パンダ イン・マイ・ライフ

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音楽と本、そしてちょっとグルメなナチュラルエッセイ

たった一人の熱狂

2015-11-22 | book
なぜこんなに熱いのか。見城徹は,編集者。角川書店で編集者。野生時代や月刊カドカワで一流作家を登場させ,角川春樹の映画と文庫のコラボを取り組み,名をはせた。そして今はあの幻冬舎社の社長。1950生まれ。その熱い思いを語る「たった一人の熱狂-仕事と人生に効く51の言葉」を読んだ。2015年3月刊行。5月には7刷だ。表紙の写真はまさに喝。

いかにして作家に書いてもらうか。作品をすべて読む。新刊の感想を書いて送る。暗記する。とにかく熱い。彼をそこまで駆り立てるものはなにか。大学入学を東大紛争で入試中止の年に迎える。全共闘時代の熱い思い。

そこにあるのは弱気人間の姿。魔物のような不安に夜な夜なうなされる。自傷行為のように身を削る努力をしている。押し寄せてくる後悔を,エネルギーに変えて明日を生きたい。一日の終わりは毎日が後悔だ。毎日,落ち込んでいる。自分の思い通りになった日など,これまで一日としてない。憂鬱でなければ仕事じゃない。毎日辛くて毎日憂鬱な仕事を乗り切った時,結果は厳然とあらわれる。痛みのないところに前進はない。

死ぬまで生きてやる。だから走り続ける。生きる意味に感謝する。今日もまた,一日死へ近づくのだ。悔いのない一日にする。君が何となく生きた今日は,昨日死んでいった人たちがどうして
も生きたかった大切な明日だ」。どうせ死ぬなら仕事に熱狂し,熱狂しながら死を迎えたい。

部下に裏切られ6億円の損失でも,相手を責めない,自分を責める。

人生に必要な5つの物とは,仕事,恋愛,友情,家族,金だ。

高級絵画を手に入れ,有名ブランドを身にまとい,おいしい料理に舌鼓,高級ワインをたしなむ。金を残してどうする,それも生きている証。

無名の人たちの重みを感じろ。

結果は死ぬとき,今起きているさまざまな失敗はプロセスに過ぎない。このプロセスの中で生じた暫定的な結果ですべてが決まるわけではない。

GNO(義理,人情,恩返し)を忘れるな。

最後に比叡山の酒井大阿闍梨が高倉健に送った言葉で締めくくる。「行く道は精進して,忍びて終わり悔いなし」。
一日一生の酒井ファンの私にはこの本との出会いもまさに縁。フロントランナーの絞り出す言葉の数々に,共感するところ多だ。スケールとレベルはだんちに違うが。

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