ふたつの窓

2016-01-10 23:05:27 | アート・デザイン・建築


明けましておめでとうございます。本年もこのブログによろしくお付き合いくださいますようお願いいたします。
さて、新年初のブログは、ふたつの窓のイメージカットから。
どちらも京都にある駒井家住宅の窓です。

上の窓は玄関ホールに開けられた窓。
下の窓は、新年早々なんですが・・・トイレの窓。なんだか、ロマネスクの礼拝堂のなかみたいに神々しいですね(笑)。


玄関ホールの窓は、濃い色の窓枠が額縁のようになって、向こう側に見える緑を鮮やかに切り取って見せる趣向。
不思議なもので、緑の気配は、目線をすっと引きつけます。
小ぶりな窓であるのがちょうどいいんです。

トイレの窓は、壁の色と合わせて窓枠は白く清潔に。擦りガラス越しに、外の緑がぼんやりと透けて見えます。葉が風に吹かれてさらさらと優しく鳴ります。
トイレの中の、静かな時間。
一見あっさりしたようなデザインなのだけれど、窓の大きさや色味、緑の位置関係などがうまく揃わないと、そんな静けさをもたらす効果は出ないのです。
実は、とても戦略的なデザイン!?

独立して設計事務所を構えてから10年を超えました。僕自身の心の奥底でいいなあと感じるものを、設計を通してお施主さまと共有しながら、ひとつひとつ丁寧に家をつくっていくことを、大切にしたいと思います。
もう何年も前に撮ったこの2枚の写真も、僕にとって心の奥底に大切にしまってあるシーンです。
そんなエッセンスを、仕事のなかにも取り入れていきたいと思います。



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