市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

「年金加入者からの問合せに対し個別回答をしない」日本年金機構本部サービス推進部お客様の声グループ

2015-07-28 22:47:00 | オンブズマン活動

■日本年金機構の125万件もの個人情報の大量流出、及びその後の政府の対応を含めて大木魔問題になっていますが、市民オンブズマン群馬の代表も先日、日本年金機構の本部に赴き、年金加入者として情報流出の有無を確認しようとお願いしましたが、冷たく拒否された経緯があります。
○2015年6月3日:日本年金機構の年金加入者情報流出問題で改めて判明した機構のズサン体質と日本国民の苦難↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1636.html#readmore
 この度、これに触発された市民オンブズマン群馬の会員のかたが、6月25日付で日本年金機構宛に、今回の個人情報大量流出事件の再発防止の為、今回の事件の原因を究明すべく、この事件原因の解析について、日本年金機構に要請しました。ところが、機構のサービス推進部 お客様の声グループは7月17日付で、送付を受けた書類一式をそのまま送り返してきました。

 これらと一緒に「本部ではお客様からのお問い合わせに対し個別の回答を行っていないため以下の返信用封筒を返戻させていただきます」とする文書が送り状として同封されてきました。

 このように、日本年金機構のサービス推進部のお客様の声グループでは、「加入者からの問い合わせに対して個別の回答を行っていない」というのです。

 このような酷い組織は、民間では存在しえません。政府の庇護の下だからこそ、こうした非常識な組織がのさばるわけです。

■それでは、市民オンブズマン群馬の会員が機構に送付した文書を見てみましょう。

*****【年金機構への要請書】*****

年金機構御中                  平成27年6月25日(木)
関係 担当 様
                       〒374-0068
                       群馬県館林市台宿町1-31
                       市民オンブズマン群馬
                       館林 代表 小林 光一
                       電話 0276-72-1454
                       FAX 0276-72-1454

          書 類 送 付 の ご 案 内

拝啓 盛夏の候、貴事務所ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

 さて、この度は、情報漏洩なる危害に遭われ、大変な思いをされたことと思います。発生から1ヶ月以上過ぎようとして、新聞報道では収束の方向が報告がされ、一段落と思います。
 年金を預けている一市民として、詳しい発生実態と、発生原因、暫定対策、恒久対策等、報告していただければと思い、添付解析レポートに記入し、ご説明下されたくお願い申し上げます。
          記
 送付書類
  解析レポート                          
   ・件 名  年金情報漏洩
   ・当事者  会社名 年金機構
         報告担当者名 担当者
   ・文書名  解析レポート(ISO9000①クレーム管理(様式例2) 1通
   ・報告期限 2週間  (暫定報告でもかまいません)

-----------------------------------------------キリハナサズ----------------------------------
          受  領  書

上記書類を受領いたしました。
平成27年 月 日
          報告者           印

群馬県前橋市文京町一丁目15-10  市民オンブズマン群馬事務局長 鈴木 庸 行き
群馬県館林市台宿町1-31  小林光一行き

【添付解析レポート】

**********

■これに対して、日本年金機構のサービス推進部「お客様の声グループ」から3週間後に、次の返事があり、送付した書類一式がそっくりそのまま突き返されてきました。

*****【年金機構からの回答】*****

                    平成27年7月17日
市民オンブズマン群馬
館林代表 小林 光一様

 拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

日頃から年金事業への円滑な推進につきまして、ご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。

先日、小林様より返信用封筒が同封されたお手紙が届きました。
誠に申し訳ありません下、本部ではお客様からのお問い合わせに対し個別の回答を行っていないため以下の返信用封筒を返戻させていただきます。

・小林光一様宛(レポート報告書用)
・小林光一様宛(受領書用)
・鈴木庸様宛(レポート報告書用)
・鈴木庸様宛(受領書用)

 時節柄ご自愛の程お祈り申し上げます。
                          敬具
                      日本年金機構
           サービス推進部 お客様の声グループ
**********

■「本部ではお客様からのお問い合わせに対し個別の回答を行っていない」のであれば、しかるべき地元の年金機構の出先から誠実に対応すればよいはずですが、日本年金機構にはそのような配慮は微塵のかけらもないようです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】


※機構本部の内部組織 ※( )内はグループ
http://www.soumu.go.jp/main_content/000059999.pdf
理事長
↓←非常勤理事(4名)
↓←監査・・・監査室
↓←監査部(監査企画、本部監査、北海道/東北/北関東・信越/南関東/
↓     中部/近畿/中国/四国/九州の各監査)
副理事長・・・経営企画部(経営企画、総合調整)、広報室(広報)
↓      リスク・コンプライアンス部(コンプライアンス、法務、リスク管理)
↓      総務部(総務、情報管理)
↓→理事(人事・会計部門担当)・・・人事管理部(人事、人事評価、採用)
                  研修部(管理、人材育成)
                  労務管理部(労務管理、厚生、給与)
                  財務部(予算、管財)
                  調達部(調達管理、契約)
                  会計部(決算、出納)
↓→理事(事業企画部門担当)・・・事業企画部(事業企画、事業統計、国際事業)
                 サービス推進部(サービス推進、業務改善、お客様相談)
                 品質管理部(品質管理、外部委託管理)
                 年金相談部(相談企画、相談指導、第1~3コールセンター)
                 記録問題対策部(記録問題対策、記録整備事業)
↓→理事(事業企画部門担当)・・・国民年金部(適用収納企画指導、強制徴収企画指導)
                厚生年金保険部(適用企画指導、徴収企画指導)
                年金給付部(給付企画、給付指導)
↓→理事(システム部門担当)・・・システム統括部(IT・システム統括、システム刷新企画、
                        システム刷新開発)
                システム企画部(制度改正システム企画、業務改善
                        システム企画、業務支援システム企画)
                システム開発部(年金給付システム開発1~3、記録管理
                        システム開発1~3、業務支援システム開発)
                システム運用部(システム設備運用、年金給付システム運用、
                        記録管理システム運用)
↓→理事(全国一括業務部門担当)・・・業務管理部(業務管理、業務調整)
                   記録管理部(記録管理、記録業務、記録提供)
                   障害年金業務部(障害年金1~2)
                   支払部(支払1~9、再裁定1~3)
                   業務渉外部(債権調査、渉外)
↓→理事 (南関東ブロック本部長)
↓→理事 (近畿ブロック本部長)
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大同スラグ問題を斬る!…ついにXデー近し!?群馬県の告訴で警察の捜査のメスが入るスラグ不法投棄事件

2015-07-27 17:44:00 | スラグ不法投棄問題
■昨年3月から本格的に取り組んできた大同有毒スラグ問題も、いよいよ大詰めに差し掛かりつつあるようです。本日、毎日新聞朝刊の全国版社会面に「有害スラグ 強制捜査へ 大同特殊鋼 不正処理委託の疑い 群馬県警」の見出しが躍るスクープ記事が掲載されました。


**********毎日新聞朝刊2015年(平成27年)7月27日
http://mainichi.jp/select/news/20150727k0000m040117000c.html
有害スラグ 強制捜査へ
大同特殊鋼 不正処理委託の疑い 群馬県警
大手鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の群馬県渋川市の工場から出た鉄鋼スラグに環境基準を超える有害物質が含まれていた問題で、群馬県警が近く廃棄物処理法違反容疑で強制捜査に乗り出す方針を固めたことが捜査関係者への取材で分かった。同社を巡っては、高額な処分費を避けるため、事実上の引き取り料を支払ってスラグを建築資材として販売する「逆有償取引」も判明しており、県警は実態解明を進めるとみられる。
群馬県などによると、大同は2009~12年ごろ、渋川市の建設会社にスラグを販売する際、受取額以上の金額を「販売管理費」名目で支払っていた。環境基準を超えるフッ素を含んだ状態で出荷しており、さらに逆有償取引をしていることから、事実上の廃棄物処理にあたり、同法の規制対象となる。
スラグは鉄精製時に出る副産物で、さまざまな化学物質が残存することがある。大同は、建設会社が処理資格を持っていないとしりながら処理委託していた疑いがあり、県が近く同法違反容疑で刑事告訴、県警が家宅捜索に着手する見通し。
逆有償取引は、買い取る側が購入分だけ逆に収入が増えるため適正使途がないのに取引を続ける可能性があり、産廃が野積みされる温床と指摘される。スラグを産廃として処分すると費用がかさむため、県警は大同側が有害性を認識しながら取引を続けた可能性が高いとみて調べる。
この問題を巡っては同県の八ッ場ダム建設地から立ち退いた住民の移転代替地や、国道17号バイパスに大同の有害スラグが混じった建設資材が使われていたことが、毎日新聞の調べで判明。毒性の強い六価クロムも検出されている。【尾崎修二】
********

