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ねこの居場所

2013-09-11 14:56:30 | 日々

最近、近所ののら猫が、庭先でくつろぐ姿を見かけるようになりました。

だんだんと朝夕が涼しくなってきた最近、ふと事務所の玄関を見ると、ガラス戸の向こうに猫がくつろいでいるのが見えました。

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風は涼しく。

風鈴が りーんりーんと鳴り。

そんな音を聴いているのかな。

照明でほんのりと明るい暗がりに、しばらくそうやっていました。気持ちいいんだろうなあ。猫のためにつくった場所ではないけれど、きっといつの時代のどの猫も、この場所は居心地がいいぞ、と思うような場所になっているのかもしれません。

今までは愛犬ロビンが敷地内をパトロールして(笑)目を光らせていたので、こんな光景は見られなかったのですが、足を病んで思うように動けなくなり、猫にとってはのびのびとできるようになった、というわけです。

変わらないものもあり、変わってゆくものもあり。

楽しくもあり、寂しくもあるところですね。

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テーブル

2013-08-27 18:10:20 | 日々

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自宅のダイニング用につくってもらっていたダイニングテーブルが、先日ついに届きました。こじんまりとしたスペースのなかに、自分たちの生活にとって必要なものだけをキュッと簡潔につくった室内。ダイニングテーブルはその窓辺に置くように考えてあり、ちょうどよい寸法と手触りの感じを大切にしてデザインしました。製作をお願いしたのは、甲府で家具工房をやっている古市健さん。僕が村田靖夫さんの事務所の所員だったときからのお付き合いになります。

古市さんからは、これまでも家具について多くのことを教わってきました。主には、木についてのいろんな話。無垢の木の性質について、加工法や流通の実際について、その内容は多岐にわたります。それらの話を聞いていると、無垢材のテーブルの味わい方も深まりますし、漠然と見ていたことの裏に思わぬ苦労があることも、少しだけわかるようになってきました。

今回お願いしたのは、ナラの無垢材のテーブルです。丸い4本脚のついたシンプルなかたち。室内の即物的で簡素なデザインに呼応するように、天板に脚をそのまま接合してほしいとお願いしました。(ふつうは倒れ止めのため幕板のような補助材がつくのですが。)きっとそんなことだろうと思ってましたよ、と言われましたが(笑)、大阪の小さなメーカーがつくっている良い接合金物があるんですよ、とわがままを実現してくれました。大阪出身の古市さんならではの、思わぬところからのアイデアでした。

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テーブルの角部はふつうよりも大きく面取りをしてもらい、優しい雰囲気になりました。4枚接ぎの手触りの良いテーブル。生まれて9か月になる長男は、最近生えてきた前歯2本で、テーブルをがじがじがじ・・・。じぇじぇ!と驚きましたが、硬いナラの木には歯の研ぎ跡が・・・(笑)でも、そういうのもなんだか嬉しいものです。きっとこのテーブルには、これからたくさんの傷や染みがついていくでしょう。色味も変わっていくことと思います。

ダイニングテーブルにつくと、小ぶりな南窓から緑が身近に感じられ、風抜きが気持ちよく感じられます。陽が傾いてくると、西窓から障子を通した光がテーブルに趣のある木目を浮かび上がらせてくれます。何年もかけて、そこに趣のある痕跡が感じられるようになる日まで。そういう風にして、自分にとっての居心地のよい室内ができあがっていくのだろうなあと思います。

テーブルにあわせた椅子とペンダント照明は、もう決めてあるのだけど、届くまでに時間がしばらくかかりそうです。何につけ、気に入ったものを得ようとすると時間がかかるものですね。

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セラヴィ

2013-01-22 16:46:55 | 日々

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家の近くに「モンサンクレール」というケーキ屋さんがあります。普段はあまりケーキを買うことはないのだけれど、お店はいつも賑わっていて、メディアでもよく紹介される有名なお店だそうです。

モンサンクレールのケーキは、高いわけではないのだけれど、大きさは小さめ。だから、たくさん食べたいという向きにはちょっと物足りないかもしれないのですが、シンプルで洗練された造形と色彩がとても印象的です。そして、実際にいただくと、そのシンプルな外見からは想像できない色鮮やかな切り口と、意外性のある食感をともない、とても美味しい!のです。これは人気がでるはずです。子供といっしょにバクバク食べるというよりも、大人のためのケーキ、といった感じでしょうか。

