ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

11/10/30 大宮氷川神社散策(2)境内・参道ぶらぶら編

2011-10-31 23:59:14 | 観劇

(1)お食事編はこちら
「氷川神社際 大村庵」の真ん前の入り口から入るところで、「お初参り」の赤ちゃんをあやすお祖父ちゃんに遭遇。緊張してこわごわと差し上げてしまっているが嬉しそう。
入ってすぐに社殿のあるエリアになるが、大きな池の上に渡された赤い橋をせっかくだから渡ろうと戻る。真ん中あたりで両方の眺めを見ていると、結婚式に向かう花嫁・花婿さんと御親族が橋を渡っていくところに遭遇。花嫁さんの白無垢綿帽子と花婿さんの黒の紋付羽織という組み合わせはやっぱり見栄えがする。

朱塗りの門の前は人でいっぱい。やはり七五三のお宮参りの家族連れが多い。女の子の着物の色合いが変わっていることに気づいてしげしげと見て気がついてビックリしたことは・・・・・・。

見たことのないようなモダンなデザインが主流だった!白地にいろいろな色のバラの花とか、パステルカラーの地にバラとケーキと渦巻キャンディーの柄とかが飛び交っている!!
帯を見ると黒字に何色かのハートマークとか!!!
男の子の方はわりと伝統柄が多かったけれど、女の子の着物の柄には本当に驚かされた。おそれいりましたm(_ _)m

玲小姐さん、かずりんさん、私の3人はなんと全員が20代の娘がいるという共通点あり。そして娘たちは彼氏いない状態というのも共通していた!はてさて、初参りとか七五三とかで神社に詣でる日はくるかどうか定かでないという話題でも盛り上がる(苦笑)



上の写真は神楽殿。太くて樹齢のけっこう経っていそうな立派な木が神社の歴史を感じさせる。「神楽」といえば、NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」」で勘太郎が神楽甲子園に参加する広島県安芸市の高校生の練習を見せてもらって「同じ魂を感じる」と泣いてしまった(10/24オンエア)のを見たかと盛り上がる。神楽の団長さんの孫娘の御神楽を吹く笛が見事で、団長さんの顔を思い出して涙がどっと出たとのこと。伝統芸能を家族が継承していくという「同じ魂」を感じてしまったのだろう。3人とも勘太郎の成長の著しさの大絶賛大会となった。

お参りのあと、私はいつものように御神籤をひくが出たのは「凶末吉」!今が悪い時でこれから運気がよくなるらしい。当たっているかも(^^ゞ結びつけて納めてきた。
運気をよくするためにご利益があるのは稲荷神社と書いてあったので、境内の中にある稲荷社にも回って参拝。よくできているねぇ。

広くて気持ちのよい歩道として整備された参道をJRさいたま新都心方向に散策。途中で「氷川だんご本店」に立ち寄ったのは(1)でご報告済み。
下の写真は参道にあった石灯籠。正面に「武蔵国一宮」「東国総鎮守」とあり。参道の脇には現在の宮司さんの立派なお屋敷もあった。昔は3つの家が交代で務めていたが、現在は1つのお家になっていると玲小姐さんから即座に説明が入るのが有難い。

Wikipediaの「氷川神社」の項はこちら
ご一緒した皆様、充実した時間を有難うございましたm(_ _)m

11/10/30 大宮氷川神社散策(1)お食事編

2011-10-30 23:57:04 | おでかけ、旅行

天気がくずれそうだったけれど、なんとか散策の間はもった感じでラッキー!
さいたまスーパーアリーナのライブに遠征してこられたかずりんさんとご一緒に玲小姐さん企画の大宮氷川神社散策企画に参加した。
11:30にJRさいたま新都心駅東口のロータリーで拾ってもらい、玲小姐さんのご子息の運転で玲小姐さん、かずりんさんと大宮氷川神社へ。
まずは腹ごしらえということで、参道の脇から入る入り口の一つに面している「大村庵」に向かったのだが、七五三のお宮参りのシーズンに入ったのと、近くのNACK5スタジアム大宮でなでしこリーグの試合があるらしく、道路は大渋滞。
「大村庵」の駐車場は空いていた1台分を目の前でとられてしまい、おばさん3人を降ろしてご子息は車で去っていった。運転手ありがとねm(_ _)m

「氷川大社際 大宮大村庵」のサイトはこちら
お宮参りのお祝い膳を出すお店なので当然混みあっていたが、なんとか座れた。手打ち蕎麦が名物らしいが、うどんも美味しいと玲小姐さんのおすすめがり、欲張って両方食べられる「合い盛りせいろ」の天ぷらつきを頼んだ。冒頭の写真のようなものが出てきて1380円。さすが手打ちということで太いの細いののバラツキがすごかったが、今日の職人さんはちょっと下手くそだったかなぁ(笑)味はまぁそれなりに美味しかった。冷たい蕎麦とうどんにしてしまったので、熱い蕎麦湯をたっぷり入れてつけ汁を全部飲んでしまったが、あったまってようございました!

