だらだら日記goo編

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地縁社会の行方

2005-04-04 19:43:20 | 日記・エッセイ・コラム
所用があって多摩センターまででかける。
ついでなのでネットで調べておいたパルティノン多摩にゆく。
特別展「武蔵国一之宮」という展示をやっているのだ、無料だし月曜もやっている。
小野神社という多摩にある神社の歴史だ、別に多摩の神社まどどうでもいいがもののついでだ。
行ってみるとなかなか面白い、吾妻鏡とかも展示されている。
「武蔵一宮」というのはさいたまにもあって、どちらも「一宮」を名乗るのにふさわしいとか、小野神社というのは府中にもあるとか、府中の「くらやみ祭」にも参加しているとかいろいろ興味深い。
しかし展示をみながら考えたのは、こういう神社が今の共同体にどうかかわりをもっているかということだ。
言うまでもなく、多摩地方はニュータウンだけでなく、今も開発が進んでいる。
行き帰りの電車の中でも、大規模住宅の建設が進んでいた。
果たして新しくこの地に来る人はこの地の歴史なんかに興味をもつだろうか。
おおよそ持たないだろう。
僕の住む世田谷でも地域の赤十字とかの寄付を断る人が多いという、ほとんどが新しく来る人だ。
そういう人たちは近くの神社にお参りすることもしない、それでわざわざ明治神宮なんかに観光気分で参拝する。
学校で地域の歴史を教えるということはある。
しかし地域の歴史など入試にあまり出ないから子どもは関心を持つまい。
今年開成中学が入試で東京の地理を知っていないと難しい問題を出題したがなかなかそうはいかない。
こうして地域社会は崩壊し、隣は誰が住むか知らないということにもなる。
実際地域の祭りなどごく一部のお年寄りに支えられているのではないか。
子どももお祭りには珍しいから行くが、それが地域の歴史とどうかかわるかまではふみこまないだろう。
小学校の総合学習とはそういうことを教えるべきものではないか。
古い町並み、歴史が失われるのはそこに長くすむものにとってはまことにさびしいものがある。
帰りがけ過去の展覧会のカタログを見ると「ゴーギャンとナビ派の仲間たち」というのが眼に入った。
パルテノン多摩で1990年に開催されたものだ。
これを買って受付の人に尋ねたら、こういう企画展示もここでは無料とのこと。
何か得した気分になる。
鎌倉の町並みを保存しようと作家の大佛次郎が日本で始めたナショナルトラストを思いつつ会場をでた。