NHKの『拝謁記』報道に関する、5回目の「ねこ庭」です。
〈 第2章 - 戦争への悔恨 -〉の、最後の項目です。今回はNHKの説明抜きで、紹介します。
〈 第2章 - 戦争への悔恨 -〉の、最後の項目です。今回はNHKの説明抜きで、紹介します。
〈 終戦工作 敗戦 〉
昭和27年2月26日の拝謁時の「お言葉」
陛下
・実は私は、もっと早く終戦という考を持っていたが、条約の信義という事を、重んじていた為、単独媾和はせぬとドイツと一旦条約を結んだ以上、之を破るのはわるいと思った為、おそくなった。
・ ( 日独伊三国同盟を結んだ理由については、) 日本の軍閥が、ドイツが勝つことを信じ切っていたためだが、その予想が違った。
昭和27年3月14日の拝謁時の「お言葉 」
陛下
・私は実は、無条件降伏は矢張りいやで、どこかいゝ機会を見て早く平和に持って行きたいと念願し、それにはちょっとこちらが勝ったような時に、其時を見つけたい、という念もあった。
昭和26年12月17日の拝謁時の「お言葉 」
陛下
・終戦で戦争を止める位なら、宣戦前かあるいはもっと早くやめる事が出来なかったか、というような疑いを退位論者でなくとも、疑問を持つと思うし、
・又首相をかえる事は大権で出来ることゆえ、なぜしなかったかと、疑う向きもあると思う。そうだろうと思うが事の実際としては、下剋上でとても出来るものではなかった。
この項につけられたNHKの説明文は、次の通りです。
・太平洋戦争を止められなかった後悔で、戦後も苦悩し続けたことがうかがえます。
病気がちだった大正天皇を補佐されるため、陛下が摂政になられたのが、大正10年でした。それ以来崩御されるまで68年間、陛下は日本の第一人者として在位されました。摂政になられた時は20才でしたから、少しでも日本史を知る者なら、陛下のご生涯が苦難の連続であったことを知っています。
太平洋戦争を止められなかったことだけでなく、陛下のご生涯が激動の日本史そのものだと知っています。
関東大震災時、ご自分の命を狙われた「虎ノ門事件」以降の、陛下の苦難のご経験は次の通りです。
「日中戦争」の拡大
「大東亜戦争」の勃発、
「5・15事件」、
「2・26事件」、
終戦を覚悟された「最後の御前会議」、
「玉音放送事件」、
「終戦の詔勅」、
マッカーサー元帥をご訪問
「天皇の人間宣言」
思いつくだけでもこれだけあります。
国民は田島氏のメモを読まされたくらいで、NHKや反日学者の説明には賛同しません。コソ泥のように、陛下のお言葉をメモした田島氏に教わるまでもなく、国民は、陛下のご苦難を心に留めています。
だから「ねこ庭」は、NHKの悪意と無礼さを許しません。
田島氏の隠匿資料を嬉々として分析した反日学者4名が、陛下のお心を卑しく解釈し番組を作成した行為は、天が罰するはずです。
彼らの陛下を貶める悪意の説明が、息子たちによく理解できるように、昨年読んだ富田氏の『敗戦日本の内側』から、一部分を紹介します。陛下が終戦を覚悟された「最後の御前会議」の場面です。過去記事で取り上げていますが、再度紹介します。
・ポツダム無宣言の受諾について、閣議では結論が出なかった。
・首相ほか15名の大臣のうち、12名は受諾しても良いという意見、しかし、阿南陸相、安倍内相、松坂法相の3名は、むしろ玉砕論を唱えたのである。
・こうして8月14日に、陛下の下命を願いつつ、御前会議が開かれることとなった。
ここで氏が、陛下の「お言葉」を紹介します。
・ポツダム宣言につき、天皇統治権に対し、疑問があるように解する向きもあるが、私はあれでよろしいと思う。
・私の決心は、私自らの熟慮検討の結果であって、他から知恵をつけられたものでない。
・皇土と国民がある限り、将来の国家生成の根幹は十分であるが、この上望みのない戦争を続けるのは、全部を失う惧れが多い。
・股肱と頼んだ軍人から武器を取り上げ、私の信頼したものを、戦争犯罪人として差し出すことは、情においてまことに忍びない。
・幾多の戦死者、傷病者、遺家族、戦災国民の身の上を思えば、これからの苦労も偲ばれ、同情に耐えない。
・三国干渉の時の明治大帝のご決断に習い、かく決心したのである。
・陸軍の武装解除の苦衷は、十分分かる。事ここに至っては、国家を救う道は、ただこれしかないと考えるから、堪え難きを堪え、忍び難きを忍んで、この決心をしたのである。
・今まで何も聞いていない国民が、突然この決定を聞いたら、さぞかし動揺するであろうから、「詔勅」でも何でも用意してもらいたい。
・あらゆる手を尽くす。ラジオ放送もやる。
陛下は、純白の手袋をはめられた手でメガネを拭かれ、頬に伝う涙を拭われたと書かれています。陛下のご決断により、「ポツダム宣言受諾」という国家の決断が下されました。
富田氏の著作からの紹介は以上ですが、息子たちは、なんと思って陛下の「お言葉」を読むのでしょうか。富田氏が紹介する「お言葉」は、読むたびに涙がこぼれます。
NHKが昭和天皇を貶めることを、許してはなりません。