「大村庵」の前の入り口から入るとすぐに本殿の近くに到達してしまうので、赤い橋のところまで少々戻って散策。
氷川神社境内の散策については(2)に譲る。
立派に整備された参道を歩いてJRさいたま新都心駅までを、道々おしゃべりしながら歩くのが楽しい。メインの話題は勘三郎復帰と勘太郎と橋之助の頑張りについてだった。
来月の19日はこの3人+S氏という5月の明治座花形歌舞伎の時のオフ会メンバーで築地の散策企画があるので、その時も楽しみだねぇと盛り上がる。

氷川神社参道脇にある「氷川だんご本店」で一休み。
じゃらん観光ガイドの項はこちら
私は先ほどの蕎麦湯のせいで団子が食べられず(T-T)温かい甘酒をいただいた。店頭で飲むと250円だが、中の甘味処では390円ということでショバ代ということね(笑)

壁にTV朝日の「ちい散歩」で取材が入ったという案内があった。11/8(火)にオンエアになる予定とのこと。地井武男さんがお店にプレゼントした画集にサインが入っていた。お店のスタッフさんとの記念撮影写真も一緒にあった。
おっ、ここに写っている若旦那さんがさっき顔を見せていたっけ。
次に来るときは、だんごか酒饅頭が食べられるようにお腹を調整しておこう。
店頭の写真を撮ったが「氷」の幟もまだ揺れていた。最近まで夏日もあったし、今年の天候不順ぶりがよくわかる。
(散策記事は続く)


帰ってネットニュースを見ると、「首位のINAC神戸(澤穂希選手のいるチーム!)がアウェーで3位の浦和レディースと対戦し、1-1で引き分けた」とのこと。ということは、あの歓声はこの試合だったということね、と納得!!

11/10/29 十日ぶりのブログ更新!+「ステキな金縛り」も観たよ

2011-10-29 23:59:00 | つれづれなるままに

9月秀山祭の感想をそれも遅ればせながらアップしてから10日も経ってしまった。いつものように仕事に行って、帰宅して娘にご飯を食べさせて、舞台や映画を観ていたが、ここのところの寒暖の差の大きさで風邪をひき、ブログに記事アップまでは力が残っていなかった・・・・・・。
今月の観劇などの予定はしっかりとこなした。
さらに、一応、大学受験をすることになっている娘のセンター試験の出願手続きにも巻き込まれ、いろいろ手伝うハメになった。10月半ばのオープンキャンパスにようやく娘一人で行ってきてその気になってはいるようだが、「かまってかまって」症候群も出てきたりとテンションのアップダウンが激しい。
それに対応したりしながら、合間には「ツレがウツになりまして」と「僕たちは世界を変えることができない」もしっかり観ている。いずれもなんだかんだと一人で観るハメになったが両方ともしっかり泣かされてきて満足もした(^^ゞ

今日も今日とて二人とも昼まで寝ていたが、ようやく起き出して1000円のヘアカットに連れ出した。明日、私は散策企画に、娘は東京ビックサイトのイベントにいくので、その前に二人ともさっぱりしてこようという作戦!自転車で近くの西友の1階にQBハウスがあるので、黄色ランプ点滅状態の店に飛び込んだら30分後には終了!

その足で映画を観に出かける。二人とも今日はあまり体調がよくないので、駐輪場に寄ってから電車で出かけるが、当初は浦和のユナイテッドシネマで「三銃士」を観るつもりだったのが、どうにも間に合わないということで急遽変更。MOVIXさいたまで「ステキな金縛り」を観ることにして反対方向の電車に乗って新都心へ!イベントで大混雑の駅頭を抜けてコクーンモールへ。

ベーカリーカフェで軽食をとって、行ってみヨーカドーで娘の買い物、そして映画と、よくある休日のパターンへ。映画の後はスーパーのライフで食材や惣菜を買って家で御飯。食事の友は録画してあった先週のドラマ「塚原卜伝(つかはらぼくでん)」。第4回の対戦相手は白戸家のお兄さんだった。面が割れた時にすぐにわかったので娘に驚かれた。どうだい、エッヘン(笑)

