特等席のキッチン

2019-08-18 11:28:56 | わらびの家


先日、打合せにお見えになった建て主の方が離されていたのですが、京都の桂離宮に行かれておもしろい印象をもたれたとのこと。
たとえば、通常はウラ方になるようなものが、わざわざオモテから見えるようになっている、というようなことなどです。
「かまど」や棚板など、いわゆるキッチンにあたるものが、大きな庭園に面した側に配されています。
そのような話の流れで、最近ブログに掲載した「わらびの家」のキッチンのデザインのことについても印象的な話をしていただきました。

「わらびの家」では、キッチンの位置が特徴的で、家のなかの一番の「特等席」に配されていて、庭に面していて明るいスペースです。
昔であれば、キッチン(というより台所)は、中廊下を挟んで北側の寒い位置に配され、お風呂や洗面などの水回りもすべて北側にひとまとめにしてあったものです。
でも、料理をしたり、洗濯をしたり、そんな日常的な家事をいかに楽しくするかをイメージすると、家の間取りや作られ方も変わってくると思います。

「わらびの家」のキッチンの脇には屋根の掛かったテラスがあり、たとえば庭に植えたハーブをちょっと取りに行く、ということ自体が、なにか楽しいと思えるものになるといいなと思います。
そこにある素材は、木の窓枠や、くすんだ風合いのタイル、開けたまま使えるウォルナット製の吊戸棚、大きなコーリアンのカウンターなど、見た目と実用性を考えて選んであります。
その分、家全体の建設コストの配分にはいろいろと気を配りましたが、そのようにしてできあがったキッチンスペースは、とっても愛着のわくスペースになったように思います。

桂離宮の松琴亭や月波楼といった庵に備わっているキッチンは、庭に面していてすこぶる気持ちの良いスペースになっています。
調理の時間や光景をエンターテイメントにする。江戸時代に、そんなイメージをもつことはとても斬新だったと思います。



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