国の予算がもしも野党の反対で成立しなかったら、首相の首が飛び、内閣は総辞職します。「年度予算」の成立というのは、それほど国家の重大事です。だから政権与党は、予算を成立させるため野党の要求に屈し、失言大臣を罷免させたり、妥協したりします。
NHKの「年度予算」を実質的に審議しているのは、自民党・総務会の議員たちで、ここで了承されると閣議決定を経て国会へ提出されます。国会の審議は形だけのもので、毎年異論もなく承認されています。自民党の総務会が、党内でどのような位置付けにあるのかは、次のような説明で理解できます。
「自由民主党においては、幹事長、総務会長、政務調査会長の三役が、総裁に次ぐ最高幹部であるため、「党三役」と称す。現在の幹事長は茂木敏充、総務会長は遠藤利明、政務調査会長は萩生田光一である。」
このシリーズの第一回目に「NHKの広報」を取り上げましたが、再度紹介します。「なぜ、国会でNHKの予算を審議するのか」・・これがタイトルでした。
・NHKの予算は、毎年度国会の承認を得ることが放送法に定められています。(放送法第70条)
・NHKの主たる財源である受信料は、広く視聴者のみなさまに公平に負担していただく公金であり、その使途については、放送法で一定の範囲に限定されてはいるものの、その範囲ならNHKが自由に使い得るわけではなく、国民・視聴者(受信料支払者)の了解を何らかの形で得る必要があるものと考えています。
『緑なき島』の映像問題につては、国民無視の回答を繰り返しながら、こんな歯の浮くような建前論を述べていました。この説明を頭に置いて、高木議員の発言を読んでもらいたいと思います。
高木議員
「自民党の総務会で、毎年NHKの予算の審査をしています。ここでの議員の審議は、相当甘いんですよ。『緑なき島』の映像問題についての追及は、ほとんどされません。今後は〈護る会〉のメンバーが出席し、この問題を発言し続けることが大事だと思います。」
NHKにとっても「年度予算」は、政権与党の「国家予算」同様重大な案件のはずですが、高木氏の話を聞くとそのような緊張感がどこにもありません。NHKが出した予算計画が、毎年異論もなくシャンシャンと手打ちされる中で成立していたのです。
「NHK擁護団の先生方、と言ったら失礼になるかもしれませんが、そういう人ばかりなんですよ、総務会って・・」
「ですから、きちんとその場でNHK予算の審議をする、つまり党内のカバナンスを効かさなければならないと思います。」
「どういう方法があるのか、これについては青山代表のもとで検討していきたいと考えています。」
氏の発言は勉強会の最後に、司会者としての挨拶の中でされたと記憶していますが、短い言葉で、しかもざわついた場でしたから注目されなかったのかもしれません。しかし私には、聞き逃せない意見として心に残りました。
NHKが潤沢な受信料の上にあぐらをかき、慢心し、国民不在の経営をするようになったのは昨日今日の話ではありません。現在の自民党総務会のメンバー議員だけの責任を追求するのは、酷な面もあります。しかし長年の慣行だからと、馴れ合いの審議を続けているのなら、責任の重大さは同じです。
こういう議員たちは、まさに「獅子身中の虫」であり、国民の負託を忘れた忘恩の政治家と言っても過言でありません。自民党の総務会には、24名の議員が所属していますので、名前を紹介します。
〈 自民党総務会所属議員 〉
会 長 遠藤利明
会長代行 江渡聡徳(えと さとのり)
会長代理 小里泰弘 金子恭之(やすし) 義家弘介(ひろゆき) 松村祥史(よしふみ)
副会長 土屋品子 平沢勝栄 江島潔 山田俊男
総 務 東 国幹(あずま くによし) 五十嵐清 石破茂 衛藤征士郎
北村誠吾 下村博文 根本幸典 本田太郎 山本有二
若林健太 有村治子 中曽根弘文 宮沢洋一 山本順三
一人二人でないはずですが、この中で誰が年度予算の審査を甘くしているのか、もっと遠慮なく言いますと、誰が獅子身中の虫なのか。断定する情報がありませんので、次回は24名の議員について調べた事実だけを紹介したいと思います。
その上で、息子たちと「ねこ庭」を訪問される方々が、個人で判断されれば良いのではないかと思います。ここまでNHKを慢心させ、奢らせている議員はいったい誰なのか。日本の国益を損なっても無関心でおられる、反日の政治家は誰なのか。
次回の訪問を、お待ちしています。
( 令和5年1月31日14時15分、safariが侵入を阻止したトラッカーが120件。128件よりは減りましたが、まだ100件を超えています。 )