ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

『本日も 不法滞在』 ( 強制送還される外国人がお客さん )

2017-12-02 19:02:58 | 徒然の記

 面白い本を読みました。愉快とか楽しいとかいう意味でなく、知らないことを知る面白さです。日本のことなのに、全く知らない世界でした。

 張芸真 ( チャン・イエジン )氏著、『本日も不法滞在』( 平成13年刊 (株)朝日ソノラマ ) という本で、著者は韓国人です。

 最近は「朝日」という文字を見るだけで不快になりますので、この本も手にしたとたん嫌な気分になりました。サンフランシスコ市が、捏造の慰安婦像を反日の韓国団体から受け入れても、何も報道しない朝日新聞ですから、朝日ソノラマ社も怪しい会社と疑ってしまいます。

 何時からか、アサヒビールも飲まなくなり、スーパードライが爆発的に売れても、朝日と聞くだけで「不味い」という先入観に邪魔されます。今回は本の紹介に入る前に、「朝日ソノラマ」という会社について、調べました。

 なんでも疑問は持つのが、正解です。やはり「碌でもない朝日新聞」の関連会社で、しかも現在は存在しない出版社でした。知りたい人はいないのでしょうが、雑学の一部にでもなればと、紹介しておきます。

  • 昭和34年、「朝日ソノプレス社」として創業。ソノシートと印刷物を組み合わせた、音の出る雑誌『月刊 朝日ソノラマ』を創刊し脚光を浴びる。
  •  昭和41年、「朝日ソノラマ社」に改称。
  •  昭和48年、『月刊 朝日ソノラマ』を休刊(事実上の廃刊)。
  •  昭和50年 、ソノラマ文庫を発刊。
  •  昭和51年 、漫画雑誌「漫画少年」を発行。
  •  平成19年、 廃業・会社清算、既刊の書籍・雑誌は朝日新聞社出版本部が継承。
  •  平成20年、朝日新聞出版設立。以後、朝日ソノラマから継承した刊行物も同社から出版される。

 賢い人なら名前を聞くだけで、「著者は女性」と判断するのでしょうが、私は中を読むまで分かりませんでした。略歴を紹介します。

   ・昭和42年韓国ソウルに生まれの、50才

  ・ソウルの専門大学 ( 短期大学 ) を卒業後、飲食店を経営

  ・平成6年に留学生として来日、日本語学校を卒業後、東京の旅行代理店に入社

  ・強制退去される韓国人を相手に、ディスカウント・チケットを販売する仕事

  ・「人文知識・国際業務」という在留資格を有し、就労ビザを所有

 仮名ですが、彼女の働く会社は「十条トラベル」と言います。職場は東京都北区西が丘にある、「東京入国管理局第二庁舎」で、通称「十条入管」です。

 最寄りの駅はJR埼京線「十条」で、ここは不法滞在をした外国人が出頭したり、摘発されて収容されたりする場所です。

 「十条の入管」付近には旅行代理店が軒を並べ、強制送還される外国人を相手に、チケットを売っています。韓国人だけで無く、欧米人も、アラブ人もいますから、代理店には異なる人種の社員が働いています。