【ステキな金縛り】脚本と監督:三谷幸喜
三谷幸喜の舞台はPARCO歌舞伎「決闘!高田馬場」しか観ていない。映画も好きな作品とそうでもない作品に分かれる。「有頂天ホテル」はまぁまぁ面白かったが、3年前の「ザ・マジックアワー」は予告編を見ただけでスルーと決めた。さて今回の「ステキな金縛り」は予告編を見ただけで私も娘も観ようと決定していた。いつもの常連出演陣に加えて新しい顔ぶれも加わって豪華なキャストに心惹かれ、ストーリーもこれなら安心して観ることができそうという感じがした。はずれても映画ならそんなに「金返せ」状態に陥らないので安心だ(笑)

ハイ、ひとことでいえば、期待を裏切らない面白い作品だったということ。三谷幸喜自身も言っているが、まさに「コメディなんだけれど、法廷サスペンスでもあり、最後は感動ドラマで終わる」。実にヘンな話なのだが、出演者が大真面目にそして楽しそうに演じているのを観ているこちら側も嬉しくなるという、実に他愛なく、その他愛なさがまた楽しく切ないドラマになっている。
主役の深津絵里と西田敏行のコンビはもう最高だった。主題歌まで二人で歌ってしまっているのもよい。冒頭の写真は二人の姿をうまくレイアウトしたプログラムの表紙。
無実の罪で斬首された無念さで成仏できない落武者の幽霊に、無実の罪を着せられようとしている被告のアリバイ証人を頼む弁護士という設定は10年前に着想したとのこと。こういう熟成された物語が満を持して産みだされたことがよかったのだと思う。

霊界からの幽霊召喚人の小日向文世の白のスーツ姿がカッコよすぎるし、真犯人から幽霊の除霊に雇われた陰陽師の末裔が市村正親、幽霊が見えて悲鳴を上げる女で篠原涼子も出演って、隅から隅まで美味しいキャスティングなのも「お得感」たっぷりでよい。

明日はまた新都心に集合して散策企画なのでガンバロー。

11/09/25 秀山祭千穐楽昼の部②吉右衛門×新又五郎の「寺子屋」を堪能

2011-10-19 23:59:11 | 観劇

さてさて秀山祭の昼の部の眼目の「寺子屋」。2006年の秀山祭九月大歌舞伎で幸四郎の松王丸、吉右衛門の源蔵で観ているが、吉右衛門が松王丸という舞台は初見。
歌舞伎座さよなら公演御名残四月大歌舞伎「寺子屋」の記事はこちら

【菅原伝授手習鑑 「寺子屋」】
今回の主な配役は以下の通り。
松王丸=吉右衛門 千代=魁春
武部源蔵=歌昇改め又五郎 戸浪=芝雀
涎くり与太郎=種太郎改め歌昇
菅秀才=玉太郎 百姓吾作=由次郎
園生の前=福助 春藤玄蕃=段四郎

涎くり与太郎を新歌昇が熱演していたが、もっと芝居っぽくしないと物足りない感じ。このお役は実は難しいのだということを思い知らされた。
新又五郎の源蔵と戸浪の芝雀のコンビがいい。この二人は菅丞相の館で不義の仲となって勘当となっているのだが、芝雀の戸浪は堅物の源蔵でもそうなってしまうのが無理がないと思わせる色気がある。その勘当の身でありながら「筆法伝授」され、信頼して一子菅秀才を預けてくれたという恩義を深く感じている源蔵夫婦である。わが子同然の寺子の命を奪って忠義をつくさなければと決意を固めている場面が切ない。

段四郎の春藤玄蕃が憎々しげで歌舞伎の敵役としての存在感たっぷりで嬉しい。そこに吉右衛門の松王丸が病鉢巻姿で登場。それだけで気分が高揚してくる。
松王、玄蕃、源蔵、戸浪の役者が義太夫狂言の台詞回し、動き、間合いをはずさずにきっちりと見せてくれるのが嬉しい。首実検までかどかどが極まる気持ちよさ!これが丸本物を観る醍醐味そのものだ。
特に松王の吉右衛門と源蔵の新又五郎が対峙する場面は気迫が熱くぶつかり合う。このように主役の吉右衛門とがっぷり四つに組める「お師匠番」がまさに吸い取り紙のように芸を写して、次の世代に伝えていく、そんなイメージが湧いてきた。