■本日の毎日新聞の報道のポイントを整理してみましょう。

ポイントその1
 何よりもまず、大同特殊鋼および佐藤建設工業に群馬県警が強制捜査に乗り出す方針を固めたこと。

ポイントその2
 その容疑は「廃棄物処理法違反」であること。その理由は、大同特殊鋼が佐藤建設工業に産業廃棄物を処理する資格がないと知りながら委託していること。また、大同・佐藤が有害性を認識しながら取引をつづけた可能性が高いことから、県が近く同法違反で刑事告訴、県警が家宅捜査に着する見通しであること。

ポイントその3
 「逆有償取引」の実態解明を進める模様であること。

ポイントその4
 「逆有償取引」は買い取るだけで収入が得られることから、産廃が野積みにされた事件が過去にあったこと。今回の事件ではそのことを大同が研究していて、野積されたのではなく、八ッ場ダム建設地の住民移転代替地の盛り土や、国道17号バイパスの盛り土に、大同の有害スラグが大量かつ広範囲に不法投棄されてしまったこと。

ポイントその5
 環境基準を超えるフッ素や六価クロムを含んだ状態で、有害性を認識しながら、建設資材として出荷してきたことが強調されていること。

などが上げられます。

■こうして、ようやく群馬県が重い腰を上げる未透視であることがハッキリしてきました。今後の推移を注目したいと思います。

 その上で当会としては、公共事業に大量に使われたスラグにより、無駄に費消された税金の行方についても、どの程度、捜査のメスが入れられるかどうか、注視していきたいと思います。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※毎日新聞がこれまで報じた本件関連の主な記事
**********毎日新聞 2015年04月25日 地方版
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20150425ddlk10040208000c.html
有害物質:大同特殊鋼渋川工場、鉄鋼スラグ問題 国道17号4工事で、土壌から基準超フッ素 /群馬
 大同特殊鋼渋川工場から出た鉄鋼スラグを巡る問題で、国土交通省関東地方整備局は24日、環境基準を超える有害物質を含むスラグとみられる砕石が使われていた工事のうち、国道17号関連の4工事の周辺土壌から、土壌汚染対策法の基準を上回るフッ素の溶出が確認されたと発表した。
 国交省によると、これまでの調査で、国道17号や八ッ場ダム関連の計27工事で使われたスラグとみられる砕石から環境基準を超える有害物質を検出。今回の土壌分析では27工事のうち22工事について、土壌汚染対策法に基づき、材料直下の土壌の有害物質の含有量などを調査した。
 その結果、国道17号関連の計4工事でフッ素の溶出量が基準の1・05〜7倍を記録。このうち2工事については土地所有者らと相談して今後撤去する。残りの2工事は対応を検討中という。
 また砕石から基準を上回る有害物質が検出された八ッ場ダム関連の工事のうち計3工事では既に材料の撤去が完了しており、周辺土壌から基準を超えるフッ素は検出されなかったという。
 県も24日、大同に出荷記録がある工事の追跡調査により県工事として新たに6工事でスラグを含む材料の使用が確認されたと発表した。
 そのうちみなかみ町の県道1工事の材料から環境基準を超えるフッ素を検出。周辺土壌のフッ素は基準値内だった。【角田直哉】

**********毎日新聞 2014年12月30日 東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20141230ddm003040044000c.html
クローズアップ2014:広がる有害スラグ 根深いリサイクル偽装

鉄鋼スラグの取引構図。
 八ッ場(やんば)ダム(群馬県長野原町)の移転代替地の整備工事などで有害物質を含む建設資材「鉄鋼スラグ」が使われていた。国土交通省が26日に公表した分析結果では、スラグ使用の疑いがある国発注の56工事のうち27工事で環境基準を超える六価クロムなどが検出された。スラグを巡っては過去にもトラブルが繰り返されており、その背景に本来は産業廃棄物であるスラグの再利用を巡る「リサイクル偽装」とも言える構造的な問題が浮かぶ。【杉本修作】
 ◇「手数料」付け販売
 問題となったスラグは、大手鉄鋼メーカー・大同特殊鋼(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から排出され、その大半を渋川市の建設会社が販売または自社の工事に利用したとみられる。スラグは本来、環境基準を下回っていることを前提に道路の路盤材などに許可を得て使用できる。だが今回は、群馬県内の公園や駐車場で使われたスラグから基準を超える有害物質が次々と検出され、本来使用が認められていない宅地にも使われていた。
 スラグは鉄精製時に出る副産物で、石や砂利の形状をしている。さまざまな化学物質が残存することがあり、そのままでは廃棄物処理法上の産業廃棄物となる。一方で、建設資材などとして以前から再利用され、1991年施行の「再生資源の利用の促進に関する法律」(リサイクル法)でも指定対象となった。
 大同の渋川工場も90年代半ばからスラグの製品化を始め、最盛期で年間2万トンを建設資材として出荷した。だが、毎日新聞が入手した2009年の売買契約書によると、大同側は渋川市の建設会社に1トン当たり100円で販売しながら「販売管理費」として1トン当たり250円以上(出荷量に応じて変動)を支払っていた。製品を売る側が販売額以上の費用を別の名目で支払うこうした取引は「逆有償取引」と呼ばれる。
 スラグを廃棄物として処分するには遮水などの管理が必要で、1トン当たり2万〜3万円の費用がかかるとされるが、逆有償取引なら輸送費などを負担しても同数千円程度とみられ、格段に安価だ。一方、買い取る側は購入した分だけ逆に収入が増えるため、適正な使途のあてがないのに取引を続けることになりかねない。渋川市の建設会社OBは「大同から『スラグを取りに来い』と言われれば全て引き受けた。使い道がないから許可されていない工事にも使わざるを得なかった」と証言する。
 逆有償取引は07年、山陽特殊製鋼(兵庫県姫路市)でも発覚し、リサイクル販売とされた約10万トンのスラグが淡路島で野積みのまま放置されていた。山陽は買い取り業者に運搬費など1億数千万円を支払ったとみられるが、仮に全量を廃棄物として処分していれば20億〜30億円の費用がかかった計算だ。
 スラグは原材料の3〜4割、年間約4000万トン生成されているが、鉄鋼スラグ協会(東京都中央区)のまとめによると、99%が再利用され、廃棄物などの埋め立て処分はほとんどないとしている。再利用の約半分を占めるセメント製造は100年以上の実績がある一方、近年は路盤材などの「逆有償取引」が繰り返されている。ある製鉄関係者は「スラグを廃棄物処分すれば鉄鋼価格に反映され国際競争力は保てない」と打ち明け、「リサイクル偽装」の根深さを示唆した。
 ◇格安、行政にもメリット
 有害スラグの拡散を生んだ別の理由として、建設業界からは行政の不作為を指摘する声も少なくない。
 スラグを使った建設資材は元手があまりかからず、競合する別の資材と比べて価格が3〜4割ほど安いとされ、費用を抑えたい自治体にとっては「渡りに船」という。群馬県では10年6月に県内工事での使用が認められたのを機に、市町村や国の出先機関で利用が広まった。だが、行政による資材の検査は行われず、安全管理は業者任せだった。
 スラグ以外の資材を扱う業者は「あれだけ安く売られたら勝負にならない。行政もそのことを知りながら(有害物質拡散の懸念を)放置していた」と憤る。
 26日に国交省が公表した調査結果に対しては、八ッ場ダム移転代替地の住民に国への不信感ものぞく。今回調査された無許可の56工事の大半は国の管理地で、住民に分譲された土地については「調査に地権者の同意が必要」だとして、一部しか行われなかった。
 ある住民は毎日新聞が八ッ場ダムの問題を報じた8月以降、国交省八ッ場ダム工事事務所の担当者が住民説明会で「住宅地にスラグは使われていない」と強調していたと証言。宅地の下にスラグが使用されていれば土壌や住民の健康に影響を及ぼす可能性もある上、撤去も困難だ。26日の国交省関東地方整備局による記者会見でも担当者は「使われたのは家の下ではなく敷地内。庭の一部」と強調し、影響を最小限に抑えたいとの思惑が垣間見える。長野原町の70代男性は「国が調査結果を公表しても、それだけでスラグの使用がとどまるとは思えない。調査で幕引きしようとしている」と危機感を募らせる。
 一方、スラグを取り扱った渋川市の建設会社は、群馬県以外に長野県などで工事を受注しており、そうした工事に有害スラグが利用された可能性も否定できない。環境問題に詳しい粕谷志郎・岐阜大名誉教授(環境生態学)は「行政は安全管理を業者任せにせず、汚染防止に主体的に取り組むべきで、スラグについても問題がある以上、使用されている資材を徹底して調査すべきだ」と話している。
==============
 ◇鉄鋼スラグを巡る主な事件やトラブル
2005年
 7月 「神鋼スラグ製品」(神戸市)が親会社の神戸製鋼からスラグを買い取った価格が通常より高く、親会社に所得を移転したとして大阪国税局が所得隠しと認定していたことが発覚
10月 JFEスチール東日本製鉄所千葉地区(千葉市)で、スラグの堆積(たいせき)場から汚染水が海に流出しながら水質測定データを改ざんしたとして社員3人を水質汚濁防止法違反で略式起訴
2007年
 8月 山陽特殊製鋼(兵庫県姫路市)がスラグをリサイクル販売した形を取りながら引き取った業者に販売額以上の運搬費などを支払う「逆有償取引」を行っていたことが判明。スラグは野積みされ健康被害を訴える苦情が相次ぎ、山陽が自社で撤去
2010年
 2月 新日鉄名古屋製鉄所(愛知県東海市)でスラグを積んだ敷地内から高アルカリ水が名古屋港に流出していたことが発覚
2014年
 1月 大同特殊鋼(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)でスラグの逆有償取引が判明。群馬県が同社を立ち入り検査
 8月 八ッ場ダム(同県長野原町)の移転代替地でも大同渋川工場から出たとみられる有害スラグが使用されたことを毎日新聞が報じる
10月 名古屋市上下水道局が発注した水道管の取り換え工事で特定の数社が請け負った約220カ所で道路が盛り上がるなどのトラブルが生じていたことが判明。埋め戻し材にスラグが使われ、水を吸って膨らんだためとみられる

