日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 






ポール・トーマス・アンダーソン監督の傑作、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」
その年(2007年)の極私的映画ベスト10に入れた。
それまでの「マグノリア」「パンチドランク・ラブ」も良かったが、出来が頭抜けて良かったのだ!
キリキリ迫ってくる演出の冴えに唸りまくった。

その次の「ザ・マスター」に続く新作となれば、見に行かない訳にはいかない。



今回は、原作もの(トマス・ピンチョンの「LAヴァイス」)
タイトルは、「LAヴァイス」→ 「Inherent Vice」に変更。
「Inherent Vice」は聞き慣れない言葉だと思ったら、保険用語だそう。



そして始まってみると...
オープニングで、まずピビる!

聴こえてくるボーカルは、何と!ダモ鈴木(って、知ってます?)
ドイツの先鋭的ロックバンド CAN の名曲 Vitamin C が、丸々フル・バージョンで登場!!!

だいたい、歌詞が・・・
Hey you, You're losing, you're losing, you're losing, you're losing your vitamin C.
は?!、って曲なので、そのタイミングでタイトルがネオンで乗っただけで既に腹が決まる。
「この映画、とんでもなく感性的なものに違いない」


そしてその予想は当たり、あらゆるシーンで、徹底的に「脱力糸」(汗)

舞台が70年代のカリフォルニアだから、そうなるのは必然かもだが。

主人公の私立探偵(ホアキン・フェニックス)は、真っ昼間からドラッグをきめているし酒もばんばん飲む。
要するに、ヒッピー・カルチャーの影響下にある人物で、とってもいい加減。

なので事件は解決に向うどころか、話がどんどん散らかっていくサマを、目前にさらされることになる(笑)


とはいえ、最後には収束に向うのだけれど、登場する出演者たちがとにかく豪華。
ホアキン・フェニックスの他に、以下のようにずらっと並ぶ。
リース・ウィザースプーン、オーウェン・ウィルソン、ジョシュ・ブローリン、ベニチオ・デル・トロ...


音楽についてふれると、冒頭の CAN だけでなく、けっこう曲者ぞろい。
それもそのはず、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドが担当。
彼が監督の作品の音楽を手掛けるのは実は既に3作目。
感性的なこの映画の構造にさらにドライブをかけるのが、音楽の役目だったのだ!、理解。


結論:このポール・トーマス・アンダーソンの新作は、徹底的に「感性系」「脱力糸」
   (だから好き嫌いは別れ易いかも? 当ブログ的には「アリ」)

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