だらだら日記goo編

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花を愛する心

2005-09-06 00:04:05 | アート・文化
「なぜ、世人は花を眺めるだけに止めておくのだろうかー花を愛するという心があるならば、花が組み立てられているいろいろの部分を研究しようという念が起こらないはずはないのである」
植物学者牧野富太郎の含蓄ある言葉だ。
その花を愛する人々の絵画や写真を集めた展覧会「庭園植物記」を目黒の庭園美術館に観に行く、まあ庭園美術館としては満を持しての企画というべきだろう。
さて、その植物観察まずは択捉生まれの横山松三郎という人の育てた「変化朝顔」からスタートする。
あの洋画の高橋由一もかなりの植物写生をしたようだ。
小川一真の植物写真もあるがモノクロなのでどうもインパクトに乏しい。
会場は一階と二階からなり、時代順におおよそ展示されるが、総じて二階の展示つまりは新しいほうがインパクトがある。
その中でも中川幸夫という人の写真はまことに面白い。
なんでもガラス器に900本のカーネーションを詰めて、発酵させる、その仕込んだあとのなんとも言えず変化したカーネーションを撮影するのだ、カーネーションだけではない、チューリップとかも同じ方法だ、それが大画面に映される、なんともいえない迫力だ。
現代写真家の荒木経惟もすごい。
小さな部屋一室すべてを彼の花の写真で埋め尽くしたのだ!ほれぼれする。
鈴木理策という人も負けてはいない、こちらは吉野の桜だ、それが小部屋を埋め尽くす、幸福感に浸る!
その他、いけばなの勅使河原蒼風作、土門拳撮影の写真も多数展示、2人の偉才の真剣勝負があるかと思えば、つい子の間までステーションギャラリーで展示されていた五百城文哉の高山植物のスケッチも場所を移してお目見えだ。
至極満足する。素敵な展覧会だ。
鑑賞の後は庭園散策、この企画にあわせていろんな植物が栽培されている。
なんでも花柄の洋服なりバックを着たり持っていたりすると、入館料百円引きとか。
花鳥風月をめでる心はいつになっても失いたくはない。