**********毎日新聞 2014年09月20日 地方版
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20140920ddlk10040140000c.html
有害物質:鉄鋼スラグ問題 県「深刻」と答弁 /群馬
 大同特殊鋼渋川工場の鉄鋼スラグに有害物質が含まれていた問題で、県の青木勝・環境森林部長は19日の県議会一般質問で「有害物質が出たことを深刻に受け止めている」と答弁した。大手治之議員(自民)の質問に答えた。
 これまでに大同製のスラグが使用された渋川市内の国道や市道など計29カ所で土壌から環境基準を超える六価クロムやフッ素を検出。県は1989年から渋川で井戸水を調査しているが、有害物質による地下水汚染は確認されていないという。青木部長は「廃棄物処理法に基づいて調査を進めている。一日も早く問題の全容を明らかにしたい」と述べた。【角田直哉】

**********毎日新聞 2014年01月28日 06時40分
http://mainichi.jp/feature/news/20140128k0000m040152000c.html
廃材違法取引疑惑:「スラグなぜむき出しに」園児の親怒り
 鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)の渋川工場(群馬県渋川市)から出荷された鉄鋼スラグ。同社のスラグからは環境基準を超えるフッ素や六価クロムが検出されており、汚染への不安や戸惑いが住民の間に広がっている。
 渋川市の調査では、大同のスラグを使って1996〜2009年12月に整備された市内11カ所の施設で、土壌汚染対策法が定める環境基準以上のフッ素や六価クロムが検出された。フッ素の環境基準は、検査対象を水に入れて溶け出す濃度が1リットル当たり0.8ミリグラムだが、最もフッ素濃度の高い保育所駐車場で約8倍の同6.6ミリグラムを検出。六価クロムは、遊園地の駐車場で基準(同0.05ミリグラム)の22倍の同1.1ミリグラムだった。いずれもスラグは手で触れられる状態にあった。
 このうちの保育所は2009年12月ごろ、駐車場に砂利として同社のスラグを敷いた。長男を通わせる同市の30代女性は「子どもは砂利に直接触れるし、手をなめることだってある。なんでそんなものがむき出しになっていたのか」と憤った。
 また、前橋市で現在も進められる国道17号の舗装工事の一部で、大同のスラグがアスファルトの下に敷く「路盤材」として使われている。
 大同によると、09年7月以降、大同や子会社が直接、道路や施設の管理者に販売したことはなく、砕石会社や建設会社を通しているという。【杉本修作、吉田卓矢、角田直哉】
 ◇六価クロム
 フッ素は、継続的に体内に取り込むと骨折リスクが高まるとの研究がある。六価クロムは毒性があり、吸入すると鼻や喉に炎症を起こしたり、肺がんを引き起こしたりするとされる。

**********毎日新聞 2014年01月28日 06時30分
http://mainichi.jp/feature/news/20140128k0000m040153000c.html
大同特殊鋼:鉄鋼廃材、違法取引か 群馬県が立ち入り検査
 東証1部上場の鉄鋼メーカー「大同特殊鋼」(名古屋市)が、渋川工場(群馬県渋川市)から出た有害なフッ素や六価クロムを含む「鉄鋼スラグ」を再生資材として業者に販売する際、販売額より高い費用を払っていたことが分かった。高額な処分費用を免れるため、「引き取り料」として支払っていたとみられる。こうした取引は「逆有償取引」と言われ、廃棄物処理法の適用を受ける。群馬県は27日、今回の取引について同法違反の疑いがあるとして同社を立ち入り検査した。
 同社のスラグを砂利として使った渋川市内11カ所からは環境基準を超えるフッ素などが検出されている。
 毎日新聞が入手した契約書によると、大同は2009年7月、大同の子会社を通じて同市内の道路用砕石会社にスラグを1トン100円で販売する一方、砕石会社に対し「販売管理費」として1トン250円以上(出荷量に応じて変動)を支払う契約を結んだ。
 販売管理費は12年6月の契約更新でなくなったが、代わりに、砕石会社がスラグ入り道路資材を建設会社に販売する際、工事現場までの輸送費を大同が肩代わりするほか、資材の在庫置き場の賃料や事務手数料などとしてスラグ代金(1トン500円)より高い費用を大同が負担するようになった。同工場では年間約2万トンのスラグが生じる。
 大同は契約書の内容を認め、「販売代金より製造、運搬のコストが高くなる場合がある」としている。砕石会社の社長は「うちは大同の指示で動いているだけ。リスクを抱えている以上、大同の負担は当然のこと」と話した。【杉本修作、吉田卓矢】
**********
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エロ動画編集で職務専念義務違反でも停職=無休休職だけで給料を減額させない公務員天国の群馬県

2015-07-26 23:04:00 | 県内の税金無駄使い実態
■2015年3月10日、群馬県は、職務時間中に行政事務用に貸与したパソコンを使って自宅から持ち込んだアダルト動画のファイル名などを編集する操作を長期間にわたって行い、職務専念義務に違反したとして、会計局の補佐兼係長の50代男性を同日付で停職15日の懲戒処分にした、と発表しました。この事件に関連して、当会には「この公務員の時給分のカネを我々の税金から奪ったわけだから、カネを返させてください」 という県民の皆様からの声が寄せられました。そのため、市民オンブズマン群馬では、この事実関係を確認し、 暇を持て余している地方公務員の実態を解明すべく、住民監査請求をおこないましたが、本人が自主的に50万円を返還したとして、監査請求の根拠がないという理由で棄却されました。しかし、職務専念義務に違反していた事実から、その分の給料は減額されるべきであり、過不足ない減額措置がなぜ取れなかったのか、7月16日に公開質問状を群馬県知事に提出しました。その回答が7月24日に県知事から市民オンブズマン事務局に送られてきました。
○2015年3月23日;住民監査結果↓
http://www.pref.gunma.jp/contents/000331296.pdf
https://www.pref.gunma.jp/houdou/v0200007.html
*****【FAX送り状】*****

