Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ユネスコ文化の土壌

2008-06-03 | アウトドーア・環境
昨年に続いてミッテルラインのユネスコ指定地域で週末を過ごした。荷物のためか、熱さのためか、はたまた雨にあったせいか今年一番の運動をした気がする。距離にすればしれているが、マウス城の対岸にあるヒルツェナッハの駅を降りるなり、靴もズボンも履き換えることなく、サンダルとジーンズで数キロ歩いたのがいけなかったのだろうか。

その後も一日中サンダルで過ごしたためか、今日になっても足に堪えている。翌日は、前日の傘をさしての行程とは異なり、予想通り温度が上がり結構厳しかったが、今度は十分に支度をして挑んだ。

ただ、前日にオファーヴァーゼルの宿の蔵出しで飲んだスレート地盤のリースリングは、質が低く、脳に雲の張ったように残った。足を引き釣り、冴えない下腹の調子に気分を害しながら、辿り着いたのは昨年の終着地バッハラッハであった。

今回は北側から町へと降りて行くので、この地方で最も良いワインの斜面を近くでみる事が出来た。四十年を越えるような古い幹がスキー場の斜面のようなスロープをがっしりと支えている。

ここには世界的に有名な醸造所も何件かある。昨晩に飲んだリースリングも同じようにもしくはそれ以上に手間をかけて蔵出されているのだが、その質の差と価格は甚だしく大きいだろう。労働効率の悪いモーゼルなどの通常レヴェルの地所が買い手も付かずワイン作農から撤退して行く流れは止めようがない。

この地域のワイン作りも嘗てはテラスが形成されていて、現在のような斜面ではなかった。作業効率を上げることは出来たが、グローバルの世界の中では通常の商品を作っていてはこうした「貧しい土地」ではとても生き残れない。

宿の壁にプレートが飾ってあった:

「働く者にはきっと神は一目置く。しかし神は歌を歌う者を愛する」

まさに、カトリック圏である。現代社会において「働けば報われる」などとお人よしな信仰を擁く素朴な現代人もいないだろうが。



参照:
栄枯盛衰に耳を傾ける [ 雑感 ] / 2007-07-08
文化に見合った法秩序 [ 文化一般 ] / 2007-07-06
理性を埋める過去の美化 [ 文学・思想 ] / 2007-07-05
指定されたラインの名物 [ ワイン ] / 2007-07-04
意外な再発見 (新・緑家のリースリング日記)
コメント (4)
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