小太郎の身代わり首が見破られなかったとホッとする源蔵夫婦のもとにやってくる小太郎の母の千代。魁春はこういうお役が実にはまっていてよい。六世歌右衛門の追善狂言の政岡は見ていられなかったが、脇役できっちりとした仕事をしていってくれるのがお役目だと思う。
千代と夫婦のやりとりに松王丸が松の枝を投げ込む。結び付けられた短冊を源蔵が読み上げると菅丞相配流の前に詠んだという「梅は飛び桜は枯るる世の中に何とて松のつれなかるらん」。それを受けた松王丸が「菅丞相には我が性根を見込み給ひ、何とて松のつれなかろうぞとの御歌を、松はつれないつれないと、世上の口にかかる悔しさ、推量あれ源蔵殿。倅がなくばいつまでも人でなしと言われんに、持つべきものは子なるぞや」
もちろん史実にある菅原道真の歌ではないが、梅王丸、桜丸の忠義心に劣らない自分の忠義心をあらわすために我が子を身代わりにする決断を下した松王丸の血の叫びまで、すごいホンだとつくづく思う。

源蔵に小太郎の死に様を尋ね、「菅秀才のお身代わり」と聞かされた小太郎がにっこり笑って首を差し出したという殊勝な死にざまを聞き、我が子ながら「なに、わろうたとや?」から「立派なヤツ」等々続けざまに誉め讃え、「持つべきものは子でござる」となって、泣き笑いの末の大落とし。吉右衛門の悲嘆には気持ちが籠っている上にそれが様式美になっているのが芸の極まりを思わせる。
その小太郎はあの世で叔父の桜丸に会えるという千代の言葉は松王だけでなく観ている観客の心の救いにもなり、菅秀才の言葉が松王の忠義の報いとなる。

あくまでも菅秀才に見立てての小太郎の野辺の送り。「いろは送り」の義太夫に乗せて、「寺子屋」の幕切れはしめやかだ。
新又五郎の足は千穐楽までギプスで固められた痛々しいもので、極めの形もできないところは工夫でしのぎ、精一杯動いているのがわかった。今回の「寺子屋」の舞台は素晴らしいものだったが、映像として残るものにするのはちょっと気の毒だし見送られてしまうことだろう。実に勿体ない機会となったような気がする。

10/8に封切られた吉右衛門主演の初のシネマ歌舞伎「熊谷陣屋」を観てきて、さよなら公演の歌舞伎座で観た時の感動が甦り、アップの映像で細かい芝居も堪能させてもらった。またの機会に「寺子屋」も是非ともシネマ歌舞伎にしてもらいたいと思っているところである。

以下、今回の秀山祭の記事をまとめてリンクしておく。
9/17夜の部①「車引」の感想
9/17夜の部②「沓手鳥孤城落月」、「石川五右衛門」の感想
9/17夜の部③「口上」又五郎・歌昇襲名について考える
9/25千穐楽昼の部①「新口村」「勢獅子」などの感想

11/09/25 秀山祭千穐楽昼の部①「新口村」「勢獅子」など

2011-10-17 23:54:16 | 観劇

9月秀山祭の昼の部は千穐楽で鑑賞。遅くなって「舌出三番叟」は三番叟の舌出し場面に間に合わず。新歌昇の千歳は熱演している。染五郎の三番叟はどうにも人形が踊っているようで滑稽味が足りないなぁ。まぁ、「寺子屋」が一番の眼目の演目なのでよしということで(^^ゞ

【恋飛脚大和往来 「新口村」】
2007年10月歌舞伎座での藤十郎の「恋飛脚大和往来」の記事はこちら
今回の主な配役は以下の通り。
忠兵衛=藤十郎 梅川=福助
忠三郎女房=吉弥 孫右衛門=歌六
とにかくも、藤十郎の忠兵衛の若々しいことよ!忠三郎の女房に留守を頼まれて梅川と二人でいるところに孫右衛門がさしかかる。鼻緒を切った孫右衛門を梅川が助け、素性を明かさずにやりとりが始まり、その二人の会話を連子窓の向こうで聞いている藤十郎の芝居に目が釘付けになった。播磨屋一門になっている歌六が初役の孫右衛門を熱演。

【勢獅子(きおいじし)】
以下、「歌舞伎美人」から今回の配役とみどころを引用。
鳶頭鶴吉=梅玉 鳶頭亀吉=松緑
鳶頭雄吉=種太郎改め歌昇
鳶頭=松江、亀寿、鳶頭、種之助
手古舞=米吉、隼人、歌江
今日は江戸三大祭のひとつ、日枝神社の山王祭。町内の御神酒所へ、鳶頭をはじめ、手古舞、鳶の者たちが勢ぞろいします。ほろ酔い気分で、曽我兄弟の仇討の物語や、江戸前の威勢のいい踊りで、皆を盛り上げます。やがて獅子舞がやって来て、獅子の狂いを披露し、祭り気分もそのままに一同揃って、賑やかに舞い納めるのでした。江戸の風俗を織り込み、粋でいなせな常磐津の舞踊をお楽しみ下さい。」
                