2015 07/24 16:32 FAX 001

     F A X 送 信 表
               平成27年7月24日
あて先 市民オンブズマン群馬 事務局長 鈴木庸 様
    TEL. 027-224-8567
FAX. 027-224-6624
文書名 公開質問状への回答について
用紙  A4版2枚・B4版 枚・ 版 枚
    (本通信表は枚数に含みません。)
送付者 所属 〒371-8570 群馬県前橋市大手町1-1-1
             群馬県総務部人事課 人事係
    氏名 佐藤 和行 電 話 027-227-2072
             FAX 027-221-2209
通信欄 平成27年7月16日付の公開質問状について、回答をお送りします。どうぞよろしくお願いいたします。

*****【回答内容】*****(それぞれの質問事項を太字で追記しています)


2015 07/24 16:32 FAX 002/003
                    人第157-21号
                    平成27年7月24日
市民オンブズマン群馬
 代表 小川 賢 様
               群馬県知事 大澤 正明
                ( 人 事 課 )
          公開質問状への回答について
 平成27年7月16日付け公開質問状について、下記のとおり回答します。
             記
質問1
 本件監査請求結果によると、人事課は、本件不適正使用について、地公法第35条に規定する職務専念義務に違反する行為であると認められるとしながら、「自席においてパソコンを不適正に使用していたものであり、上司の指揮命令下から離れるなどの事実あったものではない」として、課長補佐が本件不適正使用をしていた期間における当該時間分相当の給料額を減額せず、又は返還を請求しなかったそうです。これは、あきらかに群馬県職員の給与に関する条例(以下「給与条例」という)に照らして違反行為だと思われますが、なぜ給料額の減額又は返還を求めなかったのでしょうか?根拠を含めてご回答ください。


質問1への回答
・群馬県職員の給与に関する条例第10条において、「職員が勤務しないときは、(中略)勤務しない時間一時間につき、給料の月額及びこれに対する地域手当の月額の合計額に十二を乗じ、その額を一週間当たりの勤務時間に五十二を乗じて得た数で除していた額を減額して給与を支給する。」と規定されています。
・職員に対する給与支給の対象となる勤務時間については、労働基準法第32条にいう労働時間と同様に解されており、同条の労働時間については、「労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるもの(中略)と解するのが相当である。」(平成12年3月9日最高裁判所判決)という判例があります。
・本件職員の行政事務用パソコンの不適正使用については、職務専念義務に違反する行為であると認められるものの、事前の承認手続きを欠く遅刻や欠勤等とは異なり、自らの席において行政事務用パソコンを不適正に使用していたものであり、上司の指揮命令下から離れるなどの事実があったものではないため、給料の減額や返還については、いずれも実施していません

質問2
 本件不適正使用と類似の出来事を、3年前に企業局次長が起こしています。今後も、類似の不祥事が発生する可能性が非常に高いと思われますが、群馬県は本件不適正使用のような不祥事が発生した場合に備えて、職員の懲戒処分等の指針や公表基準を定めていますか?今回の懲戒処分である停職15日の根拠も含めてご回答ください


質問2への回答
・本件においては、懲戒処分の公平性・透明性を確保し、職員による信用失墜行為や全体の奉仕者としてふさわしくない非行の未然防止、綱紀粛正を図るため、代表的に非違行為を選び、標準的な懲戒処分の量定を明示した「懲戒処分の指針」を定めています。また、懲戒処分を行った際の公表基準として「群馬県職員の懲戒処分に関する公表基準」を定めています。
・本件事案に関しては、懲戒処分の指針を踏まえ、原因、動機、態様、結果や、本件における前例等を総合的に勘案し、「停職15日」が相当であると判断したものです。←(当会注:判断基準が公開されていない為、県民には確認できません)

質問3
 給与条例第三条は、「給料は群馬県職員の勤務時間、休暇等に関する条例(平成六年群馬県条例第三十五号)第八条に規定する正規の勤務時間による勤務に対する報酬であると定めています。本件不適正使用は職務専念義務違反行為であるから、この条項により給料は減額されるべきではありませんか?


質問3への回答
・質問1において回答したとおりです。

質問4
 本件不適正使用にかかる給与の減額基準は、給与条例第十条に定める給与の減額に基づいて行われるべきものではありませんか?


質問4への回答
・質問1において回答したとおりです。

質問5
 今回の本件不適正使用による不祥事では、減額をせずに停職15日の懲戒処分だけが行われました。この懲戒処分の根拠が未だに不明ですが、停職の場合は、本人に停職期間中給与が支払われないだけであり、いわゆる無給休暇としての懲罰効果しか期待できないと思われます。事実、今回の不祥事でも、課長補佐は「15日間の春休み休暇」で、一件落着という意識でしかなかったように思われます。したがって、停職は職務専念義務違反行為に対するものであり、職務専念義務違反行為の期間中、いわゆる欠勤に相当する時間分の給与等の減額は、給与条例に基づき厳正に行われなければならないのではありませんか?


質問5への回答
・停職処分については、地方公務員法に定められた懲戒処分のなかで、免職に次いで重い処分となっています。停職期間中は給料が当然支給されませんが、期末・勤勉手当や昇給など将来にも影響を与えるものです。←(当会注:これらの情報は開示されない為、県民には事実関係が確認できません)
・また、給料の減額については、質問1において回答したとおりです。

質問6
 本件不適正使用による今回の不祥事では、当該職員が職務専念義務違反の期間における当該時間分の給与相当額として現金50万円を主事的に返還することで、我々が主張する損害は十分補填されたとして、一方的に幕引きをされてしまいました。これでは我々県民、納税者として、とうてい正当な懲戒処分というふうに理解できません。したがって、あらためて、今回の職務専念義務違反の不祥事を精査して、過不足なく原因者職員に正当な懲戒処分が行われるようなルールづくりに直ちに取りかからなければならないのではありませんか?


質問6への回答
・本件懲戒処分については、把握した事実関係をもとに検討を行い、判断したものです。
・給料を減額すべき事案が発生した場合は、給与条例第10条に基づき減額をおこなうことになります。
・なお、給料の自主的な返還については、職員本人の自由意思に基づくものであるため、県が組織として基準を定める性質のものではないと考えます。
**********

■「懲戒処分」は、労働者が問題行動を起こした時に、所属先の会社が当人に罰を与える事ですが、その内容にはいくつかの段階があります。軽い順番から並べると、次の種類があります。

●「戒告・けん責」:戒告(かいこく)と譴責(けんせき)はほぼ同じで、懲戒処分の中では最も軽い部類に入る。「つよく戒める」「厳しくしかる」という感じで、将来的に問題行動を起こさないように厳重に注意すること。
●「減給」:読んで字のごとく、給料を減らされること。ただし労働基準法によって、好き勝手に減給額を決められず、1回の減給額は1日の賃金(平均賃金)の半額、月給制であれば1か月の減給額は10%までの上限あり
●「出勤停止・停職」:罰として所属先に来ることを禁止するため、休み中の給料は支払われない。減給処分のように「減給額は給料総額の10%まで」という制限はない。但し、労働協約は、締結されたままなので、機密保持義務や、社会保険等の権利は継続される。
●「降格」:労働者のランク(職位)を下げること。ランクが高くなると給料が上がる場合が多いので、降格は事実上の減給処分になることもある。但し、場合によっては職位が下がっても減給にならないこともある。
●「諭旨退職」:所属先から労働者に対して自分から退職するように告げること。これに従わないと懲戒免職になるため、実質的には懲戒免職と殆ど同じです。但し、「自分から辞めた」という形なので、経歴につく傷は小さくなる。
●「懲戒免職」:労働者をクビにするという最も重い処分。通常の解雇と違って事前に予告したり解雇予告手当てを支払う必要が無く、多くの場合は退職金が支払われなかったり、減額されたりする。但し、処分の内容が厳しいだけに、よほどの理由がないと法的に正当とみなされない。

■公務員の懲戒処分については、民間の場合と少しことなり、免職、停職、減給、戒告の4種類です。
●免職は、公務員の職を失わせる処分のことで、懲戒処分によって行われたものを特に懲戒免職という。
●停職は、職員としての身分を保有させながら一定の期間その職務に従事させない処分で停職者は原則としてその期間中給与を受けることができない。
●減給は、文字通り公務員の俸給の支給額を減ずる処分のこと。
●戒告は、本人の将来を戒める旨の申し渡しをする処分のこと。
 以上は法律上の処分ですが、実務上はこのほかに訓告、厳重注意などがあります。訓告は公務員部内において監督の地位にある者が、職員の義務違反に対してその責任を確認し、将来を戒めるために行う行為で、法律上の処分である戒告よりも軽い処分とされています。厳重注意は戒告よりもさらに軽い処分といえます。

