Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

静かな熱狂の意味

2019-05-19 | 雑感
泊まったホテルは高得点が付けられていた。しかし実際には全くだった。それどころかタオルも部屋になく、言いつけておいても結局は届かなかった。最後にそれを指摘すると朝飯を奢らせてくれと言う。時間が無いと断るとコーヒーを持って行けと渡される。序でにジュースも飲んだ。

結局はコーヒーも運転席でひっくり返してシャツを汚すだけでなく、窓も開かないようにショートさせてしまった。大変な損害だった。それでも気を取り直して調べた近所の湿地帯へと立ち寄る。そこで持ってきたものでピクニックしたかったからだ。天気も丁度良く気持ちよかった。

今回は演奏会前日から興奮して睡眠時間が短く、演奏会後にシュツッツガルトの老夫婦と話していたらまた寝不足になった。それでも無事帰宅した。やはりあれはイヴェントだったと思う。詳しくは改めて纏めたいが、会場の座席選びも図星で、とてもいい席を押さえた。キリル・ペトレンコ指揮マーラー作曲交響曲八番をあれ以上にいい席で聴けるのは今後ともなかなか難しいかと思う。

公演前には夏のブレゲンツ音楽祭の水上舞台と観客席も見学した。一言、あれではヴェローナあたりのオペラ上演とどっこいどっこいだと分かった。そこで弾いているヴィーナーシムフォニカーと言うのがどの程度の楽団かもそれで知れる。まともな音楽家はあれには拘わりたくないであろう。

要するに音響も劣悪そうで、更に舞台の可能性も全く大したことが無いと認識した。あれならばヴェローナのアイーダの方がましかもしれない。あんなものを中継やらメディア化してもどうにもならないであろう。要するに観光客目当ての夏の人寄せアトラクションでしかない。私なら個人的にイルカショーの方が行きたいと思う。

そのようなところに併設されている劇場だから文化的な香りはとても薄い。場所にヴィーナーシムフォニカーと名を付けるぐらいだから、バーデンバーデンにベルリナーフィルハーモニカー広場を作るかという話しになる。白い頂が会場からも見えてそれは素晴らしいのだが、所詮その程度である。

しかしそうした会場であれだけの熱狂を湧き起こす演奏会を催すということ自体が如何にイヴェント性が高いかということになる。誤解があってはいけないが、折角の最弱音に携帯電話が鳴り響いたことを除けば ― あそこは折角の録音をどうにかしないといけないだろう ―、そんなに悪い聴衆ではなかった。その静かな熱狂について考えなければいけない。



参照:
まるでマイバッハの車中 2018-05-27 | 生活
再びルクセムブルクへ 2018-04-26 | 文化一般

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