ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

05/11/29 松竹110周年祭で『天守物語』観ました

2005-12-01 23:54:44 | 映画(映画館、DVD、TVを含む)
シネスイッチ銀座で11/19~12/16「松竹110周年祭」のシリーズ上映をやっている。詳細はこちら
その中で絶対観ようと決めていたのが『天守物語』である。歌舞伎座でもらってきた宣伝チラシの中の物語の説明はちょっと間違っているようなので、下記の方を参照していただきたい。
goo映画での「天守物語」解説はこちら解説部分を引用すると以下の通り。
天守に住む魔性の女と一人の若侍の恋の顛末を描いたファンタスティック時代劇。原作は泉鏡花の同名戯曲。監督はこれが監督3作目になる坂東玉三郎で、舞台でも何度となく演じた富姫役で主演もこなしている。共演は94年の舞台版にも出演の宍戸開と宮沢りえ。殆ど天守のセットの中で物語が展開する。松竹創業100周年記念作品。

ストーリーはざっと以下の通り。
姫路城の天守には伝説の獅子頭とその不思議な力で生きる魔性の女たちが住んでいた。その主人が富姫。妹で会津城に住む亀姫が久しぶりに遊びにきた。その姉妹の情愛をまず描く。富姫は妹の土産に城主・武田播磨守の一番大事にしている鷹をとって持たせてやるが、その鷹をそらした責をとわれ探しに天守にまで登ってきた侍・姫川図書之助に好意を抱き、帰したくなくなる。お互いに一目ぼれなのに城主に忠誠を誓っている図書之介は下界に返してほしいと請う。いったんは帰すが、天守にまで登った証にと持たせた家宝の兜で逆に盗みを働いたと疑われ、死罪とされてしまう。図書之介はどうせ殺されるなら姫君に命をとってもらいたいと再び天守に上がってくる。富姫は彼を獅子頭の母衣に隠し、追っ手の人間には姿を見えなくするが、獅子頭の目を槍でつかれ、天守の住人たちはみな目が見えなくなってしまう。亀姫が土産に持ってきた会津城主の生首を投げて追っ手を撃退するが、途方にくれる富姫と図書之介。しかしそこに獅子頭を彫った近江之丞桃六が突如として現れ、獅子の眼を彫り直すと...みなの目が開く。そしてハッピーエンド。

亀姫の宮沢りえがやけに可愛い。今から10年前だものね。目のあたりの表情もあどけない。それからすると今はだいぶ大人の表情になっているなと思う。富姫は獅子頭のような男がいないかと思っているところに獅子頭に面差しが似た図書之助が現れて爽やかな人柄ともども惚れるのだが、宍戸開の大きな目は獅子頭の大きな目にそっくり。これはなかなかのキャスティングかもしれないと思う。
亀姫の道中の先触れが朱の盤坊で市川左団次。赤っ面がよく似合う。天守の腰元たちと戯れるのもなんか女好きっぽいのがハマリ役。腰元の頭である薄に南美江もなかなかに可愛らしい老女でいい感じ。2代前の城主に團蔵、追っ手の頭に弥十郎という味なキャスティングもなかなかいい。
亀姫の乳母?の舌長姥は誰が演っているのかと思ってみていたが、エンドロールで玉三郎とわかってちょっと驚く。そうか富姫との二役で評判になっていたのだっけとうっすら記憶が蘇る。徹底的にむさい婆姿に変身してこそ本役との差が際立つのかも。
獅子頭を掘った工人役で島田正吾が出てきたが、あったかい感じでとってもよかった。ファンタジーをしめくくるのにぴったりだった。

さて富姫の玉三郎...、う、美しい~。じっと見入ってしまった。別にスクリーンに穴があくわけではないが、こちらがドライアイになってしまいそうな感じ。さすがに10年前だ。映画のアップでも十分耐えうる美しさ!!ちゃんと時期を選んで撮影したものだ。 松竹創業100周年記念作品というのもなんかすごすぎる。

このシリーズ上映とともにビデオやDVDも発売しているが、なんとこの『天守物語』だけ値段も破格だった。ほとんどの作品が3990円なのに、これだけは15750円だって!でも買う人は買うんだろうな。でも、これ2本分で勘三郎箱が買えたよ(2割引の時だけど)。

写真は「松竹110周年祭」のチラシの写真を携帯のカメラで撮影。