〈 3. ANNnews CH 令和5年11月23日 蓮池氏がゲスト出演 〉
慶應大学教授・礒崎敦仁氏、 共同通信特別編集委員・杉田弘毅氏も出演
・蓮池氏の発言
・金正恩 ( きむ・じょんうん ) が会談に応じる限り、何らかの成果を上げなくてはならない。
・その成果が見えない限り、会談に応じてこないと考えられます。
・会談に応じれば成果があると、事前に彼らに伝える必要があります。そういう呼び水がないと、彼らは応じてこないのではないかと思います。
蓮池氏の言葉は、単なる准教授の思いつき発言ではありません。「成果を事前に伝える」というやり方をしたのは、20年前の平成16年小泉首相の時です。「ねこ庭」が確認した事実によりますと、この時北朝鮮のミスター X氏と「成果」の打ち合わせを事前にしたのが、外務省の田中均氏でした。
北朝鮮の言う「成果」とは、金銭のことです。北は5人を帰して幾らの金額を得たのか、結局あの時の日本の役割も「現金自動支払い機」でした。言い出すと長くなりますので、ここで話を横道へ逸らさず蓮池氏の発言に戻ります。
・11月13日の「国民大集会」で、岸田首相が「日朝平壌 ( ぴょんやん ) 宣言」に基づき、と言われています。
・宣言には、拉致問題と核・ミサイル問題を解決したら、国交を正常化して戦後補償 ( 経済支援 ) をすると書いてあります。
・つまり核・ミサイル問題と拉致問題という、時間の違いのある問題が同列に並べてあります。
・拉致問題は一刻の猶予もならない喫緊の問題ですが、核問題については、アメリカも長期的な目で見ていると思います。
・これをセットで解決したら、国交正常化するという道筋のわけですね。
・そうなると、拉致問題は果たしてどうなるのか。今はもっと具体的に、はっきりさせるべき時と思います。
拉致被害者の両親が生きておられる間に帰国を実現しないと、問題の解決にならないと言うのが、蓮池氏の持論です。核・ミサイル問題と切り離し、国交正常化と戦後補償を「成果」だと伝えれば、北朝鮮は会談に応じるというのが氏の提案です。
分かった上で言っていると思いますが、背後にあるのは困難な問題です。
・アメリカは北が「核・ミサイル問題」の解決に応じない限り、経済封鎖と制裁を課す方針である。
・日本が拉致問題で国交を正常化し、戦後補償をするとなれば多額の経済支援が行われることになる。
・アメリカ政府の方針が、日本によって崩されることになる。
蓮池氏は言及しませんが、アメリカ政府が日本の独自外交を認めるかどうかです。20年前に小泉氏が訪朝した時は、外務省の田中均氏が国務副長官だったアーミテージ氏と極秘で何度も調整し、米側の了解を得ています。ジャパンハンドラーの一人であるアーミテージ氏は、共和党米政府内の実力者でしたからそれできましたが、現在は誰がその役割をするのか、「ねこ庭」では確認できていません。
高齢化する拉致被害者と家族の方々の心情を思うと、アメリカが反対しても日本は独自の外交をすべきという蓮池氏の意見が正論に聞こえます。日米同盟にヒビが生じるとしても、日本独立のためには何時か超えなければならない壁ですが、果たして岸田首相にその決断ができるのでしょうか。
ウクライナ、イスラエル、台湾と、国際情勢の剣呑な時期に、日米同盟を不安定なものにして良いのかと考えますと、岸田首相より前に「ねこ庭」の決断が鈍ります。正論と思える蓮池氏の提案が簡単なものでないと知ると、多くの人に拉致問題の困難さが一層分かるのではないでしょうか。
次に紹介する動画は、FNNプライムオンラインの報道です。FNNは朝日テレビの系列会社でなく、保守と言われるフジテレビ系の会社ですが、最近の蓮池氏はインタビューを受けたらどこにでも出演し、拉致問題の解決を訴えています。
一刻の猶予もならない喫緊の問題と考えるからそうしているのか、北朝鮮の経済的逼迫が急がせているのか、「ねこ庭」では判断がつきません。次回の話は横田さんのご家族にも伝えているのかどうか分かりませんが、めぐみさんに関する発言は涙なしに聞けません。必要と思われる部分だけを割愛し紹介しますので、息子たちと「ねこ庭」を訪問されている方々は、各自で氏の真意を判断してください。
スペースの都合で、次回となります。