こちらのブログで以前「勢獅子」について書いたのは雀右衛門の芸者お京を出迎えるという趣向のものだった(2006年12月歌舞伎座「勢獅子」の記事)。その時の鳶頭の鶴吉・亀吉も同じ梅玉・松緑だった。今回は新歌昇の襲名披露の趣向になっていて、獅子舞の頭を新歌昇が松緑が後ろで組んでいる。こうやって先輩から後輩へと芸が継承していくのかと納得。

播磨屋一門となっている種之助、米吉も出ているが、歌江が元気に手古舞で出ているのが嬉しい。
「寺子屋」でしんみりしたところを「勢獅子」で明るい気分で打ち出される。
冒頭の写真は秀山祭のチラシ画像。最後に「寺子屋」の感想を続けて書いて締めくくる。

9/17秀山祭夜の部①「車引」の感想
9/17秀山祭夜の部②「沓手鳥孤城落月」、「石川五右衛門」の感想
9/17秀山祭夜の部③「口上」又五郎・歌昇襲名について考える

11/09/17 秀山祭夜の部③「口上」又五郎・歌昇襲名について考える

2011-10-12 23:58:00 | 観劇

9月秀山祭の公演の主題であるお二人の襲名披露の「口上」が夜の部にあった。
【又五郎・歌昇襲名披露「口上」】(以下、「歌舞伎美人」の公演情報より引用)
中村歌昇改め 三代目 中村又五郎襲名披露
中村種太郎改め 四代目 中村歌昇襲名披露
「又五郎の名跡は、播磨屋一門にとって大切な名跡で、その名を襲名することになった歌昇改め三代目又五郎、種太郎改め四代目歌昇と、幹部俳優が揃って、襲名披露のご挨拶を申し上げます。」
筋書の舞台写真には中央に芝翫が座っている。襲名披露公演の初日だけでも出演していただいたことには大きな意味があったのだと思わされる。二日目以降は吉右衛門が代わってと言って仕切っていて、新又五郎は足の怪我が目立たないように袴から出てしまう足先を緋毛氈と同じ赤い布で覆っていた。
上手への順=魁春、福助、松緑、芝雀、東蔵、藤十郎
下手からの順=梅玉、段四郎、染五郎、種之助、錦之介、歌六、新歌昇、新又五郎

皆さんの挨拶で披露したエピソードは省略。
「歌舞伎美人」のニュースの中で襲名披露公演の記者会見の記事はこちら
今回の公演を観、記者会見の内容や筋書のインタビューを読んで、播磨屋一門における今回の襲名の意味を考えたことをちょっと書いておきたい。

先代の又五郎は幼少期から初代吉右衛門のもとで修行し、劇団の「お師匠番」も勤めていたという。「お師匠番」というのは、通常は師匠の芸を次代へ伝えていく役割を果たすお弟子のこと。(福助のオフィシャルサイトで「お師匠番」について書いている記事がわかりやすい)
しかしながら、又五郎は脇役で初めて人間国宝になった役者であり、「お師匠番」の中でも大きな名前である。だからこそ既にひとかどの役者になっている歌昇がその名跡を継承するのだろう。
その特別な名前を継承する新又五郎に、吉右衛門は播磨屋の「お師匠番」になってくれると期待しているという。吉右衛門には子息がいないし、後継者をどうするのだろうということが心配されてもきた。それが今回の二人の襲名で、ある程度は明らかにされたように思う。
新歌昇が今回の襲名披露のお役で実に花形役者らしい姿に成長していることを見せてもらった。舞台で彼を見ていたら吉右衛門の後継者になってくれるんじゃないかとピンときた。

筋書きのインタビューで新歌昇が将来の夢として吉右衛門が演じてきたお役をいくつか挙げている。それと昼の部の「舌出三番叟」で染五郎と二人で踊っている。染五郎も叔父の芸を継承するようであるが、やはり高麗屋の跡継ぎであるわけで、播磨屋の立役としては新歌昇を育てていくということを打ち出してきたように思う。

記者会見で吉右衛門が以下のように語っていることからもその方向性を感じることができる。「同時に、種太郎さんがお父様の歌昇という名前をお継ぎになります。これからもお父様に厳しくご指導していただいて、もちろん私も見させていただきますが、ひとかどの役者になられることを期待しております。」

