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日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~
このプラットフォーム上で思いついた企画を実行、仮説・検証を行う場。基本ロジック=整理・ソートすることで面白さが増大・拡大
 



生まれた時からネットがある世代が、これまでとどう違うか、という視点をメインに語る。
だが読み進むと、その「世代」という視点よりも、結果的に「ネットが何をもたらすか」的な章のインパクトが強かった。


その変化すべきものは一言でいうと、「教育」と「政治、選挙」。
「教育」について記述しているのは、第2章「既成制度を変革する」の中の「教育を再考する―ネット世代における教育」
象徴的でわかりやすい部分をちょっと抜き書きしてみると、
「我々のが教育モデルは、”グーテンベルグ以前”のモデルです。
 印刷テクノロジすら学習パラダイムに取り込まれていないのです。
 多くの教授が手書きのノートを読んで黒板に書きます。
 学生はそれを書き写します。
 これは、グーテンベルグ以前”のモデルです」

そして「政治、選挙」について記述しているのは、第3部「社会を変革する」の中の最新事例を取り上げた部分。
その最新事例とは、ネットを活用して成功したばかりの「オバマ」の選挙。
これを取り上げていて非常にタイムリー!
フェイスブックやマイスペースなどの、ソーシャル・ネットワークなどがもたらした変化を分析している。
ここだけで1冊の本ができそうな内容だとは思う!

「政治」についての指摘は、例えば以下のようなところのくだり。
「あらゆる政府が非効率で現状に即していないようにみえる。 
 政府高官による汚職は減ることがなく、利益団体とロビイストが全てを支配しているように見える。
 そして、世界の平和と安全を実現するのための、医療、環境、教育の改善などの真の変革は遅々として進まないように見える」

ここで、「富の未来」を出版した未来学者、アルビン・トフラーの政治システム(官僚)への痛烈な批判を思い出した。
「企業」が高速を時速70km~で走っているとして、圧倒的にビリのスピード(10km)なのはそういった分野なのだった。

最新のテクノロジーを取り込むことで、この分野にも変化がもたらされる可能性を感じさせる記述が刺激的。
「具体的には、ウェブ・ベースで背景情報やオンライン討論やフィードバック機能を活用することだ。
 これらを活用すれば、ほとんど経費をかけずに国民からのアウトプットを集めることができる。
 政府は国民の力を借りて政策課題を設定することができ、そのような課題を継続的に更新していくことができる。
 このような活動は国民の感心を喚起し、地域や社会全体で実際の取り組みを始める上での触媒となるだろう」


このように、「ネット世代」という視点よりも結果的に「ネットが何をもたらすか」を表現したインパクトが強かった。
そういう点においてオススメの本だと言いたい。

一方で、この本ではその趣旨からネット世代の弁護に完全にまわっているし、その結果引き出せていることも多い。
だが、次は「ネット世代」を違った視点で分析した本も読みたいとは思った。
このため、アタマを切り替え「ネトゲ廃人」を読むとしよう(笑)

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