隙間のギャラリー

2021-07-24 22:08:04 | M's ark


川口市に建つ複合建築「M's ark」に撮影で久々に訪問。
この建物は住宅にギャラリーやアトリエ、そして茶室が併設されています。
川口駅にほど近く利便性はありますが、準工業地域のちょっと退廃的な喧噪のなかに建っています。
敷地はとても奥に細長く、都会の隙間に建つような感じ。

道路からずっと路地が引き込まれるようになっていて、その奥に中庭があります。
乾いた界隈のなかで、ほっと息が抜けるような場所。
その中庭に面して小さなギャラリーをつくりました。

新しく建物を建てると、どうもきれいになり過ぎる、と思うことがあります。
そこでここでは、あえて無造作な雰囲気でコンクリート壁を仕上げました。
実際にはコンクリートの調合や鉄筋など入念な確認のもとで造られているのですが(笑)



ギャラリーでは、無造作コンクリートと、節のある無垢の木の床材が、展示物と不思議な呼応をしてくれます。
窓から遠くに見えるのは錆びた鉄骨階段や剥がれた壁など、ちょっとハードな街の裏方の光景。
でもこうして中庭に緑が植えられ、自然光が柔らかく入ってくると、守られたような安心感であったり、不思議な居心地の良さがあります。
そして、置かれた聖母像の素朴な深淵さに促されるように、静けさに誘われます。

都会の真ん中に、廻りの環境と切り離して、静かで奥行きのある居心地よい場所をつくりたいと考えながら設計していました。
私淑する建築家ルイス・バラガンが、メキシコの街なかに埋め込むようにしてつくった自邸を脳裏によぎらせつつ。
そんなイメージがどこか去来するような空間になってくれました。

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