パン屋√s(ルーツ)。

一人で営んでる「パン屋√s(ルーツ)」の日々。

パン焼いたり、つぶやいたり、パン焼いたり。

失敗と成功の差。

2010-01-17 | パンのこと。
個人的に一番焼くのが好きなのは食パンである。
粉・酵母・塩・水。これだけ。
√sの食パンは、通常の食パンのようなバターも牛乳も砂糖も入らない。
とてもシンプル。
だからこそ、小麦や酵母の香りや味がよくわかる。

シンプルだからこそ、計量・捏ね・発酵・成形・焼成のすべての工程がダイレクトに成果物として反映される。

だからこそ、食パンは毎回一番緊張する。
ドライフルーツの糖分もないので、発酵にも時間が一番かかる。
(糖分は発酵の元となる酵母菌のエサであり、発酵促進の要素)

手間がかかるからこそ、その出来を見るのが楽しいのだ。

で、ここのところ、その食パンを失敗している。
途中まではいいように思うのだが、いざ焼いてみると膨らまない。上に伸びない。

ここ数日、とても寒い。
気温も低く、発酵が足りないかと思い、発酵時間を長くとってみたところ、過発酵のようになり、見極めに自信をなくす。

翌日は過発酵に注意し、発酵を早めに切り上げたものの、分割・成形の段階で少し生地が締まりすぎるのを感じる。
最終発酵ではそれなりに膨らんだが、窯に入れる直前でダレ気味になる。不安に思いながらも
窯に入れてみるが、不安は的中し、膨らまない。




↑で、こんな焼き上がり。膨らまない。
水分は多い食パンなので柔らかくはあり、(といっても●ザキパンのような柔らかさで
はない)食べれるが、商品として話にならない。

私の食パンは水分がかなり多いので、扱いはベタベタして結構大変。
でも発酵するとイイ感じに生地が締まって、それなりに扱えるようになる。
発酵前には手にベタベタついていた生地が、柔らかいながらも発酵後はなんとか
丸めれるようになる。
そこの目安を大事にしてみる。



↑で、やっと戻ってきた、食パンの表情(カオ)が。
ほ~っと安堵。

特に通販のお客様、食パンの件、大変ご迷惑をおかけしました。
まだまだ未熟者で本当に申し訳ありません。

こういう失敗と成功の差はたぶん、紙一重で、ちょっとした迷いとか、焦りとか、
そういうことなのだと改めて痛感する。

パンに教えられる日々だなあとしみじみ思ったりする。

自家製酵母は自然のものなので、気温や湿度などは左右される大きな要因。
なので、いつも同じ発酵状態でない。
アタマでわかっていても、今回のようなことがあると『アタマでしかわかっていない』
ということを実感した。
もっと酵母の声を聞かねば…。

頑張りマス。
コメント (24)
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