政治的プロパガンダを、あたかも学問的な意見でもあるように強調し、騒ぎや紛争を起こすのが、グローバリストと呼ばれる人々です。
彼らは、ある時は社会主義者、マルキストと呼ばれ、国境なき自由主義経済を信じ、時には、リベラリストとも呼ばれることがあります。その中心にいるのが、ディープ・ステイトだと考える人もいます。
他国のことは知りませんが、敗戦後の日本が、ディープ・ステイトと呼ばれる人々に支配され、改造された事実は、間違い無いだろうと私は考えています。先日まで述べてきました通り、占領下の日本は、ディープ・ステイトが支配する米国から来た、軍人や政治家、あるいは官僚たちによって、一時期根底から破壊されました。
しかし彼らは、天皇陛下のおられる皇室だけは、破壊できませんでした。マッカーサーが反対したからです。崇高な理由からではありません。当時の日本で陛下を何かの刑にしたり、皇室をなくしたりしたら、たちまち国民が暴発し、内乱となり、占領統治が不可能になると、彼が理解したからです。
陛下を超える権力を手にしながら、マッカーサーは、日本人の心の中心にある天皇の権威を、無視できませんでした。彼は日本へ来る以前、軍の武装解除がうまくいくのかを、心配していました。あれだけ無鉄砲に、命知らずの戦いをした日本人が、黙って武器を捨てるなど、軍人である彼には、信じられませんでした。しかし天皇の一言で、日本人は静かに武器を捨て、抵抗もせず、秩序ある武装解除をしました。
マッカーサーは、自分をフィリピンから追い出した日本軍を、激しく憎み、復讐を誓っていました。東京裁判では、軍の解体だけでなく、冷酷にも軍人たちを処刑させました。国内では7人の「殉難者」を、「戦犯」として処刑しましたが、国外の法廷では、ロクな審理もせず、多数の軍人を処刑しました。マレーの虎と言われた、山下奉文大将は、高位の軍人として扱われず、囚人服のまま、罪人のように銃殺されています。
しかしマッカーサーは、実際日本へ来て、陛下の権威の大きさを知り、陛下の協力無しでは、占領統治が不可能だと理解します。そしてまた彼は、尊大な人物でしたが、昭和天皇の人柄に惹かれ、敬意の念も抱きました。
だがアメリカ本国にいる、ディープ・ステイトと呼ばれる者たちは、皇室をそのままにして置くことへの危惧の念が、捨てられませんでした。彼らはマッカーサーを、大統領命令で動かし、「トロイの木馬」を作らせました。つまり、「日本国憲法」「反日・左翼学者の解放」「反日・左翼マスコミへの支援」です。
マッカーサー自身は、誰もが知る強烈な「反共主義者」ですから、左翼中心の「トロイの木馬」を、進んで作ったとは思えません。
戦後75年たち、マッカーサーも、昭和天皇も亡くなられた現在の日本で、何が起こっているのか。それは、米国の支配層であるディープ・ステイトたちによる、「日本崩壊計画」が着実に進められているという事実です。
「人権尊重」、「男女平等」、「皇族にも人権を」と、反日左翼の学者や政治家に叫ばせ、反日のマスコミが報道という名前で、煽動しています。「女系天皇賛成」、「女性宮家賛成」という意見は、「皇室崩壊」の始まりの合図です。
一方で彼らは、一つの国民として暮らしている日本人を分断し、社会を混乱させる紛争の種を、盛んに撒いています。中国や韓国を利用しているのか、協力しているのか、そこはよく分かりませんが、「中国による沖縄自国領論」、「在日コリアン問題」、「沖縄独立論」など、日本の分断も始まっています。
「アイヌ人先住民族説」もその一つで、日本の中に別の国を作り、抜き差しならない紛争の種を撒こうとしています。
前置きが長くなりましたが、私が「アイヌ人先住民説」に、反対する理由がここにあります。しかも、この説は、学問的には間違いなのに、何も知らない人間たちが、信じています。
私は最後に、田中英道氏の学説を紹介しようと思います。「反日・左翼と戦う学者である」と、自称する氏は、マスコミには登場しません。知る人だけが知る、偏屈老人でもあります。氏の口調をブログにするのは痛快ですが、長くなりますので、アイヌが先住民でないと言う、学問的根拠だけを、箇条書きにします。
1. 北海道に人が住み始めたのは、今から二万年以上前の縄文時代である。
2. 関東・東北地方を生活の中心とする縄文人が、北海道にも住んでいた。
3. その後、弥生人が日本へ来て、弥生文化を広げ、これが大和、関西へと移って行った。
4. 大和朝廷が統治を広げていくが、北海道だけは、縄文文化のままであった。
5. 今から1300年くらい前、鎌倉時代の頃、突然オホーツク人が北海道へ住み着き、オホーツク文化が生まれた。
6. オホーツク文化は、熊信仰であり、熊祭りをする。
7. 移住してきた他民族を言うのなら、奈良時代に大挙してきたユダヤ人が先である。朝鮮人もいるし、中国人もいるし、モンゴル人もいる。
8. アイヌ人だけを、先住民として特別扱いする理由がどこにもない。
9. 最近の研究で、カラフト、カムチャッカ半島に住むオホーツク人と、アイヌのDNAが一致していることが、判明した。
10. 縄文人はアイヌ人だと、間違っている人もいるが、日本人である縄文人とアイヌ人は、別の民族である。
11. 現在アイヌ人は、全国に1万4~5千人しかいない。純粋なアイヌ人は、一人もいないと聞く。
12. それが国連決議が出た頃から、いつの間にか民族が出来上がり、委員会まで作っている。
13. アイヌ人より前に、ユダヤ人、朝鮮人、中国人が住み着き、彼らは日本に同化している。何でアイヌ人だけを迫害したと言う話が、出てくるのか。
田中氏の説明はまだ続きますが、ここで終わります。これだけでも、「アイヌ先住民説」の間違いは、ハッキリしたはずです。大村氏の専門は、国語学なのですから、歴史学の分野にまで手を広げ、「間違い話」を世間に広めてはなりません。
氏の著作には、傾聴すべき意見が沢山ありますが、書評を本日で終わります。私の偏見が手伝い、つまらない部分だけを取り上げましたが、優れた叙述がいっぱい残っています。
時間があるのなら、息子たちにも、「ねこ庭」を訪問された方々にも、氏の著書を実際に手にされることをお勧めします。そうすれば、私の偏見も、はっきりと見えます。