だらだら日記goo編

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祈りの力

2006-09-20 22:13:56 | アート・文化

僕は信仰を持たないが、信仰を持つ人々のあのパワーはどこからでてくるのだろう。

それは結局祈りがその人の生活の一部ではなく生活のすべてだからなのだろう。

カーバ神殿でアラーに祈る大群衆、その姿を見ているとそう思えてくる。

写真家野町和嘉については特に説明は要らないだろう。

彼のイスラムの写真展が武蔵野市吉祥寺美術館で開かれている、入館料は百円、「ぐるっとパス」ならただだ。

今回の写真展はメッカ巡礼のよく知られた写真とともにイランのシーア派独特のイマーム廟巡礼というやや珍しい写真の二部構成の展覧会となっている。

当然後者が面白いので後者をとりあげる。

シーア派は常にスンニ派との戦いの中にあった。

シーア派の人々にとって第三代のイマームホセインの殉教が最大の出来事であり、自分のシネつまり胸を打つ「シネ・ザニ」や、鎖つまりザンジールでわが身を打つ「ザンジール・ザニ」で人々は悲しみを表現する。

しかしモスクの景観は美しい、その外壁装飾や天井の装飾はすばらしい。

モスクの天井ドームの反響音はものすごく、大勢でコーランを読むと大音響になるという。

ペルセポリスの写真もある。

大階段は乗馬したまま乗り降りできるようなつくりの階段であり、アパダーナ東階段のレリーフ「牝牛を襲うライオン」は長い間土に埋もれていたため破壊を免れたという。

「エスファハーンは世界の半分」とアッバース朝にはいわれた。

彼らの信仰では第十二代イマームが世界の終わりのときに救世主となるのだそうだ。

展示は写真約六十点一点一点解説がついているし、野町の業績を収めた清里フォトアートミュージアムの「祈りのかたち」というDVDも見ることができる、十分に堪能できる展覧会だ。