■群馬県人事課の質問2への回答の中で触れられていた群馬県の「懲戒処分の指針」と、懲戒処分を行った際の公表基準である「群馬県職員の懲戒処分に関する公表基準」について、さっそく検索してみました。

 ところが、「懲戒処分の指針」「群馬県職員の懲戒処分に関する公表基準」について、群馬県のHPにある「群馬県法規集(平成27年5月31日)」を検索して見ましたが、どこにも見当たりませんでした。
http://www3.e-reikinet.jp/cgi-bin/gunma-pref/D1W_login.exe

 有るとすれば、これらは、この法規集の「第1編 総規」「第5章 公務員」「第7節 分限及び懲戒」に掲載されていなければならない筈ですが、見つかったのは次の条例だけでした。
○群馬県職員の懲戒の手続及び効果に関する条例
http://www3.e-reikinet.jp/cgi-bin/gunma-pref/D1W_resdata.exe?PROCID=732727000&CALLTYPE=1&RESNO=330&UKEY=1438042254625

■そこで、群馬県のHPを検索するのをあきらめて、一般の検索を試みました。すると、「懲戒処分の指針」については、次の新聞記事に掲載されていました。

**********上毛新聞2007年5月29日
群馬県と県教委が懲戒処分の指針、免職は氏名公表
http://www.raijin.com/news/a/29/news01.htm
 群馬県と群馬県教育委員会は28日、それぞれ懲戒処分の指針を策定するとともに、免職については職員の氏名や所属先を原則として公表するとした基準を発表した。
<主な標準例と処分>
【知事部局、教育委員会】
○一般服務
 ●勤務時間中に職場を離れ、職務を怠る   → ――・――・減給・戒告
 ●他の職員に暴言             → ――・――・減給・戒告
 ●虚偽の報告            → ――・――・減給・戒告
 ●秘密の漏えい              → 免職・停職・――・――
 ●セクハラやストーカー行為        → 免職・停職・減給・――
○公金関係
 ●諸給与の不正支給・受給         → ――・――・減給・戒告
 ●虚偽の公文書作成            → 免職・停職・――・――
○倫理関係
 ●職務に関する利害関係者から金銭・物品受領→ 免職・停職・減給・戒告
○公務外
 ●賭博                  → ――・――・減給・戒告
 ●淫行・痴漢               → 免職・停職・減給・――
○交通関係
 ●酒気帯び運転              → 免職・停職・――・――
 ●酒気帯び運転で事故を起こし、必要な措置をしない
                      → 免職・――・――・――
○監督責任
 ●非行の隠ぺい・黙秘           → ――・停職・減給・――
【教育委員会】
○一般職務
 ●児童生徒にかかわる重要な個人情報を紛失したり、盗まれる
                      → ――・――・減給・戒告
○公務外
 ●淫行                  → 免職・――・――・――
 ●痴漢、のぞき、盗撮など         → 免職・停職・――・――
○児童生徒に対する非行・違反行為
 ●体罰で重傷を負わせた上、体罰を常習的に行っていた場合
                      → 免職・停職・――・――
 ●屈辱的な言動で児童生徒に著しい精神的苦痛を負わせる
                      → 免職・停職・減給・戒告
 ●児童生徒にわいせつ行為         → 免職・――・――・――
 ●児童生徒にわいせつな言動を行う     → 免職・停職・減給・戒告
**********

■また、「群馬県職員の懲戒処分に関する公表基準」については、ネット検索しても見つかりませんでした。かわりに、次に示す「群馬県教育委員会の懲戒処分に関する公表基準」が見つかりました。

**********
群馬県教育委員会の懲戒処分に関する公表基準
https://www.pref.gunma.jp/03/x0110051.html
平成17年5月25日制定
平成20年7月1日改正
教育委員会が教職員に対して地方公務員法に基づく懲戒処分を行ったときは、下記の基準により公表する。
     記
1 公表する懲戒処分
 地方公務員法に基づく全ての懲戒処分(免職、停職、減給又は戒告)
2 公表する内容
(1)公表する内容は、原則として次に掲げる事項とする。
ア 免職処分事案
(ア)対象教職員の所属名
(イ)対象教職員の職
(ウ)対象教職員の氏名
(エ)対象教職員の年齢
(オ)処分事由
(カ)処分内容
(キ)処分年月日
イ 停職、減給又は戒告事案
(ア)対象教職員の学校種等
(イ)対象教職員の職種又は職位
(ウ)対象教職員の年齢
(エ)処分事由
(オ)処分内容
(カ)処分年月日
(2)(1)の規定にかかわらず、被害を受けた児童・生徒が特定されるなどの場合において、被害者等の権利利益の保護等を総合的に勘案し、一部について公表しないことができる。
3 公表の時期
処分を行った後すみやかに公表する。
被害者等の権利利益の保護等の観点から処分後直ちに公表できない場合についても、できうる限りすみやかな公表に努めるものとする。
**********

■この事件は、群馬県人事課によると、男性職員は昨年4月末から12月10日にかけて、前橋市の県庁内で勤務中、USBメモリーなどにダウンロードした動画ファイルのファイル名を編集したり、再生時間や映像の解析度などの情報を書き込んだりしていた。パソコンの操作履歴から、1日当たり30分程度、こうしたファイル整理の作業をしていたことが判明したというものです。

 この事件について、群馬県人事課は回答1の中で「職員に対する給与支給の対象となる勤務時間」についての根拠として示されていた平成12年3月9日の最高裁判決では、確かに「労働基準法第32条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるもの(中略)と解するのが相当である。」(平成12年3月9日最高裁判所判決)となっています。

この解釈について、県人事課は「本件職員の行政事務用パソコンの不適正使用については、職務専念義務に違反する行為であると認められるものの、事前の承認手続きを欠く遅刻や欠勤等とは異なり、自らの席において行政事務用パソコンを不適正に使用していたものであり、上司の指揮命令下から離れるなどの事実があったものではないため、給料の減額や返還については、いずれも実施していません」としています。

 しかし、これをよく読むと、理屈が合わない感じがします。労働時間に該当するかどうかの判断基準として最高裁の判例では「労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価できるかどうか客観的に定まるもの」とありますが、群馬県の都合のよい解釈では「勤務時間中に自席にいればよい」ということなので、例えばネットで株取引やエロ画像編集をしていても、減給されないことになります。ただでさえ高給取りの公務員なのに、さらに暇な勤務時間を利活用して、趣味やアルバイトにせっせと精を出せることになります。

 今回の場合、当該職員が事前の承認手続きを得てエロ画像編集作業をしていれば、問題なかったことになるのでしょうか?おそらく当該職員はそのような承認手続きをとっていなかったものと思われます。であれば、当該職員の後ろ側(窓際側)には、次長や課長ら上司の席があって、パソコン画面が上司らの目に触れていたはずなので、事実上の承認を得ていた(黙認されていた)と群馬県では、仲間である当該職員の都合に合わせて解釈したことになります。


■当会では職務専念義務違反であることから、その期間中の給料は、懲戒処分とは関係なく減額されるべきだと考えて、住民監査請求をしたのですが、本人が自主的に50万円を県に返還したとして、群馬県監査委員は、結果的に給料減額だとして請求の意味がないと判断してしまいました。

 この結果、もし当会が住民監査請求を行わなかったら、給料減額は行われないことになります。

 となると公務員の場合、職務専念義務違反をしても、それが公表されずに、また、オンブズマンのような納税者の個人や団体が、手間のかかる住民監査請求に踏み切らない限り、給料減額は免れることになります。言い換えれば、オンブズマンらから住民監査請求を提起された場合は、今後、不運な前例として、自主的に30万円とか50万円を群馬県に返還せざるを得ないということになり、類似の違反行為をしても、運不運によって、不公平な事態が起こり得ることになります。

 職務専念義務違反による懲戒処分としての停職処分と、物理的に勤務時間中にエロ画像編集をしたことによる給料減額とは切り離して、考える必要があると思いますが、公務員の人事は、そうした民間の常識とは別次元のようです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

