だいたい認識していたつもりだったが、改めて本で読むとその迫力に圧倒された。
2019年
12月31日 AM 3時頃 武漢市衛生健康委員会の通達(ペラ)が facebook にアップされる
直後 台湾CDCの副署長が徹夜でレポート作成 → 早朝に提出
PM 緊急の関係閣僚会議を開催 → 国民への注意喚起
→ 武漢発の航空機の検閲
→ 中国への事実確認
→ WHOへの通報
大晦日の24時間のうちに、ここまで行動に移していた!
日本が武漢で原因不明の肺炎について第1報を出したのは6日後…
WHO さえ、この日にこんな奇妙なコメントを出している。
「中国への貿易や渡航に対していかなる制限も行わないよう勧告」
?!?
台湾は、
・言語が中国と共通なので、情報がとりやすい
・SARS禍で大変に辛い思いをした(自殺者まで
・中国が発信する情報を基本的に信用していない(日本は途中まで信用…)
というバックグラウンドがあるにしても、上記のスピーディさに感心!
だけでなく、
1月13日 専門家を武漢に派遣
1月15日 新型ウイルスを「カテゴリー5」に指定
1月20日 「中央流行疫指導センター」を開設 =「有時」突入
同日、武漢帰りの女性の感染を確認
1月22日 武漢からの団体客の入国許可を取り消し。さらに減便
1月24日 全ての中国からの団体客の入国を一時停止
このころ(1月23日)の日本の対応はまだ、武漢「レベル2」中国全域を「レベル1」…
さらに流入関係の施策だけでなく、
・政府自身がマスク生産機械60台を購入、民間企業に贈与して生産→買い上げ
・実名購入制をこの購入に導入
etc… 大変迫力ある内容となっている。
さらに、WHO問題にも一章を割いており、抜けがない。
中国は事務局長就任を阻んだ末に、エチオピアのテドロス氏を後押し(2017年)
そのテドロス氏がコロナ騒動を過小評価してきたことを明らかにしている!
また最終章もおもわず刮目した。
日本と台湾のコロナ対策の最大の違い、を指摘している!
日本 = “感染症”の専門家が委員会の中心
⇅
台湾 = “公衆衛生”の専門家が委員会の中心
日本は専門分野研究に人気があり一方、“公衆衛生”のような学問は人気がないそう。
これは面白い指摘!
結論:「台湾の奇跡」を成し得た理由を詳細に分析するだけでなく、日本の問題点をも浮き上がらせる一冊。