まだまだその可能性を強くにおわせるくらいの感じではあったが、今回の播磨屋一門の父子二人の襲名で、ポスト吉右衛門のひとつの手が打たれたように感じた。
昨年の秀山祭で、歌六・歌昇の兄弟とその子息たちが萬屋から播磨屋へ屋号を戻して一門を形成し、その中で種太郎=新歌昇を吉右衛門の継承者として育てていくという道が拓かれたのだと思った。
新歌昇と染五郎で切磋琢磨し、当代吉右衛門の芸の継承をしていってくれるのだろう。その時に「播磨屋のお師匠番」がしっかりと次代の後継者を育ててくれるというシフトを固めたように思えた。吉右衛門も新又五郎襲名に「これで播磨屋も安泰」とつくづく感じたとのこと。
これで播磨屋の芸がしっかりと継承されていくシフトが組めたようで、実に頼もしい限りだ。

続けて昼の部の感想も書いていきたい。
9/17秀山祭夜の部①「車引」の感想
9/17秀山祭夜の部②「沓手鳥孤城落月」、「石川五右衛門」の感想

11/10/10 七代目中村芝翫さんを悼む

2011-10-10 23:58:53 | 観劇

七代目中村芝翫丈が肝不全のため10/10に83歳で亡くなった。出かける前にマイミクさんの記事で知って溜息が出た。予感はあった。9月秀山祭の初日出演後に病気休演されたが、筋書掲載舞台写真の「沓手鳥孤城落月」のページには芝翫と福助の淀君があった。その芝翫の淀君のお顔があまりにむくんでいるようでハッとさせられていた。

戦後を代表する六代目中村歌右衛門、七代目尾上梅幸に次ぐ女形として活躍されていたとのことだが、私はそのお二人は見ていない。本格的な歌舞伎観劇を始めたのは勘三郎襲名披露興行くらいからなので、円熟期の舞台は残念ながら見る機会がなかった。それでも四代目中村雀右衛門、四代目坂田藤十郎とともに超ベテランの女形芸を見せていただけたのは有難いことだと胸に刻みたい。冒頭の写真は、2007年3月歌舞伎座の「吉野山」の公演時、イヤホンガイドの『耳で観る歌舞伎』の表紙にあった芝翫丈の静御前。
昨年の歌舞伎座閉場後、新しい歌舞伎座に建て替える前に世代交代がすすむだろうと予測していたが、今年の1月には中村富十郎丈が81歳で亡くなり、梨園の大御所のお二人が続けて鬼籍に入られてしまった。
富十郎・芝翫の人間国宝の二人が踊られた2008年1月の「鶴寿千歳」が甦る。
2010年1月の歌舞伎座さよなら公演の「車引」で桜丸が実によかったのも思い出す。

この8月に子息や孫とともに舞台に立っていた「夏 魂まつり」が、私にとっては最後となってしまった。
芝翫丈のご冥福を祈りつつ、子息たちだけでなく教えを受けた後輩たち皆が、その芸を立派に継承していってくれることを信じている。

(10/11追記)
長男の福助丈がオフィシャルブログのこちらの記事で御父上が「雨男」だったと書いています。そういえば、9日から10日にかけての深夜に天気予報は曇りだったのに雨になりました。深夜に洗濯物を干す私としては予報と違うと文句を言っていたのですが、そういうことだったのかとしんみりしてしまいました。
六世歌右衛門が亡くなった日は桜の花が咲いているのに急に雪模様になったことが伝説になっています。二代続けて大成駒と呼ばれる方がこの世を去る時、風雲の神も心を動かされるのかなぁという感慨も湧いてきました。

11/09/17 秀山祭夜の部②「沓手鳥孤城落月」↓、「石川五右衛門」↑

2011-10-09 22:07:15 | 観劇

かなり間があいてしまったが、9月の秀山祭夜の部の「沓手鳥孤城落月」と「石川五右衛門」について考えたことを簡単に書いておきたい。

【沓手鳥孤城落月(ほととぎすこじょうのらくげつ)】
「沓手鳥孤城落月」は坪内逍遥作の歌舞伎の演目で、「桐一葉(きりひとは)」(Wikipediaはこちら)の続編という。五世歌右衛門は「桐一葉」の初演以来、淀君が生涯の当たり役となり、淀君ものが連作されたらしい。それ以来の成駒屋の家の芸だ。五世六世と歌舞伎界に歌右衛門という名の立女形が歌舞伎界に君臨した歴史はいろいろな書物で把握済み(中川右介の『團十郎と歌右衛門』がわかりやすい)。
その歌右衛門を最大限に活かす淀君ものということで、当代芝翫も家の芸として度々演じているが、2010年3月歌舞伎座上演の折にも見ていない。この演目自体、今回が初見だ。
あらすじは「歌舞伎美人」のみどころを参照のこと。
今回の主な配役は以下の通り。
淀君=福助(初日のみ芝翫、病気休演で代役)
豊臣秀頼=歌昇改め又五郎 千姫=芝雀
大住与左衛門=錦之助 石川銀八=児太郎
大蔵の局=吉弥 正栄尼=東蔵
大野修理之亮=梅玉 氏家内膳=吉右衛門