○参考資料:
【最高裁判例】
出典:裁判所のHP↓
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52572
事件番号:平成7(オ)2029
事件名:賃金請求事件
裁判年月日:平成12年3月9日
法廷名:最高裁判所第一小法廷
裁判種別:判決
結果:棄却
判例集等巻・号・頁:民集 第54巻3号801頁
原審裁判所名:福岡高等裁判所
原審事件番号:平成1(ネ)193
原審裁判年月日:平成7年4月20日
<判示事項>
一 労働基準法上の労働時間の意義
二 労働者が就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ又はこれを余儀なくされた場合における当該行為に要した時間と労働基準法上の労働時間
三 労働者が始業時刻前及び終業時刻後の作業服及び保護具等の着脱等並びに始業時刻前の副資材等の受出し及び散水に要した時間が労働基準法上の労働時間に該当するとされた事例
<裁判要旨>
一 労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)三二条の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであって、労働契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるものではない。
二 労働者が、終業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを使用者から義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときは、当該行為は、特段の事情のない限り、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、当該行為に要した時間は、それが社会通念上必要と認められるものである限り、労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)三二条の労働時間に該当する。
三 就業規則により、始業に間に合うよう更衣等を完了して作業場に到着し、所定の始業時刻に作業場において実作業を開始し、所定の終業時刻に実作業を終了し、終業後に更衣等を行うものと定め、また、始終業の勤怠は更衣を済ませ始業時に準備体操場にいるか否か、終業時に作業場にいるか否かを基準として判断する旨定めていた造船所において、労働者が、始業時刻前に更衣所等において作業服及び保護具等を装着して準備体操場まで移動し、副資材等の受出しをし、散水を行い、終業時刻後に作業場等から更衣所等まで移動して作業服及び保護具等の脱離等を行った場合、右労働者が、使用者から、実作業に当たり、作業服及び保護具等の装着を義務付けられ、右装着を事業所内の所定の更衣所等において行うものとされ、副資材等の受出し及び散水を始業時刻前に行うことを義務付けられていたなど判示の事実関係の下においては、右装着及び準備体操場までの移動、右副資材等の受出し及び散水並びに右更衣所等までの移動及び脱離等は、使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができ、労働者が右各行為に要した社会通念上必要と認められる時間は、労働基準法(昭和六二年法律第九九号による改正前のもの)三二条の労働時間に該当する。
<参照法条>
労働基準法(昭和62年法律第99号による改正前のもの)32条
<全文>
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/572/052572_hanrei.pdf
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群馬高専アカハラ問題で、オンブズマンの情報開示請求に対し同校が不開示決定通知で開示拒否

2015-07-24 23:12:00 | 群馬高専アカハラ問題
■市民オンブズマン群馬では、アカハラ問題が取り沙汰されている群馬工業高等専門学校に対して、6月26日に情報開示請求をしていました。群馬高専は30日以内に開示の可否を判断して請求者に回答しなければならないところ、28日目の木曜日、7月23日付で文書にて回答をよこしました。その回答文書のタイトルは「法人文書不開示決定通知書」でした。


**********【群馬高専からの返事】**********
                    群高専総総 第184号
                    平成27年7月23日
          法人文書不開示決定通知書
 市民オンブズマン群馬
  代表者  小 川   賢  様
               独立行政法人国立高等専門学校機構

 平成27年6月26日付けで請求のありました法人文書の開示について、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第9条第2項の規定に基づき、下記のとおり開示しないことと決定しましたので通知します。
            記
1 不開示と決定した法人文書の名称
(1)平成26年(2014年)4月1日以降、現在に至るまでの間に、貴学内の関係者(教職員、学生を含む)或いは貴学外の関係者(卒業生、同窓生、保護者を含む)に対して、学内のハラスメント行為に関して発信した一切の文書
(2)平成26年(2014年)4月1日以降、現在に至るまでの間に、学内のハラスメント行為に関して、学校長ら貴学幹部、あるいは総務課や学生相談室、カウンセラーあてに、貴学内(教職員学生を含む)或いは貴学外の関係者(卒業生、同窓生、保護者を含む)から寄せられた申立や相談などの一切の文書。
(3)上記②の受付後、貴学内において対応等を協議した場合は、その起案書や議事録などのー切の関連文書。

2 不開示とした理由
 開示請求のあった(1)~(3)に該当する文書については、その存否を応えることにより、ハラスメント行為に寄せられた申立や相談などがあったという事実の有無を示すこととなります。したがって、その事案の性質に鑑みプライバシー保護の観点から、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第8条の規定により、その存否を明らかにすることはできません。

※ この決定に不服があるときは、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定に基づき、この決定があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に、独立行政法人国立高等専門学校機構に対して異議申立てをすることができます。
  また、この決定の取消しを求める訴訟を提起する場合は、行政事件訴訟法(昭和37年法律第139号)の規定に基づき、この決定があったことを知った日から6ヶ月以内に、独立行政法人国立高等専門学校
  機構を被告として、同法第12条に規定する裁判所に処分の取消しの訴えを提起することができます。
       担当窓口
         独立行政法人国立工業高等専門学校機構
         (学校名) 群馬工業高等専門学校
         (担当課・係名) 総務課課長補佐
         (住所) 〒371-8510群馬県前橋市鳥羽町580番地
         (TEL) 027-254-9012
         (FAX) 027-254-9022
********************

■不開示決定通知書で、群馬高専が不開示通知の判断の根拠としているのが、「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」です。↓
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H13/H13HO140.html

 群馬高専は、この法律の第9条第2項を根拠として当会の開示請求に対して不開示の通知をしてきました。

**********
(開示請求に対する措置)
第九条  独立行政法人等は、開示請求に係る法人文書の全部又は一部を開示するときは、その旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨及び開示の実施に関し政令で定める事項を書面により通知しなければならない。
2  独立行政法人等は、開示請求に係る法人文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る法人文書を保有していないときを含む。)は、開示をしない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を書面により通知しなければならない。
**********

 そして、この法律の第8条を根拠に、群馬高専は当会が情報開示請求をした当該情報の不開示を決めたというのです。

**********
(法人文書の存否に関する情報)
第八条  開示請求に対し、当該開示請求に係る法人文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、独立行政法人等は、当該法人文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
**********

■当会では、群馬高専に関して、同校内で実際にアカデミックハラスメントがあったという情報が寄せられたことから、その事実確認と、学校側の対処状況の確認をして、真相解明と責任の所在明確化、再発防止を図るため、平成27年4月15日に同校トップに公開質問状を提出しました。
○2015年4月15日:アカデミックハラスメント被害に揺れる群馬高専の学校長に対して実態把握と善処を求める公開質問状を提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1584.html

 ところが、同校の学校長からは、4月20日付で「事案の性質に鑑みプライバシー保護の観点から回答を控えさせていただきます」として回答を拒否されました。
○2015年4月21日:アカデミックハラスメント被害に揺れる群馬高専の学校長からオンブズマンに「一切回答拒否」と返事↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1590.html

 そのため、当会では、同校を含め全国の高専を統括する国立高等専門学校機構に対して、5月13日付で要請書兼公開質問状を提出しました。群馬高専からの回答拒否を受けて、上級機関から群馬高専へのアカハラ根絶のための指導を期待してのことでした。
○2015年5月14日:群馬高専のアカハラ問題の実態解明と再発防止策の確保を願い国立高等専門学校機構に要請↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1613.html

 国立高等専門学校機構からは、5月21日に「群馬高専を含む全国の告知る高専におけるアカハラ対応に際しては、当事者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重し、適切に対処することにしている」「群馬高専のアカハラの実態・防止策について、情報公開請求を行う場合は、公開請求する文書を保有している学校へ請求できる」「群馬高専におけるアカハラについての機構としての対応は、教職員及び学生等がその能力を十分発揮できるような就労環境及び修学環境を維持するため並びに関係者の利益を保護するため、ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにハラスメントに起因する問題が生じた場合に適切に対応するための措置を講じている」という内容の回答がありました。
○2015年5月23日:群馬高専のアカハラについて、オンブズマンの要請と質問に対して国立高等専門学校機構が回答↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1624.html

 これを受けて当会は、6月26日付で、群馬高専に対して情報開示請求を行ったものです。
○2015年6月27日:群馬高専をめぐるアカハラ問題で、市民オンブズマン群馬が情報開示請求書を同校に提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1651.html

