日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



事前に知っていた情報は、以下。
1.リヒャルト・シュトラウスのオペラ。
2.舞台は、高級なサロン一室内だけ。
3.主役の伯爵令嬢が、求婚されている2人の男性中から、1人を選択するスト―リー。

先週末に完徹作業もあったりして、まったく行く余裕が無い中、なんとか最終日にかけつけて鑑賞。
1~3の情報では、それほど積極的な気持ちになれず、とりあえず「おさえとけ」という意識で。


ところが、このオペラ「すこぶる面白」かったのだ!

冒頭のインタビューで主演のルネ・フレミングが語る。
1942年第二次世界大戦中に初演のこのオペラは、Rシュトラウス最後の作品。
こんな苦難の時代に、あえてこのような作品を世に出したシュトラウスの意思は、彼のみぞ知る、と。

物語が始まって1時間くらいすると、当初の情報3.=伯爵令嬢が、求婚2人の男性から選択する、が実はストーリーの主役でないことに気付く。
テーマは「総合芸術としてのオペラの価値、を問い検証する」ということだと。

求婚2人の男は、それぞれ音楽家のフラマン、詩人のオリヴィエ。
彼らはオペラを決定的にする要素が「音楽」か「詩」かで議論をはじめる。
この議論に、年配の演出家が加わることで、この対決は「音楽」「詩」「演出」に。

途中で、バレエ・イタリア歌唱・古典的神話などが登場したり議論されたりしはじめる。
と、これはもう「オペラの定義」をしようとしていると認識に。


(もう終了してしまったからネタバレで書いてしまう)
この議論の結論は、「音楽」「詩」「演出」のどれでもなく、そのせめぎ合いに寄る「調和」なのだということ。
その結論自体は、まあそういうことかな、というところ。
(結局、主人公の結婚への判断もメモにちらっと書くだけで明示されない)

ところが驚いたのは、このオペラ議論の「経緯」をオペラにしようというクライマックス。
つまりこの物語は、「総合芸術としてのオペラの価値、を問い検証」しつつ、「オペラの誕生」を描いているのだった!

静かにサロンへ意識を向けさせる室内楽からはじまり、その後の絶妙かつ濃厚なオーケストレーションが特徴のシュトラウスを堪能。
物語のクライマックスのあと、召使いたちによる「庶民の声」に続き、最後に控えるのは「月光の音楽」
主人公による、独白シーン(写真)は、ここで満足がピークになる仕掛け。
いや~まいったよ。。。


ここまでの感動を与えてくれる理由は、前回も書いたが「METライブビューイング」による成果だと思う。
それは、原語の問題を簡単に突破してしまう「字幕」、そしてHDによる映像、音響、カメラワーク。

ドイツ語で展開されるこの難解な内容を、ほとんど予習することなく、こうして解釈できる。
(私のような門外漢だからこそ、そう感じるのかもしれないが)こういう企画は.ホント素晴らしい!と、改めて思った。

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