そんなモンサンクレールに、久々にケーキを買いに行きました。息子の2か月の誕生日のお祝いに。2か月って、中途ハンパな・・・という印象ではあるのですが(笑)。息子はダウン症の子として生まれてきました。生まれてくるときはなかなか大変だったけど、今は目をキョロキョロさせながら人生を楽しみはじめている、かのようです。ただ、特有の合併症により、間もなく大きな手術を受けなければいけません。こんな小さなうちから可哀そうに、とも思いますが、その後の人生を元気よく楽しんで生きていくためには、必要なことのようです。そこでそこで、ケーキで生誕2か月のお祝いということに。まあ、本人は食べられないのですが、お誕生会を口実にちゃっかり美味しいケーキをいただいてしまったわけです。お店の方に言ったら、お祝いのチョコプレートを付けてくれました。お店のお姉さん、ありがとう!ローソクもつけておきますね、と渡されたローソクはなぜか5本。でも、5本ぐらいないとカッコつかないよなあ、と妙に納得しつつ、でもせっかくのケーキにローソクを立てるのも勿体なくて、使わずじまい。

金色の紙プレートにのせられた、小さめのシンプルな丸ケーキ。無垢の木のテーブルの上に載せると、なんだか神々しく光っているようにも見えました。なんだか、ジョットの絵の人物にある金冠みたいだな、なんてひとりでマニアックな楽しみ方もしながら美味しくいただきました。ケーキの名は、C'est la vie.(セラヴィ) お店の看板メニューのひとつのようです。大学時代に語学でフランス語を学んだ時の記憶だけで翻訳すると、「これぞ人生」、みたいな意味なのでしょうか。(違っていたらごめんなさい!)がんばれー、しょうや。

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冬の朝のできごと

2012-12-25 20:14:51 | 日々

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朝起きて、リビングの窓から窓の外をふと見ると、ある光景に目がとまりました。庭に置かれている信楽焼きの鉢のなかの水がキュッと寒さで凍って、白い花が氷のなかでとても鮮やかに見えたのでした。これだけ朝も冷え込むと、たしかに屋外の水が凍るのも不思議ではありませんね。

昨日は造園屋さんが、庭木の手入れに来てくださいました。時折、草花も手入れをしてくださって、その都度この信楽焼きの鉢や、鉄でできたバードバスの置物に、庭の草花をなにか添えていってくださいます。今回の作品(!)はこれ。水が凍りついたおかげで、一晩たってもとても鮮やかに浮かんでいるのでした。

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冬の庭はやはり寒いですから、なかなかゆっくりと庭で過ごすことはありません(笑)。ですが時折こうしてゆっくりと庭を眺めると、冬の植物ならではの渋い色合いに、はっとする瞬間があります。

絵本画家だったターシャ・テューダーさんの庭は、そのナチュラルガーデンとしての魅力に多くのファンがいますね。僕もそんな庭の雰囲気にあこがれる一人ですが、よくよく自然の姿を観察すると、いろいろな発見があり、とても楽しいものです。自然の姿に、遊びごころを加えながら楽しむ庭。寒い季節には、暖かく居心地の良い窓辺からそんな雰囲気を眺める。小さなスペースでも、そんな楽しみに満ちた家づくりができるといいなあ。

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祝! フェンシング団体銀メダル!!

2012-08-08 20:31:06 | 日々

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こんなことは想像だにしていなかった!日本人のフェンシング選手がオリンピックでメダリストとなり、テレビで試合を放映され、新聞の一面に「フェンシング」の文字が躍るなんて!!・・・というのは北京オリンピックの時の話。そして今回のロンドン五輪でも、個人・団体戦ともにしっかりライブ中継されていた時には、涙が出そう(?)でした。

僕は高校時代に部活動でフェンシングをやっていました。テレビ中継をお目にかかったことはないですし、新聞紙上でも、その扱いは一番隅っこで小さく、というのがお決まりでした。フェンシングをテレビや紙面で観る、というのは、もう20年越しの憧れでした。(笑)

上の写真はその時に使っていた剣で、日本選手がメダルをとったのと同じフルーレという種目の剣です。右の剣は「フレンチ」と呼ばれるグリップで、初級者向け。そして左の曲がりくねった剣が「ベルギアン」というグリップで、中級以上向け、といった扱いです。初級者向けのフレンチ・グリップは、手のフィット感がイマイチなのですが、正しい剣の構え方を練習したり、剣を大振りするクセを矯正するのに向いていて、部活動を始めて1年間はこの剣を使っていました。2年生になり、ある時期になってようやく監督から「許し」が出て、ベルギアン・グリップを手にした時の感動は、今でも覚えています。手にしっくりと馴染むグリップを持って剣を構えると、なんだか気分だけは強くなったような気がしたものでした(笑)太田選手が使っていたのも、このベルギアン・グリップだったように思います。

道具を使う競技は数多くありますが、フェンシングもその最たるもので、剣がまさに命のようなものです。日本に数軒しかないフェンシング用品店で、剣心やガード、グリップなどを、自分に合ったものを選び購入して、大切に使う。今あらためて見返すと、傷だらけの満身創痍といった姿です。滑らないようにテーピングを巻いたり、切れた電線をハンダ付けしながら直したり・・・。1本の剣に、いろいろな思い出がつまっています。今はもうフェンシングを競技としてすることはないけれど、この剣だけは手放せそうにありません。

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