若冲についてはというか江戸絵画についてはまったく知らない。
仲間内のブログでも話題なので宮内庁三の丸尚蔵館というところに「花鳥ーめでる心、彩る心、若冲を中心に」を観にいく。
行ったこともないので半蔵門線の大手町からてくてく歩かされたが、なかなか見事だ。
お目当ては若冲の「動植彩絵」全30幅、それが全五期にわたって展示される。
なんでもカタログによると「本作品の魅力を理屈で語るつもりはない。これまでに多くの研究者、評論家によってそれぞれに語られてきた」とあるがそんなことは知る由もない。
今回展示されているのは雪の中に鳥がいる図とか、南国風の棕櫚の中に鶏がいる図とかだが、ずいぶん細かく精緻に描かれたものだと感じた。
それもそのはずでこれは単なる花鳥画ではない!
京都は相国寺の「釈迦三尊像」を荘厳するために釈迦の説法に集う生き物たちを表したものだという、つまりは宗教画の趣があるのだ。
細かく描写物を描かずに面で捕えたり、平安の仏画からの伝統というが裏彩色という手法を使い、若冲が特にこだわった白は胡粉を使ったという。
存在するすべてのものをいつくしむかのように描かれた若冲の絵画には観るものを引き寄せるただならぬ気配がある。
すぐれた芸術作品とは多かれ少なかれそういうものだろうーこちらが予備知識など持っていなくとも引き込まれてしまうのだ。
カタログを又見ると、今回展示されていない絵の中では、魚を描いたものもあり、なかにはタコを描いたものまである。
総じて鳥を描いた作品が多いが、若冲が梅は描くが桜は描かなかったとかいろいろ興味深い。
渡来の中国絵画の影響とも説明されようが、当時の日本は平穏でネットワーク社会だった。
若冲は円山応挙ともおそらく親交があっただろうとカタログにいう。
当時中国から象が着たり新しい環境の中で切磋琢磨していた知識人の姿はなんだか21世紀のこの現代人の姿にも重なるようにも思った。
動植彩絵の「彩」の字はどう変換したらよいのでしょうか?
僕はさいきんは思想性の強い展覧会にはまっていますが、絵画の最初はシャガールでした。
表参道のギャラリー何度も足を運びました。
さいきんすっかりご無沙汰です、今度行って見ましょう
確かに皇居見物ついでの観客が多かったですね。そんな皆さんも「凄いねぇ!」と驚きながら観ていました。予備知識無しでも観る者を魅了するのが画家の本当の実力なんでしょうね。ちなみに私も予備知識無しでCARAVAGGIOにハマりましたから(笑)
皇居散策のついでに立ち寄られた方も多いようで、「アッ、入ってみよう」なんていっている人もいましたね。
何度か扱ったことがあります:
http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/2004/10/post_12.html
実物を観られたokiさんが羨ましい!