スペインやイタリアにある小さな教会や礼拝堂に訪れたときのことをよく思い出します。
仄暗くて、しんと静かな空間に、高窓から光がすぅっと入ってくる。
小さな空間だからこそ、そのささやかな光がとてもかけがえのないものに思えます。
そんな気分にさせてくれる空間を、つくってみたいと思っていました。
「緑の回廊の家」は、庭に面して大きく窓が開かれ、室内と庭とが一体となった雰囲気の家です。
明るく開放的な室内のなかに、すこしだけ、翳りと光を印象的にもたらしたいと思いました。
そんなことを思いながらデザインしたのが、上の写真のような高窓です。
木の板張り天井の一部が斜めに切れ上がって、高窓から光が入ります。
午前中のある時間帯だけ現われ、刻々とその表情を変える特別な光と陰影。
開口部にはレトロな装飾ガラスがはめ込まれていて、さながらステンドグラスのよう。
不思議なことに、室内に落ち着きと寄る辺をもたらしてくれました。
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