熊という意味です」だって。そうか、熊さんなのね(笑)

仕事で50年の年表づくりが2ヶ月がかりでようやく一区切りつき、50年前の古い機関運営会議の資料の保存作業を再開したところだった。錆びた金具をはずして、ボロボロになったわら半紙にガリ版印刷された議事録などをA4版に揃えてコピーしているのだが、社会情勢のところで「東西冷戦」の状況の中での論議を役員たちがしている様子がうかがえる内容もあった。
歴史的資料をいつでも掘り出せるようにしておくことが今の私の重要な役割だとあらためて痛感し、明日も作業を続けることにしよう。

10/02/21 ダウン後、藤田まこと追悼番組などでおとなしく・・・・・・

2010-02-21 23:59:23 | つれづれなるままに

2/20に国立小劇場の文楽二部三部を通し観劇。二部は眠気と闘いながらもなんとかしのいだのだが、三部の「曽根崎心中」開演後、生玉社前で徳兵衛がお初と再会して話をしているあたりで急激な腹痛に襲われてしまった。

幸い上手の一番端の通路側の席だったので抜け出してトイレにかけこんで事なきを得たが、その後もサイドのロビーのベンチでラマーズ法の痛みを逃す呼吸をしながらお腹をさすっていた。痛みが引かず、白湯をもらおうと思いついたところでスタッフさんが通りかかり、お願いしたところ、医務室で休憩されますかとお声をかけていただいたのを幸いにお願いすることにした。席に戻ってダウンコートや荷物も持って出てくると荷物も持っていただいて移動。事務室の奥に小さな医務室があり、劇場常駐の看護士さんも呼んでくださった。医務室で白湯をいただいて、自分で常に持ち歩いているピルケースの中に胃腸の痛み止め薬も持っていたので、看護師さんの前でそれを飲み、簡易寝台に横にならせてもらって毛布をかけてリラックスするようにしていた。念のためということで看護師さんが血圧も測り、お腹の音も聴診器できいてくれた。
義太夫の語りよりも三味線の音が響いてきたし、拍手も聞こえてきたので、一幕の幕切れかとわかる。25分の幕間でなんとか復活したいと念じながら薬が効いてくるのを待つ。
なんとか大丈夫そうになったので、毛布を畳んで事務室にいた職員さんに戻る旨と御礼を述べて辞してきた。通るロビーにいた職員の皆さんが、「大丈夫ですか」「もうすぐ天満屋の段ですよ」とお声をかけてくれた。「薬が効いてきて大丈夫になりました。ご心配かけました」とお礼を述べながら席につく。間に合った!
終演後も受付の職員さんに「お世話になり、有難うございました」「お世話いただいた皆さんによろしくお伝えください」とご挨拶して帰宅(劇場スタッフの皆さんに感謝でいっぱいである)。
 
ということで、帰宅途中に実家の母に「風邪気味で明日はおとなしくしているのでそちらには顔を出せないよ」と電話をかけておいた。劇場でダウンした件は内緒だ(^^ゞ

帰宅して娘にも報告。娘は友人と遊びにいった東京ディズニーランドの医務室の厄介になったことがあるので、仲間になってしまったということだ。どうもうちの母娘は身体が弱いのが難点なのだ。

というわけで、本日21日は家でおとなしく過ごした。
文楽のために予約録画しておいた20日午後のフジテレビの「剣客商売スペシャル 春の嵐」を昼に観て、夜にはオンタイムでテレビ朝日の「はぐれ刑事純情派最終回スペシャル」と2本観てしまった。2005年に見た「はぐれ刑事純情派」シリーズファイナルの最終回は、その時のシリーズの最終回で、追悼番組になっているのはスペシャルを含めた本当の最終番組だったようだ。
いずれもまだ矍鑠としていられた時の映像だったので、懐かしい気持ちでいっぱいになった。

