だらだら日記goo編

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ノストラダムス狂想曲

2005-04-12 16:59:54 | 日記・エッセイ・コラム
今頃になってノストラダムスの話である。
あの騒ぎは一体なんだったのであろうか、いうまでもなく1999年に「恐怖の大王」がどうこうという話だ。
ともかくあのブームはすごかった。
フランス語が読めない人が、ノストラダムスは日本語で解釈できるとか、ノストラダムスの霊が自分を導くとか言って、いろいろ解釈していた。
ファティマの予言だのヨハネ黙示録の勝手な解釈だのが加わり、百花繚乱であった。
僕は傍観者の眼でこの騒ぎを見ていたので、結構予言解釈本も読んだ。
珍説を真面目に論じている人が面白かった。
竹下節子さんが指摘していたようになんだかわからないけど、大王がよみがえったり、幸福に支配するといわれているのだから、別に悪い詩ではないのだろう。
しかし世紀末の不安も重なって「恐怖の大王」だけが一人歩きした。
それにローマ法王が自分の暗殺のことだと明かしているファティマ第三の予言や、ローマ帝国を揶揄して書かれた黙示録が勝手に「現代的に」解釈された。
しかし最大の責任はノストラダムスを日本に輸入した五島勉という人にあったのかもしれない。
彼はテレビには一切出演せず、また著作の中でも「秘密結社」をたびたび登場させ神秘感をあおった。
彼は西洋的価値観に変わる東洋的価値観が破滅を救うとたびたび述べた。
言っていることは判らなくもないが、彼が予言解釈をする前は池田大作のちょうちん持ちの著作を書いていたことを知れば一種の布教活動とも思える。
彼が今どこで何しているのかは知らない、例の「恐怖の大王」はテロ予言だったという本を書いたあとのことはまったく知らない。
それよりも1999年が過ぎるとノストラダムス自体が話題に上らなくなった。
しかしノストラダムスはすぐれた天文学者であり詩人であった。
天の運行を見つめつつ詩をかきつづった。
その業績は今一度評価されるべきと思う。
ついでにマラキという預言者もいた。
彼はローマ法王のみをあだ名で○○と予言した。
彼によればもうすぐ「終わり」がくるという。
これまたブームの中で、世界の終わりが来ると解釈されたが、ローマ法王という制度が終わると考えるのが妥当だろう。
人間はいつも苦難の中をしのいできた。
破滅だ何だといいつつ、このミレニアムの危機をもしのいで生き延びると信じる。