Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

煎茶で深い眠りに落ちろ

2008-06-23 | 
薩摩茶と云うのを女性からプレゼントされた。ここで書いたように、本来宇治茶消費者なので「地方」の茶所には潜在的に偏見があるかも知れない。

それもハーブティー商などが扱っている緑茶などは飲めるかと言う気持ちもある。しかし、そこは悪からぬ女性からの贈り物となると簡単に可笑しな無駄な力が抜けてしまうのである。

先ずは包装をじっくりと怪訝な目つきで眺めてみる。二度摘みの半影の緑茶で「出一」と命名されている。葉振りの良い新芽のみが初夏に摘みとられて、新鮮なトーンの味に繊細な香り漂う高品質の茶になっているとかいてある。

更に本物の特級日本茶とも書いてある。さていつもの宇治茶のように煎れる。茶も抹茶が混ぜてあるような様子はないが、少々茶葉は荒い感じがした。静岡のそれのような清涼感もありながら、見た目も味も香りもむしろ宇治のものに大分近い。云えば宇治の方が少し濃くが深く、旨味がありより楽しめる煎茶である。

しかし、それにしても指定の物しか飲まないと云う人間に、態々日本茶を贈り物するとはなかなか良い度胸をしている。もし、我がご愛用品の方が、万が一不味かったとしたら、面目丸潰れであったと胸を撫で下ろす。

薩摩茶について調べると、平坦茶園で栽培されて四月には早くも茶済みが始まるとある。戦後に盛んになって急成長している茶どころとある。なるほどこうした所でバイオ農業で茶作りがされているならば、大量に消費される日本国内で供給されるものよりも付加価値をつけて海外でも流通させることが出来るのだろう。実際の産地については確証はないながら、偶々、今回は宇治の方に軍配が上がった。

50グラム入りの袋は日本で包装されているようで、ドイツでの小売価格は少量消費品であり、我が愛用品の倍以上の価格はするであろうと想像する。ただ、我が宇治茶は、日本からのお土産として、日常消費に相応しいいくつもの銘柄の中から選んで残った銘柄に親しんでいるだけなのである。それは空港では販売されているが、有名銘柄の中では日本国内の市中有名デパートでも比較的探さなければいけない銘柄なので供給量にも限度があるのだろう。

「煎茶も美味しくないと直ぐに飲み飽きる」とワインの時のようなそのような判断基準を挙げ「特に飲酒のあとに、就寝の前に緑茶を楽しむと快眠出来る」と語ったのだが、そのコンテクストを辿れば、やはりこの贈り物には「要らぬことを考えずに早く寝ろ」と叱責のようなメッセージが含まれていると考えるのが妥当だろうか?それはまるでオペラ「トューランドット」のアリア「誰も寝てはならぬ」の反語である。

そのためか最近は夜の帳が下りる頃には魔法にかかったように深い眠りに一気に落ちてしまうのである。



参照:
緑茶に想う影響する土地 [ 雑感 ] / 2007-10-17
俄かサボテン愛好の憂慮 [ 女 ] / 2008-05-16
深く流れる情感の意志 [ 女 ] / 2008-05-12
パラダイスに覗く花 [ 女 ] / 2008-04-24
茶緑から青白への相違 [ 生活 ] / 2008-01-01
コメント (4)
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