夕方、買い物がてらにブックオフに行って欠けている「剣客商売」の文庫本を高い方のコーナーで1冊買ってきた。これで「新妻」まで通して読めるようになったので、小兵衛の息子の大治郎が田沼意次の娘・三冬と結婚するまでの筋が通せる。大人買いはしない主義なので105円コーナーをねらいながら少しずつ揃える予定。小兵衛藤田さんのイメージを重ねながら読んで、偲んでいくつもりだ。

10/02/18 追悼!藤田まことさん

2010-02-18 23:53:24 | テレビ

藤田まことさんが亡くなった。テレビ埼玉で「必殺シリーズ」を毎朝オンエアしているので、平日の朝ゆっくりできる時に見ているので、今でも馴染み深い役者さんの一人だった。
一昨年、食道がんを手術後に復帰され、東山紀之主演の「必殺シリーズ」に元祖ムコ殿という対比でいい味を出して元気な姿を見せてくれていた。ところが先々週の「剣客商売スペシャル 道場破り」をチラッと見たところ、小兵衛が小兵衛でないような気の抜けたような演技だったので心配していた矢先だった。

私が子どもの頃、1960年代に白黒TVで「てなもんや三度笠」で「当たり前だのクラッカー」なんてやっていたのも観ていた。コメディアンだったと思っていたら「必殺シリーズ」でぐっと渋い演技もする俳優さんになっていた。
歌もうまくてミュージカル「その男ゾルバ」も市原悦子さんと共演した舞台を観たものだ。母と一緒に新宿コマ劇場に行って当日券で最前列で観て首が痛くなったけれど、叩き上げの役者魂を見せてくれていて素晴らしかった。

「はぐれ刑事純情派」もわりと見ていたので、2005年に『はぐれ刑事純情派』シリーズファイナルの最終回を見た時は寂しい気持ちがしたものだ。

父が亡くなって、父の書棚から文庫本の「鬼平犯科帳」と「剣客商売」を持ってきた。「鬼平」は自分でも古本屋で買い足して最終巻と番外編を除いて全部読んだので、「剣客商売」に移行。新潮文庫の4冊目「天魔」まで読み、次が欠けているので古本屋に探しにいこうと思っていたところだった。
TVでも少し見ているので、秋山小兵衛は藤田まこと、妻のおはるは小林綾子、田沼意次の娘・三冬は寺島しのぶのイメージで読み進めていた(息子の大治郎は架空のイメージ(^^ゞ)。
Wikipediaの「剣客商売」の項はこちら
鬼平よりも何十年か前の時代の人物という設定で、鬼平が伝説的な剣客の秋山小兵衛先生に思いを馳せるところなども読んでいたので、「剣客商売」の世界がつながってすんなりと世界に導かれてしまった。池波正太郎の術中にしっかりはまっている。
フジテレビは、「剣客商売スペシャル 春の嵐」を2/20(土)午後1時20分~午後3時15分に追悼企画番組として放送するということだ。文楽を観に行っているので忘れずに録画して観たいと思っている。
写真は「剣客商売」シリーズのDVD。
藤田さんのご冥福を祈りたい。



10/02/17 知る人ぞ知る?「越前水ようかん」

2010-02-17 23:37:30 | つれづれなるままに

福井にいる娘の父方の従姉に3人目の子どもが生まれて、伯母が産後の手伝いに行ってきたということで、その伯母のおみやげで娘が箱入りの「水ようかん」をもらってきた。
昔昔、福井に家族揃って帰省した時、同じ(有)錦梅堂の箱入りの「水ようかん」をいただいたことがあるが、箱を見たら懐かしく思い出した。

表面にコーティングのかかった紙箱に水ようかんが流し込まれて固まっているところに包丁を入れているようで、その線が均等に入っていないところがいかにも手づくりっぽい。
写真は、今朝2列分を食べた後の状態。黒糖の味もちょっとするが甘すぎず、喉越しがいいのでそのくらいペロッと食べられてしまう。
「水ようかん」は夏のものという感じがするが、今週の生協の個配の商品案内書に「越前水ようかん」が載っていて驚いたものだ。もちろん生ものは無理ということだと思うが、プラスチック容器に真空パックで入っているものだった。けっこう知る人は知っている銘菓なのだと思った。
検索してみたところ、福井銘菓「水ようかん」の情報交換のサイトもあった。そこにも錦梅堂がちゃんとあった!
皆さんも、機会があったら是非食べてみてください。

