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東京オペラプロデュース「レスピーギ:ラ・フィアンマ」楽日2013.07.28批評(No.2313)

2013-07-28 20:43:22 | 批評

圧巻!『炎の女 = 福田玲子』が燃焼し尽くした 東京オペラプロデュース「レスピーギ:ラ・フィアンマ(炎)」


  福田玲子のことは 東京オペラプロデュース「マスネ:エロディアード」2012.06.23初日批評(No.2072) にて詳細批評した。圧倒的感銘を受けたのだが、聴衆の反応は 鈴木慶江 の方が上だった。意外!
 今回公演では、福田玲子 に大いに期待して聴きに出掛けたのだが、予想を遥かに上回る演奏だった。前日のタイトルロール = 垣岡敦子 も素晴らしかったのだが、

オペラ「ラ・フィアンマ」の印象が全く異なるか? に感じられるほど、福田玲子 は「炎の女 = シルヴァーナ」になりきっていた!


ことをここに断言する。その影響力の大きさたるや、オペラ全体に及んでいる。共演メンバー、合唱団、指揮者、オーケストラメンバー 全てである。


  1年前の 東京オペラプロデュース「マスネ:エロディアード」公演批評で書いたことはそのまま今回も素晴らしかった 福田玲子。前回は、はっきりと明言できなかったことを綴りたい。

福田玲子 は「リズム感」が卓越しており、「プリマドンナオペラ」である「ラ・フィアンマ」に脈打つリズムを蘇らせ、言葉を根拠とする「音楽のテンポ」を時には微妙に、時には大胆に牽引して行く!


  これが初日公演との違いである。


 昨日号にて『レスピーギ はイタリアの作曲家だが、「イタリアオペラ」の雰囲気とは少し違う。』と書いたのは他ならぬ私高本である。舌の根も乾かぬ内に、訂正文を入れる。

レスピーギ は、プッチーニ、ヴェルディ、ロッシーニ の影響はほとんど感じられないが、『ベッリーニ & ドニゼッティ』の プリマドンナオペラ の影響をストレートに受け、咀嚼している!


  「アジリタ」が無いので、昨日はわからなかったのだが、テンポの伸び縮みについて、ベッリーニ「夢遊病の女」「清教徒」やドニゼッティ「ランメルモールのルチア」を読者の皆様は思い起こして頂きたい。「楽譜通り & インテンポ」で歌われたら、情緒は100%は伝わって来ない。
  しかし、マーラー後期作品(「リュッケルト歌曲集」「亡き児をしのぶ歌」「千人交響曲」「大地の歌」)のように事細かな指示は、レスピーギのスコアにあるのだろうか? 「ラ・フィアンマ」スコアは読んだことが無いのだが、「ローマ3部作」スコアを読む限り、マーラー後期のような神経質な(病的に神経質、が正しいか?)指示をする作曲家には思えない。


「福田玲子 のテンポ設定の動き」がいかに激しかったか? についての実証。第1幕後半のテンポ設定が(初日の垣岡敦子と全く違い)アッチェルランド掛けまくり、になり、金管楽器が少々「落ちた」!


  おそらく、GP(最終舞台リハーサル)でも出て来なかった「テンポ」だったのだろう。指揮者 = 石坂宏 は、「プリマドンナに合わす棒」だった。弦楽器は付いて行った。木管楽器も付いて行った。金管楽器は(難しいパッセージだったのだろう)少々落ちた。金管楽器は「キー」が木管楽器より少ないので、アンブシュア(唇)のコントロールが難しいのが原因。金管楽器奏者に起因することでも無ければ、指揮者に起因することでも無い。「予算が足りなくて、合わせの回数が少ない」が原因。これ、ってどうすれば解決するのかは、「ロバの耳ヒョーロンカ = 私高本」はわからん><


 タイトルロール以外のソリスト は、全員「楽日公演」の方がうまく聴こえた。これは、

「オケが弾んでいたから」の可能性が高く、その原因は「福田玲子のリズム感 + テンポ感 の卓越」が源、の可能性大


  こうなって来ると「キャスティング組合せ」は大事なことがはっきりとわかる。


東京オペラプロデュース次回公演は、2014年2月8日(土)&9日(日)グノー「ミレイユ」 飯坂純 指揮 & 池田理代子 演出


  これは、2011年3月の「メサジェ:フォルテュニオ」公演の組合せ。東日本大震災の影響で私高本も1日しか聴きに伺えなかったが、素晴らしい公演だった。期待は高まるばかりではないか!!!

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1 コメント

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Unknown (場路もオペ)
2013-09-11 18:49:09
私もフィアンマ、観に行きました
なぜもっと話題にならないのかと不思議です。
さすがですね、話題にしてくださっていてうれしかったです。
私はオケも合唱も、指揮者も食っちゃってた印象です<福田さん
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