当代芝翫を出演させる以上は、意向に沿った演目選びになるだろうし、高齢で身体がきかなくなっていても演じられるお役だし、襲名を祝う新又五郎にも秀頼といういいお役で組めるということでこの演目に極まったのだろう。
今年の大河ドラマは「江」で、主人公の長姉の淀君の宮沢りえを惚れ惚れしながら観ている。どうしてもそれと比べてしまうことになるのが不利になる上演時期になってしまったが、「沓手鳥孤城落月」の淀君は実に見苦しい。大阪城落城の際、千姫が城を落ち延びたことがわかって狂乱。正気と狂気の間を行ったりきたり、「日本四百余州はみずからが化粧箱も同然じゃ」というような台詞も歌い上げるからこそ芝居になるのだ。五世歌右衛門は台詞を歌い上げる芸が見事だったというし、六世の淀君もよかったらしいが、当代芝翫や代役の福助の台詞はそれほどの芸とは思えない。それなのに家の芸といって上演するというのはいかがなものだろうか?台詞なしで立ち回る裸武者の石川銀八がなんと児太郎。祖父の芝翫と一緒の舞台に立つためにしばらくぶりに舞台に立ってくれたのではないかと推測。

吉右衛門をはじめ周囲の役者衆の台詞にも酔わせるものがない。立女形が歌舞伎界に女帝のように君臨する時代は終わった。それにつれて「沓手鳥孤城落月」は上演されなくなっていく演目だろうし、それでいいと思う。

【増補双級巴 石川五右衛門】
 市川染五郎宙乗りにてつづら抜け相勤め申し候
2006年5月に吉右衛門主演で観ている。筋書きの上演記録をみるとこの増補双級巴版の上演は初代吉右衛門以来の家の芸ということがわかる。「金門五山桐」は猿之助で観ているし、海老蔵の新作歌舞伎でも観ているが、五右衛門ものの名場面をコンパクトに見せてくれるのが「増補双級巴」ということらしい。
今回の主な配役は以下の通り。
石川五右衛門=染五郎 此下久吉=松緑
三好長慶=松江 三好国長=亀寿
左忠太=廣太郎 右平次=種之助
次左衛門=錦吾 呉羽中納言=桂三

冒頭の写真は演舞場のロビーにあった呉羽中納言に化けた五右衛門の初代吉右衛門の写真。今回の染五郎は、普通のお公家さんに見えてしまって盗賊が化けた胡散臭さが漂わなかった。同じような細面でも初代は顎が四角いが染五郎の顎は三角に尖っているので、台詞なしでいるだけの場面はどうしても華奢に見えてしまって不利。しかしながら台詞は太く発声する努力がわかってよかった。
2006年の吉右衛門の時の配役からガラっと若返り、花形歌舞伎的な舞台が楽しめた。松緑の此下久吉が予想以上の歌舞伎味の濃い存在感を見せ、二人で組む場面などはけっこう見応えがあり。
葛籠抜けの宙乗りも吉右衛門はヨッコラショッと飛び出てきて苦笑させられたが、染五郎は颯爽と飛び出て「葛籠背負ったがおかしいか!」と極まった・・・・・・ところが宙乗りの後半がいけなかった。余裕たっぷりに気持ちよさそうに空を歩んで欲しいのだが、染五郎、必死の表情になってしまっている。高所恐怖症なのか?腹筋の鍛錬が足りないのか??もう少し余裕で宙乗りできるようになってもらいたい。

極彩色の「山門」の場面に舞台転換するまでに少し間があいたが、待っていた甲斐があったというレベルにはまだなっていない。染五郎にもう少し貫録が出るといい。遍路姿の久吉の松緑と天地に極まっての幕切れはそれなりの満足感がある。
こちらの増補双級巴版の五右衛門ものは、第一に話の内容が現代でも十分に面白いと思うし、精進を重ねながら芸を継承していってくれる人材が若い世代にもけっこういそうだしということで、これからも上演を重ねていって欲しい演目だ。

ということで、タイトルに↓と↑のマークをつけたのが何故か、わかっていただけたと思う。
続けて少しずつ書いていく予定。
9/17 秀山祭夜の部①「車引」の感想はこちら

