「古河の家」は作家のアトリエ・ギャラリーのある住宅です。いわゆる玄関ホールはギャラリーを兼ねていて、丸いアール天井が細長く奥に続く空間は、さながらロマネスクのよう。
そして、壁に穴を穿つように開けられた窓は細長いスリット状で、仄かな自然光が入ってきます。
このスリット窓には、レトロガラスをはめ込みました。
かつての古い建物にあった歪んだガラス。向こうの景色も歪んで見えて。
そんなレトロな雰囲気のガラスは、キレイさ一辺倒の現代住宅に、古びた趣きをもたらしてくれます。
窓枠もアルミサッシではなく、もちろん木でつくりました。
レトロガラスの傍らには、北欧のアンティークの照明ランプが取り付けられています。
橙色の光が、グレージュに塗られた室内の壁を照らし、不思議な包まれ感があります。