DVDで鑑賞して、「この映画、劇場で見なくちゃだったな…」と後悔する作品が年に何本か、ある。
今作は、まさにその一本!
映画のテーマは、メキシコの麻薬組織との闘い。
そのテーマでいうとアカデミー賞を3つ獲得した「トラフィック」を思い出す。
が何と! その主演だったベネチオ・デル・トロがこちらでも。
で、その彼の存在感があまりに凄く、圧倒された!
今回は主演ではなく、助演のはずなのに(笑)
もちろん主演(ということになっている)エミリー・ブラントも奮闘しているのだが、後半は完全に彼の世界に。
そしてどうしてもこの映画に注目してしまう理由がもう一つ。
監督がドゥニ・ヴィルヌーヴだということ。
「灼熱の魂」「プリズナーズ」と注目作を続けて撮ってきただけに。
(アート系に行き過ぎた「複製された男」はちょっといただけなかったけど)
ピリピリする演出の中、登場する紛争シーンはどれも素晴らしい。
冒頭からメキシコでの死闘、そして特に中盤の暗闇での襲撃シーン。
真っ暗な中、ゴーグルをつけた状態で密輸トンネルの中を走り回り、その映像表現にクラクラ(笑)
さらにヨハン・ヨハンソンの音楽が不安を掻き立て、冴えわたった演出となっている。
こうして、容赦ない麻薬戦争に思わず戦慄させられるのだ。
結論:今年のベスト10に入れちゃいそうな、今年有数の犯罪映画。
しかし邦題が、、”ボーダーライン”だなんて言われると映画の出来を言われているようで、、何でこんな時はそのままカタカナ化せんのか??”リバー・ランズ・スルー・イット”がそのままだって言うのに、、。
「灼熱の魂」はうまいと思ったけど、もっと工夫できなかったのでしょうかねー
あの暴力描写の凄まじさに、怖いもの見たさでまた時々見たくなっちゃうかもな作品でした。
原題は“暗殺者”だし、アレハンドロを主役にすれば良かったのに、と思いました。
グレイヴァーのしたたかさや、アレハンドロの存在感がすごすぎて、ケイトが弱く見えてしまいました。
もしかしたら、それも「狙い」かもしれませんね?
もうベニチオ・デル・トロにやられましたね。彼一点で見ていた気がします。
こちらからもTBお願いします。