■結果的に、群馬高専は、公開質問状に対する4月20日付の「事案の性質に鑑みプライバシー保護の観点から回答を控えさせていただきます」とする拒否回答と同じ理屈で、当会の情報開示請求を門前払いしたことになります。

 これまで同校自身のコンプライアンスや組織ガバナンスの自己機能を尊重しつつ、開かれた同校の姿勢を期待していましたが、ここまで頑なに、アカハラの実態を外部に隠そうとする組織風土を見せつけられますと、今後同校を志望する学生や保護者のかたがたへの影響も心配されます。

 同校が今回も主張している「今回の事案の性質に鑑みプライバシー保護の観点から、オンブズマンのような学外関係者への情報開示請求を拒否する」という理由は、いったい誰のプライバシー保護なのか、今後、異議申立ての中で、明らかにしていきたいと思っています。

■これまでにも触れたように、同校ではHPで「群馬高専におけるハラスメントの防止と対応について」として、次のメッセージを掲げています。
「群馬高専における学生の修学、教職員の各種業務は、有意義なものでなければなりません。しかしながら、各種の人間関係は時として不適切なものになり、一方的に人格を否定されることもあり、また、何気ない冗談が、人を大きく傷つけることもあります。」
「意図的に行われたハラスメントはもちろん、意図的でなくても、叱咤激励したつもりの言動や、軽い冗談のつもりであった言動が、受け手にとっては激しい苦痛となることがあり、それはハラスメントとなりうることを認識する必要があります。」
「群馬高専では、このようなハラスメントが生じないよう、また、万一ハラスメントが生じた場合には、迅速に対応するよう努力いたします。 そのためには群馬高専に関わるひとりひとりの協力がぜひとも必要です。 みなさんの協力により、ハラスメントのない環境を実現させたいと考えています。」

 当会は、ものづくり日本の昨日、今日、明日を支える役割を果たせるようにするためにも、群馬高専で取りざたされているハラスメントが今後発生しないように、また、発生しても直ちに学校側の自浄作用で迅速に解決が図れるように、学外から協力したいと考えています。

 その意味でも、同校が当会の考え方を理解できるかどうかを確認する意味でも、異議申立ては有意義だと思うので、当会として、60日以内に異議申し立てに踏み切ることを前提に、検討を行う所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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大同スラグ問題を斬る!・・・渋川広域ゴミ処分場を巡る公金違法支出に地元議員らが住民監査請求

2015-07-24 07:02:00 | スラグ不法投棄問題
■渋川地区広域市町村圏振興整備組合は、群馬県のほぼ中央部に位置する3市町村(渋川市・吉岡町・榛東村)で組織されている一部事務組合で、消防、ゴミ処理、し尿処理、浄化槽清掃、火葬・斎場、夜間急患診療、職業訓練、運動場等の広域関連事務を共同処理しています。このうち最も大きな事業の一つであるゴミ処理について、同組合では、新しく2012年11月30日から一般廃棄物処分場を建設してきました。建設工事期間中とその前後は、渋川広域のゴミは安中市のサイボウ環境㈱(実際には長野県のイーステージ㈱が所有・運営)の一般廃棄物処分場で受け入れていました。同組合のこのゴミ処分場の建設を巡っては、さまざまな不正行為が取りざたされており、これまでにも地元のかたがたから当会に情報が寄せられ、ブログで紹介してきました。
○2014年10月3日:渋川広域ごみ処分場・・・環境省交付金約10億円の行方を左右する疑惑の変更協議と有毒スラグ問題↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1414.html
○2015年3月9日:大同有毒スラグ問題を斬る!…最終処分場の建設に大同スラグが使われた動かぬ証拠↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1550.html

渋川広域ゴミ処分場を巡る公金不正支出に関する住民監査請求を報じた本日の毎日新聞記事。
**********毎日新聞2015年(平成27年)7月24日朝刊群馬版
20150724_shibukawakoiki_gomishobunjou_juminkansaseikyu_kiji.pdf
渋川処分場 2議員が監査請求
「違法増額」1億2400万円返還求め
 渋川市での廃棄物処分場建設で違法な増額変更があったとして、角田喜和・渋川市議と小池春雄・吉岡町議が23日、渋川市、吉岡町、榛東村でつくる「渋川地区広域市町村圏振興整備組合」管理者の阿久津貞司渋川市長に約1億2400万円の返還を求める住民監査請求をした。工事に使われた大同特殊鋼のスラグ砕石の撤去も求めている。
 住民監査請求署によると、最終処分場建設の総事業費は当初、約30億9400万円だったが、最終的に約9700万円増額した。しかし、組合は議会に増額と説明しながら、県や国には減額と説明していることから、差額約1億2400万円を「違法な公金支出」だと主張している。【尾崎修二】
**********

■今回、これら不正行為の清算の総決算として、地元議員らが住民監査請求に踏み切ったことが、当会をはじめマスコミ関係にも情報として通告がありましたので、以下に住民監査請求の内容を報告いたします。