 仕事については、彼女の説明を紹介します。

  ・十条で仕事をする者が通じていなければならないのは、お得意さんである、不法滞在者に対する強制送還のシステムだ。

  ・不法滞在の外国人が帰国しようとする場合、まず入管に申告に赴かなければならない。これは、第一次出頭と呼ばれる。

  ・申告書とパスポートを提出し、申告書が受理されると面接を受けます。

  ・ここで第一次出頭が完了し、一週間の猶予期間の間に帰国の航空券の手配をしなければならない。

  ・航空券を持参し、確かに帰国するという証明をするため出向くのが、第二次出頭だ。

   ・私たちの仕事は、主に第一次出頭に来た外国人に、航空券を買ってもらうこと、その際申告書の書き方や、出頭のノウハウなどもサービスとして伝授する。

  ・十条には何軒もの旅行会社があり、待ちの姿勢では、他社にお客さんを取られてしまう。

  ・第一次出頭に来た人を目ざとく見つけ、声をかけキャッチするのがモノをいうのだ。

 そこいらにある旅行会社のように、店の中でお客を待つ悠長さはありません。入管の受付が9時からでも、門の外の行列は7時前からできるので、早い者勝ちの仕事になります。

  ・十条の仕事は、朝が勝負。入管の門が開き中に入られてしまっては、私たち部外者には手出しができない。

  ・だからその前に、声をかけなければならない。

 業者は庁舎内に立ち入り禁止なので、彼女の職場は正確に言いますと、十条入管の前ということになります。

 雑学のついでに、全国の入管の場所を彼女の著書から紹介します。

    ・入管は東京、横浜、羽田空港、大阪、那覇に支局があり、さらに全国84ヶ所に出張所がある。

   ・東京は大手町に第一庁舎が、十条に第二庁舎があり、大手町が合法的なビザ延長手続きをする、

   ・大手町が普通の外国人相手なのに対し、十条は、摘発された不法滞在の外国人が収容されたり、出頭したりする、

   ・乱暴に言えば、悪い外国人専門の場所なのだ。

 ということで、本には「悪い外国人」向けの、違法行為が沢山語られています。

 著者はさほど罪の意識もなく、事実を詳述し出版しているのですから、やはり「朝日」という会社は大したものだと思いました。慰安婦の捏造記事を世界に拡散しただけあり、不法滞在者の脱法行為のノウハウを本にするくらい、何でもないのでしょう。

 それでも、生きるためなら、何でもやるんだという著者の考え方に、不快感を覚えませんでした。反日とか、恨みとか、韓国政府が言うような政治的意図がなく、いわば氏はノンポリ韓国人です。

 執拗な憎しみや敵意がなければ、韓国人の言うことも気にならないという、不思議な発見もしました。

 8月の千葉日報の記事を切り抜いていますが、政府は成長戦略の一つとして、観光産業に力を入れていると書いてあります。2020年には、年間四千万人の観光客を目標にするそうです。昨年の実績が、過去最多の二千四百万人だと言います。

 「外国人観光客が増えた増えた。」と、政府もマスコミも上機嫌ですが、増加の主体は、中国がトップで2位が韓国です。

 中国も韓国も、政府は反日と憎悪で固まり、日本攻撃ばかりする嫌な国です。日本人が世界一嫌いな国はどこかと聞かれたら、中国、韓国・北朝鮮をあげるでしょうし、こんな国へ観光など真っ平だと言うはずです。

 それなのに中国と韓国の国民は、政府の反日政策にお構い無しに、大挙して日本へやって来ます。一つの国でありながら、政府と国民は別々の思考をしているのだろうか。もしかすると中国も韓国も、国民と政府は違う存在なのかと、千葉日報の記事を見て以来ずっと、疑問を抱いてきました。

 この疑問を解く鍵が、チャン・イエジン氏の著書にあったと、思いました。悪い外国人を相手にする、違法行為が書かれているとしても、知らないことを知る面白さに負けました。

 「知識を求める学徒」と自負していましたが、どうやら単なる「やじ馬」でしかなかったかと、余計な発見もしました。

  文字にすると複雑で、深刻そうに見えますが、私は平常心です。知る喜びはこんなに貪欲で、こんなに善悪を超えるのかと驚きます。驚きましたところで、本日はお終いとし、明日から「驚き」の中身を紹介したいと思います。

 早いもので昨日から12月、師走となりました。師は走り回る忙しい年末でしょうが、「やじ馬学徒」である私は、のんびりとチャン・イエジン氏の本を相手にしています。こうなるとやはり、感謝したくなります。

 「日本に生まれて良かった。有り難い有り難い。」「ご先祖様のおかげです。」

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