ところで、今回の大学教授による地震講演を聞いて、全国の研究者たちは、よくぞこんなにも短期間に調査し、精力的に地震のメカニズムを分析しようと努力しているんだなと感心した。
そこには、地震を研究分野とする学者たちのただならない意気込みがあるように感じた。
テレビで、ある地震学者が言っていたが、今回の東日本大震災を事前に予知できなかったことに地震を研究分野とする学者たちは一様に無力を感じ、残念であると思っていると言う。
過去から様々な視点で専門性をもって取り組んできて蓄積してきた地震予知のノウハウが、まったく活用できなかった。
こうなると、予知を前提として取り組んできた東海地震への対策も、一から考え直さなければならない。
ただ、その学者たちは、単に無力感を味わうばかりでなく、素直に反省し、何が足りなかったのか、何に視点を置くべきかなどを喧々諤々議論しながら、今後の新たな地震学への取り組みに歩み始めたとのこと。
その証が、短期間の中で、膨大な様々な観測や調査データがすでに蓄積され、分析され公表されている。
こうなると、八方ふさがりの東海地震対策であるが、何か一筋の光が見え始めた気持である。
今まで単独発生と想定してきた東海地震は、ここにきて東海―東南海―南海の3連動地震の可能性が高いとの事実が明らかにされた。
ということは、以前の想定よりもさらに大きな地震、津波に襲われることであり、その対応は困難極まるものであるが、それでも、地震の規模がわかっただけでもそれなりの対策を想定することができ、想定外であったなどと無防備のまま被災することはなくなった。
なんとか様々な地震に関するデータ、情報、技術を駆使し、東海地震への対応を万全にしたいものである。
つづく・・・。