Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

東北・関東の農産品の廃棄

2011-08-11 | アウトドーア・環境
月曜日の統合記者会見で独第二放送の記者が質問していた。内容は、私自身も前日に見つけた三万Bqを超える水田の汚染情報から、避難区域外の広範囲に土壌の汚染状況を調べていなかったので、二度に亘る米の検査でも管理しきれないのではないかというような質問であった。

細野大臣はその事実を知らず、今後の検査で十分に管理できると思い込んでいるようであった。善意にそれをとれば農林水産省からそうした情報が故意に上げられていないのであろうが、政府方針としての事故の矮小化を考えれば当然の対応とも思われる。

5000Bqを越える汚染の水田は福島だけでなく、宮城・茨城・千葉などのホットスポットでは桁違いのセシウムの汚染箇所が見つかる筈で、そもそもそうした甚だしい汚染地域で農作活動を許可したのが誤りなのだ ― これではまるで無駄に働かせるだけ働かせて命を奪う「ARBEIT MACHT FREI」としたナチの死への強制収容所ではないか?ここにも日本政府と行政機関の非人道的な処置が如実に現われている。

チェルノブイリ後の影響を引き続き省みているが、二千キロ離れたバイエルン地方でも五万Bq前後の桁違いの土壌汚染の地域が見つかっており、福島における関東平野東北での土壌汚染はその程度ではありえない。

当時の西ドイツでは市場がそうした汚染物を受け入れないことから、スーパー「レーヴェ」一社だけでも1986年5月に二億円以上の乳製品や野菜が放棄されたという。

さてここまで書いて、最新の情報が入った。首都圏での土壌調査の結果である。予想通りで、二十三区のホットスポットを除いた都内や神奈川の汚染はバイエルンの最も激しい場所の汚染ぐらいである。

予想以上は、ホットスポットなどの半減期の長いセシウム137が八万Bqを越える文京区小石川などを含む地域の点在で、その中には移住が必要なほどの区域が含まれるほか、そこまで至らないまでもあの当時避難が必要だったような地域が記されていることである。

概ね、駐東京大使館などが発動した関東退去勧告はかなり当を得たもので、それが出来ていればヨウ素による青少年の甲状腺癌の多発は避けられたに違いない。しかし不可逆な被曝は、刑事訴追の対象となってももはやそれ以上致し方ない。今後は内部被曝を如何に抑えて疾病数を極力下げるかでしかないのだ。そのためには、即太平洋岸の岩手県から静岡までの東北・関東の農産品を廃棄して、食卓に上らせないことしかなかった。それ以外に将来に備える方法はないと確信する。しかしこれもヨウ素に関してはもはや手遅れであったのだ。チェルノブイリの牛乳に相当する食品による健康被害が間違いなく生じるだろう。



参照:
全国土壌汚染調査がはじまりました!
首都圏土壌調査結果pdf
巻頭土壌汚染調査結果マップpdf (放射能防御プロジェクト)
チェルノブイリ後の土壌汚染 2011-08-10 | 歴史・時事
水稲の汚染状態を予想する 2011-08-05 | 雑感
食品による内部被曝の予想 2011-07-29 | 生活
計画通りにならない核分裂 2011-04-11 | 雑感
コメント
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