10/02/14 ゲキ×シネ「蜉蝣峠」、古田新太は魅力的だが・・・・・・

2010-02-16 23:59:43 | 映画(映画館、DVD、TVを含む)

ひとりでヒマな日曜日、MOVIXさいたまで「おとうと」を観た時に前売券を買っておいたゲキ×シネ「蜉蝣峠」に急遽行ってきた。劇団☆新感線の舞台は、私の好みにあいそうな作品をのぞいてゲキ×シネ待ちにして倹約。今回もそうしてみたが・・・・・・。

【いのうえ歌舞伎★壊PUNK 蜉蝣峠(かげろうとうげ)】作:宮藤官九郎 演出:いのうえひでのり
「goo映画」の「ゲキ×シネ蜉蝣峠」からあらすじ等を引用、加筆。
「蜉蝣峠で暮らしていた記憶喪失の男・闇太郎(古田新太)。彼は元旅役者の銀之助(勝地涼)と一緒に蜉蝣峠を下り、ろまん街と言う宿場町にやって来た。そこでは、天晴(堤真一)と立派(橋本じゅん)というヤクザ者が勢力争いを繰り広げていた。実はその街は、25年前に大通り魔という殺人鬼に襲われ、街を牛耳っていた大親分も殺されていたのだ。盲目の老人・がめ吉(梶原善)の証言で、闇太郎はその事件の生き残りだということがわかる。そして、闇太郎は幼なじみのお泪(高岡早紀)と再会するのだが…。」
<その他の出演者>高田聖子、粟根まこと、右近健一、木村了、他

クドカンと劇団☆新感線の舞台「メタルマクベス」はこちら
最近のクドカンの作品は12月の歌舞伎座の新作「大江戸りびんぐでっど」(感想未アップ)を観たばかり。イイ男に着ぐるみを着せて出したり、ゾンビの群れを出すところは同じようだと苦笑(染五郎はイルカをくさや干しにしたという着ぐるみだった)。軍鶏の着ぐるみを着た堤真一の関西弁は映画「舞妓Haaaan!!!」の内藤貴一郎役とかぶる。
それにしても幕開けからまるで少年漫画でねらうようなベタな笑いをとってくる。「がきデカ」のこまわり君や「マカロニほうれん荘」のようなお下品で変身ネタのよう。お下品でベタな笑い路線には高いお金を出したくない私としては、この時点でゲキ×シネどまりで正解という感じ。

劇団☆新感線メンバーの魅力を活かした当て書き的なキャラ設定だし、見せ場もあるので楽しめはする。劇団メンバー3人によるテクノポップユニットperfumeのパロディっぽい「YAKUZA IN HEAVEN」なんかもう最高に笑えた。

そうやって笑わせながら、闇太郎の失った記憶と過去の「大通り魔」の惨事が少しずつ明らかになっていく。現代社会に頻発する無差別殺傷事件とも重なるのだが、この惨事を起こした人物設定としては説得力がなく、ご都合主義を感じてしまう。
その中で愛するようになった女お泪(おるいと読ませる)と母恋いの思いが重なるところを高岡早紀が二役をしたりするのもわかるが、やはり弱い。
そういう切ない男の表情をやらせたら、二枚目でないくせに古田新太はやたらに魅力がある。これは「リチャード三世」を彷彿とする。堤真一との迫力のある立ち回りもカッコいい。
若手イケメンのダブルりょうちゃん=勝地涼と木村了も可愛いし、なかなか切ない。
しかしながら、何も残らない。一度観てああ、楽しかったで終ってしまった。まぁ、ゲキ×シネも含めて劇団☆新感線は定点チェックの対象であり続けている。

今年の10月には「蛮幽鬼」がゲキ×シネで登場するという。楽しみに待っているとしよう。
写真は「goo映画」から宣伝画像。