*****【住民監査請求の内容】*****
          住民監査請求書
渋川地区広域市町村圏振興整備組合監査委員殿
          請求の要旨
1、監査対象者  渋川地区広域市町村圏振興整備組合
         管理者 阿久津 貞司
2、事件の概要 
 平成24年11月8日、渋川地区広域市町村圏振興整備組合(以下、渋川広域)は、「(仮称)渋川地区広域圏一般廃棄物最終処分場建設工事」(以下、本件工事)の「条件付き一般競争入札」を執行し、「瑞穂・北部・石関(仮称)渋川地区一般廃棄物最終処分場建設工事特定建設工事共同企業体」(以下、本件JV)が落札、30億9,435万円(消費税5%含む)工期、平成26年9月30日にて請負契約を締結した(以下、当初契約)。
 後に、工期延長(平成26年12月22日まで)、平成26年7月25日に6,823万4,400円の増額変更(以下、本件変更契約1)及び平成26年12月19日に2,884万6,800円の増額変更(以下、本件変更契約2)の二度の増額変更契約を経て、渋川広域は、本件JVに総計31億9,143万1,200円支払い、当初契約との差額9,708万1,200円が増額となった。
 しかし本件工事は、総事業費の三分の一を環境省からの補助金「循環型社会形成推進交付金」で賄う事業の一部「最終処分場整備事業」である。補助比率三分の一は不変であるから、事業費が増額となれば補助金も同比率で増額申請すべきところ、平成27年1月20日付、群馬県知事宛「平成26年度循環型社会形成推進事業実績報告書」(事実証明書1)様式7-2によれば、「交付基本額(実績額)」30億6,726万5,000円・「交付金実績額」9億9,741万4,000円ともに減額されており、もし「交付基本額(実績額)」が事実なら(事実でなければ、虚偽の報告になるが)減額変更契約にならなければならない。
 渋川広域副管理者「飯塚寛巳」、事務局長「飯塚英樹」が議会で説明した増額変更契約と整合性がない。その差額 「1億2,416万6,200円」は違法な公金支出である。
 また、本件工事には設計書と異なる仕様の資材「有害産業廃棄物」が一部使用された形跡が認められる。減額変更を行わず正規の資材の金額を「有害産業廃棄物不法投棄」に支払っている。
3、本件変更契約の違法性 
 一部事務組合である渋川広域は、地方自治法(以下、法)第1条の3の③に規定される特別地方公共団体であり、法第2条⑯前段に、「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない。」同じく⑰「前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする。」とある。
 法第234条には、契約の締結の規定がある。本件当初契約も条件付き一般競争入札(官製談合の疑いあり)の後、議会議決を経て締結された。そもそも入札にあたっては設計図書を精査して、積算し入札額(契約額)を決定してあるはずであるが、諸般の事情により契約の変更が必要な場合もありうる。その場合双方が書面により協議し合意した後、契約変更議案を議会に諮り、議決を経て変更契約を締結してから変更部分の工事を施工するのが原則であり、「建設業法第19条第2項」に規定されている。
 低金額で落札の後、設計図書を精査して積算したはずの契約額を施工段階で安易に増額変更することは、請負制度・入札制度を蔑ろにすることに他ならない。
 さて「本件変更契約」(平成26年7月25日議決)(以下、変更契約1)を検証すると、議会に諮ったということは、「変更契約1」が議会議決を要する議決事件との認識はあったということになる。だとすれば「変更契約1」のコリンズ(一般財団法人日本建設情報総合センター工事実績)変更登録日は、群馬県建設工事必携(赤本)の定めにより、平成26年7月25日から10日以内でなければならない。かつ増額変更した工事の着工も同日以降でなければならないはずであるが、その増額変更工事はほとんどすべて平成26年7月25日時点ですでに終了している。
 よって、以下の違法が認められる。
ア、契約変更を行わず、変更工事を施工した(議会で説明された工事が実際に額面どおり施工されたか否かは後に陳述する)建設業法第19条の2項違反である。
イ、「本件変更契約1」のコリンズ登録を見ると、工期延長登録は平成26年10月20日、増額変更は10月23日に変更登録となっている。ともに変更事由発生年月日は、(仮契約の日付)平成26年7月2日となっている。大幅な登録の遅れ、不可解な、同一契約書の工期延長、増額変更の日を違えての登録等、変更仮契約書が日付を遡って偽造された疑いがある(3か月の登録遅延の理由がない)。
 請求者が担当職員に聞き取りの結果、議会議決の時点で仮契約書は存在しなかった。仮契約書も無く、議会に諮ったこと事態、地方自治法第96条の違反である。
 また、7月25日に議決された「本件変更契約1」の増額部分で、本来設計変更の対象にならないものが違法に多く計上されていることが資料請求により判明した。
 次に、2回目の「本件変更契約2」(平成26年12月19日議決)はインフレスライド条項を適用しているが、国が決めた制度の適用であるなら、当然インフレスライドによる増額変更分は交付基本額(実績額)30億6,726万5,000円に含まれなければならず、増額するなら総交付基本額を増額しなければならない。
 増額分は、渋川広域の単独事業費で支出すべき性格のものではない。
 本来設計変更の対象にならないものが違法に多く計上されており不当計上である。
 例えば、12月19日の変更に於いて、性能発注の数量変更はあり得ない。インフレスライドを適用しているが、実際には全体スライドを適用している。
ウ、契約変更をしない違法 
 新聞報道及び群馬県廃棄物リサイクル課等によれば、大同特殊鋼㈱(以下、大同)由来の有害鉄鋼スラグ(産業廃棄物)が、佐藤建設工業㈱(以下、佐藤)により天然砕石と混合され(以下、スラグ混合砕石)大同、佐藤ともに産業廃棄物処理の資格が無いにもかかわらず、県下一円の建設工事に使用されたとされている。
 請求者が、大同から得た回答書(事実証明書3)によると、本件工事にも、大同中央混合所(スラグ砕石製造)から、天然砕石の代わりに1,250立米の「スラグ混合砕石」が搬入された記録がある。
 また設計書A-13にサンドマット工の表示がある(約1,680万円)が、その資材搬入の記録がない。施工していないか「スラグ混合砕石100-0」で代用した(不法投棄)可能性がある。いずれも設計書と異なる資材を使ったのであるから設計変更していなければ出来形不足となる。「スラグ混合砕石」が仮に設計書当初の材料と同等の強度を有していたとしても環境基準を超えた六価クロム・フッ素等が含まれていては使用できない
 設計変更・減額変更しないのも違法であり、産業廃棄物不法投棄であり当初設計の材料単価での支払いは詐欺的行為である。
 本件工事の目的物は、有害物質を環境に拡散させないための「クローズド型最終処分場」である。その目的物自体から有害な六価クロム・フッ素が浸出したのでは、「循環型社会形成推進交付金事業」の目的が達せられたとは言えない。
4、事件の背景  
 受注者側(本件JV)が不当な増額を要求しても、発注者側(渋川広域)が受け付けなければ何ら問題はないが、本事件は、副管理者・事務局長が率先して、議会において虚言を弄してあたかも正当・適法であるかのように一部議員を錯誤に陥れ、違法な議案を議決させ違法な公金支出をさせ渋川広域に損害を与えたものである。
 公共工事を介して、役所(公務員)が特定事業者に便宜を図り、不当利得を得させる構図は、官製談合と何ら変わりはない。
 ちなみに事件当時の副管理者 飯塚寛巳被告は、平成27年7月7日前橋地裁において、加重収賄などの罪で懲役2年6か月、執行猶予4年、追徴金15万円の有罪判決を受けた。(事実証明書2)
5、措置の勧告
 監査委員に次の措置を求める
1)渋川地区広域市町村圏振興整備組合 管理者 阿久津貞司は、違法な公金支出1億2,416万6,200円を渋川広域に返還せよ。
2)渋川地区広域市町村圏振興整備組合 管理者 阿久津貞司は、環境大臣に提出した循環型社会形成推進交付金申請書を取り下げ、全工事費による補助金を申請せよ。
3)渋川地区広域市町村圏振興整備組合 管理者 阿久津貞司は、瑞穂・北部・石関(仮称)渋川地区一般廃棄物最終処分場建設工事特定建設工事共同企業体に、本件工事に使用した「大同」由来の産業廃棄物スラグをすべて取り除かせよ。
6、請求者
  住 所  群馬県渋川市○○○○○
  職 業  渋川市議会議員
  氏 名  ○○○○                
  住 所  群馬県北群馬郡吉岡町○○○○○
  職 業  吉岡町議会議員
  氏 名  ○○○○
以上、地方自治法第242条第1項の規定により、別紙事実証明書を添え、必要な措置を請求します。
               平成27年7月23日 
渋川地区広域市町村圏振興整備組合監査委員 殿

         事実証明書
1,平成24年度循環型社会形成推進交付金申請書
2,平成27年7月8日新聞記事
3,請求者が、大同特殊鋼(株)本社総務部広報室から得た回答書
**********

■このように、渋川広域のゴミ処分場はデタラメな行政手続きのオンバレードで作られたことが分かります。

 とくに、談合による高い落札率、工事着工後の事業費の増額変更、そして有害スラグの不法投棄は、群馬県の公共事業の3点セットとも言うべき特徴となっています。こうして生み出された不正利得は、裏金として受注業者側から政官の関係者に還流され、さらなる政官業の癒着を生み出す構図となっています。先日の渋川市副市長の逮捕も、そうした構図が生み出した事象のひとつとしてとらえることが出来ます。

■渋川広域組合のHPのトピックスには、2013年8月5日付で「『(仮称)渋川地区広域圏一般廃棄物最終処分場建設工事』に係る住民訴訟についての経過報告」が自慢げに掲載されています。
http://www.sknet.or.jp/topics/sosyou

**********
(仮称)渋川地区広域圏一般廃棄物最終処分場建設工事」 に係る住民訴訟についての経過報告
1 住民訴訟の結果  全面勝訴
2 判決(理由)
 ・却下及び棄却(無効確認を求める訴え及び請負契約の解除を求める訴えは、不適法であるから却下、違約金の徴収については、根拠のない請求を求める請求は理由がないため棄却)
3 住民訴訟の概要
 地方自治法第242条の2第1項第2号及び第4号に基づき、(仮称)渋川地区広域圏一般廃棄物最終処分場建設工事に係る条件付き一般競争入札の無効の確認及び同工事の建設工事請負契約を解除し、違約金を徴収せよと求めた事件です。
4 訴訟の経過
 (仮称)渋川地区広域圏一般廃棄物最終処分場建設工事について、渋川地区広域市町村圏振興整備組合及び管理者が被告として平成25年2月14日訴え提起により住民訴訟に至りました。しかしながら、前橋地方裁判所において、「本件入札等は、行政処分にあたらないから、無効確認を求める訴えは、不適法である」、「本件請負契約の解除を求める訴えは、不適法であるからこれを却下する」及び「原告のその余の請求については、理由がないからこれを棄却する」 という判決が同年5月24日に言い渡され、同年6月12日にこの判決が確定しました。
平成25年2月14日 原告が前橋地方裁判所に訴え提起
平成25年4月26日 第1回口頭弁論、結審
平成25年5月24日 判決言い渡し
平成25年6月12日 判決確定
**********

■今回の住民監査請求の結果、棄却なり却下の監査結果が出た場合、住民訴訟に持ち込まれることも想定されますが、その場合、前橋地裁は上記の2年前の事件と同じように訴訟不適格として門前払いをすることは、客観的にみてかなり難しいと思われます。

 前橋地裁に無用な迷惑をかけないためにも、渋川広域組合の監査委員は、しっかりと監査をして、まちがった監査結果を出さないようにしてほしいものです。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】
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