Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

創作への理想的環境

2012-03-05 | 生活
チャーリー・チャップリンが赤狩りに遭って、ハリウッドから追放されて、欧州に帰ってきたことは周知の事実である。同じように女王陛下のスパイであるMI5にも監視されていたことは噂にはなっていたかもしれないが事実としては確認されていなかった。その内容が明らかになって、ロンドンの南部の出生記録はあるようだが、ユダヤ人の姓名やフランスで出生したと言う噂は確認されなかったと言うのである。

そうした状況に嫌気が指してスイスのジュネーヴ湖畔に居を構えてから、最後の映画を撮る時には英国に戻ってそうした状況を痛烈に批判した映画を制作したとある。

同じように欧州から合衆国に渡り、そこから再び欧州へと戻った文化人は数限りない。自身は弟のように社会主義者でもなく、ユダヤ人でもないにも拘らず奥さんの関係もあって亡命を余儀なくさせられたトーマス・マンなどもそこに含まれる。

そのノーベル賞作家が、三部作「ヨゼフと兄弟」を著したキャリフォルニアの自宅が、着欧時に売却されて、その飼い主の子孫が借家として空きを出していると新聞に紹介されている。月毎15000ダラーであるから、高級であるが、小説に描かれた棕櫚の並木がそのまま残っているようで興味ある向きには決して高価ではないだろう。

そもそもそのロス郊外の家は1945年に映画「アルキスト夫人の家」でオスカー賞をとったベルリンから亡命した舞台芸術家パウル・フルジェンスキーの内装と同じくハリウッドで仕事をしていた建築家ダヴィドソンの手によって当時新興のサンレモドライヴに建築された数軒の一つであった。

瀟洒な建て方とバウハウスの流れを汲む自由な建築様式でそれなりにドイツのそれの流れを汲んでいるようだ。そのような環境で、三部作の執筆には最高の条件を齎したのみならず、「ファウストュス博士」の執筆もそこで行っている。当然のことながら同じ亡命者であるアドルノもそこを訪れているようだが、作品との関連に関しては言及していないようだ。折角車を走らせてやってきたその学者もマン夫人である老カティアに掛かると只の己惚れのばか者となるのであるが。

先週に続き山の上まで駆けた。走り出しで膝の上下に酸素がいかない感じが強かったので、これは駄目かと思い歩こうかとも思ったが、駄目はもともとも我慢した。すると万歩計がベンチのところまでで9分しか示していない。16分掛かっていたところをそれはないだろうと思ったが、調子の良い自分はスーパーマンかと思い、走り続けた。次のチェックポイントまでそこから5分しか掛かっていない。これは記録達成と思い、頂上まで抜けると19分を示していた。流石に歩数が足りないことを鑑みても正しく時間を刻んでいないと疑った。それでも最後の坂も十分に走り登ることが出来て、先週の一回目とは大分違う。力配分が出来るようになったのであまり苦しまずに頂上まで登り、寧ろ降りの方が疲労して汗びっしょりで駐車場まで帰ってきた。タイムは兎も角、先週とは大分疲れ方が違う。体が軽い。これは楽しみである。



参照:
QOLとしての水道水 2005-07-29 | アウトドーア・環境
パリへと航空郵便を発送 2008-11-30 | 雑感
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