11/10/05 本高砂屋の金鍔・銀鍔GET、美味!+今月の観劇などの予定

2011-10-05 22:02:42 | 観劇

実家の近くの接骨院を一回受診しただけで治療内容照会がきて、用紙を預けに10/2(日)に実家に行ってきた。

母が9月の市が主催する敬老のつどいでもらってきた本高砂屋の金鍔と銀鍔。金鍔2個、銀鍔1個が入ったセットからそれぞれ一個ずつをわけてもらってきた。きんつばは本高砂屋が元祖だとのことだが、それを長期間保存できるような商品にしたものとのこと。就職してすぐに住んでいた神戸市東灘区に本社があるが、確かに工場があったことを思い出す。金鍔は小豆、銀鍔はさつまいもで作られている。それを並べて思わず携帯で撮影したのが冒頭の写真。
月に一度のカウンセリングから直帰したので娘が驚くほど早い時間=午後6時半には帰宅。お茶休憩を我慢して帰ってきたので娘とスイーツタイムにする。金と銀を半分ずつにして両方味わう。普段は緑茶もマグカップで飲んでいるが、この銘菓に敬意を表して湯呑茶碗を出してきてしまった(笑)
美味しいお菓子を食べられたことに感謝m(_ _)m

以下、今月の観劇などの予定。
1(土)MOVIXさいたま:「うさぎドロップ」...期待していたほどではなかったものの、それなりに面白かった。まぁ、漫画が原作だし、イクメンを励ますことにもなるしでよい企画でしょう。ダイキチはりんを捨てた母親を赦せないと怒っていたけれど、彼女の方もかなり気の毒に思えたなぁ。

3(月)仕事の後、震災で休んでいた勉強会の今年度の第一回例会...実に刺激的な講演を聞いて翌日さっそく活かすことができた!

10(月)日生劇場:坂東玉三郎舞踊特別公演の夜の部...せっかくDVDを持っている「楊貴妃」とか予習が間に合うかしら(^^ゞ

14(金)国立大劇場:10月歌舞伎公演「通し狂言 開幕驚奇復讐譚(かいまくきょうきあだうちものがたり)」夜の部
15(土)さいたま芸術劇場:蜷川シェイクスピアシリーズ「アントニーとクレオパトラ」...こちらは松岡和子訳のちくま文庫版を買ってあり、ついに読み始めたので予習が間に合うはず?!

22(土)新橋演舞場:十月花形歌舞伎昼の部・夜の部通し観劇...ガンバレ、自分!

30(日)さいたま新都心→大宮氷川神社(武蔵一の宮だよ)の散策!!

ご一緒する皆様、よろしくお願いしま~す(^O^)/

11/10/02 実家の近くの接骨院を一回受診しただけで治療内容照会がきた・・・

2011-10-04 23:41:09 | 医療・介護・福祉など
10/2(日)に実家に行ってきた。実家の近くに接骨院が開業し、変形性膝関節症がひどい母は週2回は通院している(他に通所リハビリ週2回、整形外科に週2回と通院がウイークデイのメインの日課!)。丁寧な治療をしてくれているので、母はいろいろなところでおすすめしているので患者さんが増えてきて、自分がかかろうとすると混んでいて出直したりもしているという(^^ゞ
私も6月に一度診てもらったが、不具合箇所を実に丁寧に診ていただき、ストレートネックも通院治療を続ければS字ラインを修復できるとのことだったが、そんなに通うことはできない。職場帰りに立ち寄れる接骨院に月に1~2回通うのが精いっぱいなので、そちらに継続的に通うことは非現実的だ。
その時に「健康保険組合によっては、治療内容の照会があるかもしれないので、その時は用紙を持ってきてください」と言われた。うちの健保組合はそんなに細かいチェックはやっていないだろうとたかをくくっていたが、ついに先週届いてしまった!

民間会社の療養費点検センターと契約して、保険適用になる治療かどうか細かく点検することにしたようだ。接骨院=柔道整復師の治療で健康保険が適用になる場合は、「急性または亜急性の外傷起因による骨折、不全骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷(医師の同意のあるもの、応急手当の場合)」と参考として記載されていた。適用されない場合は、「捻挫、打撲が治ったあとの漫然とした施術、マッサージ代わりの治療」等6項目ほど列記されていた。
そんなに通院するつもりもなかったが、これってすごい受診抑制効果ありだよ。けれど無駄な受診だとも思わないので、弱い身体に鞭打って働いている人間はどうしたらいいのさって、かなり疑問?!

その書類を母親に預けて届けてもらって書いてもらうことにしてきたが、月曜日に母から報告がきた。「先生が下書きしてくれたから、清書して出してくださいと預かってきたよ」とのこと。なんだぁ、結局もう一度取りに行かなくてはいけない。書類の締切もあるから、ハイハイまた行きますよ。