Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

試飲会の後で開けるワイン

2013-05-07 | ワイン
週末に開けたワインを飲み干した。ナーヘで新鮮なワインを樽試飲までして楽しんできた後に開けるワインを考えた。つまらないものを開けてももはや美味しくは無く、持って帰ってきたグーツリースリングでは物足りないことは分かっていた。とは言っても、試飲で鼻を使たので、右の鼻の具合は久しぶりに悪くなって、良いワインを賞味できる状態ではない。そこで2009年産の酸の弱い\比較的出来上がっているリースリングとして、ダイデスハイマー・ランゲンモルゲンを開けた。

グランクリュ並みのミネラルの特徴を持っているPCの地所であるが、2009年産の場合は繊細感があまりなくて評価は、2011年産のそれ並みに低い。それでも完熟の葡萄のうまさは独特の苦味を消していたので飲み易いリースリングとなっていた。そして、二年を半年も過ぎた今、先行きの最終判断が出来るというものである。

予想以上に美味かったが、もはや完成してしまっていて、現在感じる十分な酸が最後の華と思われる。これが落ちて行くと、一度眠りに入って、瓶詰後四年ぐらいには完全に終着点にいるだろう。それでも甘露飴の様なニッキのような独特のエグミが無く新鮮そのもので飲める今がとてもよい。特に二回目には豚の煮凝りと合わせたので素晴らしく、これほどの深みと煮凝りの奥ゆかしさが良い相性を示していた。

この程度の、つまりPCクラスのワインで、瓶熟成を思い存分愉しめて、同じワインの熟成を楽しめるのはリースリングの他にはないであろう。特に瓶詰直後から二年までの変化、そこから四年五年の円熟、その後の経年とこれほどに瓶熟成するワインは赤ワインを含めて無いに違いない。

なるほど、百年ほど前には、マルゴーなどよりもドイツワインの方が明らかに高価だったのは貴腐ワインが中心となっていたようではああるが、熟成の価値はその当時は現在のようなグランクリュのリースリングほどではなかったであろう。我々インサイダーでは、ドイツのグローセスゲヴェックスがその価値の上昇で抜きに出るだろうことは確証できている。

注文したワインが来ないので、痺れを切らしてファンフォルクセム醸造所に電話した。既に発想は始まっていたのだが、片っ端から送り出すということなしにおいてあるという雰囲気だった。この辺りがなんとなく大名商売らしく、流動資金に一切困っていない証拠でもある。なんてことない従業員もこれならば楽して催促が来るまで待っていればよいのである。そのような仕事ぶりがここのリースリングにもあるような気がする。まさしくスロ-ドリンクである。それにしても、注文が通っていたのを確認するときに、ゴッテスフースなどが出て来ると少し鼻が高い - どうも電話の相手はそれを勧めてくれたどこかの醸造所の娘さんのような従業員のようだったが ―、なぜならば、まさに何を先行予約するかこそが鼻利きを示しているからだ。



参照:
裸の王様を斜に見ながら 2013-05-05 | 試飲百景
いつも瓶熟成を待ちながら 2012-11-01 | ワイン
嵐の中での中身の熟成 2012-07-15 | 暦
聖土曜日から復活祭にかけて 2013-04-01 | 暦
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